反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

文芸

左の腕 松本清張。 朗読、柳家小三治 - 出典あかさたな - YouTube

www.youtube.com 左の腕 松本清張 柳家小三治 - Wikipedia 出典あかさたな - YouTube ***その他の松本清張作品朗読 金環食 松本清張 - YouTube 敗戦2年後、北海道利尻島でしか観測できない金環食を巡る、敗戦による新聞紙不足でまだ紙面が2面しかない頃の…

吉本隆明「良寛」再録。日本文学の世捨て人、隠者は俗世間に対してむしろ積極的に自分の位置をとったという意味を持たせたほうが、考え易い。水上勉。雀にくれてやりそうな男に、なんでコメをやれたろう。この制度下の地平では、インテリが小作をしていたイメージ。もう一つの道を見ていた人々の地平があって、良寛がこれだけ生きられた。

東洋においては,孔子にしろ,老子にしろ,釈迦にしろ,その思想は「科学」ではなく,「教説」であった.理論ではなく,教えであった.知識的・理論的関心よりも,行為的・実践的関心の方がより顕著 ギリシアにおいては, 「汝自身を知れ」(γνῶθι σεαυτόν)…

注目点ピックアップ。方丈記⇒終の棲家方丈庵の「栄華」を連綿と書き記して結びの自己省察*お前は、姿は聖人の振りをしているだけ、と。貧賤の因果応報、迷いごころの果てに狂ってしまったのか、その時、心はさらには答えなかった。心のあずかり知らない南無阿弥陀仏を、三べんほど唱えて、この暁の随筆を、静かに終わりにしようか。W.方丈記は日本初の実存主義者宣言の書である!

twitter.com 出典 ↓ shikinobi.com 『方丈記』 心の章 この身の遍歴 おおよそ、あってはならない世の中だと堪えしのぎながら、心を悩ませること、三十年あまり。そのあいだ、折々に出会う不本意に、みずからつたない運命を悟る。そうしてついに、五十歳(い…

今の世に文学であることは<数寄>なのだ。貴司山治メモリアルサイトと「ゴーストップ」。鴨野長明メモ(11資料)。

今回の記事は1月4日(火)に大幅に追加編集した。現時点の拙い意見をそれはそれとして記すことが反俗日記の立場を貫くことになると思ったからだ。 1つはプロレタリア文学がずっと気になっていたものとし旧文をそのままにしておけなかった。「ゴーストップ」…

不条理人間が不条理を生き抜くための一考察。「シーシュポスの神話」訳者清水徹付記。

W。通院の付き添いの待合室で思ったよりも長い時間が経過した。 幸いそういうこともあるだろうと、ポケットには、愛読書カミユ「シーシュポスの神話」忍ばせてきた。看護婦が何度も待合にいるWに声をかけてきた。あとで聞けば、通院者本人が待合室の私を気遣…

司馬遼太郎記念館の2万冊蔵書展示は、同じタイトルの古本を展示したモノとは驚いた。収集した古本の元所有者(複数の場合もある!)の痕跡がキッチリと残っている、司馬遼記念館に場違いなパラドックス。

かなり前から司馬遼太郎記念館に一度はいってみたいな、とおもいながら、そのままになっている。機会は何度もあった。生駒山に山歩きに行ったとき記念館に立ち寄るスケジュールを組みあわると簡単にできることなのだが、毎度のこと、ソレができなかった。山…

レンモンド、カーヴァー短編集「頼むから静かにしてくれ」Ⅱ~村上春樹翻訳ライブラリーより【嘘つき】全文。

拝啓 私の息子についてお問い合わせになったあなたのお手紙を受け取り、非常に驚きました。私がここにいることを一体どのようにしてお知りになったのでしょうか?わたしは何年も前。そういう事態が持ち上がってきた直後にここに越してまいりました。ここの人…

<戦後・50年間の文学の展望>・小田切秀雄を整理して引用~戦後文学史のパノラマ。実例→小田実全集、評論9 「鎖国」の文学より引用。

W。以下の小田実の論点は自己の文学観(文学ではなく、文芸と呼びたい)を披瀝したものであるが、エンタメに徹した文芸は論外として、そもそも小説類は、コレでなくちゃ、こうであらねば、などという縛り的なものは不必要だと考える。要は、小説家が小説を…

ジャイアンツのエースM、バムガーナー(ワイルドカード9回まで)とドジャースのエースクリスカーショウの動画。「馬に乗った水夫」ジャックロンドン伝記について→ジャックファン自認の村上春樹の手練手管の世界。

まず、時間不足で、冒頭に米Yue tubekから探してきた動画を挙げる。 ピッツバーグ、パイレーツの本拠地でのジャイアンツ戦のワイルドカードである。 ジャイアンツの先発はマディソン・バンガーナー(1989年~)。彼の投球の短いものに適当なものがなかっ…

偶々、谷崎潤一郎「小さな王国」にであった。イロイロな解釈可能な傑作。谷崎はストーリーテラーでもあった。芥川「鼠小僧次郎吉」との比較。

ということで、偶々「小さな王国」を読んだ。岩波文庫別冊20ポケットアンソロジー 生の深みを覗く、2010年発行。 確か、芥川龍之介の「鼠小僧次郎吉」に偶々、出会ったのも、このシリーズで、未だに芥川、最大の傑作ではないか、と思い込んでいる。 谷…

野坂昭如著「火垂(ほた)るの墓」~ポイント抜書き続編~<追記>は野坂「アドリブ自叙伝」とA判B判の規格と日本語小説単行本の利点について。

(W、疎開先の小母さん)「よろし、ご飯別々にしましょ。それやったら文句ないでしょ。それで清太さん、あんたとこ東京に親戚いているんでしょ、おかあさんの実家で~」 野坂昭如著「火垂(ほた)るの墓」続編 朝夕七輪借りて飯を炊き、お菜はタコ草の茎の…

野坂昭如著「火垂(ほた)るの墓」~文体の解説とポイント抜書き~直近、9月2日にYue Tubeに野坂昭如 『火垂るの墓』 (朗読:橋爪功)【1/8】 アップ。

トルストイ 『アンナ・カレーニナ』 「幸福な家庭はすべてよく似たものであるが、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である」。 「英訳(1901年)“Happy families are all alike; every unhappy family is unhappy in its own way.” 「中国語の訳、幸福的家庭都…

川崎長太郎の「徴用行」の前回の評価は野坂昭如「火垂(ほたる)の墓」の戯作文調と比較して間違い、と解った。西鶴、「方丈記」まで遡った我流私小説論で、純私小説は歴史資料としての意味しかないとする。

前回の川崎長太郎「徴用行」を反俗日記の活字にしながら、私小説であろうが何であろうが、作品としての出来映えに疑問を抱いていた。 ~なお、野坂昭如「火垂(ほたる)の墓」の劇的シーンを選んだが、時間不足で引用できなかった。次回に回す。 戦争×(と)…

私小説作家、川崎長太郎「徴用行」引用。フト、那智勝浦のブルースギタリスト濱口祐自さんのトークとギターを想い浮かべた

【MBS1179】おとなの駄菓子屋 2014.8.3 ゲスト:濱口祐自(ギタリスト) ※生演奏あり!店主、角淳一 https://www.youtube.com/watch?v=N-i_98EYsIU 途中から、店主、角淳一との一種の掛け合い漫才の雰囲気風に。快調、濱口祐自節にトークのプロ、角淳一、あ…

堀田善衛「広場の孤独」の引用~作中にちりばめた鋭い問題意識は時代を超えて今にも通用~適応、発展、深化が課題。付録、私小説の世界。

前回の問題意識をそのまま先行させて行くと、<堀田善衛>の「広場の孤独」を取り上げることになる。 参考資料に次のようなものがある。 が、この連載で新たに「発見」した私小説的世界に拘る。成果はともかく、先を急がない。足元から詰めていくことで、ホ…

安岡章太郎の世界。志賀直哉私論。本音を語った軽い評論。<変動為替制度と集団自衛権事態~東アジア情勢私論>

ノーベル文芸賞を個人的に授与する作家安岡章太郎さんの本音が声がする「志賀直哉私論」所録のエッセー的評論を抜粋していく。 <毒をもって毒を制す> 「その軍隊生活の間に頑健そのものだと思っていた私の肉体まで、本物の病気になった。その病気で私は戦…

安岡章太郎の世界。母親は今も通用するような個性的な女性で短編「宿題」は笑える。「海辺の風景」「幕が下りて」寸評。大江健三郎の最大級の安岡賛辞。

安岡章太郎http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%B2%A1%E7%AB%A0%E5%A4%AA%E9%83%8E全集、全7巻、講談社、昭和46年(1971年発行)。 大昔、「ガラスの靴」に衝撃を受けた。それ以来、密かにこの短編を日本の最高の小説としてきた。 再び、全集…

村上春樹「ねじまき鳥のクロニクル(年代記)」の比喩的表現の成功と失敗。小説家の歴史的史実の取り扱い方において彼は正統派だが、史実を直接、読んだ方が面白い。

前回の記事の結論。 小説や映画はある程度の期間内では(無声映画、チャップリン映画までさかのぼると無理が生じる)評価の尺度があれば横並びにして、作品としての本質的な優劣の比較は可能だ。目の前に興味をそそる小説、映画がなければ、過去には、今も色…

安岡章太郎の世界。村上春樹「ねじまき鳥のクロニクル」。

図書館から15冊、気の赴くままに適当に借り出してきた。半分ほどは返して、後の半分は手元において、暇を見つけてじっくり読んででいると不思議にも、日中戦争、太平洋戦争と敗戦の時代にまつわる状況、事象が詰め込まれたものが重なっていた。 丁度、NH…

戦争を通してみた日本とアメリカ社会。ノーマン、メイラー「裸者と死者」と大岡昇平「俘虜記」。ウイリアムワイラー監督の最高傑作「我等が生涯最高の年」。

ノーマン、メイラーの「裸者と死者」を読んでみようとふと思ったのは、この本がガダルカナル島を巡る日米攻防戦に彼が従軍した経験を元にかかれてるものと勘違いしていたからだ。大昔この本のページを開いたことがあったが、そのときは想像していた戦争文学…

第12回福島原発事故事情。宮本百合子1932年特高取調室の実録描写「刻々」引用。

宮本百合子「刻々」ーより。 一般的に有名なのは「1932年春」の方である。 以前の記事で小説中に突然、登場する世界情勢分析を取り上げ、当時の分析の過半は間違っていなかった、とした。 「1932年の春」は伏字も多い不完全な形でも、1933年に公表されたが…

「思い出のグリーグラス」、芥川龍之介「鼠小僧次郎吉」について。

毎週欠かさず聴いているラジオパーソナリティーの一時間番組。 昨夜は久しぶりにデスクジョキーの夜で「男っぽい男性ボーカル特集」だった。 エルビスプレスリー、トムジョーンズ、ロッドスティアート。 其々数曲ずつかかったが、ヤッパリノーサンキューだっ…

松尾芭蕉ー小林一茶ー正岡子規と桑原武夫の第二芸術論。及び、戦後的、司馬遼太郎と村上春樹の重層と均衡破壊、春樹海外雄飛を日本思想史として総括する。

前回の記事で、桑原武夫の俳句第二芸術論を取り上げた。敗戦直後発表されたときは、その方面にそれなりの衝撃を与えた。正岡子規によって確立された近代俳句の歌壇が、長期にわたる戦時体制の一端で戦時キャッチコピーの如き役割を果たし、不相応な既成の権…

松尾芭蕉(江戸前期)ー小林一茶(後期)。正岡子規(明治時代、発句として芸術化?)の代表作が「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」程度じゃ。、大衆化?衰退?本質?今でも衝撃残る桑原武夫の俳句ジャンル第二芸術論。

柄に似合わない格好をつけて、松尾芭蕉だの平家物語、木曽の義仲、粟津のくだり、など、己の生活実態とまるでかけ離れた自己欺瞞である。 その上で、東アジアなんだかんだを持ち出して、理屈をこねて村上春樹を批判したつもりでいる。 日常生活でカントリー…

村上春樹嫌いは春樹ワールド創造に負けている。春樹ワールドと司馬遼太郎史観は日本と世界の主要イデオロギー。批判するためには評論の志がいる。

村上春樹に読者層に一般受けする活字世界があることは十分認める。 が、好き嫌いの次元の問題、嗜好の問題ではない。 もっと云えば、そもそも、遡って文学という翻訳語に問題がある。 「A)中国・日本での「文学」の語は古代より書物による学芸全般を意味した…

松尾芭蕉。夏草や兵どもが夢の跡(奥州平泉にて。「平家物語」の木曽義仲フリークから義経の最後を想う)。荒海や佐渡によこたふ天の河(パノラマ)。旅に病んで夢は枯野をかけ廻る。(病の死の床で)。

松尾芭蕉 奥の細道。松岡正剛の千夜千冊」から抜粋引用。 芭蕉は天才ではない。名人である。芭蕉は才気の人ではない。編集文化の超名人なのである。 このことは芭蕉の推敲のプロセスにすべてあらわれている。芭蕉はつねに句を動かしていた。一語千転させてい…

第一回。村上春樹。古からの体制からの逃亡者としての日本的自由人による文学世界の必死の構築=隠者系文学の日本的活力継承と現代的「文学」衰退。

柄にもなく文学とは何か?を最近考えることがある。小説を読む機会が増えた性もある。明確な答えが出なかった。 文学の<文>を文武の<文>としたら、朝鮮歴史においては、王朝官僚制度における両班貴族のうち、武班貴族に対して主導権を握った文班貴族の文…

NHK教育ラジオPM10、25~11、30。村上春樹の紀行文「遠い太鼓」朗読を聴いていたら睡魔が。気がつくと朗読はギリシャの同じ心象投影風景のままだった。

毎週土曜日22時25分からNHK教育ラジオは村上春樹を朗読している。以前放送した一回分を一挙に取りまとめた長時間の再放送だ。 村上にまったく関心が向かわなかった。 小説として態をなしていないものが芥川賞を受賞している。 エンターテイメント小説に…

坂口安吾「堕落論」より。宮沢賢治の遺稿、「眼にて言ふ」。

眼にて言ふ 宮沢賢治 だめでせう とまりませんな がぶがぶ湧いているですからな ゆふべからめむられず 血も出つづけなもんですから そこらは青くしんしんとして どうもまなく死にさうです けれどもなんと風でせう もう清明が近いので もみじの若芽と毛のやう…

立松和平さん。20010年2月8日、62歳、没。ほぼ同時代の村上春樹さんと比べて気になる作家だった。

もう小説の時代は終わっている想う。 ヘミングウェイの有名な短編小説「殺人者」をこの前読み返してみたが、ちっともリアル感がなかった。うらぶれた中西部の田舎町のレストランに殺しターゲットを求めて訪れた二人のプロの殺し屋と偶々そこにいたニックアダ…