反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

新たに掲げたのは「現実離れ」した目標 少子高齢化、地方の過重債務、経済低迷… 行き詰まる中国政府の最大の課題  3min2024.3.13 WSJ

「最近の調査で、中国経済が潜在成長率をどの程度下回っているかが明らかになった。潜在成長率とは、適切な政策設定を行うことで景気を過熱させずに達成できる成長ペースを指す。地方政府は10年にわたって放漫財政を続け中央政府の財政は実際に圧迫されている。

潜在成長率は明らかに低下に向かっている。生産年齢人口がピークに達した2010年代半ば以降はとりわけ、成長率の低下傾向が顕著だ。」

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W参考資料

引用 W.中国の定年、男60歳、女50歳は知らなかった。「改革開放」以前の制度が残っている。

「中国では現在、労働関連の法令で定年年齢が定められており、男性の定年は 60 歳、女性は非管理職が 50 歳、管 理職が 55 歳⇒W.極端な例。子供を祖父母に預けて夫婦出稼ぎのパターンでは女性50歳定年退職、年金受給開始は有利。となっている。 定年と同時に年金の支給が始まり、基本的には賃金労働から引退して孫の面倒をみるな ど、家庭内での役割を果たしながら、ゆっくりとした老後を過ごす人が多い。」

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  定年延長は労働力減少対策に有効も、課題は山積
                         調査部 研究員 丸山 健太 

1.政府は定年延長を模索

2.定年延長は労働力減少対策として有効

3.定年延長に向けた課題

イ)定年延長で労働市場にとどまる高齢者のスキルと労働市場で求められるスキルとの間に乖離が生じ、人手不足と失業が併存する懸念がある。

ロ)定年延長によって高齢者の労働参加を拡大すれば、夫婦が共に働き、その間、老夫婦が孫の面倒をみるという、中国で一般的な家庭モデルが修正を迫られることとなる。そのため、保育サービスの拡充をはじめ、夫婦共働きと
子育てを両立させやすい環境整備を定年延長と同時に進める必要がある。

ハ)定年延長は、年金支給開始年齢の引き上げを意味するため、定年や年金といった生活にかかわる領域で不利益変更が行われると、人々の不満が高まり社会的な混乱を招きかねない。定年延長とは異なるが、日常生活に影響のある定年退職者向けの医療補助の縮小をめぐり、2023 年 2 月には湖北省武漢市で抗議デモが発生した。

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W。参考資料。多分、中国と同じように年金受給年齢は若いだろうと予測して調べてみると~~。やっぱりな。

定年退職制度は無いが、年金受給年齢に達したことを理由に解雇は認められない。

ロシアの年金は何歳から?
 
(2) 老齢年金 (a) 受給資格 男子60歳、女子55歳に達していて、保険経歴が5年以上ある場合、年金受給資格が認めら れる(労7)。
****賃金労働に対する基本的な考え方が欧米日とは違う。***
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また、過去の景気刺激策の教訓が効きすぎて、

>>政策立案者が09年以降の西側諸国と同じ過ちを犯す可能性もかなり高そうだ。

>つまり、金融・財政政策を過度に引き締めた結果、

>成長率と雇用が長期にわたって潜在力を下回るリスクがある。」

状況の悪さを反映して、

>中国の銀行間短期金利国債利回りはこの半年間、かなり高い水準で推移している。@前回景気が大きく低迷していた16年前半とほぼ同水準だが、

@この時は成長率とインフレ率が現在を大きく上回っていた。

住宅セクターにとっては、これはさほど重要ではないかもしれない。借り手は不動産開発業者の事業継続能力を信用せず、市場に背を向けている。」

~~~~

購買担当者指数(PMI)の雇用データも、経済にたるみがどれだけ残っているかを探る手掛かりになる。コンサルティング会社ガベカルによると、中国PMIの雇用サブ指数は、23年の大半の期間で長期平均を大きく下回っていた

>押し下げ要因となったのはほぼ全てサービス業だった。」

金融政策が見方によっては依然として引き締め的であることと、

>インフレ率がゼロ近辺で推移していることを踏まえると、

@24年のインフレ目標が3%で、成長目標が昨年並みであることは目を引く。

@財政政策もそれほど支えになるようには見えない。

財政赤字の目標は対国内総生産GDP)比3%に設定された。

>計画通り特別国債を発行すれば、財政赤字は3.8%に拡大する計算になる。昨年と同じだ。」

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中国の財政支出の多くは、実際には地方政府や国営政策銀行が行うため、中央政府の予算には計上されない。>

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それでも金利を下げなければその資金を調達するのは難しいかもしれない。特に、すでに細っている民間投資を締め出したくないのであればなおさらだ。

李首相は政府活動報告で、<マネーサプライ>の伸びを<成長率とインフレ率の目標>と<整合的であるべき>だと述べ、金利に調整余地>があることをほのめかした。

<昨年はマネーサプライの伸びを名目成長率に一致させる>としていたため、微妙な変更だ。李氏は一方で、為替レートの安定を求めるとともに、昨年は「洪水のような」刺激策を実施しなかった点を強調した。

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今回の報告では、不振が続くサービス部門への言及が驚くほど少なかった

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言及したのは4回で、うち1回は、製造業との統合が深化した「新たな」サービス部門、という文脈でだった。

>一方で強調していたのは、「産業システムの最新化に努める」ことが24年の最初の主要課題ということだ。」 

  

さらに、個人消費を支えるために新たな優遇措置を導入>する可能性を示唆。<消費者向け「下取り」プログラムを推進>すると明らかにした。過去の景気低迷時には自動車購入者に補助金を支給した。

だが政府は、製造と輸出で問題を解決できると今でも信じているようだ。
@国外では保護主義が台頭し、国内サービス部門にはたるみの兆候がいくつも見られるものの、適切な後押しがあれば力強く立ち直るかもしれない、という考えらしい。

<人口高齢化><地方政府の過重債務><機能不全に陥った不動産金融モデル>などは解決が困難な問題だ。
だが中国の最大の構造的問題は、一段と硬直化している政策決定機構かもしれない。

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 稀代の投資家は現在の世界をこう見ている
ジム・ロジャーズが考える「中国経済の今後と、米国を襲う景気後退の波」
                      5min2024.5.4

~~~省略~~~

「 ──不動産バブルがはじけた後中国が日本のデフレの道を後追いしているとの見方がありますが、その可能性はありますか。

中国が日本のデフレの道をたどることはないでしょう。」1990年代から2000年代初頭にかけて日本が抱えていた不良債権や雇用、設備の過剰問題に中国も直面していますが、
>中国には豊富な自然資源があります。
>また、欧米だけでなくASEAN諸国や
>中東、アフリカなど多くの市場にアクセスできるため、比較的迅速な回復が期待できます。国際競争力や資金力のある産業が台頭していることも強みだと考えています。

 

──当局による規制強化を受け、市場が制約されるとの懸念から、中国からの資本流出が話題を呼んでいます。流出した資金はいつ中国に戻るのでしょうか。また、中国への投資で注目している産業分野を教えてください。

 

経済規模で世界2位の中国の将来性を考えれば、投資家のポートフォリオから外れることはありません。
>時間はかかるかもしれませんが、いずれは多くの外国資金が戻るはずです。
市場が低迷している時こそチャンスです。今は、一時的に打撃を受けている産業分野に成長の機会があると考え、
>観光やレジャー関連で投資の機会を探っています。
内需関連では中国でのワイン消費の増加を見込んで、30年以上前から投資を続けています。

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──中国から流出した資金はどこに流出したのでしょうか。


@世界各地で株価が高騰するなか、中国本土や香港市場は冴(さ)えません。
@中国以外の市場への投資を求める投資家にとって、チャンスがある場所に資金を動かすことは必然と言えます。
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<国際的な資金>が、
主要新興国市場と期待されるインドや、
円安で魅力が高まる日本に向かうように脱中国マネーも流れ込みました。

──中国経済を早く立て直すために、どのような政策を取るべきでしょうか。
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中国が世界経済の主要プレーヤーとしての役割を認識することが重要です。
@通常、規制が多いほど成長は阻害されます。
@経済成長を刺激するためのより大きな開放性と規制緩和で、開かれた投資環境を維持すれば、国内外の投資家を引き付けるでしょう。
保護主義的な措置に走ったりせず、
@通貨や投資政策のさらなる自由化を進めれば、中国と世界経済の両方に利益をもたらすと思います。

メリカは景気後退局面に突入する

──世界経済に影響を及ぼす今後の米国の景気動向をどのように捉えていますか。
アメリカ史上最長の“問題なしの期間”が終了しつつあります。2009年の世界金融危機後に景気拡大を続けた米国経済は、パンデミックによる影響を受けたものの、その後は比較的安定して推移しています。

>ただ、米政府の債務は昨年末時点で過去最大に膨らみ、拡大し続けています。
>個人でも国でも同じように、借金が膨張すれば問題が起こります。長くても2年以内には次のリセッションに入り、かなり悪いものになると想定しています。

>解決までには長い時間が必要で、アメリカ発の金融不安は中国や日本を含む多くの国に影響を及ぼすでしょう。

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──米国が中国を資本市場から排除しようとする動きが続くなか、ドナルド・トランプが大統領に返り咲いた場合の対中影響について注意すべき点はありますか。
11月の米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利したら、残念ながら、恩恵を受けるのは彼の娘や限られた数人の友人にとどまるでしょう。
>トランプ氏の米大統領在任中には米中貿易摩擦が勃発し、経済関係に打撃を与えました。規制は両国の企業にとって有益ではないですし、経済成長を遅らせるものです。

@トランプ氏は、中国からの輸入品すべてに60%程度の関税をかけると提案し、米中経済のデカップリング(切り離し)が示唆されています。これは、両国の経済に多くのリスクを与え、関係の深い諸国へもマイナスが波及します。

@投資家は不確実性がもたらす<地政学的リスクに対処する必要>があり、<協力している産業分野>で企業は、サプライチェーンの混乱>や<コスト増加を想定する必要>があります。⇒W.経済主義的な言い回し。

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──激動する香港はアジアにおける金融センターとしての地位を維持できるのでしょうか。

中国が繁栄すれば、香港も繁栄します。東アジアの金融拠点として香港は、歴史的な役割を果たしました。<中国と世界とのゲートウェイとして、<中国の経済的な自由化から莫大な利益>を得ることができたのです。


ただ、アメリカの<<東海岸に位置するボルチモア>>を知っている人が少ないように、歴史は繰り返します。

19世紀初頭には、<商業や造船、工業の中心地>として<米国有数の港湾都市>だったボルチモアですが、今では存在感は薄れています。100年後の香港も、中国の中の一つの都市として機能しているでしょう。

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その流れで、<1983年に導入した香港ドルと米ドルのペッグ制度>が<10年以内に廃止>されると予測できます。中国人民元の国際的影響力が高まれば、一つの中国を原則として、1米ドル=7.75~7.85香港ドルの取引レンジで連動する制度を維持する必要がなくなりますからね。

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W。訪日中国人観光客の大半は日本に引き付けられる<香港>と<台湾>からのヒトたち、中国本土からのインバウンドは意外に少ない。資料を見ればすぐわかる。それをなぜか一括して中国人観光客として括っているマスコミ報道の異常性。

W。世界の金融寡頭制の矛盾が拡大深化し世界市場の再分割戦の歴史段階に到達している。

中国はウクライナーロシア戦争を一貫とする世界市場の再分割戦の舞台<米中経済のデカップリング(切り離し)>になる。日本は東アジアの激動に引き込まれ日本支配層は戦争事態(戦時体制)に活路を見出す他ない。後の解説で示された<円安効果>を利用した大胆な戦略(国際マネーに国境は無い)は根付きすぎた反動的な国粋主義と日本固有の制度の制約があって、打ち出せず、G7で米国に匹敵する階層格差が大拡大していく歴史的必然性がある。

W.日本列島と原住民に戦時が先に来るか、大地震が先に襲うか?