反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

グローバル資本制の世界化による核家族の世界的伝播にもかかわらず、 家族形態による社会政治経済の独自性分析(トッド理論の精髄)は有効。この議論はグローバル資本制伝播によって相克を経ながらも世界が均一化するのか、多極化、複層化とするのか、という大きな将来への見通しにかかわる課題。

W、【コラム】エマニュエル・トッドの家族システム分類

  <絶対核家族

「絶対」というのは、「遺言の内容が絶対的に自由なので、親は子供たちへの遺産の配分を自分の意のままにできる」(p.74)からであるが、1組のカップルとその子供たちから成るグループを超える親族網の機能が消滅している」

  <直系家族>

  • 親が子どもを常に監視教育熱心→早い識字化(日本、ドイツ、スウェーデン
  • 直系家族の国の特徴は「歩行者が律儀にも赤信号で止まる」(p.134)
  • フランスではこの地域の差異主義が国の普遍主義的拡散から守った

(注)バーレーンは「本来の住民については、出生率が最も急速に低下した国」(p.80)シーア派住民が多いため「近隣諸国より急速に変貌」

W.中東の地政学も今後のためにかじっておく必要がある。

カタール - Wikipedia

アルジャジーラ

内外で人員整理、役目を終えている感がある。NHK大放映料支払いの現実。

GDPPPP)9万ドル一人当たり

アメリカ中央軍が駐留

2017年6月には米海軍と、同じく8月には米軍パラシュート部隊との合同軍事演習を行った。一方で同年11月からは2017年カタール外交危機での孤立に伴って上海協力機構に加盟申請し(のちにトルコと同じ対話パートナーとしての参加が認められた)、翌12月にはカタール建国記念の軍事パレードで中国人民解放軍による訓練で従来の英国式から中国式のガチ

ョウ足行進に改め中国製弾道ミサイルBP-12A英語版を披露し、中国への接近が目立っ。上海機構加盟。

ナチス式行進とも呼ばれる。プロイセン陸軍が発祥と考えられる。

 

カタールの重要資源は液化天然ガスLNGである。Liquefied Natural Gas)メタン(燃える気体)を主な成分は、天然ガスを-162℃まで冷却し液化。用途、火発7割、都市ガス3割。W,空気より軽いLPGプロパン・ブタンを主成分に持つ液化石油ガス。ー42度冷却。空気より重い。同じ体積で都市ガスの2倍以上の熱を出す=W.カセットボンベ

各国とのLNG契約も長期にわたり、2021年7月には韓国と20年間、2022年11月21日には、中国と27年間に及ぶ契約が締結したことを発表した。一方日本とは契約が難航し、長期契約は全て売り切れとなった。グローバル資本制下、食料を含めた資源のない国は戦略的幅が狭くなる。冷戦体制崩壊後日本の中東外交独自性希薄。

  引用バーレーン - Wikipedia

面積は日本の琵琶湖とほぼ同程度 

スンナ派であるが、1782年以前はシーア派以外の宗派を認めていなかったサファヴィー朝アフシャール朝支配下にあった経緯もあり、国民の大多数をシーア派が占める。

1994年以後、シーア派による反政府運動が激化し、2001年2月に行われた国民投票によって、絶対王政首長制から立憲君主王制へ移行と共に王国へ改名した。

隣国サウジアラビアとは、王家が同じ部族の出身ということもあって関係が深く、実質的な保護国となっている.

軍事

湾岸戦争後、アメリカと防衛協定を結び、アメリカ軍が駐留しており第5艦隊の司令部がある。南部の約25%がアメリカ軍基地となっている。

2011年バーレーンGDPは約261億ドルと推計されており日本島根県よりやや小さい経済規模⇒世界第42位の金融センターと評価されており、中東ではドバイカタールに次ぐ第3位である。Wタックスヘイブンだろう。原油と米海軍第5艦隊(中東方面展開)の指令基地、タックスヘイブン金融で飯を食っている国。

GDPPPP)一人当たり5500ドル

 

(注2)ウクライナロシアと異なって核家族タイプとされる。「ロシアのような共同体家族の社会は、平等概念を重んじる秩序立った権威主義的な社会で、集団行動を得意とします。こうした文化が共産主義を受け入れ、現在のプーチン大統領が率いる「ロシアの権威主義的民主主義」の土台となっているわけです。

ウクライナ社会は、かつて共産主義を生みだしたロシア社会とは異なります。断片的なデータしかないのですが、おおよそ核家族構造を持っていて、個人主義的な社会です。(中略)その意味で、プーチンが「ロシア人とウクライナ人の一体性」を言うのに対して、ウクライナ人が「自分たちはロシア人とは違う」「小ロシア(ウクライナ)と大ロシア(ロシア)とは違うのだ」と主張しているのは、筋が通っていますウクライナ核家族は、ロシアの家族システムとは異なるからです。

むしろ核家族は、イギリス、フランス、アメリカのような自由主義的な国家に見られる家族システムです。

その点だけを取り出せば、ウクライナを”西側の国”とみることもできるでしょう」(エマニュエル・トッド第三次世界大戦はもう始まっている」文春新書、2022年、p.38)

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⇒反俗日記の過去記事にウクライナの歴史が紹介されている。

ロシア、ウクライナ戦争の背景についての探求

ウクライナ核家族の理由

ウクライナ中央部、ドニエプル川の東部はポーランドの(カトリック)影響力が強い(一時合体)。しかも支配層ウクライナ人、ユダヤ人=カソリック、被支配層帰一ロシア正教会に分裂。この関係をロシアが利用し、ポーランドからウクライナを切り取った。

前掲の家族形態分類では、ポーランド人は最も個人主義的な国民(Wアンジェイワイダ監督の名作を見たとき、登場人物たちの英米先端風立ち振る舞いに衝撃を受けた。故意にそういう演出をしているのか疑ったほどだ。今から想えばトッド家族形態論の有効性が立証された瞬間だった!)このため18世紀には国家統一が崩れ、分割を招いた、とまでされている(トッド)」

コサックの伝統(外部略奪)を受け継ぐ支配層は支配下住民の扶養力増強に無関心放置であり、外部勢力との合従連衡で支配的地位を確保(安堵されていた)していた。住民は肥沃な大地を核家族規模で耕作することで食っていけた。ソ連時代の集団化によってもこの気質は保持された。=スペイン、ポルトガル移民⇒南米と類似。

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ベラルーシウクライナと異なり、ロシアと同様に共同体家族の国であり、そうした社会が「ヨーロッパ最後の独裁者」とルカシェンコ大統領を支えている(同上書、p.48~49)。
(注3バルト三国外婚制共同体家族の地域であり、1917年10月革命においてラトビア銃兵が決定的な役割を果たした。そのためレーニンからの信頼を得て共産党の政治警察の創設にラトビア人活動家が積極的に関与したとされる(同上書、p.47)⇒W。ロシア革命の実態をよく知っている。

W。さらにこの注釈では各々の①家族形態の及ぼす②社会経済上の特徴に立ち入った説明をしている。

@ただし、この点について「人間はどこからきて今どこにいるのか?」において①と②の間において資本制の世界化によって<核家族化>が一般化している現象にもかかわらず、トッドの家族形態分類論が今でも有効である、とする独特の方法論を提示している。

>チラッと読んだ限りでは、

、と学問的にきちんと証明しようとしている。

@この議論はグローバル資本制伝播によって相克を経ながらも世界が均一化するのか(フランシスフクヤマネオコン、東大の何とかいうマルクス文献学者、さらには日本の安直な平和と民主主義価値観絶対化論者のイメージもコレ)

>トッドのように多極化、複層化とするのか、という大きな将来への見通しにかかわる課題である。

@経済拡張するEUウクライナロシア戦争に至る過程でその上部構造であるNATO英米にグリップされることによって、世界多極化の一極としての存在理由欠如を浮き彫りにした。最もユーゴスラビア紛争への介入で予行演習はされている。

 新人権宣言によって国民国家理念を超えてしまったフランス支配層(ナポレオン的政治拡張主義の今日版)とドイツグローバル資本制支配層の内外への肥大欲求(経済帝国主義的野望)の上部構造と下部構造が合体したときに結果的に戦時世界体制を敷く英米ヘゲモニーに屈する構図が定着したといわざる得ない。

@中国は世界覇権の分散化を狙っているように見えるが、そうした世界的なプレイヤーの条件に欠いていることが、明らかになっている。

米中対立はかつてのジャパンパッシングに次ぐ米国覇権維持することによって経済外的利得を世界中から取り込むためのやらせである。

米国の中国脅威論はハワイ真珠湾攻撃利用以来の己の戦略目標があってのものだが、

@日本の中国脅威論一国防衛主義の幼稚な怯え、被害妄想からきているが子供は直ぐ喧嘩し手を出すように、

この構図から米国は台湾民進党系と日本の先にやらせ、後方に控える、あるいは自重すると事を起こしてけしかける、という戦術が基本になる(台湾カード)。日本では職業的反中者、便乗的無自覚反中者が増大する。

@反俗日記は当初、<現代帝国主義論>の大枠でウクライナロシア戦争、対中市場分離を見て行こうとしたが、どうにも腑に落ちず挫折を繰り返した。

ウクライナロシア戦争、対中市場分離はグローバル資本制の根底的な問題が解決できない各国支配層の内部問題の外部化転嫁によって発生している。

>米国覇権が保護貿易主義をとれば、それができない国々との経済ギャップが今後ますます増大するだろう。

@日本は保護貿易主義を選択できない。トッドの言っているのは保護貿易主義である。世界の過剰金融資本の動向分析や世界経済の構造分析がトッドにはない。実物経済を重視しすぎる。

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⇒「人間はどこから~~」下、

第15章 場所の記憶 W。下の中でも最も込み入った議論であり読み飛ばしたが、先を読んでいるときもこの章の方法論に立ち返ることが度々だったので気になっていた。

今回の記事でいきなり取り上げようとしたが、先にトッド家族形態論を頭に入れておく必要に駆られた。

             時間の都合上、中断する。