反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

消費税増税の戦犯、管直人時代の消費税参院選敗北に始まり、今日の消費税増税分裂に終わるリアル政治過程はこの方面の小さな改革もとん挫させた。

 二日連続で元民主党政調副会長の中村てつじ参議院議員の消費税増税党内論議のテキストを参考に記事を書いた。
中村さんは3月末日野田内閣の党内論議を打ち切る形での「税と社会保障の一体改革」の内閣決議の時点で、「政策担当者として法案の内容に対して責任が持てなくなったので政調副会長を辞任」した。
辞任の理由は「端的に云えば、税率を引き上げること以外の中身」を詰める、党内論議の最中で、論議が打ち切られ、野田内閣で増税法案が閣議決定されてしまった、と云う処に在る。
 
 中村さんの反対論は煎じつめると、云わば、党内論議ー合意云形成ー内閣決議ーの一連の行程での民主的合意形成手続き論であり、増税に際しての技術的諸手当の明確論である。言い換えると、そういう党内合意を形成した後の、与野党協議における民主党政策での主導を含むモノのである。
 
 が、その程度であれば、政調副会長辞任までは理解できるが、その後、離党にまで立ち至るのかな?、
政局が政局を呼んで独り歩きしてきた政権交代前後から始まった、異常な一連の政治過程のリアルな最終局面と云わざる得ない。
大きな原因は党内外に在るが、政治主体に原因を探らなければ、国民は激動の時代、同じ様な選択の誤りを繰り返す。
 
 勿論私は中村さんの個人の実際の去就は問題にしていない。
中村さん個人の在り様は今回の小沢さんたちの離党に行き着いた民主政権党内外のリアルな政局の連鎖反応の一局面とみている。
このリアルな政治過程を明らかにし、政局が政局を呼んで独りきする反国民性や劇場型政治が国民のために、決してプラスにならない事を証明したい。
 >この消費税増税政局は民主党内のTPP慎重派の論議と自民など野党マスコミにまたがるTPP積極参加論の現状と将来への暗示ともなっている。 
何だか中村さんの増税慎重論議の姿勢と山田さんたちのTPP慎重派の論議の姿勢がダブってしまう。
共に真面目で御苦労さまとは言いたいが。
私から見たら、事前協議と本協議は密接に繋がっているが、山田さんたちは形式的に区別して、安心しようとしている。
 
 >中村さんがテキストでこだわる論点の核心をリアルな政治過程に翻訳すると大まかには次の様になる。
 
 民主党首脳部と野田内閣の思惑では、逆進性の具体的対策など増税の中身の論議を党内論議で具体的に詰めて、自公とのボス交をする前段の形式的手続きの内閣決議に盛り込めば、マズイとの政治判断を優先させた。
 
 なぜなら、ボス交相手の自民党は、1)<逆進性対策費などはできるだけ絞り込みたい><最低保障年金制度、後期高齢者医療制度廃止を撤回させ、政権交代のマニュフェストの(国民の生活が第一)の願望の最後的幕引きをさせたい>など小泉市場原理主義政策を発展させあ基本路線がある。今の自民党小泉時代よりさらに国家主義市場原理主義色を強めている。
同時にコレに2)小沢派排除をボス交のテーブルに着く絶対条件とし、民主党分裂させ弱体化させる一挙両得が一体化的ごり押しをしている。
 
 民主党首脳側は、党内論議の打ち切りから、中身を煮詰めてないままの増税関連法案を閣議決定した段階でそれ以降の政治過程に臨む以下の方針決定をせざる得ない。
 
第一。自民党の消費税関連案を丸飲みする=自公時代への政策的回帰。最低保障年金制度、後期高齢者医療制度廃止のマニュフェスト破棄。
 
第二。増税関連法案は<予め税率引き上げありき、のまま>、永田町の民自公の数の力で強行成立さる。
 なお、以下の様な増税に伴う具体的論議は第三者機関に下駄があづけられ、中立性を装って審議され、、国民的合意とする。
 増税に伴う1)逆進性対策=暫定的措置である簡単な給付措置、本格措置である給付付き控除、それらを消費税枠外から持ってくる財源論議
(消費税増税以外の財源枠で逆進性対策費が賄われるのだから、誤魔化しができる)。
増税分の4%社会保障安定化、社会保障機能強化は1%。コレでは少子高齢化の急速進行への対応としては良くて平行線。
 
第三。自民党は民自公の数の力の結集への絶対条件に小沢派排除を公然と掲げている。これは一貫して対立を抱えてきた民主党内事情に手を突っ込み、分裂に火と油を注ぐことに繋がる。
 
 永田町村八分の政治だ。小沢さんの存在を利用した劇場型政治の最終局面。
国民にとっての消費税問題と云う基本生活経済問題を小沢新党問題のアレコレ瑣末な事情にすり替えられる。それを避けるため小沢さんたちが留まれば、重い処分をしないと参院で3党合意を破棄すると自民等に民主首脳は脅されている。ここまで政権党の党内に野党から手を突っ込まれた例を過去に知らない。
政党と政党の合体話ではないのである。消費税増税法案が重要法案だとしてもそこまで政権党が野党からコントロールされるか?
 
かくして、小沢さんたちの大勢は出ていくしかない。
 
野田と自民が先を位相で合意したのは、できるだけ早く法案を国会決議して、増税の中身を第三者委員会で審議し法案し、約1年後の衆議院選挙までにホトボリを冷ましたい。また、その間に消費税増税問題を小沢新党騒ぎのアレコレ瑣末なことにすり替えようと云う魂胆だ。
とことん有権者はなめられている。
 
>以上の政治過程を総括すれば、民主党衆議院選挙で圧勝し政権の座に就いたが、そもそもの政権基盤が弱す過ぎた。政権交代は戦後自民党の長期政権が築き上げた国内外の支配構造を敵に回す事になるのも事実。コレは重い意味があるが、最後まで一貫して認識していたのは小沢さんたちだけだった。
国民の中でもこの政権交代における彼我の関係を抜きにして民主政権評価や小沢批判を繰り返している政治馬鹿がいる。マスコミなど戦後支配機構の一部であり、利害当事者でありなはら、素知らぬ顔で国民の代表を僭称して、利権を脅かす小沢さん等の批判を繰り返してきた。
 
従って、政権獲得後、民主新政権が政権の座を利用して、固定的支持基盤の拡張を図っていかなければ、支配構造の利害に抵触する政策実現は行えないのは、当然のことである。
 
ところが、民主党の主流は政策通と称する政治家や市民感覚を売り物にする政治家である。
確固たる政治権力の基盤の確立があっての政策の実現と云う順序を肌身で理解していなかった。
言い換えると、党と支持組織を強化が主体的政治の実現に繋がり、政策の実現、それを通じての国家と国民への貢献につながる。コレが政権交代の正規の順序。
 
そういった意味で民主党政治家は個別分散的政界遊泳術の結果、偶々政権が転がり込んできたと云うモノが多く、権力をめぐる党の大切さも血みどろになって理解する機会がなく、政策実現に障害が発生した時、一致団結した敵との権力闘争で局面を打開する道を選ばず、政策主義者らしく政策の妥協の方途を探った。
だから、必然として官僚の従来型の政治体制に迎合する事となった。その核心は小沢さんへの政治弾圧へ党内政局づくり的対応=党として団結して身構えるのではなくて、党に分断を持ち込んだ。
ただし、小沢さんたちの政治体質にも閉鎖性があり、党としての全体性に至るモノではなかった。自民党最盛期の派閥政治の体質である。
 
 私の政権交代後の民主党の基本動向の観察の限りでは、民主党政治基盤の拡張の戦略的課題に目的意識的政治活動を展開しているのは小沢さんたちだけだった。
勿論小沢さんも、自民等を飛び出してからのバルカン政治、自民党派閥政治の体質は在ったが、他の有力政治家は各々の部署で得て勝手に政策実現に奔走する政治家として、在ってはならない稚拙さであって、小沢さん以下的も甚だしい。
 かくして、党の政治としての力が分散し、政権獲得から時間が経過するに従って、よって立つ政権基盤が弱くなり、つけ込まれる機会が多くなった。小沢さんの場合は敵からの攻撃だったが、コレら政治家は身から出たさび政治力や判断に問題があった。
 
 鳩山小沢金権批判、辞任後、首相の座に就いた管直人参院政治決戦を前にした唐突な消費税増税発言と参院選敗北=与党参院少数派、が大きな分岐点と云うより、もうあの時点で民主党は早々と事実上死に体となった。それ程、自民党、支配層の支配機構に挑まざる得ない宿命の新政権にとって、参院選の勝利=両院多数派獲得=支持基盤の脆弱な党の自主性の獲得の意味は大きかった。
が、それを本当に認識できない管直人の政治認識は首相としての経済認識は拙速と綺麗ごとのように表現するのはごまかしである。政治音痴。子供じみている。
それは最近のブログ記事。題して<小沢さんの言動>でもはっきりと確認できる。ナントカは死ななきゃ治らない
 
ギリシャ危機も鳩山政権下で起きた。ー前後文脈からも何が云いたいのか云いたいのか意味不明ー日本がギリシャの様な財政破綻に陥らないように対応ー日本経済とギリシャ経済を単純に比較できる首相を持つ日本国民に不幸は舞い降りるのであるーするのは政権党の責任である。ー急増、国士気どり。管が首相に就任した段階の民主党にまだ政権党の責任を云々する資格はない。完全な背伸びである。分不相応を目指すから、足元をすくわれ手のひらにに載らざる得なくなる。」
 
 こんな国家問題の次元での見当違いのヒトは北海道林業のヒノキ価格の暴落を心配し、国産材利用や、林業再生のバイオマス利用の実現に取り組みたいとのたまっている。じゃーTPP開国論をぶち上げたあなたは何なの?完全に本末転倒の政治家にタナボタ的に首相の出番が回ってきたのだ。
結果政権交代後の新政権の参議院選を民主候補者は戦えず、落選。政権基盤脆弱の民主党政権の命運この時点で事実上決す!
 原発事故でも的確判断乏しく、当初の避難区域の設定が狭過ぎて、多くの現地の方を被ばくさせている。
アメリカが80キロ避難なのに、日本人がどうして30キロなのか。30キロなんてすぐそこ。
 
参院選で、民主は実質的に死に体状態になった。風評頼みの政権は脆い。
だから辞任した小沢さんは代表選に決起した。政権交代の立役者として、なにをやってんだ!と腹にすえかねたのだろう。長年、政治的人間をやってきたモノの純粋な怒りもあったと想う。
 
 民主政治の支持基盤強化の基本方向を完全に放棄させ、その後の党分裂の常態化と党勢完全弱体化で今日に分裂に至る。消費税増税参院選に敗北し、大震災、原発事故を通じて、国民政治意識が混迷する中で、管直人に変わる野田政権の消費税増税の民自公3党合意によって、政権交代に自ら幕を下ろし、党は分裂したた。
まことにある意味、筋道の通った政治過程の結末である。
さらに続編として、小沢新党騒動で消費税論議の争点すり替えにするという国民にとって、残酷さである。
 
 が、衆院選の圧勝の中身も決して好くない。
38%モノ投票者が自公政権をよしとしている。
民主党議席数は小選挙区制のメリットが出たモノであり、比例票に換算すれば、大体280議席程度。
当時のアメリカバブル崩壊=オバマ誕生、格差拡大、長期経済停滞、自民党長期政権の末期症状などの内外情勢の中での有権者の政治選択としては驚くべき硬直した政治選択である。
当時私はもっと自公の支持票は低いと見積もっていた。
 
ならば、少々のことがあっても粘り強く民主政権を支持しようと想った。
処がネット上でも支持者の皆さんは短気。
 
>国民の政治意識の在り方にも、元々、かなり問題がある。
連綿として継承されてきた慣習社会の特性は簡単には変わらない。勿論自分を含めて。
 
>だったらその簡単に変わらない慣習社会の在り方をキチンと認識したほうが激動期に腰が据わった対処ができる。
 
世界論、特に東アジアからみた日本論。民衆の底辺を基点に据えた歴史哲学?を目指す。
 
最後に。そんなに消費税増税が必要と想っていたら、時間をかけて党内議論を尽くし、自公時代に立ち返らない、自分たちの法案を成立させる可能性はあったと云う事。
 
>政治決戦の参議員選挙に勝って、参院多数派を獲得する事が絶対条件だ
 
>>同じ公約違反でも、
 
3党合意によって、民主党独自のこの方面の政策さえ、反故にすることに比べて、国民にとって
ささやかな<一歩前進二歩後退>。