反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

17日東電会長勝俣、発表の「収束工程表ステップ1、2」は現場作業実態無視の典型的な机上の空論。いてもいなくてもいい役職のお前が作業の先頭に立て!

 東電は巨大な装置を稼働させることで資本を回転させている会社。さらに今回の事故を受けて、メガバンクから1兆9千億の緊急融資も即座に決定されている。
 会長や社長などいてもいなくても、会社の要所要所にしかるべき人材が配置されていたら、会社機能は回っていく。その意味で特殊な内需型独占企業だ。先頃破産した日本航空なんかより、よっぽど、人材が省ける体質の会社とみる。
 
 極端に云えば、役員などもっと圧縮できる。管理職も必要でないモノもたくさんあるはずだ。
 
「東電OL殺人事件」と云う佐野真のベストセラー、ノンフィクションはスリル、サスペンス、猟奇趣味、たっぷりのよく書けた本だったが、昼は東電で訳のわからない高度な経済研究をするOLが夜は街娼として渋谷の巷に出没する日々を送っている。
 
 そんなある夜、彼女は在日ネパール人に殺害されたと警察に逮捕されるが、獄中の被告は無罪を主張する。
 
 あの本を読んで、当時不思議に思ったのは、東電と云う所は会社内に経済研究だけをやっている専門家を養っていけるところなんだと。民間シンクタンクと云うヤツである。
 
 かなり違うんじゃないかな、と想った。発電送電の独占企業である東電はそういう分野に手を出してはいけないじゃないかな、と。優遇された立場の特殊企業としての規律の問題だ。
 
 仕事以外の時間に何をやっていても自由だと想うが、どうしてそうなっていまうのか、社内に特殊な環境があるのじゃないとと勘繰りたくなる。その辺の彼女の属する部署の雰囲気も描けている本だ。あれじゃ、官僚組織の方がまだ目的がはっきりしているだけズットましだ。
 再三指摘しているように電力独占資本は役所でもない民間企業でもない中途半端な会社組織でその意味での特殊環境もある。
 原発推進ー暴走と云う環境はそこの根っこから、もたらされているように思えて仕方がない。
 
 いずれにしても、相当な暇人がわんさ社内にいる所らしいとはわかる。
 
 >>だから、そういう人間は現場作業に出ていけ!と。
体力、技術がなくてもできる仕事はいくらでもある。
現場に張り付いている作業員は繰り返し被曝している。規定線量以下の被曝であっても、繰り返されることで体に障害が出るのは当たり前だ。
 技術職の代替えは簡単に見つからない。原発検修部門の経験者でなければ、作業がはかどらない側面がある。
 ただし、それ以外の単純作業も現場の散らかり様を航空写真で見る限り、相当必要である。
 
>もっと、根源的にいえば、平井憲夫さんの指摘するように、原発の危険作業現場では作業経験を持った人材が育たないという宿命がある。
 
 福島原発事故現場でも前日の記事で指摘したように、ピット内の割れ目から、排水管から漏れ出している様な勢いのある大量の汚染水を止めるため、生コンクリートを注入し、それで止めようとするような低レベルの現場作業実態が明らかになっている。
 
 平井さんの指摘ではボルト締めの対角線締めの大原則も習得していない作業員が作業に当たっていることもあると。
 防護服を着て、お互い言葉を交わせない、被曝との関係で作業リミットが限られている、作業員が集められない、などの障害があって、どうしても熟練作業員が育たない、と平井さんは指摘している。現場作業を指揮していた人にしか解らない実態がそこにある。
 
 これらの平井さんの指摘は原発検修作業の一面しか伝えていないようである。
 
>高温、高湿度下の劣悪環境下の作業であり、安全大原則も現場作業をやっているときについ無視しがちななる。
 
 極端な例として、つい防護マスクも外して作業することもあるらしい。
 
 こういう現場作業の実態から、被曝が原因で病気になる人も数多く生みだしてきた。
 
歴代自民党政府、電気事業連合会などが発する原発安全神話原発見学などで一般人が目にするクリーンな原発が稼働していく裏側では、検査、修理など、原発運転に欠かせない仕事を受け持っている人たちの苦労がある。その人たちの労働条件は決して良くない。
 
 今福島原発事故現場の最前線で作業している人も、そういう経験を持っている方だろうと思う。
仕事の内容に比べて報酬、福利厚生の問題はついて回る。おまけに現場労働者としての技術問題もあるだろう。
 
>>東電会長の工程表は以上の様な実態を知っているが、素知らぬ顔をして、サラリーマンとして本社の階段を登りつめてきた人間そのものの感性から発せられたものである。世界が違うのである。
こういう人の「病気」は死ぬまで治らない。鉄面皮と云うものである。
 
事故現場の最前線で今必死で働いている方はよ~く考え直した方がいい。今こそ、その機会だ。
危険作業に見合う、労働条件が保障されなければならない。
>>保証できないのなら、代わりに東電社員が現場に出ろ!
 
>>>工程表ステップ1、2をじっと見つめると、ウソと誤魔化しがふんだんに盛り込まれている。
おかしいじゃないか!
 
 もはや存在しない1、2、3号機の使用済み燃料プールの冷却装置の復旧ってどういうことだ?
プールは上面から内部の水を汲みとり、冷却装置を通して反対側の上面に循環させ、内部温度を30度に維持する仕組みだ。
今現在そんな配管、冷却装置なんか大爆発で吹っ飛んでどこにもないよ。
3号機なんかプール事態の存在も怪しいモノだ。
 
 残骸としてあっても、中身の燃料棒の一部は爆風で外部に吹っ飛んで、数多くの棒を維持する枡はグチャグチャニなって、燃料棒相互は触れ合って一部は溶融しているはずだ。
これはまだ希望的観測でプール事態が存在していない、と云うのが真相だろう。
 
>水をポンフ車の長いアームを使って、注入しているのは、原子炉運転停止中でプールの使用済み燃料棒が冷却循環の破損によって発熱状態の4号機だけ。ところが、他の建屋が爆風で吹っ飛んで破壊された1,2,3号機のプールはそういう措置が取られている形跡がない。
 
 ということは、もうやる必要がないってことだ。破壊されつくして。
3号機へのアメリカ軍の力を借りてまでの荒っぽい放水作業は記録されているが、あの時1号、2号。3号にも同じ処置がとられた、とみている。
 
 >>ないモノをあるという前提で工程表に載せている。
云い換えると、プールにあった燃料棒など高濃度放射能、放射体や汚染瓦礫がそこらじゅうに降り積もり、散乱した作業環境で今現在作業は行われているということだ。片付けながら作業を前に進めなくてはならない。
 
 重機でできない作業はいくらでもある。
東電の社員にやらせろ!当たり前のことだ。先に書いたように東電の様な会社は特殊な巨大装置産業
特別必要な人材以外は誰でも務まる仕事。机を前にして仕事をしているふりをしている人間。不必要な会議、連絡を繰り返している人間は現場作業に出ろ!
 
 >>液体窒素を格納容器内に入れて水素爆発を抑え、同時に沸点マイナス200度で冷却する、並行して真水注入ー冷却循環構築。ここまでがステップ1。3か月。真水密閉で炉心の低温化。6か月。
 
管首相主導で工程表が作成されたらしい。
 現場実態とかけ離れた典型的な机上の空論。
これ以上立ち入って書いてもしょうがない。書かない事にしている。
が、それこそ決死隊を結成しない限り、こういう作業はできない。
まさしく、戦前の特攻隊。期限を限った作業ならそうなってしまう。
 
 放射能、核汚染物質充満、の作業環境さえなければ、工程表の云うような作業は手間はかかるが、大して高度な作業ではない。
すでに廃炉も決定されているのだから。
 
   <<追記>>
 いつもながらの誤記がある。
いつもだったらそのままにしておくのだけど、今回は肝心な部分。
使用済み燃料プール破壊の激しい順番は3号機。
ここはもうプールの跡型しかない。10メートルのプールに一本ごとにラックに囲まれて沈静されているはずの使用済み燃料棒の大半は爆風で吹っ飛んでいる。残りのモノで溶融可能なモノは溶融している。
 1号機もたいして変わらない状態だろ推察する。
 2号機は航空写真から見ると、建屋の損傷が1、3号機に比べて軽微だが、燃料プールへの4号機の様なポンプ車を使った注水が行われている情報が公開されていなことから、もはや手遅れ、と放置して、放射能汚染を洗い流すだけで済ませているようである。
 
>>今日はほんとに珍しく、NHKの7時のニュースで工程表公表を受けた、解説員の解説らしきものをみた。
あの程度だったら、私の記事の方が真相に切り込んでいるという感を強めた。
情報過疎で能力に疑問符のあるモノでさえ、この程度の情報は収集できる。
 
 一体奴らは何のために解説しているのか?
自分で不甲斐ないと思っているはずである。想ってなければ一種の病気だな。
ま、今のマスコミのモノは総じて不治の病とみてはいるが。
 
 ロボットで建屋内に入って、放射線量を細かい測定し、線量の弱いところから、徐々に人間の手作業で格納容器の漏れ個所をコンクリートで塞ぐしかないだと?
 解説している本人もどこまで信じているのか?そこが聴きたい。
 
>ロボット探査の結果、どこにも弱放射線の隙間がない、と解った時、どうするのだろうか?
 
ない!とする方がまともな想定であり、ある!とする方が希望的観測と云うものだ!
では、ない!とする事態にどう対処するのか?
 お手上げだろう。
これが福島原発災害事故現場の実態だ。
 
 危難地域の住民の方で最大9カ月の帰郷を長いといっておられ方の意見がマスコミに流れているが、さすが
原子力で明るい街づくり」の方たちだと納得する。人は十人十色。イロンナ人がいる。
 
 結論。最終的に荒っぽい作業で鎮静化するしかないのでは。
そのためには、避難区域をもっと拡大する必要がある。
素人ながらの結論である。