反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

多死社会。日本人の死に場所。日本の看取り世界の看取り。

【ゆうゆうLife】「警察」扱いになった母の死 在宅の看取りどうする…「自然死」につなげるには(2) - 産経ニュース

引用

「【用語解説】異状死
 自殺や他殺、交通事故や薬物中毒などのほか、病死の可能性があっても死亡原因が明らかでない死亡なども含まれる。医師は死体を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届けなければならない(医師法21条)。また、医師が死因を判断できない場合や、死因を特定する医師がいない場合、警察の取り扱いになる。医師は、診療継続中の患者が診察後24時間以内に、診療に関連した疾病で死亡した場合は、診察をせずに死亡診断書を交付できる。死亡の際に立ち会っておらず生前の診察から24時間以上がたっていても死亡後の診察で、生前の診療に関連する死亡だと判断できる場合死亡診断書を交付できる

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上の図は日本人の「死ぬ場所」が変化、施設死が急増している理由より掲載

引用 看取りの基礎知識と看取り場所の今と昔

「一方 看取られる人の要望は、圧倒的に病室より自宅が多く71.7%の人が自宅で看取られることを望んでいます。」

在宅看取りは簡単ではないf:id:redtigerkun:20191119093615p:plain

  引用

「病室での看取りが普通となっている現在で、在宅看取りは非常に手間が掛かりより多くの準備が必要になってきます。」

本人/家族/医療者の三位一体が必要

  引用

「在宅看取りには本人希望と家族希望を確認後、本人が終末期であることを医師が診断することが必須です。
また家族だけの世話や介護では困難なので、往診していただける医師訪問看護さらに介護も考慮するとケアマネージャーなどの介護者とも連絡を密にしておく必要があります。」

看取り介護(W。施設入所、とくに特別養護老人ホーム=入所資格は介護認定、要介護3以上。身体障碍の要介護3よりも認知症要介護3のほうが介護困難度がはるかに高い!)が増加した理由と課題点

特養施設において看取り介護が増加した理由と課題点

>増加理由① 介護報酬に看取り介護が加算されたから

 引用

「平成18年4月より介護報酬に看取り介護が加算されました。そのため多くの特養施設では積極的に看取り介護サービスを取り入れるようになったので増加したと思われます。」

増加理由② 自然死という考え方が広まったから

省略 W.施設での死が自然死なのかどうか

人生の最後に過ごしたい場所(願望)、71,7%自宅、医療機関19%、介護施設8,2%。

在宅死を選択した場合、きちんと看取り体制を整えようと思えば看取る側の財力住環境など介護力が必要。

ただし、厳密に公共費の投入を計算した場合、地域の援助体制が整っていれば、自宅で死を迎えるほうが安上がりになるのではないか。もっとも粗雑なミスが付随するだろうが。病院死がこんなに多いのは日本だけだし、それが施設にタライ回されているいるだけではないのか。

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 W。多死社会

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課題点① 看護との連携不足

  引用

ほとんどの特養施設では夜間には看護師もいなく、医師も常勤医ではなく非常勤医しかいないので、死亡したタイミングによってはすぐに死亡確認ができないなどの課題が発生している。
また自然死に理解のない医師が救急搬送を依頼して、意に反して病院で亡くなるケースもあるようです。」

課題点② 看取り体制が不鮮明

  引用

「遺族からすると看取り介護を依頼しているので亡くなる瞬間も見守ってもらえると思われますが、実際は特養施設によって看取り体制に大きな違いがあるようです。
気付いたら死亡していたケースも多々あるようです。看取り介護を依頼される場合は、最低でも上記の課題点はしっかりと確認してから依頼しましょう。」

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長らく「病院で亡くなるのが当たり前」だった日本

 引用

「ほぼ半世紀にわたって、病院死割合が増え続けてきた。
 急激な病院死の増加時は経済の高度成長期と重なる。洗濯機や冷蔵庫、掃除機、冷暖房機、マイカー、カラーテレビなどがあっという間に各家庭に普及した。生活が一気に便利になった。」

家族の誕生と死亡家庭内で手を掛けることなく、より便利なサービスを求め、病院に任せるそれが豊かな暮らし方であると思い込んでしまった。」

「もう一つの要因は、

豊富な財源を背景にした老人医療費の無料化政策であった。

東京都の美濃部知事が着手し、大阪府の黒田知事が追随、さらに1973年には田中首相の指示で国の政策となる。病院への依存に一段と拍車がかかった。
 今では、厚労省ですら「失敗だった」と認めるこの施策は、1983年の老人保健法の施行までほぼ10年続いた。」

『さらに加えるなら、国民挙げての「医療信仰」の高まりがあるだろう。「多くの日本人は無宗教と言うが、立派な『医療教』の信者だ」と海外からの指摘もある。ポリファーマシー(多剤併用)問題もその一端だろう。』

「病院死の割合が減少してきたが、自宅死への回帰とは言えない。」

高齢者施設での看取りが増加

引用

「病院死の割合を押し下げた主因は、自宅死の増勢ではなく、実は高齢者施設での「看取り」が進んだためである。」

「統計上の施設とは

特別養護老人ホーム特養)と有料老人ホーム、

養護老人ホーム軽費老人ホーム(ケアハウス等)で、これに人保施設

認知症高齢者のグループホームは、統計上では自宅に含めており、施設扱いではない。

5施設といっても、その大半は特養と老健だと思われる。

老健05年に7346人だったが、16年に3万713人に増えているが、施設内の比率は31.5%から34%とさして増えていない

>一方、特養での死亡者の推移をみると、この10年ほどの間に病院に搬送されての病院死が急減し、特養内での死亡割合が急増している。

f:id:redtigerkun:20191119121213p:plain施設死を加速させている大きな要因は2つあると思われる。

引用

「ひとつは、厚労省が2002年以来力を入れてきた「ユニット型個室」の広がりであろう。~~

個室では状況が一変する。自宅で長年使っていた愛着のある家具や食器、身の回りの備品を持ち込み、「わが家」に近い設えを施すことができる。仏壇を置けば、もう自宅の延長である。
 そんな住環境で暮らすと、「最期は病院でなく、この特養の居室で」と本人や家族が思うようになる。潜在的願望の「自室での最期」を実現できるからだ。

もう一つの要因は介護保険での後押しだ。施設で亡くなると新たな報酬として「看取り介護加算」が2006年度に設けられた。

回復の見込みがないと医師が判断した場合

入居者の家族から看取り同意書をもらい、介護計画を立ててスタッフ体制をとると介護報酬として別に加算収入が施設に入る。

死亡日は1万2800円、

死亡日の前日と前々日は各6800円、

死亡日以前の4日から30日までは1日に付き800円である。

かつては、容態が急変するとすぐ救急車を呼ぶ病院依存が慣習となっていた。発想を転換させた効果は大きい。」

医師からも終末期医療に疑問の声が

  2010年2月に出版された「『平穏死』のすすめ」(講談社

「(病院では)点滴や経管栄養や酸素吸入で無理矢理叱咤激励して頑張らせる。顔や手足は水膨れです。我々は医療に依存し過ぎたあまり、自然の摂理を忘れているのでは」と、医療界では当然のこととされる延命治療に異を唱える。」

だが「多くの医師は自然死の姿がどのようなものか知る機会がありません」と慨嘆しつつ「こういう私自身、病院で働いていた40年以上の間、自然死がどのようなものか知らなかったのです」と正直に告白する。それほど、医療と自然死の壁は高く超え難いのが現実でもある。」

中村仁一医師が「大往生したけりゃ医療とかかわるな―――自然死のすすめ」(幻冬舎新書

「大病院の医者は人間が自然に死ぬ姿を見ない、知らない」との現状認識は石飛さんと同様である。さらに「枯れる死を妨害するのが点滴、酸素吸入の延命治療」「何とかするのが病院、と多くの人が思い込んでいるのは医療にマインドコントロールされているから」と、人間も自然界の一員に過ぎないと強調する。」

「私たちのやっていた終末医療は、人間の最期をなんと惨めなものにしていたのだろう」「これは人間の非常な悲劇だと私は反省しています」
 反省させられるきっかけは、海外のホスピスに接してからである。終末期医療への考え方を変えた。」

欧米では病院死は50%前後、オランダは30%以下

引用

「欧米諸国の中で、最も病院死割合が少ないのがオランダである。30%を下回っている。在宅医療や在宅介護が充実しているので、病院と変わらないサービスを病院外で受けられる。だから、病院で亡くなる必要性がない。

先進諸国で医療や介護の整備・充実度を測る目安は、

それらを在宅サービスとしてきちんと享受できるかどうかにかかっている

病院や従来型施設は、安住の場ではなく、非日常的な空間である。自宅や自宅に近い環境の集合住宅(施設)に住みつつ医療や介護の選択肢があるかがポイントだ。

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    日本のみ取り世界のみ取り

http://www.ilcjapan.org/study/doc/summary_1101.pdf

2)死亡場所の推移  

医療内容はほぼ世界共通であるとして、死亡場所の比率が異なるとすれば、それは国ごとの制度が違うためという説明もある。

医療によって左右される「死」についての対応が各国の専門家で異なっていることも予想された。

そこで、以下の 3 つの仮説を設定した。

仮説1)看取りの場の選択は、国の関連法整備によって影響を受けている

仮説2)看取りの場の選択は、医療専門職の関連ガイドラインおよび各専門職の判断によっ て影響を受けている

仮説3)看取りの場の選択は、がん患者と認知症患者では異なっている 。

>一言で言えば、認 知症の看取りの正解的標準化はがんに比べて遅れているということである。

認知症の特徴は終末期を判断するのが非常に難しい疾病で あるということである。

そこから、終末期と思わない場合は治療を続け、終末期と思う場合
は現状維持を選ぶことになる 。

>「調査対象国のうち日本に次いで高齢化が進んで いるフランス(高齢化率 16.8%, 2010 年,)、英国 (16.6%)、オランダ(15.3%)ではそれぞれ終末期関連の法律と国家戦略、ガイドラインが成立し ているということである。

フランスでは「レオネッティ法(2005 年)」「緩和ケア推進プログラ ム(2008 年)」、

英国では「意思決定能力法(2005 年)」「終末期ケア戦略(2008 年)」、オランダで は安楽死(2001 年)」「緩和ケア計画(2008 年)」である

>たとえばフランスではレオネッティ法成立までに20年以上もの期間にわたって国民的な議論が行われた とのことである。 

>上の図にみられる国ごとの違いは、

それぞれの国の文化というよりも以前から長寿先進国であった欧米諸国の歴史と、近年急速に長寿社会となってきた日本との国民的な議論の蓄 積の差がもたらしているものではないだろうか。 

結果として成り立っている法律や国家計画の内容もさることながら、

それらを作り上げる前提としての国民的なコンセンサスの積み重ね方の結果からの影響というべきかもしれない。これを まず、わが国は見習うべきであろう。

    4.わが国の政策への提言

1)認知症の終末期のケアのあり方についての国民的議論が必要

 特に、その「終末期」の判断についてはわが国おいては医学上のコンセンサスがなく、他のケア専門職にもないのが現状 である。

2)国レベルでの法整備が必要

「尊 厳をもって看取られる権利」は高齢化社会の幸福追求権ではないかという理念も提言したい。

3)看取りにかかわる在宅ケア専門職の教育推進

    2.終末期、看取りについての国際制度比較調査

制度を「安楽死関連」「終末期関連」の 2 つに分けている。 W。日本、韓国、チェコには先の2つの制度はなく、国家戦略もない。

 

安楽死関連」には、本人の痛みやさまざまな苦痛などから「早く命を終わらせたい」という意思に対する、積極的安楽死、消極的安楽死、自殺ほう助に関する制度が含まれる。W。アメリカ、オレゴン州尊厳死法、オーストラリア終末患者の権利法 オランダ安楽死法。英国、フランスにはない

「終末期関連」には、延命治療が無益と判断された場合に、延命治療を受けずに自然の経過の死を 迎えたいという意思の尊重が含まれる。W.イスラエル、フランス、英国、アメリカ患者の自己決定法。

    3.看取りに関するヒアリング結果 

オーストラリアにおけるインタビューの中から、いくつかのキーワードを抽出することができる。すなわち、

「人生の生きがいが奪われたときに、それにとって代わること」

「本人が治療の仕方を決めていく」

「 生活の質が低くならないように」

(介護者の)コアアイデンティ ティや生きがい」などにみられる自立した生活重視の姿勢である。

一方で韓国のインタビューでは、「孝の概念が強く、できるだけ長生きをさせてあげたい」
自分の家で親を看る傾向がまだ高く、施設に来ることは恥であるという傾向がある」や「病院に入院させると親孝行、老人ホームに入所させると恥という考えもまだ結構残っている」という発言が特徴的であった。
 

 すなわち、オーストラリアでは個人からの社会への働きかけを中心とする生活の質が最も重視され、

韓国においては縮小しつつあるとは思われるが儒教的な規範が認められる。
これらが、

オーストラリアにおいて「生存時間が延びる可能性が高い」で選択が少なく

「本人の尊厳が保持される」「QOL の向上が期待できる」が多いことの背景を一定程度表しているのではないだろうか。

また、日本においてはこれらの規範性が希薄であることから、

判断基準が明確ではなく、当面の当事者である家族の意向が多く意識される構造があるとも考えら れよう

オーストラリアにおける緩和ケアチームが院内、ナーシングホーム、地域にわたっ
て広範に終末期ケアにコミットしていることは社会全体に大きな影響を与えていることは注 目すべきものであると思われた。

  治療や看取りの方針決定の際に重視すべきこと 

がんケースの場合は各国ともに「本人の苦痛を取り除く」が最も多い。

認知症ケースの場合は「妻の意向」が最も重視される。

日本では「家族の負担を軽くする」が比較的多い。

 

   対応の基本方針、理想と現実 

現実の理由では、日本は「家族の意向」が多く、イギリスと オーストラリアは「ガイドライン」が多い。

認知症ケースでは、各国において基本方針の理想、現実ともに「疼痛ケア」が最も多く、理由
は「尊厳保持」が最も多い。現実の理由では、日本は「尊厳保持」 「QOL」が少なく「家族の意向」 「生存時間」が多い傾向がある。イギリスとオーストラリアは「ガイドライン」が多い。

    死について考える頻度 

日本は死について考える頻度が高い。

死についてよく考える。

日本31%

韓国17%

オーストラリア16%

チェコ12%

英国11%

オランダ9%

フランス7%

日本は死への不安・恐れを感じる割合が高い

死への不安や恐れを感じる

日本15%

チェコ13%

韓国10%

オーストラリア2%

イギリス   2%

イスラエル  1%

オランダ   0%