反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

日本のODA予算と国際機関に対する出資、二国間援助の詳しい検討。合計してもAIIB出資とは二桁も違う。

前回の記事を引き継いでODAとアジア開発銀行について、整理してみる。
1、ODAOfficial Development Assistance(政府開発援助)に対する勘違い。
予算を組む側の財務省の仕切りでは一括扱いにされているODA(政府開発援助)の資金の流れは二国間援助と国際機関に対する出資拠出の大きく二つに分かれている。コレは予算の中身に即して厳密な用語を使用するとODA<関連予算>とするのが正しい。資金を拠出する相手の国際機関は膨大で、<開発援助>とは全く無関係なものが多いからだ。
マスコミやネットウヨが良く話題にしているのは、そのうちの前者、二国間援助で間違いではないが、狭義の解釈であり、予算を組む側の財務省の立場(広義)からすると、後者の様々な関連国際機関に対する出資拠出も、政府開発援助に<便宜上>分類している。
イメージ的にはODAフォルダを開くと、二つのフォルダ=(二国間援助と国際機関への出資拠出)が現れる。その二つのフォルダを開くと、また子フォルダが登場し、子フォルダを開くと最後にファイルが現れる。最後のファイルに相当するところに多数のヒトモノカネの受け皿の公的機関、団体が現れ、ココが当該事業に直接つながっている。
 
2、統計ツールによって作成した<ODA拠出額の推移(1980~2013年)(日本, アメリカ, イギリス, フランス, ドイツ)は日本政府のODA二国間援助の大きな側面を物語っている。
            
おおざっぱイメージすると、国内でやる公共事業を海外で実行しているようなものだ。しかも、中抜きしまくりの大もうけができる仕組みである。

「私『日本はODAであなたの国に援助しているはずです、金額は
知りませんがその資金を一度道路整備に回したらいかがですか』

大臣「日本のODAは問題です、紐付きが多いです」

私『それは一体どういうことですか』
大臣「例えば、日本政府から今度立派な病院を建ててやるから その見積書と計画書と要望書を提出しなさい、と突然言ってくる。別に病院はいらないが、一様書類を作成する。
すると今度はスリランカに事務所を構えている日本の建設会社から全ての書類と金額まで書き込まれた見積書まで持ってこられる。それをそっくりそのまま写して日本政府に提出します」

私「何が問題ですか?」
大臣「・・・・・・・」
後日この話をスリランカで長くお住まいの日本の方にお話しましたらとんでもないことが分かりました。

スリランカの建設費は日本の建設費の5分の一で出来ます、日本に提出する見積りを日本の建設費の八割くらいの金額で提出すれば、全てOKです。もともと5分の一で出来る工事なのですお金がかなり余ります。

こいう話には必ず日本の大手商社も介入します、何故なら日本の政治家に利益を配分する時に商社に一時的に利益をプールして半年か一年後に誰も分からないように政治家の手に入ります

この話はあくまで推測です、現地でお住まいの日本人の方の
ファンタジーです。

二国間援助のカネとモノの提供の実態は日本国内で処理できない過剰資本と過剰生産のはけ口であり、最終的に当該の日本企業の<超過利潤>として還元される仕組みである。

では、もう一つのODA予算である国際機関に対する出資、拠出を調べてみる。
外務省 政府開発援助ODAホームページより、
国際機関等への拠出金・出資金等 一覧表 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/sonota/k_kikan_21/21_5.html(平成19年度・国際機関別)
アジア開発銀行は、開発銀行の項目に載っている。
アジア開発銀行拠出金とアジア開発銀行拠出金(アジア開発基金)に分割されているが、両者の合計金額は、
当該機関等に対する分担金を含めた平成19年度の拠出総額→39,370,471千円でぴったりと一致する。
約400億円。
アジア開発銀行拠出金(アジア開発基金)には、拠出金の順位が載っている。
1位  日本  1,178,100(1千ドル)   35.0% W、米国の約2,5倍。
2位  米国  461,000           13.7%
3位  豪州  218,453           6.5%
4位  英国  201,960           6.0%
5位  独国  194,555           5.8%
 
>W。日本の2国間のODA援助額は、2007年から約100億ドル(1200億円)のラインをわずかに上下している。それ以前のピークは約1700億円程度
アジア開発銀行への出資400億円と2国間援助1000億円の対比すると、日本の開発援助は2国間援助を軸に推し進められてきたことが分かる。その方は官民ともメリットが大きい、ということか。
他方、中国当局はアジアインフラ投資銀行の大風呂敷を広げて見せた(今のところ、そうとしか言いようがない)。此方の方も、日本の2国間ODA援助のように、自国の官民のメリットが根底にある
 がしかし、大きな違いがある。
日本政府は大風呂敷を広げられなかった。あくまでも従属覇権狙い。
出資拠出額は日本(アジア開銀+2国間援助=1400億円)と中国(AIIB12兆円拠出)では、二桁も違っている。
*結局、目ざとい韓国の論説当たりが、比較的公平な情報なのではないか。
「こうした中、中国が「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を推進するとして韓国の参加を要請し、賛否論争が激しい。AIIBとは、アジアのインフラ投資支援のために中国が来年発足させるという地域開発銀行だ。当初500億ドルを出すと話していた中国は、最近、1000億ドルを出すと主張し、規模を膨らませた。
目を引く点は、この銀行の青写真がNEADBと非常に似ているという点だ。うまくやれば、他人のお金で北朝鮮側を開発するという希望が実現するかもしれない。間違いなく朴槿恵政権としても参加したいはずだ。しかしそうするには、韓国のAIIB加盟を遠慮なく防ごうとする米国の立場が大きな負担となる。
世の中にはAIIBのような開発銀行はかなりある世界銀行(IBRD)を筆頭に欧州開発銀行(EBRD)、中南米開発銀行(IDB)、アフリカ開発銀行(AfDB)、そしてアジア開発銀行(ADB)などだ。このため「アジアにはADBがあるから、これを拡充すればよい」という声も出ている> しかしこれは実情を知らない言葉だ。今はましになったが、ADBは日本が自国の都合に合わせて設けた機構だ。60年代初め、日本の企業家を中心にアジア、特に東南アジア支援のために作られたのがADBだ。
当初、米国はADB設立に反対した。米国主導のIBRDと競争することになるという理由だった。しかしベトナム戦争が不利になると、ADB支持に立場を変えた。共産主義の拡散を防ぐため、東南アジアでの経済開発が切実になったからだ。こうした理由からADBの2大出資国の米国は日本の独走を黙認してきた。66年の設立以来、総裁9人全員が日本人という事実がこれを物語っている。それもすべて官僚出身、または政府と関係が深い人物だ。このため日本政府と無関係であるはずがなかった。2010年、中国がADB総裁を狙ったことがあった。しかし日本が結局、水面下のロビー活動で抑え込んだ。寄与金をより多く出すという中国側の要求もずっと黙殺されている。ADB内での中国の発言権が強まるのを恐れた日本の牽制のためだ。         
ADBが日本の独壇場となって生じた副作用も少なくなかった。工事の受注も日本が圧倒的に多かった。同じ期間、全体事業費の41.7%を日本が占めた。このため「ADBは日本政府の下部機関か」という声まで出てきた。実際、研究の結果、日本の海外借款(ODA)とADBの支援パターンが似ていることが確認された。
さらに重要なのは、アジアのインフラ投資需要に比べ、現在のADB資金供給能力は非常に不足しているという点だ。アジア太平洋地域のインフラ投資需要は年間7000億ドル規模を超える。これに対し、IBRDとADBが可能な支援は5%にもならない。AIIBのような第3の開発銀行がいくつか追加で誕生しても足りない状況だ。

たとえAIIBが中国の主導で運営されても、これに反対する名分が弱まらざるをえないのが実情だ。韓国が注目すべきもう一つの点は、現ADBでは北朝鮮内のインフラ投資ができないということだ。ADBの支援を受けようとすれば、国際基準に合わせて各種経済統計を公開しなければならない。“秘密の王国”北朝鮮としては実現できないことだ。北朝鮮が1993年以来、繰り返しADB加盟を推進してきたが、いつも門前払いされる理由の一つだ。韓国が全面的に北朝鮮の加盟を後押ししても同じだ。このためAIIBが設立され、難しい条件なく北朝鮮内のインフラに投資すれば、これほど有難いことはない。

AIIBが発足し、北朝鮮内インフラ投資が可能になれば、どの国より韓国企業が先に駆けつけなければならない。統一後、道路・通信・電力網などの互換問題などを考慮すると、韓国企業が引き受けるのが絶対に正しい。

いろいろ考慮すると、AIIB参加による実益が莫大なら、米国の反対を押し切っても加わるべきではないだろうか。もう韓国も国益がかかることは自主的に判断する状況になった。米国の反対がAIIB参加の最大変数になるべきではないということだ。尻尾が胴体を揺さぶることがあってはならない。中国の専横が心配されるため、いっそのこと米国のAIIB参加を誘導するのが上策ではないだろうか。」
上グラフの参考資料
1956年~2006年、日本の実質GDP成長率の推移
85年プラザ合意ドル安円高誘導→低金利政策バブルバブル崩壊92年以降、93年ODA援助額世界一へ。
74年ごろの急激な落ち込みは、高度経済成長の終焉=国内過剰資本過剰生産状態による投機熱に(田中角栄列島改造論が助長)OPEC原油減産が重り、狂乱物価上昇。いわゆるオイルショック。三木外相アラブへ油請い緊急訪問。福田内閣は主要生活必需品の物価凍結。買い占め売り惜しみのトイレットペーパー騒動も。
>それにしても、53年の朝鮮戦争終了以降、20年間の高度経済成長はいかに凄まじいものであったか、改めて感嘆する。この時期とバブル期のつけが、様々な形を変えて降り積もって今回ってきているのではないだろうか。98年~99年の急激な落ち込みはアジア金融危機(韓国IMF管理下、山一証券倒産、中小金融機関破たん)
イメージ 1
 
円とドルの為替レートの推移。http://www.garbagenews.net/archives/1969250.html
イメージ 2引用
プラザ合意以降経済動向の変移や世界情勢に合わせる形で上下はしていたものの、100円から150円/ドルのレンジ内で収束していた円ドル為替相場の均衡」
1ドル100円の防衛ラインが突破された」
「原因はいくつか考えられるが、~米国債の増刷に伴う米ドルの希薄化が要因と考えられる。」
76円30銭(2012年1月)
「数年間が過度の円高状態にあり、それを受けて景況感が大きく後退したことは記憶に新しい。

これは多分に「当時の」政府の方針に伴う施策の結果によるもの。「円高により海外資源を安価に購入して国内景気を喚起させよう」との意図によるものだが、それにより国内の景気が落ち込んだのでは、景気の喚起どころか寒気が到来する結果となってしまう。国外情勢の影響もあるとはいえ、いかに異様な状況だったかが、円ドルの為替レート変動からも把握できよう。」←W。米国バブル崩壊、欧州金融危機、日本の金融機関は無傷=円高シフト、加えて東日本大震災福島原発事故の内外情勢中で、金融の量的緩和=円安政策に大きく踏み出すことが適切であったのかどうか?その後のインフレ政策や、日本の低い実質経済成長のトレンド、財政の膨大な赤字、産業空洞化のさらなる進展、人口減少、激動する内外政治要因から、円高が長期トレンドになることはない。国民経済の力が後退すれば、円安のトレンドになる。コレ当たり前。円安インフレの進行、消費税増税は金融寡頭支配体制を強化させる。多数の日本国民の資産は上位に移転する。
 
 日経平均株価の推移 
イメージ 3W。韓国も株、不動産高、消費冷え込み。円安で海外市場での日本製品との競争力が低下しているが、今までのウォン安で交易条件に恵まれ過ぎていた。
 
次のような見解もある。→マイナス金利の怪 宋文洲のメルマガ。
~省略~
2.先進国(資本主義)が勝者のいない通貨安競争に突入している。
3.対立軸を失った資本主義が、内部による反省と改革を疎かにしてきた。
4.イスラム過激派組織の成長は資本主義の過剰拡大に遠因がある。
5.世界の多極化はパワーの多極化ではなくシステムの多極化だ。
 
みである。