反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

日本資本主義の現段階は金融寡頭制(アベノミクスで支配力完成)、国内過少消費、国内貧困化と海外資本輸出の古典的な帝国主義である。そのような見方をすると日本内外のすべての事象の合理的説明がつく。

W。前回の記事。

日本経済は「自己実現的」に停滞している状況。流出に偏った日本的グローバリズムの特殊性。企業の多国籍化によるグローバル収支で見ると、大きくマイナス(流出過多)。9.9%と、流入が流出の10分の1未満という「一方的なグローバル化」。

の内容を反俗日記、本来の思考パターンである(現代帝国主義論)に落とし込んでいこうと、Web上のPDF論文を探し求めたが腑に落ちるものが全くなかった。

Wが古すぎるのか(この点は承知の上だ)、時代の研究スタイルが<反体制>的な姿勢を放棄しているのか。

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W。前回の記事で長文引用した、日本的特殊グローバリズムの実態非常に重大な問題を含んでいる。

W。超手短に言えば、日本資本主義の現段階の最大の問題点を要約すると国内過少消費、国内貧困化と海外資本輸出であり、

>コレはレーニンが「帝国主義論」で指摘した古典的<帝国主義>の内外に通底する矛盾と言って良い。日本資本主義は古典的な帝国主義の様相を来たしている。

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W。であるとすれば日本に起因する内外の社会政治文化現象はすべて帝国主義的現と見る、と腑に落ちる。

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したがって帝国主義足下の国民として<腹を決めて>対処していく必要がある、ということになる。

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前回記事で取り上げた長文の情報の肝は

日本経済は「自己実現的」に停滞している状況。流出に偏った日本的グローバリズムの特殊性。企業の多国籍化によるグローバル収支で見ると、大きくマイナス(流出過多)。9.9%と、流入が流出の10分の1未満という「一方的なグローバル化」

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論者は<だから>出て行った分の国内投資や国内雇用が失われたと解りやすく解説している。

確かに足し算引き算の世界ではそうなってしまうが、はたして生きたリアル複雑、相乗的な社会、経済、国家、政策、財政、の世界はそういう単純なものであろうか?大いに疑問である。

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>理論的裏付けを得ようとして挫折したが、

>調べていくうちに前回の議論の「出て行った分の国内投資や国内雇用が失われた」という単純素朴な間違いは解った。もっとも、経営者としての論者の意気込みは空回りすることだけが解っていたが、<希望>というものは必要とあえてコピーした。経済は<気>でもある。

@論者の指摘する日本経済の実態よりも厳しい環境が長期に渡って続いていた、と以下引用する二つの情報は証明している。

@その一つは<経済産業省>の報告書である。

⇒米国、ドイツは工場海外移転、資本輸出にもかかわらず、国内設備投資と投資は相乗効果を発揮するように伸びた。

@もう一つは<経産省>官僚が官邸側近として影響力を持ったといわれるアベノミクスが資本輸出を大きく後押ししたという事実である。ずっと以前に経産省の報告書を見ると<稼ぐ>ということが無闇に強調されていた。そうすると出て行った分だけ国内投資は伸びない、となる。何かのプラスアルファーがあって相乗効果を発揮するのに、それがなかった。MMT的一国主義の財政支出の問題というよりも民間企業、政府資金の行き渡る企業や社会経済構造に日本独特の課題があった、と見るべきだろう。⇒時間の都合上割愛した。

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  第1節 我が国企業の海外事業活動の現状と課題

2.いわゆる「空洞化」の現状と評価

引用

我が国の抱える課題をより詳細に捉えるために、ドイツ、韓国、米国と国際比較を行う。ドイツと韓国は、製造業従事者の割合が先進国の中では比較的高い水準にあり、現在でも製造業の強い国である。米国は産業構造の転換が先進国の中でいち早く進み、製造業の割合は低い水準にある。これら国々との比較を通じて、我が国産業の空洞化懸念の現状と今後の課題を明らかにする。」

2. 我が国の国内投資・国内雇用・国内生産の現状

(a)国内・対外投資の推移

第3-1-2-2図 国内投資と対外直接投資の推移

W。固定資本生産および収益に用いられ、長い期間に何度にもわたって用いられるもの。現金などとは異なり、流通を目的としない資本。土地家屋機械器具(W景気循環の推移を測る重要項目)特許権などの資本。

W.ドイツの対外直接投資の推移は独特。ベルリンの壁崩壊=東独併合混乱⇒EUを利用して経済拡大EUドイツ帝国主義の隠れ蓑韓国アジア金融危機からの回復素早い

米国情報通信産業転換によって固定資本形成はなかった。

第3-1-2-2図 国内投資と対外直接投資の推移

       経産省の上図の解説

引用 直接投資⇒「国外で事業活動を行うために企業を買収したり、生産設備などに投資したりすること。」

我が国の国内投資と対外直接投資の関係

国内投資1990年代前半には140~150兆円で推移していたのに対し、現状は100兆円を切る水準まで低下して推移している。⇒W。バブル経済の膨張期は基準として全く不適。平行線と見るべきだ。

一方、対外直接投資は1990年代半ばから2005年までは1~4兆円で推移してきたが、その後は増加基調に転じ、リーマン・ショック後の一時的な減少を経て、2011年には10兆円弱まで拡大している。

>すなわち、国内は投資が伸び悩む(W。この表現でOK)一方、海外投資が増加基調で推移している。

第3-1-2-3図 我が国製造業の国内・国外設備投資とGDPの推移

 

第3-1-2-3図 我が国製造業の国内・国外設備投資とGDPの推移

引用

ドイツ等では、国内投資も対外直接投資も両方増えており、必ずしも両者はトレードオフの関係にない。

我が国でも双方の拡大を図ることが可能なはずである。」

 W.経産省アベノミクスの論理を開陳。

我が国のみが対外直接投資が増加する一方で国内投資が減少していることになる。この国内投資の減少が対外直接投資の増加によって生じている、すなわち「空洞化」が生じているかどうかであるが、国内投資は期待成長率国内の生産・輸出動向等によっても左右される。」

「したがって、「対外直接投資の増加→国内投資の低迷」という因果関係が即座に成立するわけではない(更に、対外直接投資の増加が輸出誘発効果を伴う場合には、国内投資を増加させる可能性も考えられる。)。むしろ、他の主要国の例は、国内・対外投資双方の拡大が可能であることを示している。」

第3-1-2-5図 業種別の就業者数の推移

W。米国の全産業就業者数の伸びは異常。移民要因だけではない。徹底して労働力商品化が進展した。一人の労働者が二つの職種の仕事を掛け持ちした場合、2労働力商品と換算されるのではないか。そういう計算式なら、この増加は解る。働き方改革(悪)である!ゆえに国労働階層は貧困化している。

 

第3-1-2-5図 業種別の就業者数の推移

以上から、我が国においては製造業の就業者数減少を非製造業の就業者数増加で補いきれておらず、就業者数全体で減少傾向にある。これも「空洞化懸念」を想起させる現象の1つとみることができる。

第3-1-2-6図 我が国製造業の国内就業者数と海外現地法人従業者数の推移

 

第3-1-2-6図 我が国製造業の国内就業者数と海外現地法人従業者数の推移

「製造業の海外現地法人従業員数の伸び率がおおむねプラスで推移する一方、国内就業者数の伸び率はマイナスで推移する傾向にはある。しかし、両者が必ずしも毎年トレードオフの関係として推移している訳ではない。なぜなら、国内就業者数は、海外現地法人の影響のみならず、国内における様々な要因W??によって影響を受けるからである(第3-1-2-6図)」

 

第3-1-2-7図 我が国の国内就業者数と労働力人口の伸び率の関係

第3-1-2-8図 我が国製造業の国内就業者数と輸出及び生産額(名目)の伸び率の関係

第3-1-2-8図 我が国製造業の国内就業者数と輸出及び生産額(名目)の伸び率の関係

>「更に、生産性が向上すれば、労働需要が減少し、国内生産と雇用の動きに乖離が生じる。」⇒W、資本の労働力から得た付加価値の投下率が悪い。現場に再投下しないで投機市場に投機したり超過利潤を求めて海外投資している。銀行などの預貯金は実質的には前記のように運用されている。赤字国債が市中で売れる要因が解る。

 アベノミクス登場

足下の就業者数は、リーマン・ショックの影響で09年に戦後最大の落ち幅を記録しており、更に2011年3月の大震災に伴いその後も国内雇用は減少傾向が続いている。その上、2012年に入っても急激な円高世界経済の減速懸念から輸出の回復が遅れており、製造業を中心に雇用回復へのインセンティブが削がれている可能性が高い(第3-1-2-9②図)。このように国内において先行き不安が生じている状況において、仮に今後製造業の海外進出が加速すれば、製造業の国内雇用が更に減少し、サービス業等の雇用増をもってしてもこれをカバーできず、雇用不安が一層拡大しかねないとの懸念に繋がっているものと思われる。」

第3-1-2-11図 一般・電気機械の現地法人売上高と日本からの輸入調達額及び国内生産額(名目)の関係

我が国において、製造業の対外直接投資の増加が製造業の国内生産額にマイナスの影響を与えたかどうかについて考察する。

第3-1-2-11図 一般・電気機械の現地法人売上高と日本からの輸入調達額及び国内生産額(名目)の関係

一般に国内生産が、海外生産と代替関係にある場合には、海外生産の拡大に伴って国内生産が減少する可能性があると考えられる。

他方、基幹部品の国内生産のように海外生産と補完的な関係を有するものもありうるため、国内生産が海外生産と必ずトレードオフの関係になるとは限らない⇒W多国籍企業の企業内貿易

 海外展開18の影響として、将来の縮小が見込まれる要素

一方、「研究機能(基礎及び応用)」、「本社機能」「人材育成機能」「基盤的な技術」は相対的に割合が低かった。

>なお、「製造機能(マザー工場)」(16%)や「開発機能」(10%)が相対的に低いとはいえ、一定の比率を占めていることは、我が国の国内産業基盤の弱体化に繋がりかねず、注意を要すると言える。

W結論。数値的なマイナス客観指標に蓋をすることはできないが、できるだけ楽観的な要素を意図的に拡大するように努めている。

>厳然たるトレードオフ関係への具体的な対策は、赤字国債大量発行のアベノミクスで突っ走った。アベノミクス後、ウクライナ戦争、中国市場分離の外患、軍需費増額、国内景気上向き要素無、円安基調(食料、原材料不安)の内患が相乗し、う動きの取れない状況が続く。

>日本資本主義の現段階は国内過少消費、国内貧困化と海外資本輸出の古典的な帝国主義である。そのような見方をすると日本内外のすべての事象の合理的説明がつく。