水野晶子アナは冒頭に読者から寄せられた声として、小出さんに収束期間の予想を質問している。
だからマスコミはダメだって云うんだ。
この放送を聴くのは今回で二回目だが、多分それまでの電話出演で小出さんは、事故の実態を細かく話してきたはずだよ。
その経過を踏まえて、もっと深いコメントを引き出すのが、ジャーナリズムと云うものだ。
政府東電の発表した工程表3か月、ステップ1、水棺化ステップ2、を元に小出さんから収束予想を聴きだそうとするなんて、競馬予想を聴くより、的外れってことが解らないのかな~。
>>ただし、政府東電のステップ2水棺方式は漏れている以上、無理だといっている。
収束予測を冒頭で聴くことで、この日の小出さんの意見がこれまでの繰り返しに限定されてしまった。
小出さんはラジオといえどもマスコミには聴かれていることしか、答えないよ。私が毎日書いている様な全貌は小出さんの口からは聴かれない以上、マスコミに流れない。
マスコミに対する姿勢は政治家に対する姿勢と同じようにハッキリしている。限界を見切っている。
事故現場の実態を私流にまとめると次のようになる。多分、小出さんの意見も大して変わらないと考える。
>>>>事故現場には簡単に手をつけられないサイクルがある。強烈なジレンマがある
<発表による燃料棒の損傷具合>
1号機ー70% 2号機ー30%(圧力抑制プール破損、冷却注入水汚染漏れ) 3号機ー25%
圧力容器の中がどうなっているなんて、どうして解るんだ?
そもそも、温度、圧力の計測器さえ、不正確になっているのじゃないかと疑っている。
あれだけの水素爆発のあった3号機の燃料棒破損の程度が一番低くて25%なんて、科学的に信じらあれない
爆発が大きいということは、被覆体のジルコニウムがそれだけ大量に溶けて水素ガスが発生した、従ってそれだけ燃料棒の破損が大きい、と理解するほうが理にかなっている。
1号、3号の圧力容器、格納容器は漏れている。2号機は破損程度が航空写真では一番少ない。
もしかしてここだけは、圧力容器、格納容器の損傷の程度は軽微なのかもしれない。
>1号、2号の全貌を2号機の圧力抑制プール破損を公表することでごまかしている。巧妙な手口である。
この手口は4号機の使用済み燃料プールへの注水を前に押し出すことで、1号機、2号機、3号機のプールの大破壊、を隠している、事と同じである。
つまり、耳目を比較的破壊の軽微なところに集中させることで、破壊の最も酷い核心部分から大衆の目をそらしている。
非常に巧妙、高度な情報操作だ。
<<事故現場のジレンマのサイクルは次のようになっている>>
キビシイ綱渡りが続いている。
>炉内の温度圧力管理。注水量が多すぎたら、大量の汚染水がダダ漏れし、作業環境及び一般環境を汚染する。
>かといって注水量を加減すれば、炉内温度、圧力が急上昇し、炉心溶融がもっと進み、二度目の水素爆発をする。
>最終的な解決手段は冷却水循環系の修理、又は外部接続しかないが
>炉内温度、圧力を維持し、爆発を抑え込んでいるダダ漏れ注水を続けるしかないので
>冷却水循環を構築するための作業環境が多量の放射能汚染水によって整えられない。
>>>並行して1,2、3、号機の使用済み燃料プール大破損の問題を抱えている。
いずれも、注水作業すらやっていない。もう跡型も存在しないと考えた方が妥当である。
それなのに工程表では何とかなるような工程が示されている。誤魔化しの象徴である。
昨日の小出さんもこの辺のことは簡単に説明していた。プールの事態には触れていなかった。主要な事態でないとみなしているのかもしれない。この件について聞かれなかったから答えてこなかったのかもしれない。
>>>冷却水循環系の構築は手作業になるから、厳しい作業になると。
>>今回のロボットを使った放射線超測定では50ミリ、シーベルトが観測されているが、これは100から200ミリ、シーベルトに引き上げられた現場作業員の被ばく限度からすると、作業時間は4時間が限度になり、4時間の被曝をうけた作業員は二度と作業に参加できない。
ここは、私のこれまでの記事が誤って伝えている所だった。私の記事ではほとぼりがさめると、もう一回作業できるようなニュアンスになっていた。
現実は4時間作業したモノは作業現場からリタイアと云うことで、現場ではこれから、膨大な技能労働者が必要になる。
勿論それ以外の周辺作業には単純作業労働もたくさん必要。
これ自体、大変なことである。まさしく人海戦術だ。それだけの人が揃えられるかどうか?
核心的作業では素人作業員は異常環境下では足手まといになるだけだ。即戦力の経験者が大量に必要だ。
だから、喧しく、キチンとした労働条件を保証しろ!と繰り返し書いている。
>>次に小出さんは1号機だけに入れている窒素注入は必要ないと、答えている。
10日間も窒素を注入し続けているということは、原子炉が漏れているからだと。圧力上昇がないのも漏れがあるからだといっている。
ここら辺りが、逆説だ。漏れ個所がヤカンの蒸気穴の役割を果たしている。
だから、この面からも、逆説事態となって「きっこさん」の恐れるようないきなりのドカンは、まずないと理解した方がいい。
さらに、以前の記事に書いたようにすでに燃料棒溶融落下は事実としてある。御用学者も発表している。
なのにどうして爆発がないのか?と云う観点から考えてみる必要がある。
メルトダウンした物質は圧力容器底を溶かしていない。注水をズット続けているけている訳で、その延長線上には今のところ容器を溶かす溶かす条件がない、ということだ。
故に、圧力容器底、融解ー溶融物質格納容器へ落下ー爆発の最悪シナリオの可能性は低いとみるのは理の当然である。
>>>シナリオをストレートに表現するのは飛躍である。
今回の事態は人類が経験したことのない巨大な実験室の様なモノ。
メルトダウンー圧力容器破壊ー格納容器下部に溜まった水と反応しての今のところ、爆発のシナリオ通りにないかないという事態があることは間違いない。
ただし、汚染水、ダダ漏れ状態で注水を今の状態で継続できる環境が整っている、と云う限定条件がいる。
それは、しかし、事態の好転では一切ない。
>>最後に小出さんは東電政府のこれまでの対応のなし崩し性を避難区域拡大のやり方、現場作業員の被ばく線量引き上げ、と云う具体例をあげて批判している。
政府東電はここまでずっと甘い予測で対応してきたと。
>>現実は厳しいと云わなくてはならないと。
>>小出さんが云うような甘い見通しに立って、これまで対応してきたとしたら、今回発表の工程表も事故現場の現実に裏切られる。事実裏切られるであろう。
>>しかし、私の意見では事はそう単純ではないと理解している。
>政府が何より恐れているのは、当初はパニックだったと思う。
事実、当初、食料品その他の買い占めの事態もあった。
>今現在、事態は一向に好転していないのに、テレビは一般番組放映に移行し、多くの人はマスコミ報道を不安がりながらも、何となくマスコミ報道レベルを信じたがっている。それ以上のことは知りたくないという心理が働いているようだ。良くも悪くも、意図していたのか、していなかったか、どうか解らないが、結果的に人心を平静に誘導できている。
東京都知事選で石原が圧勝したこと見ても、多くの人の中に緊急事態に際しての、自己保存本能が一般化している。
非常事態に、ひと塊りになり、既存の機構、勢力の翼下で事態をやり過ごそうとしている。
人間は危機的事態にを前にすると動物的本能が前面化するにも事実だ。
「知りたくないの」と本能的に身を引いて、自分のこれまでの日常性に回帰するのを否定できない。
人間には弱い人と強い人がいる。
>>しかし、危機的事態に弱い人のことを最優先に考えるのが政治の重大な役割である。
>原発事故が発生した当初、事態の全貌を政府が緊急声明のよな形で発表していたら、日本人はそれに、行動として実際の所、答えられたであろうか?疑問符がつく!
>>今に至って、云えるということもある。日本人は冷静でパニックなんか起こさないと。
可能性の問題として為政者がパニック考えるのは当たり前だ。
それを発生させる為政者は最低の統治者である、事は間違いない。
>>>今現在にもそういう傾向は当てはまる。
事故現場の実態、全貌をマスコミが一斉に報道しだしたら、パニックは起こらないことは確かなようだが、ようやく、何はともあれ、事態を受け止め、平常心を取り戻している多くの人が浮足立つことは、確かな様な気がする。
経済循環が平静を取り戻せなければ、震災復興も絵にかいたモチになる。
原発だけが今回の大災害でない。その向こうには大変な被災が存在する。
政権は何重もの事態に対処しなければならない。
>>>こういう観点から考えてみると徐々に真実を明らかにし、状況適応能力を発揮してもらうのも一つの情報戦略だろう。
>>>自分が為政者の立場に立って見れば、間違いなく、全貌を明らかにして、困難な事態への備えを求めるが、政治はウソをつくことでも成り立っているのも事実。
事態は深刻。
どうするのか正直解らない。
冷却水循環構築の絵図は小出さんが指摘するように外付けで新たに付け替えることが、もっとも危険が少ない作業だ。タービン建屋の汚染水除去を待っていてもいつまでたっても系統構築に手をつけられない。
何しろ注水し続けなければならない。すると汚染水が出てくる悪循環を回避することはできない。
もう稼働時の様な大量海水も必要でないのでタービン建屋の熱交換機は破棄してもよい。
しかし、この程度の作業さえできないほど、大量の放射線量と破壊が目の前にある。
やはり、使用済み燃料プールの破壊=放射能拡散、原子炉容器の漏れへの追加が決定的なんじゃないと私なりに想像するが。
放射線さえなければ、規模は大きいが技術的に大層な工事でない。
>>>素人考えだけど、冷却系統構築は無理なんじゃないかと想っている。
チョット接近しただけであれほどの、放射線量。ロボット探査なんて当てにできない面もある。ロボットの行動範囲は限られている。
普通考えると、もっとも破壊され、放射線量の多い所に漏れ個所はあると。
しかも一か所だけじゃない複数と考えるのが自然である。
1~3号機の其々に個別事情もある。
次の手があるのかないのか?事態の真相はそういうところまで来ている
現状、一種の戦争の様な大掛かりな事態を引き起こすことを躊躇しているようにも見える。
戦後日本は戦争的事態を自分で引き起こすことにに慣れていない。
>>福島原発事故現場は一種の戦争的事態である。
戦争をなくすためには、戦争を発動するしかない!これが本当のところである。
ロボット探査の結果無理だとやっと解って、余りにも貴重な時間経過の中で、ロシアの様な手を打つしかないと、決断するのではないかな。
その間に、もたもたしていると、突発的に再爆発が起こらないとは限らない。
日和見主義、事なかれ主義、問題先送り、による完全な回り道だ。