反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

前日記事<自衛隊に破壊措置命令=野田首相「万全な態勢を」―北朝鮮ミサイル>は事実関係を踏まえない誤りがあり訂正。<カンタンな答え>さんの最新記事の「リフレによる経済の”韓国化”」について。

 前日の記事、「自衛隊に破壊措置命令=野田首相「万全な態勢を」―北朝鮮ミサイル。日米韓中、当局による師走、総選挙向けた<軟な日本国民への揺さぶり>。果実の一杯実った木は下から揺すぶると熟した果実は簡単に落下する」は必要な事実関係に踏まえない誤りがあり、訂正します。
 
 以下の必要条件の事実を踏まえず、記事を作成した。
  「2012年11月29日に打ち上げ予定だった韓国初となる人工衛星搭載ロケット「羅老号」で、直前に異常が見つかったため打ち上げ延期となった。韓国教育科学技術省が発表した。延期は10月26日に続いて2度目。
韓国では2009年、2010年にも羅老号を打ち上げたが、いずれも衛星の軌道投入に失敗している。」
 
 なお韓国は大統領選挙中であり、朴元大統領の娘の与党の優勢が伝えられおり、この絡みからの人工衛星ロケット早急な打ち上げが画策されたモノと理会する。どうやら、ロケット内に搭載されたフランス製、制御装置のトラブルの様である。
勿論、その根底には韓国経済成長の曲がり角が或る。国威高揚の演出で国民統合をしていくしかない。
イミョンバク大統領の竹島訪問も、そういう大方向から理解する。
(今日は、日本の次期政権のインフレ政策による日本経済の韓国化とい情けない経済方向について、わが師<カンタンな答え>の直近の記事を取り上げる。)
 
 韓国人工衛星ロケット打ち上げ実験と云う事実から、(昨年OR一昨年の)中国の人工衛星打ち上げ成功も東アジア政治軍事情勢から、考慮にいれる必要がある。
 
 東アジア、6カ国協議の枠組みの政治軍事力学を前提にすれば、韓国、北朝鮮を筆頭に日本もアメリカ、中国と云う独力で動ける国への程度の差あるが、従属変数である。ロシアは一歩身をひいた独自の立場。
 
 以上の様な、背景があっての今回の北朝鮮の弾道ロケット打ち上げであるが、前日の記事で展開した内容について、情勢分析に必要なこの事実系列を踏まえない誤りは在ったが、基本視点の方向は間違っていないと考える。
 
 前日の記事は、日本の総選挙中の北朝鮮ロケット発射実験に関して、マスコミ報道で盛んに報じられている様な、発射実験の事実のみを単独で取り上げて、結果として国民の不安感を煽る報道に対し、多角的な見方を提示しようと意図したものであった。コレからの情勢はそういう見方でなければ、「煽動」報道にやすやすと乗せられて、多数の日本国民の利害は毀損される趨勢に或る、との常日頃の想いに基ずくモノである。
 
 が、事実系列の無視が在ったにしても、謀略論的観点に流され、強引な情勢分析であるとの自覚は当初からあった。記事を抹消しようとも思った。
 
 謀略論の間違いは、アメリカやその従属変数である日本権力機構の力を持ってすれば、筋書き通り、事が運ぶと云う基本視点に或る。
従って権力当局の機構、政策、思惑に分析視点が集中しすぎて、カウンターパワーを過小評価している。
 
 エマニュエルトッドの「帝国以後」のアメリカ分析の底流にある視点はこういう間違った視点への批判である。
 
 具体的に云えば、アントニオネグリ、マイケルハート「帝国」に象徴される反グローバリズム論は結果的に世界銀行IMF等々の様な国際機関と米国の力の過大評価になっている。
 
さらに他方で、旧来の左翼理論によるアメリカン、パワーの批判は「壊れた時計も1日に一度だけ時間がピッタリ合う状態」であり、旧態依然たる視点による分析を繰り返すだけである。
 
 こういった観点にトッド的視点の高評価から、現状のアメリカに対して、1%と99%の対立があるとは見なさない。
全てのアメリカ国民はその立場に応じて、現状のアメリカに政治責任を対外的に負っており、その自覚のないモノとは具体的に結びつけない。
勿論<敵の敵は味方>であると云う政治論理は考慮に入れているが、政治思想としては、そういう事になる。
 
 グローバル資本制におけるアメリカの役割はそういう次元になるしかない。
相対的に力を弱めるアメリカの悪あがき、が全面化していく趨勢にあるからだ。煎じつめると、アメリカは他国の面倒をみる余裕に乏しくなっていくが、一国利害の貫徹と云う特殊条件を隠ぺいし、普遍性の在るかのように装って他国に押し付ける。同時にそうすることで、他国を収奪する。
 
 グローバル資本制の視野に立っても、各国各地域の「連携する」支配層のシナリオ通り、政治過程が、もっと言えば、歴史が動いていた訳では決してない。
 
 世界は狭くなって全球化しているが、逆に云えば、そうであるが故に中進、後進が発展し、先進のコントロールは効かなくなっている。中南米もあれば、アフリカの力もある。
インドと中国の人口合計は25億余りにもなる。
両国は産業革命以前は巨大な人口扶養力の在った国であり、歴史を経て両国は<再勃興>しているのである。
この傾向は歴史の趨勢であって、地球規模の大戦争の発生がない限り、止められない。
 
 ただし、前にも書いたことがあるが、政治軍事の謀略を踏まえないと、コレからの激動情勢は十分に理解できなくなっている、事も確かである。
過去の重大な歴史の曲がり角で現実に謀略は情勢を切り開き、世論形成する上で、大きな役やりを果たした
 
 ましてや、現下の情報産業の時代である。さらには日本ではGHQによって付与されて特殊なマスコミ資本の特権もあり、この特殊特権を駆使して歪な世論形成が謀られている。
 
 昨日の選挙運動で地元に帰っている藤村官房長官の総選挙最中の、北朝鮮ロケット打ち上げに対する、「打ち上げるらら早くやってくれ」発言は、不謹慎な発言と云う事になっている様だが、こういう国家安全保障に関する建前ばかりが強硬に打ち固められることは、事実上の自国歴史の曲がり角の政治過程における、多様な意見、多元的な構造を維持しながら、事に当たっていく国内政治構造の喪失になってしまう。
 
 が、歴史の教訓に踏まえると、そうした多元的政治構造が結局は一番強かった、と云う歴史的事実があった。ドイツ、イタリア、日本の政治体制は確かに一見強そうだったが、柔軟、フレキシブルな構造乏しく、ぽっきり折れてしまった。
 
 それは兎も角、今考えなければならない事は、国内政治風土にのみ通用する政治論理が暴走すれば、現状、世界には一杯国があり、政治的極も多様化している中で、そういう「大国」の国と国民は、舵取りが効かなくなって、自分たちではハッキリ意識できないまま、孤立していくのである。
 
 >>最後になったが、節柄必要と想われるので、<カンタンな答え>さんの直近の経済認識を抜粋してコピーしておく。
 
>いわゆる”リフレ”的な政策はハイパーインフレ経済破綻のような事がすぐに起こるとは思っていない。そして代わりに起こるのはいわば経済の”韓国化”だろうと考えている。
少なくとも韓国経済ハイパーインフレになったり経済破綻したりはしていない(今の所は)。
韓国通貨の信任という面では日本よりも脆弱であることは間違いなく、国内金融資本も薄い。その国がリフレ的な政策をとりつづけていても破綻していないことを考えると、(その他の要考慮事項があるとしても)同じ政策を日本が取ったからといってすぐに破綻したりするというのは心配のしすぎであろう。
問題はリフレ的政策が国内経済および国民生活に何をもたらすかである。
 
日本が同様の政策を取った場合にもたらされる可能性の高い、そして現在の韓国経済で確認できる、現象は以下のようなものとなる。
まず利点から言えば、輸出産業にとってはこういったリフレ的な政策は一定の範囲内であれば追い風になりうる。リフレ的政策で無理やり誘導された通貨安は国内消費者から輸出企業への資産移転のようなもので、企業は長期にわたって対外的な競争力を維持しつつ輸出を伸ばし続けることが可能となる。それは結果として輸出の拡大を通じ国全体としての経済成長率を底上げすることもありうるだろう。しかし、その場合でも一部の人々が唱えるトリクルダウンによる経済全体への波及効果がどれほど有効に機能するかは疑問と言わざる得ない。

 
又、この内後半3つ(或いは4つ)は現象としては一連のものともいえる。
当局がリフレ的な政策を通じてインフレ通貨安を演出しつづければ(そうでない場合よりも高い率で)貨幣の価値が毀損され続ける状態が続くことになり、人々が労働によって得た賃金・貯蓄の価値は安全資産で運用するだけでは(相対的に)目減りし続けることになる。
これを回避するためには、よりリスクが高い投資投機)へと向かう必要がある。継続的に貨幣価値が一定以上の割合で毀損されるような状況下でその影響を受けづらい資産に資金が向かうのは自然なことではあるが、その結果、株や不動産などがそのターゲットとなり、更に低い金利の後押しも受けバブル的な価格上昇が発生する。
しかしバブルはやがて収束・崩壊する。老後の為の貯蓄を安全資産で運用していた人々にとってはその資産が目減りしつづけることになり、そして安全資産で運用すべきだった老後の為の貯蓄を投機でとばした人々にはもっと酷い状況が待っていることになるわけである。
リーマンショック後、リフレ的政策を実施してきた英国米国でも既に同様の現象の一部が見てとれる。
世の中には現在の韓国経済の方がデフレ下の日本経済より遥かにマシだという人もたくさんいるのかもしれないが、リフレによってもたらされうるこのような状況は、例え輸出産業が牽引して経済成長率が幾ばくか底上げされたとしても殆どの国民にとっては決してよいものではない。
部産業に於ける賃金の下方硬直性を考えると、インフレ率が高いほうが(実現賃金上昇率<実現インフレ率)となりやすく実質賃金の調整(抑制)がより速やかに行われるし、通過安による貨幣価値(購買力)の毀損も実質賃金の調整を後押しする。よって企業が直面している問題が実質人件費の高止まりであるのであれば、企業はより容易にそれを解消することができるようになる。又、累積債務の解消にも効果があるだろう。予測を上回るインフレは累積債務(国債残高)の実質的な負担の軽減になり、膨大な国債残高の解消の一助となりうる。 
部産業に於ける賃金の下方硬直性を考えると、インフレ率が高いほうが(実現賃金上昇率<実現インフレ率)となりやすく実質賃金の調整(抑制)がより速やかに行われるし、通過安による貨幣価値(購買力)の毀損も実質賃金の調整を後押しする。よって企業が直面している問題が実質人件費の高止まりであるのであれば、企業はより容易にそれを解消することができるようになる。又、累積債務の解消にも効果があるだろう。予測を上回るインフレは累積債務(国債残高)の実質的な負担の軽減になり、膨大な国債残高の解消の一助となりうる。 
いずれにしろどのような政策も決してフリーランチをもたらしてくれるわけではないし、世界経済が混乱しているなか一人勝ちみたいな状況を作れるわけでもない。リフレポピュリズム的な装いを強める安部自民の看板みたいになってしまっている。
ちなみに安部総裁のリフレ論?は昔ながらの財政出動とセットになって建設国債日銀買取(直接か間接かはともかく)みたいな話になっているが、これがそのまま実施されれば消費者から輸出企業に加え、納税者から土建企業という流れが付け加えられ多くの国民にとっては二重苦になりかねない