反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

官直人は民主結党時から野(や)党と与(よ)党の中間、(ゆ)党路線が本質

 官直人は小沢一郎が中心になって成立した非自民内閣の厚生大臣時に薬害エイズ問題で厚生省官僚の資料が隠しを追及し、国民的人気を得た。その後、鳩山兄弟をスポンサーとする民主党結党に参加し、鳩山由紀夫とともに党のダブル代表として国民向けの二大看板となった。
 
 しかしこの時すでに鳩山由紀夫と官直人の間の政治手法上での大きな違いを指摘する見解が、ここにある。
 
 松沢成文現神奈川県知事の著書「拝啓、小沢党首殿」1997年出版。
引用する前にこの人物の経歴、政治内容をごく簡単に確認しておく必要が生じている。
 
 1957年生まれ。慶応中、高、大学を経て松下政経塾出身。米国留学でアメリカ政治を体験。1993年小沢氏等の新生党から当選。
 1996年、新進党結成に参加、  
 1997年、新進党分党   <新進党内の内紛に対して小沢氏への批判として書かれたのがこの本>
 1998 、民主党結成   <鳩山、官の民主党結党に誘われたがすぐに参加せず、ワンクッションおいて  
 2000年、民主党から衆院議員当選
 2003年民主党離党 神奈川県知事当選
 
 政治傾向は経歴にもあるように典型的な新保守主義。尊敬する政治家はマーガレット、サッチャー
当然、小泉純一郎には彼が郵政改革を標榜して、総裁選に出馬していた頃から、シンパシーを抱いている。
 
郵政改革がおこなわれば、諸々の改革も進む、と。市場原理主義者でもある。
 石原慎太郎都知事の政治傾向にも同調するところがある。
 外国人排斥、青少年有害図書決めつけ。 コメントも無遠慮にするし、県レベルで法制化もやっている。
政治的立ち位置は新保守主義だが、自民党とは県政レベルで一線を一線を引いている。
 
 おおざっぱにイメージ化すれば、中田前横浜市長。橋本大阪府知事との差異も大してない、今後、一つの大きな政治潮流になる可能性を秘めている。
 
 第一。彼の経歴や政治内容を簡単に辿るだけで、小沢氏の政治内容のルーツを確認できる。
 
 第二。先にふれたように、危機から抜け出せない日本の政治経済の状態が続く中で、苛立ちを増す国民意識の受け皿、出口が、内外への排外主義、統治機構の強権的強化、弱者切り捨てに展開されていく、政治基盤となる可能性を秘めている。
 
 
>>> 第三。民主党結党時から鳩山由紀夫と官直人の間には野党民主党として、与党自民党との対応を巡って、第三者松沢の眼にもハッキリとした違いがあった。<<<
 
 以下、松沢の著書を要約すると。
 
 >官は行政改革の実をとるために自民党と是々非々で協力し合う政治方向だが、鳩山は野党として自民党政治と一線を画して、魅力的野党として選挙戦に勝利する。
 このような鳩山の立ち位置からすれば、官の自民党政治に対する姿勢は冒頭に記した様な<よ>と<や>の中間の<ゆ>党路線に写る。
 
 >さらに新保守主義市場原理主義の松沢の眼から見ても、
「あるときは与党に擦り寄ってみたり、ある時は野党だと行ってみたり実に曖昧」
「このあたりが民主党のつまずきの原因」
「野党として自民党に対抗して行って勝負するのか、あるいは自民党と連立を組むぐらい協力していって改革の実をとろうとしているのか、国民にはよく分からない」
 
 >国民によく分からない、というよりも松沢はこの時点では小沢氏に心服しながらも、新進党の内紛の中で批判的な立場に移行しているのだから、彼のその時点の民主党への切実な客観評価である。
民主党結党にも誘われていた松沢は、その後時を短命の国民の声なる党派を経て、時をおかず、民主党に合流している。
 だから、この時点での民主党への評価は単なる評論的な立場からのモノでなく、実践的立場に立った、切実な客観性がある。
 
>>こうして結成された民主党の弱点を総括し、
 小沢一郎小泉純一郎の独断専行の決断力、とを評価する。
もっとも、小泉と小沢の政治力の違いはさすが見抜いている。小沢は自分の考え実現するため作戦と政治力学への配慮をした上で指導力を発揮する。
 
 最後にこう総括する。
ハト、カンは友愛やリベラルと言って政治理念を大事にするが、政治力、実行力に疑問符が付く。
 
>>以上、その後の国政の流れを解釈する上で、非常に参考になる見解が示されている。
 
>なぜ民主党が前原偽メール辞任の様な事態に立ち至ったのか。
 
>なぜ、小沢代表就任からの自民への対抗戦略を明確化し、具体的に実行する中で、選挙に勝利することで政権交代まで上り詰める事ができたのか。
 
>なぜ、短命、鳩山内閣のあとを受けた、官直人が自民党と見まがうような増税路線で参院選に打って出たのか。
 
>管内閣は参院選で戦う前から、過半数獲得を諦めて、自民党や官僚の基盤に載った。
この選択が、どれほど、民主党を政権に押し上げた支持者の願いを踏みにじる政治路線への踏み込みだったか政治判断できなかった。
 
>>もっと別の参院選を戦う政治路線はあったはずである。政治センスというモノが全くない。
具体的な数字まで出しての増税路線では消費税争点化で参院選を現場で闘う、候補者や運動員は途方に暮れてしまう。
 
>>民主党の獲得議席数もよく歩留まりがあった方だ。
でもそれは、自民党やマスコミ、経団連大企業発の増税ムードに竿差したからだ。
大バカ野郎どもはここをもっと考え反省しろ!自分の政治力量を知れ!
 
>官は増税路線に口をつぐんで、今度は雇用を連発し、その方策のなさを突かれると、小沢政策に擦り寄る始末である。
余りにも定見がなさすぎる。中央地方の行政政治改革を抜きにして、経済発展も財政再建社会保障も出来っこない。これと一体化した予算編成をやるしか手がないのは素人でも理解できる。
フォマンスばかりでプロの政治が何処かに行った。
 
>>日本に残された時間はない。やれること、やらなくてはならない事は早め早めに実行してみる。
だらだら、先延ばしにする事しか官僚政治はできない事は今まであきらか。
重箱の隅をつつくようなことやっていてはダメだ。
 
>私の立場はそれらの改革をやっても、日本は苦しい、というモノである。
ましてや、官の様なのはこの先登場するモノの短期間の露払いだ。
彼を支持しても目先の日和見主義。