反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第二回分。 平成24年6月22日 財務省。 「国際的な資金フローに関する研究会」(財務総合政策研究所)の報告書に対する批判的検討と学習。

第1部 国際的な資金フローの現状
第2章 過剰流動性リスクマネー

市川 眞一 クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト
 
国際金融市場においては、<リーマンショック、ユーロ危機を経るなか、リスクマネーの急速な縮小>が起こった。
>>>米国連邦準備制度理事会FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行など主要中央銀行が相次いで非伝統的政策を採用、大量の流動性を供給したものの、
>>>信用乗数の低下によって吸収され実体経済にマネーの循環しない状態が続いたのである。

W。日本を含む複数の国は各世帯に直接、現金を配っている。エコ減税=輸出企業への間接的現金注入、その他。
W。ネット検索より。信用乗数とは、銀行の信用創造の度合い。簡単に言うと、世の中で流通しているお金が、日銀が銀行に供給しているお金の何倍あるかを示す指数のこと。
銀行と企業間の実体経済の貸付、生産的投資、預金、貸付、生産的投資、貸付の循環サイクルの機能が先細っていると、上からの投下資金は金融、債権、資源財、不動産などの市場にシフトする。
 
これは、リアルエコノミーにおいて世界経済に対し大きな超過需要を創出する一方、バーチャルエコノミーではドルにより国際金融市場からそのファイナンスを行ってきた米国の経済メカニズムが、機能不全に陥ったことがその主たる背景だったと考えられる。
<W。検索より。超過需要が生じているときには価格が上昇する。(価格上昇の圧力が働く。)したがって、超過需要が生じているとき、価格は上昇して均衡点に向かいます。
 先進国のトレンドは軒並み高物価ー低成長。日本だけ低物価ー低成長。そうするとアベ日銀の政策は高物価ー低成長をもたらす。
 
 宮台、神保インタビュー集「増税は誰のためか」所収、野口悠紀雄ー産業構造が変わらない限り日本経済は再生しないー引用。インフレターゲット政策批判の部分
 
インフレターゲット論者が言うには今はデフレだから実質金利が高くなっている、インフレにすれば実質金利が下がるから投資が増えて経済は活性化するだろう云々。
コレは経済学的な間違いなのです。
何処がどう間違いかというとーーフィシャーの方程式~名目利子率=実質利子率+期待インフレ率という関係自体は正しい。
そこでインフレターゲット論者は名目金利は一定だから、期待インフレ率を高めれば実質金利が低くなる、というんですね。
 
コレは理論的に間違い。
 
期待インフレ率が高まると名目金利が高まるだけで実質金利は下がりません。
>実質金利は経済の実物要因によって、規定されるからです。
つまり投資は増えません。
W生産的投資と信用創造の連鎖という実体経済でのカネの循環。
 
>>諸外国で、インフレターゲットといっているのは、インフレ率が高くなりすぎないように、例えば3%以内に押さえようという日本とは逆の政策です。」
 
 
難しい問題には常に簡単な間違った答えが~」さんのアベのミクスの現状認識では。引用013年5月16日記事。長期金利上昇で明らかになってきた異次元緩和の「トリクルダウン」頼みの波及ルートについて
 
「予想インフレ率(参照:「BEIの推移」)や企業物価指数等(参照:「4月国内企業物価指数、円安で1年1カ月ぶりマイナス脱却」)は上昇に転じており、インフレ期待への働きかけはとりあえず機能しているように見える。
ただ筆者は名目金利が下がらない状況下で「一般物価」でみたインフレ率が上昇することによる「実質金利の低下」が投資判断に本当に言われているほど強い影響を及ぼすのか、については疑念を持っている。
W.。野口さんの主張と同じ視点。
 足元の物価上昇には円安を通じた資源等の値上がりによる部分が大きく、又BEIには消費税増税も織り込まれているはずで、こういった要因での「実質金利の低下」が投資増に直結するかどうかはやはり怪しいといわざる得ないえないだろう。
W。ごく当たり前のことが当たり前と想われない異常な事態。マスコミを含め関係各方面の刷り込みは大きい。
 
 イールドカーブを引き下げる事は出来なくても、その上昇率をインフレ率以下に抑えつづけることさえできればそのうち稼働し始める余地はまだ残されているとも言えるが、  
 
>>逆に予想インフレ率が上昇してもそれにつれて長期金利も上昇すれば実質金利はそもそも下がらないわけで、そうなればますます「資産価格ルート」の一本足打法になる事になる。」
 しかしながら、2012年に入って、米国経済は着実な拡大の過程に回帰したようだ。バランスシート調整が最も厳しい場面を脱しつつあることで、<<「雇用なき回復局面」の終盤に入った>>と見て良いだろう。
W。公表の米失業率の7%台の調整値では失業率10%程度。大統領選でも討論のネタになっていた。
金融部門がGDPの半分を占める米国では、また元のバブル経済政策に戻らざる得ない。
 ではバブル崩壊で何が変わったのか?
より一層の金融資本の淘汰が進んだ。
第二。モノカネの海外市場の依存度をさらに深めた。
第三。上位1%への富の集中がより一層、システム化された。
 
>ユーロ圏のソブリン問題は続くものの、米国経済の成長ペースが速まれば、<金融市場においてリスクを取る動きはさらに勇気付け>られるであろう。
W。バブル崩壊前と同じような資産価値の投機的上昇画策。また付けは国民に向かう可能性は膨らんでいく。
今度は資金ばら撒き政策のTTP参加の日本も心中=日米同盟深化!。
 
 すでに破綻も後に自らが述べているように想定内である。
ところが想定あってもしても実際上、機能しづらいと別のレポートのあけすけな居直り記述がある。
 
これは、過去の歴史を振り返ると、<<米国大統領選挙を中心とした世界的な景気循環サイクルが、引き続き機能>>していることを示すからだ。
>>>>むしろ、今後、政策面で念頭に入れて置くべき課題は、将来、新たなバブルが発生する可能性ではないだろうか。

実体経済において景気が拡大するとしても、当初は懐疑的な見方が根強いため、<金融政策の正常化は遅れる>ことが予想される。
W。何を持って正常化とするのか基準はない。またアベ等の目論見は<金融正常化は遅れる>次元を一気に飛び越えた。
 
バブル再発予想。
A)その時間的なズレ(?意味不明)は、過剰流動性としてバブルの温床となるだろう。
B)また、資産運用におけるファンドの巨大化、機関化、さらには評価期間の短期化が、本来、長期的視点に立ち市場の安定化に寄与すべき性質の資金をも、ボラティリティを拡大させる役割へと変えたのである

W。検索。ボラリティ。広義には資産価格の変動の激しさを表すパラメータ。
W。米の海外資本収支は価格変動の差額を搾り取るキャピタルゲイン主導で、日本は株式債権の配当による所得収支。
この体質差を政治的に読み込むと、自らの突出した政治軍事力の利点を最大限に駆使して、日本内外の激動情勢を創出し、日本の政治過程を窮地に追い込んで、
経済事物を安く買い取り、高く売る基本戦略と
それに呼応することで大きな利益をえる国内勢力の実存が想定できる。
 アベ、シンゾウ参院選向け街頭ポスター「日本が好きだ。」
日の丸を掲げて日の丸を裏切る(売る?)。言葉の上では何とでもいえる。
 
 こういう輩に騙される多くの日本人の心性の古層について、
堀田善衛方丈記私記」東京大空襲後の昭和天皇に土下座して「申し訳ありません、むざむざと焼いてしまいました。命を捧げまして」という下町富岡八幡宮住民の絵巻に詳しい。
別の機会にじっくりと記事にする。
 
>経験的には、米国の大統領が再選されると、その2期目において経済のバブルは拡大する傾向が強い。
過去30年の間、2期8年の任期を全うしたレーガンクリントン、ブッシュ(子)の3米国大統領が、党派に関係なくいずれもバブル崩壊の前後で退任時期を迎えたことは、単なる偶然の一致とは言えないだろう。
 
>>むしろ、日本としては、次のバブルを「想定内の条件」として、それにどのように対処するのか、早い段階から頭の体操をしておかなければならない<<<
 
>特に、足下の世界経済を見ると、新興国の高成長が続いてきたことによって、資源の需給関係は構造的に逼迫しつつある。
何らかの事件を契機として、過剰流動性が資源マーケットに流入すれば、石油などの価格高騰が各国にとり新たな挑戦となる可能性は否定できない。
 政策当局は、1つのリスクシナリオとして、今からそうした事態に向けた備えをはじめるべきではないだろうか。
もちろん、バブルを発生させない努力?も重要だが、市場経済である以上、予防措置には限界がある。