重要ポイント
中国、韓国、日本の農業のおかれた歴史的条件の比較
①中国の土地流動化政策と大規模農地集約への大きな流れ
@理念=双層経営(統合経営+分散経営)
「土地所有者である農民集団が、土地所有者としての土地の管理のほか、各農家への農機具の管理・提供等によって、農家請負経営において一定の経営的役割を果たすことが期待されている。こうした農民集団の経営的機能は「統合経営」。
一方で個別の各請負農家の経営は「分散経営」と言われ、
双層経営は統合経営と分散経営が結合した「統分結合」とも呼ばれる。
双層経営の考え方は多分に理念的なもの
双層経営で農民集団の果たすべき機能とされた統合経営は、現実に
は十分に実施されたわけではない。農家請負経営では、各農家は実質的に農民集団の関与を受けることはなく、個別に農業を営んでおり~。
>反俗日記。「農家請負経営では、各農家は実質的に農民集団の関与を受けることはなく、個別に農業を営んでおり~。」~とはいっても実利的な意味で中国農村に集荷販売、その他、協同組合的役割を果たす日本のJA的な組織はあるはずだ。
W参考資料。
W.夢見る空間の実存が大事。それが日本には無い。日本の最大課題はココにある。
韓国の大規模農地集約化にも理念があった。
韓国におけるトルニョク経営体の構想と現状について:
全羅北道の都市近郊農村の実態調査から *keizai26(1-4)-07 (1).pdf
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日本農業を語れば直ぐに食料安全保障などという政治軍事課題が登場する。あるいは古臭い農本主義の現代版(自然食健康志向とニコニコ天皇制ファシズムの結合の薄気味悪さ)
中国の改革開放政策を理論的に基礎づけたのは商品の原理論だった。
ソ連の改革の時期を基礎づけたのはあえて言えば社会民主主義の理論だった。コレが大間違いだった。プーチン体制はソ連邦崩壊まで遡らなければリアルに解らない。端緒でしっかり政治の継続である軍事を発動していれば今は無かった。
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韓国におけるトルニョク経営体の構想と現状について:
全羅北道の都市近郊農村の実態調査から
深 川 博 史
中国が目指す「インターネット社会主義」 取扱高120兆円の巨大協同組合「供銷社」とは? 次世代中国 | NEC wisdom | ビジネス・テクノロジーの最先端情報メディア
計画経済時代の基幹組織
年間取扱高120兆円の巨大組織
「2021年の取扱高は6兆2600億元で、日本円120兆円を超え、対前年比18.9%増と大幅な成長を見せた。中国で最大のEC企業であるアリババグループのGMV(流通取引総額)8兆1000億元(海外も含む)に迫る額だ。小売業としてみても、中国全土に17万店の直営店を持ち、中国の「社会消費品小売総額」約44兆元の7%近くを1社で占める巨大なグループに成長している。
現代版消費者協同組合へ
「供銷社は、中国国務院(内閣に相当)の管轄の下、理論的には農民個人の自発的な参加によって構成される大衆団体である。中国共産党や中国政府に所属する機関ではないが、現実には農村部で党や政府の下部機構的な役割を果たしている。
種子や肥料、農薬など農家の必要な資材の購入や、農家が生産した作物の販売を行う点などで日本の農協(農業協同組合)との共通性が中国でも指摘されている。中国では、日本の農協が農家の所得向上に貢献し、農村の富裕化に重要な役割を果たしたとして高く評価されている。「供銷社は日本の農協をモデルにすべきだ」との議論も少なくない。
現在の供銷社は名称こそ計画経済時代の古いイメージのままだが、その中身は単なる「統一集荷、統一販売」の組織から大きく変化している。その主眼は農村の「インターネット化」の推進にある。
インターネット化は農村経済の大きな課題だ。農村部では労働力の大半が都市部に働きに出てしまい、村に残るのは高齢者と子どもばかりという現象が普通だ。農業技術や農家経営の近代化は遅れている。またインターネットを活用した作物の価格情報の収集や、消費地と産地を直結した新たな流通の仕組みの構築といったことも、農家自身の手で進めるのは難しい。現代版の供銷社はこうした零細な農家を組織し、指導することで農産物の新たな販路拡大、利益向上を支援している。
例えば、広西壮族自治区の桂林市では、同市の供銷社が主導し、物流企業12社の協力を得て、1億8000万円の資金を投じて冷蔵設備を備えた新たな物流センターを建設。そのうえで供銷社傘下のEコマースサイト(アプリ)「供銷e家」および政府系の貧困地域支援Eコマース「832平台」などのプラットフォームを使い、同県特産の柑橘類などを販売している。
大手IT企業に対する根強い不信感
大手企業の中間搾取に根強い不信感
大手プラットフォーム企業の「インターネット価格」に対する低所得層の根強い不信感だ。都会の富裕層に支持されたIT企業が「農村支援」の美名の下に暴利を得ているのではないか――
流通経路を支配することで高い収益をあげてきた大企業に対する庶民の厳しい視線を改めて印象づけた。
このような大手企業の「中間搾取」に対する不信感は、裏を返すと、供銷社に対する安心感の基盤になっている。古くから農村に根付き、そもそも営利追求を目的としない協同組合的な組織である供銷社に対する庶民の素朴な信頼感は根強くある。インターネットでの取引が本来的に持っている「中抜き」の機能を、生産者の所得向上、そして消費者が良い商品を安く買える環境の実現のために使う。これが新しい時代の供銷社の掲げる意義であり、「インターネット社会主義」が実現を目論む最も基本的な狙いもここにある。
インターネットをいかに社会主義に貢献させるか
「インターネット社会主義」の概念を初めて提唱したのは、厦門大学教授、中国都市計画学会副理事長を務める趙燕菁氏だ。同氏は「中国の急速な経済成長は、個人や企業の土地の所有権を認めず、土地の財産権を地方政府に帰属させたことにある」とし、経済活動の基盤であり、極めて公共性の高い資産である土地を公有制にしたことで、その後の効率的、計画的な経済成長が実現できたとみる。つまり私権を一定程度、制限し、公共性を優先させたことが経済成長、ひいては社会の富裕化を実現したとの立場だ。
その観点から、土地と同様、非常に公共性の高いインフラであるインターネットも、その管理・運営に政府が関与するのは当然だ――とする。そして大手IT企業による情報の独占を排し、インターネットが本来持っている力を存分に活用して、より効率的で、格差の少ない、平等な社会主義を実現するという考え方が「インターネット社会主義」である。
中国の現政権がアリババグループに代表される大手IT企業に対する締め付けを強めたのは、それらの企業がインターネット上の情報を独占し、「情報の非対称性」を利用して不当に高い利益を得ていたと判断したからだ。その判断には議論の余地があるにせよ、2020年11月、アリババグループ傘下の金融会社アント・グループの株式上場計画が、直前になって当局によって延期に追い込まれたのは、「正当でない利益を、自分たちで勝手に配分するのは許されない」との判断が基盤にあったからだろう。
インターネットは社会主義に有利
営利追求を目指す企業による独占を排し、「公共性」の高い組織によるインターネットの管理を奨励する考え方は、社会主義の発想と親和性が高い。社会主義国では、「公共性の高い組織」は、当然のごとく、国を統治する党や政府機関になる。
海外の視点で見ると、インターネットの普及で情報の流通が増えると、アラブ諸国の「ジャスミン革命」に代表されるように民主的な動きの拡大につながるとの見方が多い。しかし中国国内の感覚では、「インターネット社会の到来は、社会主義の実現にとって有利だ」と、少なくとも「体制内」の主流は認識している。むしろそれこそが中国が世界に対して持つ優位性だと考えている。 中国社会のデジタル化が日常生活のあらゆる領域で人々の行動の監視を可能にしてきたという「監視社会」的な側面は、wisdomの過去の連載で繰り返し指摘してきた。それが中国の政権にとって、施政の大きな力になっていることは事実だ。しかし、中国社会でインターネットの持つ本質的な意味はそこではない。今回紹介した供銷社の例のように、「インターネット社会主義」には、「中間搾取」をできる限り減らし、人々が安心、安全、合理的な価格でモノやサービスの売買ができる社会を目指すという「前向きな」意思が存在している。それは為政者がより効率的な統治を行うための手段であるとしても、庶民の多くはデジタル化で日々、便利で快適になる生活を、日常的な肌感覚で支持している。その事実を見落としてはならない。
中国の目指す「インターネット社会主義」を「夢物語」と片付けることは簡単だ。インターネットで「分配」の問題はある程度解決できるとしても、より重要な「創造性」をどのように促進するのか。簡単な話ではない。
しかし、ここまで進んだ先端のデジタル技術を存分に活用し、従来の「国家」や「政治」の常識では考えられない統治の手法や「豊かな社会のつくり方」を実現する可能性はないのか。少なくとも中国の権力者たちはその可能性を明確に認識しているし、本気で実行しようとしている。そのことを知っておく必要がある。
資本主義に取って代わる競争力のある仕組みが中国で確立し、世界中の新興国がそれを支持するといった光景は、あながち夢物語でもないように思う。
「2021.08.26 | 9min
「誰もが大学に入ることを目指す」教育の現状を変えることにある。約40年前、改革開放が始まった時代から続いてきた「努力すれば誰でも成功できる時代」が終わり、中国も、良く言えば安定、有り体に言えば「身の丈を知って、そこそこで満足する時代」になったことを象徴している。
大学進学率50%
「経済の成長率が低下する中、増えすぎた大卒に見合う十分な職を提供できない。その一方、社会の土台を担う現場の人材は圧倒的に足りない。こうした問題が顕在化している。
新卒で就職できた人は3人に1人
2020年6月の新卒学生のうち、卒業までに就職先が決まった学生は33%で、うち実際に働き始めた学生は13%しかいなかった。50%以上の学生はやむを得ず大学院に籍を置いたり、アルバイト的な仕事や企業のインターンなどをこなしたりしながら継続的に職探しを行っている状況だ。
早期選抜、エリート主導の社会
「政府の狙いとして明らかなのは「“普通の子”はそんなに勉強ばかりしなくてもよい」とのメッセージを発信することだ。「禁止令」を出しても、所得の高い家庭は、より高額の授業料を払って家庭教師を付ける(個人の家庭教師は禁止されていない)など、さまざまな方法で学力を高めていくだろう。もともと中国に限らず、子供の学力の高さと家庭の収入は強い相関関係がある。そのことは政府もわかっている。
家庭環境によって子供の教育格差が広がることは承知のうえで、あえて小中学校に蔓延した「誰でも猛勉強」の現状に歯止めをかける。「普通の子」は政府の方針に基づいた公教育中心の体制に引き戻し、エリート教育は生活に余裕のある一部の家庭でやってもらう――。割り切った言い方をすれば、このような発想が今回の「禁止令」の根底にはある。これまでの「誰もが大学に入ることを目指す」仕組みから、一種の早期選抜的な、エリートとそれ以外を分ける仕組みへと舵を切ったとみることもきる。
実績を上げたシンガポールの早期選抜
「コースはエクスプレス、ノーマル(アカデミック)、ノーマル(テクニカル)の3つに分かれており、年度にもよるが、約6~7割がエクスプレス、2割前後がノーマル(アカデミック)、1割ほどがノーマル(テクニカル)に進む。この試験の成績でエクスプレスのコースに入らないと大学進学は難しいとされている。中国の普通高級中学は、この制度でいえば「エクスプレス」コースに相当すると考えられる。義務教育が6年間と9年間という違いはあるが、このいわば「大学進学コース」が中国では5割に絞られることは、非常に大きな教育制度の変更といえるだろう。さまざまな「統治の仕組み」を中国がシンガポールから学んでいることはよく知られている。政府の強い統制の下、一種のエリート教育で先進国への道を駆け上がってきたシンガポールと、同じく強力な党と政府の指導によって先進国を目指そうという中国の教育制度の方向に共通性が生じるのは、ある意味、自然なことかもしれない。⇒W。
華僑心理学No.2 なぜ、中国人はモラルがないのか?|こうみく



「② 農村土地流動化の要請と「 2018 年農村土地請負法修正」へ!
農家が土地請負経営権を取得した後に、出稼ぎ等で労働力が不足し、土地経営を他者に譲渡または委託する必要が生じることは通常予想されることである。図3のとおり、土地を請け負う権利を含めて土地請負経営権をそっくり第三者に移転するものである。この譲渡契約が成立するためには土地所有権者である農民集団の同意が要件とされるが、土地を請け負う権利の移転を含むため、移転の対象は同じ農民集団の成員に限定



反俗日記⇒現状、農地の所有者は村民小組(日本でいえば**村の字**)と村(村役場)=これらを総称して農民集団。
中国の半封建的土地所有に対する革命=農地の私的所有の廃止して分割し地元の所有にして農民は土地請負経営権を有す。
ムラの農地所有、県級以上への登録VS農民の土地請負経営権が名目上、けん制し合う関係にあるので農地経営権の無秩序な譲渡または交換へのコントロールが効く。

>ただし② 農村土地流動化の要請と「 2018 年農村土地請負法修正」へ!によって。
↓ 所有
と請負経営権の一体運用が理念的に謳われているんが、双層経営体制
~~農地の所有(ムラ小組、ムラと行政府<県級以上>)と経営(個人の請負経営)の分離~~
農地の請負経営権の転貸、リースは県への届け出、という対抗要件が無く、農外の個人、法人企業の大土地集約を一気に促進する道を開いている。
韓国の農村農業
@韓国の農地も私的所有農地の賃貸、作業委託で農地大規模化が促進された。
>中国とは法制的な形は違うが賃貸で農地の大規模集約が加速した点は同じ。
****日本との比較
@高度経済成長期の日本は内発的な工業発展の道を辿ったために(サプライチーンは国内=狭隘な平地の工業化)地元に勤め先のあった日本は第1種兼業農家(副業農業外)、第2種兼業農家(本業サラリーマン副業が農業)が長期間、残存し、結果的に工業の発展速度に農業の「世界標準化」が遅れた(自民党の大票田⇒労働者階級が人口の中心になった2000年代<小泉構造改革以降>になってこの構図は変化。)
韓国農村農業
(半圧縮された近代化という歴史的条を前提に~~~具体的には地方、農村に農業と兼業できる勤め先が無く、年老いた父母を残して若年壮年層は都会に出ていった。残った者は農業で食っていくしかなかったが、食えなかったので賃貸し作業委託⇒大規模農地集約の促進の流れは日本よりも加速された。もちろん韓国は日本よりも平坦農地の割合が大きく大規模農地の集約化はし易い。)
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日本の農村農業事情
@日本農業は高度経済成長期の農民分解が狭隘な平地の工業化、自民党の一貫した農村票田囲い込み政策などによって遅れ、1970年代1980年代の第2種兼業農家の固定化され結果的に国土の急速な工業化と農地の合理的大規模化に大きなタイムラグが生じた。
>しかし
「戦後日本の農民層分解と農業構造の転換
https://www.l.u-tokyo.ac.jp/2015SSM-PJ/03_10.pdf
「農民層の流出率は底を打ち、安定した農業経営を模索する段階に入っているといえる。戦後日本における農民層分解は、いままさに最終局面を迎えているのである。」
>反俗日記。下図参照!2000年代以降、専業農家の減少は止まっている。第1種兼業農家(副業農外収入)の減少率も小さくなっている。大きく減少しているのはサラリーマンが副業で農業している第2種兼業農家。
@ただし下図は2015年の専業、兼業農家戸数。2番目の図、2020年の1経営当たりの耕地面積3,1ha。反俗日記の過去記事では農業を専業として家族を再生産できない数値である。なので2-15年以降~2025年現在では兼業農家は急速に減ってきたが増加していない専業農家の下に廃業した兼業農家の農地が集約されているものと想定する(直近の数値は後程時間があれば調べる)

>「(2005)年の1.9haから(2020)年で3.1haと1,6倍に拡大しました」
>W.15年かけて1,6倍。韓国は1経営当たりの借入耕作地%が日本の倍以上ある。
@15年間の借入農地の増加は3倍だが、2020年でも私有農地の割合が多い。借入農地が多く成れば貸し手に生産者がコメの直販ができるメリットが生じる(コメ卸やJAに出荷するよりも中間マージン排除で割高)。韓国のような作業委託方式は委託者も可能な範囲で生産に参加できる。農地の私的所有は経営リスクを伴う。
>日本の農業形態(生産流通)は東アジア諸国に比べて非合理的慣習性、硬直性が大きい。@消費者側にも特定の拘りが多すぎて生産流通サイドに余計な金銭労力的負担を強いている。コメに関して言えば寒冷地仕様のコシヒカリ信仰は大間違い!温暖化対策用のコメ本種改良を望む。またそもそも、韓国よりもコメを食っていないのに微細な好みを云々するのはどうかと思う。
