反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

警察扱いになった在宅死の具体例3件を挙げ、異常死→事故死を考える。慢性疾患で通院中の在宅高齢者が在宅で当該病を要因として死亡しても、病院側は死亡診断書を書いてくれず、在宅看取りは警察捜査の事案になると覚悟必要。

 wacwacの身の回りで2018年~2019年3月期の1年間の高齢の死亡者は5人だった。

死亡事案の内訳は2名は病院、施設入所時の死亡で医師の死亡診断書が発行された病死であった。

他3名はいわゆる<異常死>状態に該当し、事故死扱いになり警察の現場検証、事情聴取の必要な事態になった。

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第683回 介護人材不足で「施設から在宅へ」介護政策が転換!しかし在宅化は「介護離職ゼロ」と矛盾している?

https://www.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no683/

看取り率」地域格差から体制整備の遅れが鮮明に

介護職員38万人不足で「施設から在宅へ」介護政策が転換

在宅化は「介護離職ゼロ」と逆行している?

 

>在宅介護者に占める老老介護の割合

半数以上 54、7%

 

医師の負担から訪問診療は2割しか実施されていない

介護医療院は「在宅看取り」になるのか?

  引用

「在宅化政策をめぐる難題の解決に向けた政策のひとつとして、2018年4月、介護保険制度において「介護医療院」という新たな施設類型が創設されました。
介護医療院の入居者に対しては、症状が回復すれば在宅復帰するという道筋が想定される一方で、看取りまで入居し続けるケースも想定されています。
ただ、「看取りまでの入居を想定する施設」となると、在宅での看取りを希望する高齢者の意向に沿っているとは必ずしも言えません。結局それは「施設」による介護であり、「病床さえ削減できればそれでよいのか?」という疑問の声も上がっています。
今後は、介護を担う家庭の負担を減らすための経済支援の充実化、介護休業制度の周知、さらに訪問介護事業所やケアマネジャー(居宅介護支援事業所)の整備を進めていくなど、個人の介護負担を減らす政策を進めていく必要があります。」

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        <みんなのコメント>

「在宅看取りって簡単に言いますね。昨日、往診医が、土日祭日の往診無しだから緊急であっても行きません、時間外も行きませんの返答ですよ。最初に説明して欲しかったわ。金曜日に亡くなったらご遺体は月曜日まで自宅に?ですか?と尋ねたら亡くなる前に救急要請して死亡診断書を病院で書いてもらっての返事。
簡単に、在宅看取りだの、家で死にたいだの言う方は、覚悟必要ですよ。」 

厚労省の統計資料は約10年前の定量調査です。そのまま現在に適用するのはいかがなものか。病床、入所施設削減による公費削減を目的にした意図を感じます。」

「そもそも、よりよい老後を在宅で、って感じで始めたのが介護保険制度、訪問介護だったのに、何を今更「在宅に転換」なんだ??
第一、その在宅サービスの方が圧倒的に報酬が低くて人手不足で多くの会社が会社運営自体も危うい。
元の制度を作ったやつが責任逃れでどこかに消え、現場を知らない奴が制度をいじってる証拠ですな。 」

   ①事態 

介護保険制度未利用 長期慢性疾病による通院 子供は様子見程度だが本人の頭脳は明晰、金銭的に余裕がある人、と聞いた。>

 身近で発生したこの事故死は地域コミュニティの高齢者(特に独居)へのボランティア活動家(地域の役職を長年務めてきたが高齢で役職を退いた者)の積極的な善意と社会意識に基づく見守りと援助に対して

死亡状態が異常死に該当し、即応した死亡診断をかける医師が確保できていない体制だったために貴重な地域ボランティア活動が死亡への関与の疑いという事態に該当するのか深夜に及ぶ長時間の事情聴取を受けた。

 

  ②事態 

介護保険制度未利用 妻認知症(介護認定を受けていたのかどうか不明) 夫おそらく慢性心疾患 子供たちは1名福祉事務所勤め、もう一名、役所勤め(消防署?)だが、様子は見ているが老々介護に任せていたのだろう。このケースも子供たちの職業から介護する夫の頭はしっかり。家庭に他人が入ってくることを嫌がって介護保険制度の外部介護は利用していなかった、と聞いた。>

 老々介護夫婦老々介護で認知症の妻は布団で寝ていた夫の死亡を知らずに放置への地域の粘り強い積極的ボランティア見守り活動者が夫側の心臓突然死の発見ということで事故死扱いになり警察の厳しい事情聴取の対象になった、とおもうが、詳しい事情は聴いていない。

  ③事態 

介護保険制度未利用 悲惨事故死妻死亡夫急激に病を連続発症し障害者に住宅退去勧告措置。他所にいる息子脳梗塞身体障碍になる。>

 さらに最後の1件は悲惨な事故というほかに例えようがない。

老々介護。妻はレビー小体型認知症で重度化していた。

介護する夫は短期間にがん発症、腎臓期の悪化による人工透析への移行、がん転移による大手術に至った。

 この夫婦の老々介護の事態の特徴は認知症を重度化させている妻が頑なにケアマネージャー訪問介護、訪問診療、という介護制度を拒否し厳しい条件下の老々介護を長年続けていたことだ。

夫側の負担は相当なものがあったと思うが、耐えてきた。

その結果、認知症を重度化させる妻への対応は限界を超え続け体を痛めた

>これはもう一定の条件が揃えば必然化する物理的現象のようなもので他にたどる道はなかったかにみえる。<事故後、Wの総括的視点によれば。>未必の故意とは言えないがなるべくして悲惨事故になった。

おそらく夫は精神的にも追い詰められた状態だったと思うが、対外的には終始一貫最後まで気丈にふるまっていた。

しかし、妻の外部介護を拒む姿勢を受けて夫側の同調もあったのか、今でもはっきりしないが、家庭外への夫の気丈な振る舞いが、衝立のような状態になって老々介護の実態に対する近所の関心や関与、通院医師の介入を拒んできた側面が強い。

厳しい介護条件の下で一生懸命介護を続けた結果が悲惨事故につながるという

>一種のパラドックスを証明するような悲惨事故だった。

しかし今から思うと、夫の破綻状態は団体活動の際の本人の不注意事故から明らかだったが、Wも含めて<周りは妻介護の厳しい負担>と結びつける術がなかった。

 特にWは老老介護の実態をよく知っている立場であるし、認知症介護の実務者で理屈まで記事に連ねているのに、スルーしてきた。

ひとことでいえば忙しすぎてそこまで手が回らない。実際にWも体を痛めて手術をした。この事故が発生したのはWの手術直後であり、術前に本人たちの老々介護の状態が急激に悪化した。

 家族の壁は厚い

一家の夫が気丈にふるまい、まして息子がそう遠くないところにいるなら、厳しい老々介護状態ではあるが任せておこう、という気持ちになる

 認知症本人の症状の特徴である、家庭内では悲惨症状だが外向きにはそれなりの最低限ことはできるという現象面(症状の型による違いも大きい)を理解していながら、長年この夫婦に接してきた近所の人たちの症状のキーポイントを理解しない、大丈夫感に同調してしまった。

 人間はリアル直接に悲惨事態に接しなければ、

火の粉が飛んでくるのを避けるがごとく楽観的な見方で同期する傾向に流れるものだとつくづく思う。

近所の人があれでもしっかりしている、と希望的観測をすれば認知症のいわば、実務者で体内的対外的特徴を押さえているはずのWでさえ<家族の壁>をあえてこえて、何とかしなくてはと踏み出すことを提案できなくなる。

 次のようなことがあった。

夫は重度認知症の妻を在宅独居でのこし転移がんの手術のために入院した際、近所の元地域役職者二人に留守の妻の見守りを頼んだらしい

ところが、彼女らは身体障碍の介護経験や直近の事例はみているが認知症介護の経験はなく、伝聞でしかその症状の実態を知らなかった

認知症のヒトの特徴は地域の見守りに引き付けていえば、

家庭家庭の症状の現れ方が常識とは真逆になることである

家庭外で気丈にふるまい、会話の適応力があっても緊張感の解けた家庭内ではその症状の現状(不可逆な進行性ゆえに現段階といったほうが良い)がもろ表出してしまう。

まだあの人はしっかりしている、という近所の認識は症状の現段階を正しく把握していないと思って間違いない。

また、家庭内の介護者の介護の実態を大変だな~程度にしかわからない。実態は進行する症状に介護者の対応は追い付かず、自責の念に駆られることの繰り返しになる。

介護放棄のような心の動きと自責念による再介護の繰り返しだ

説明しても実感として分からないと思う

>ただし、理屈でわかっていることが肝心だ。

もちろんプロの介護者や自然に介護できる人は除いてのことだが。

 前置きが長くなったが、次のような光景を見た

留守宅に残され独居になった重度認知症の妻は自分のズボンを廊下の手すりによく干すようになった。

これを見た近所の人たちは、妻が自分はしっかりしているのだよ、という合図に干しているという。Wも同調した。長年この夫婦を見てきた人たちが言うのだからと。

Wの盲点は転居してきてそんなに年月が経っておらず、役職をした関係でその割に事情を知っているがその限りであるということ。キャラクターも影響している。極端に言えば本心は他者に関心がない。しかし愛想は良い。<情がない、二重人格、自分のことしか考えてない>、の3点セットを一番身近な人が指摘する。

たぶん、あの夫婦を長年みてきたら、悪化の度合いが解るのだからコレは危ないと動いた、という自信もあるが妻はWが転居してきた時から、あんな症状だった変わったのは夫側だった。

 ある日、役職の用件で留守宅を尋ねるとズボンを干しているのは失禁で濡れているからだとわかった。そばに息子とその妻らしき人物がいた。息子は脳梗塞で若年性の障害を受けており、親の老々介護に立ち向かう体ではなくなっていた。

コレは危ない状態だと感じた近所の人たちの大丈夫感と真逆の事態である。

しかしただそういう認識を持っただけで、近所の人たちと共有する機会がなく、術後の体力をつけ役職を果たすこと、介護実務に集中した。

 悲惨事故が起きたのは、その間もなくのことだった。

この事故の直後か最中に②事故死が発生した。

そして時系列をさかのぼると③事故死の1か月前に①事故死があった

亡くなられた方は年には似合わないさっぱりとした人間関係を持てる女性と思い親しみを持っていた。

工事まがいのことをしてあげて、どう対応するのかなとみているとお礼の品はなかった。それがW好みだった。

ありがとうの感謝と気持ちは会うたびに伝わってきた。ほんとうの礼と決まりを実行できる人だった、と勝手に思っている。

気を付けてあげよう、できることはしてあげよう心掛けていた矢先に亡くなった。

   事例④

この事例は反俗日記で異常死、事故死を取り上げながらその実態と問題点をわかってくる前のWの無知さ加減をさらけ出すものである。

 ある人物の妻は最初、風邪の診断が下りてどうも長引きようなのでレントゲン撮影をすると肺がんがかなり進行している状態が判明し、その病院を止めて高度医療機関に入院した後に、通院しながら在宅療養をする体制をとっていた。最後は在宅での夫の看取り介護のような状態になっていた。

ついに末期がんの進行で在宅死を迎えた。

この人物がWにいうにはあの先生は深夜にもかかわらず、在宅死の現場まで駆けつけてきてくれ死亡診断書を書いてくれた。この件でものすごく感謝していると。

多分、在宅看取りを決断して、高度医療機関への通院は止めて当該の訪問医の在宅診療を受けていたのだろうが、今この記事を書いているときに想像できるのは、このような在宅死選択をした末期がん患者のケースでも、24時間以内の医者の死亡診断書が在宅ホスピス状態で死を迎える介護者にとってリアルに重要な意味を持つという事実である。

  事例⑤

よる激しくドアをたたく音がする。

近所の男性スーパー高齢者が血圧が上がって酷い状態だといって救急車を手配してくれという。妻は外出中でWしかない。血圧降下剤を10分ぐらい前に飲んだという。落ち着きもあり意識はしっかりしている。それなら降下剤が効きだすまであと20,30分以上かかるので意識はしっかりしているので、念のために血圧を測らせてくれといった。血圧計にエラーがでたので、不整脈状態を疑い、すぐに救急車を呼ぶ、心配するな!Wが病院までついていく、といった。その直後、妻が外出先から戻ってきた。日ごろから落ち着いた人で会話していても気の利いたことを言う。動揺していない。大したものだと直感して後の始末を任せた。

 近所に人たちも心配して外に出てくれた。

翌朝事情を説明に当人がやってきて、慢性病で通院している病院に搬送され、椅子に座っていると血圧が下がってきて、問診程度でそのまま帰ってきたという。よかった。

近所の人は二人連れで様子を聴きに行ってくれた。

Wはお礼にミカンをもらったのがたまに傷だった。お礼はいらない。

>こういう住環境はこれから日本全国に広がっていくだろう。

>地域住民はケアされる者、する者。ケアされるもの同士。立場が入れ替わることもある。

>お互い様という古い言葉は拒否するが、

>お互いに打たれ強くならねば!と強く思う!疑似野戦病院化している。

>これが本当の「渡り世間は鬼ばかり」だ!

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wacwac 以下のニュースの中身と異常死の法的概念を手短に要約すると

在宅死の半分以上を占める異常死は死亡診断書を即応して書ける在宅訪問医が手配されていなければ事故死扱いになり故人の身内、関係者が、警察の現場検証、事情聴取という型通りの捜査対象となってしまうという現実であり、この冷厳たる法的事態は変わっていないということである。

 であれば、それを避けるためには日ごろから在宅死に即応できる訪問医にかかっていること。生きた状態での病院救急搬送、施設で死を迎えることである。

在宅での自然死は思いのほか用意周到な医療体制をとっていなければ実現できないという現実である。

Wの上に挙げた実例がその実態を指示している。

同時に、地域見守り活動を積極的に荷う第三者は活動に熱心であればあるほどに在宅死現場に遭遇する度合いが高まるわけだから、厳しい事情聴取の対象者となる可能性も高まっているという現実を熟知している必要がある。

身寄りのないあるいは親族関係の希薄な在宅高齢者にとって地域の見守りは

制度利用と両輪で必要な人的資源であり、

地域の安定的ケアがあれば生活の質も維持できるのだが、こういった法的規制は地域ケアにたいして壁を作ることになると思う。

 結果、在宅高齢者への病院志向を高めると同時に、訪問医への活動範囲を狭め負担を大きくしているのではないかと想定する。


引用 用語解説 異常死 W.要するに在宅死を望むものは常日頃から死亡診断書を書いてくれる訪問医の診療を受ける体制を整えることであり、慢性疾患で通院中の在宅高齢者が在宅で当該病を要因として死亡しても、病院側は死亡診断書を書いてくれないということだ。在宅看取りは警察捜査の事案になる。

「自殺や他殺、交通事故や薬物中毒などのほか、病死の可能性があっても死亡原因が明らかでない死亡なども含まれる。医師は死体を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届けなければならない(医師法21条)。また、医師が死因を判断できない場合や、死因を特定する医師がいない場合、警察の取り扱いになる

>医師は、診療継続中の患者診察後24時間以内に、診療に関連した疾病で死亡した場合は、診察をせずに死亡診断書を交付できる

死亡の際に立ち会っておらず、生前の診察から24時間以上がたっていても死亡後の診察で、生前の診療に関連する死亡だと判断できる場合は死亡診断書を交付できる。」

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