W。気になるところを分かりやすくするため、修正して引用する
↓
W。三重県の総人口184万人、栃木県人口190万。
イメージとして、日本の地方に該当するところはない
↓
参考資料
地方政府省 他11省庁
Governorate W。県
(西岸11郡、ガザ5郡)
(西岸11郡、ガザ5郡)
Municipality (120) Village Council (251) Rural VillageUnit (127)
W。主権を踏みられた状態での自由選挙は在りえない!
立法評議会の選挙制度では、人気投票になる。もっと工夫をするか、代表選挙は段階的に実施することがベターだった。
イスラエルの流動的な対パレスチナ政策、占領政策の下での自由選挙には無理が多すぎた。主権が踏みにじられている状態での自由代表選挙には限界があり、その結果は住民生活にプラスに作用する保障はなかった。住民の選択が、正しい選択とは限らない。
結果をあまり考えない政治は~。立法議会選挙を凍結するぐらいの英断が必要だった。民主主義のまねごとは住民生活のためにならなかった。
修正
一人2票制は、政党勢力の拮抗を生みやすい。また多数の立候補者の確保が必要になり、政治資金力のある
政権党に有利な選挙制度であるが、党利党略の胡散臭さが付きまとう。
*つまり、この選挙結果から、推測きることは、地元密着の選挙区選挙で不利を予想した、ファタハ側が、一人2票制を選択したと理解する。
>選挙制度の操作ミスである。
行政機関は、首相率いる内閣が組織する。任免権は大統領にある。
2006年の立法評議会選挙を最後に、2013年に至るまで、次の評議会選挙の目途が立たない状態が続いている。
獲得議席 | ||
選挙区 | 比例区 |
計
|
変革と改革 | 45 | 29 | 74 |
ファタハ | 17 | 28 | 45 |
本文を引用
市民社会に関する議論の主な潮流としては、
(1)市民社会組織の成立過程を紛争下社会における社会・経済・政治的要因から明らかにしたもの、
(1)に関しては、占領政府への抵抗運動を、自らの政府がない状態で行ってきたこと、
>制度構築や社会・公共サービスの提供が国際援助を受けながら住民主体で行われてきたこと、
>以上の議論の中で、中心的に取り扱われている市民社会組織は、
1970年代から1980年代(特に1989年から1991年の第一次インティファーダ期)に設立された
近代的開発・人権型NGOであり、西欧的な人権や民主主義や近代的開発の概念を理念においた組織が多い。
W?研究対象はA地区のようだ。行政権限だけ移行されたB地区は研究対象となっているのか?
ここをはっきりとしなければ。
W。イスラエルの行政権警察権下のC地区(面積59%)は、情報を総合するとイスラエル当局が自治政府の行政業務を代行している。肝心の徴税業務もイスラエル当局が代行し、一端、重大事態が発生すると、自治政府への税金の引き渡しを拒否して、圧力をかけている。電力などインフラはイスラエル当局が握っている。
もちろん通貨はイスラエル通貨。
Village councilレベルの3村は、ほかの多くの村と同様に、評議会の財政は大変貧しく、
評議員自体が無給のボランティアとして働く状態である。
評議員自体が無給のボランティアとして働く状態である。
電気・上水道は届いているが、村全体はカバーしていず、設備も大変老朽化している。下水道はなく、~
ゴミ回収車両の増加、幼稚園や小・中学校の建設・建て増し、恒常的に開いている診療所の設置等、数々のインフラ整備が緊急に必要とされている。
パレスチナの伝統的社会構造に基づいた社会組織などは、住民生活を維持する上で決定的な役割を果たしてきたにもかかわらず、あまり取り上げられていない。
特に日常の住民生活においては、パレスチナ社会の基底的社会単位となっている氏族集団(=親族集団、後述)が、住民ニーズに包括的にこたえる主要な組織として機能していることが多い。
① インフォーマルな領域:
血縁・姻戚関係や私的な個人関係に基づく社会開発活動。氏族集団や氏族集団内の組織が中心的位置を占める。
血縁・姻戚関係や私的な個人関係に基づく社会開発活動。氏族集団や氏族集団内の組織が中心的位置を占める。
その機能は、貧困家庭援助、相互扶助活動、社会的弱者の取り込み等。
② 半公的領域:
複数の個人によって、私的な個人関係にのみ頼らずに、共通の目的のために設立された社会組織が行う社会開発活動。
複数の個人によって、私的な個人関係にのみ頼らずに、共通の目的のために設立された社会組織が行う社会開発活動。
2.インフォーマルな領域―氏族集団・氏族委員会―
2-1.氏族社会における社会開発活動
2-1.氏族社会における社会開発活動
中東社会における個人の行動はイスラム的規範や文化的秩序から強い影響を受けており、多くの
国・地域で個人や家族間における相互扶助の慣習がある。
国・地域で個人や家族間における相互扶助の慣習がある。
パレスチナ地域では、紛争下における社会・経済的疲弊や政治情勢に対応し、このインフォーマルなレベルでの
相互扶助システムが強化されてきた。
相互扶助システムが強化されてきた。
同時に、特に和平プロセス以降のイスラエル軍による自治区管理体制が個々のコミュニティを孤立させていく形で展開されたため、地域内での相互扶助活動は、コミュニティや各家族の存続のためにその重要性を増してきた。
具体的には、親族間、近隣世帯や友人間、職場の同僚の間などで行われている貧困家庭援助、相互扶助活動、社会的弱者の取り込み等が挙げられる。
この私的な個人関係に基づく社会開発活動において、中心的な存在となっているのは親族集団である。
氏族はパレスチナ社会を構成する基底的な社会単位となっている。
氏族は部族の下位レベルに位置づけられる父系の親族集団であり、人口規模は数十人から数百人に及び、
一つのコミュニティは複数の氏族から構成される。
西岸の調査研究機関であるMASによると
相互扶助活動を氏族内家族(=親族)に行っている西岸の世帯は全体の48%、
氏族外家族に行っている世帯は36.9%である。
援助の形態は69.9%が現金、11.4%がサービス、9.4%が物資等である。
援助の形態は69.9%が現金、11.4%がサービス、9.4%が物資等である。
W。物的相互扶助の合計は収入の約8%である。
各世帯の一ヶ月の収入内訳のうち、海外送金を含む親族からの援助は4.9%を占め、
であるから、フォーマルな援助組織よりも親族間の相互扶助のほうの比重が高くなっている。
また援助を行っている世帯のうち、40.1%が自らの氏族内家族を対象に行っている。
以上のデータより、セーフティ・ネットとしての社会開発活動における、親族間の相互扶助活動の重要性と中心性が伺える。
また、氏族内の各家族による個別の相互扶助活動のほかに、各氏族は氏族内メンバーに対してより組織的な社会サービスも行っている。
>多くの氏族はDiwanと呼ばれる氏族内行政組織を持ち、氏族内の貧困家族や社会的弱者層を組織的に支援する仕組みを持つ。
Diwanは、16~18歳以上の男子をメンバーとする総会で選ばれた代表者による委員会である。
このDiwanの主な活動は、定期的に会合を設け、氏族内家族の近況に関する情報交換をし、貧困家庭やその他氏族内世帯に関するあらゆる種類のニーズをつかみ、必要な援助を行うことである。
普通Diwanは各世帯家族から一定の金額を徴収した「金箱」を運営し、それを財源に氏族内世帯の援助を行う。
>この氏族では、氏族内の家族が血縁関係の強さによりさらに3つの枝部「ファヘズ」に分かれており、各ファヘズから数人ずつ代表者が選ばれてDiwanを構成している。
Diwanは毎月の開催が基本だが、その他に必要に応じて毎週決まった曜日に集まる。
集合場所は、現在海外に居住する氏族内の一家族が10年程前に寄付をした建物である。
会合では、委員がお茶やジュースを飲みながら、氏族内家族の近況を話し合い、特に貧困状況が厳しいような家庭があれば、「金箱」から一定額の援助をすることを合意する。
また一般に氏族内の相互扶助活動は物質的援助のほか多様な社会サービスの形でも行われており、
>この氏族では各世帯主の職種・就業状況や世帯構造、医者・教師などの技術的資格者や大学生の専門領域などを記した統計資料を作成し、氏族内の人的・物的資源を活用した氏族コミュニティ全体の強化に努めようとしている。
2-2.氏族社会における市民社会の領域と「偏狭な社会」の領域
氏族内の総会やDiwan委員会が男性によって占められているように、これらの活動は概ね男性によって行われている。氏族社会における「公」の領域は、男性により占められ、女性は家庭の中に居て夫や息子たちに仕えるという概念はパレスチナ社会にもまだ存在する。例えば、より伝統性の強い氏族の中では、男女間の権力関係がより鮮鋭に反映された氏族内システムを保持して
おり~
おり~
そして占領に対する国際社会への訴えなどの対外的運動が、イスラエルの非民主主義性や人権の蹂躙などの観念を軸に繰り広げられてきており、西欧的民主主義や人権概念がよく浸透していることなどが挙げられるだろう。
女性には女性の、男性には男性の仕事がある。」ということで、女性も男性と同じ権利を持つという認識を持ちながらも、氏族社会やあるいは社交場面における男女の「家庭」と「家庭の外」における役割分担という慣習的な観念を保持していた。
この例からは、男女間の権力関係を反映した価値規範が必ずしも存在していないことが伺える。むしろ男性と女性の社会的活動の場を分断する社会慣習や宗教規範による影響が強いといえよう。
この例からは、男女間の権力関係を反映した価値規範が必ずしも存在していないことが伺える。むしろ男性と女性の社会的活動の場を分断する社会慣習や宗教規範による影響が強いといえよう。
~
したがって、パレスチナ氏族社会には、市民社会の領域も存在するし、「偏狭な社会」も存在するといえる。特に各氏族の行政組織である氏族委員会は、市民社会組織としてとらえられるものや、家父長制的権力関係によって硬直的に維持されているもの、そしてその間に位置するものが存在しているといえる。
このような存在形態の多様~。
W。重要ポイント。 W。重要ポイント
↓ ↓
各コミュニティの評議会は、各氏族から選ばれた代表者が集まった氏族代表者委員会としての特質を持って
いる。
いる。
以上のような氏族集団内部の結束度の強さや相互扶助の伝統などをみると、氏族から代表者として送られた評議員が、評議会の中で一定の責任や義務に拘束されていることが推測できる。氏族集団をコミュニティ内のインフォーマルな最小行政単位としてとらえると、地方自治体と構造的連関を持っており、氏族集団内で理解されているニーズが一定程度自治体に反映される仕組みがある。
しかし一方で、新しく行政的にまとめられた移民や難民の社会組織も少数ではあるが存在し、
それらは氏族集団に比べ組織的凝集性が弱くなっている。
そのため同組織内で行われている種々の活動が一般の氏族集団に比べて手薄であったり、評議員の代表性が弱い等のマイナス面が考えられる。
つまり、小規模コミュニティのほうが、評議会の氏族代表者委員会としての性格は強く、伝統的なコミュニティとしての凝集性も強いため、社会的弱者層が一層取り込まれやすくなっているのに対して、
コミュニティの規模が大きくなった場合、
評議会の運営において伝統的な社会構造が否定的に作用したり、より都市的な行政運営が求められるだろう点が指摘できる
>さらに国連をはじめ早くから占領地住民の援助を行ってきた西欧を中心とする国際社会が、
これら民間の現地組織への支援を通じて現地社会の援助を行ってきたことが、このセクターの成長の背景にある。
*またPLOは自らの現地支部としてNGO・POを設置・吸収・利用していったため、これら組織は政治的役割も持っていた。←W。ナルホド。ここまで読んで、現地の政治構造の実体(住民、PLO、ハマスなど)がある程度、見えてきた。これまで書いてきた記事の欠陥もわかってきた。
(1)同セクターが最も活発な分野は保健・医療や教育分野であり、1 9 9 6 年初期にNGO・POセクターにより行われていた保健・医療サービスは、プライマリー・ヘルスケア・サービスの約60%、同セクター運営の病院は全体の42%に及ぶ。
1993年時点でNGO・PO所属の医師は全体の6割、歯科医・薬剤師は9割、看護婦は5割に昇る
W、厳しい生活環境が浮き彫りにされている!
>自治政府が設置されて以来、政府機関として吸収された団体も多い。
(2)教育
分野では、幼稚園の99%、一般教育機関の12%が民間セクターにより運営
分野では、幼稚園の99%、一般教育機関の12%が民間セクターにより運営
(3)他に同セクター
が目立つ分野は、農業、貧困緩和、低コスト建設プログラム、マイクロ・プロジェクト等である。
が目立つ分野は、農業、貧困緩和、低コスト建設プログラム、マイクロ・プロジェクト等である。
(4)また、同セクターの労働総数は2万から3万で、1995年時点の実質労働人口中5~6%を占める(Sullivan
1996)。
1996)。
これにボランティア・スタッフを加えると数倍になり、さらにPOである草の根組織の会員を含めると関係者は膨大となる。
現地研究機関の一つは、労働人口総の29%がボランティア・福祉組織等の機関に関わり、2 3 % が通商組合に参加し、15%が政治的組織に関わっているとしている。
サービス・セクター内における非営利セクターの割合は37%で、これはヨルダンの6倍である。
さらに非営利セクターは営利セクターに比べ平均スタッフ数は4倍、女性スタッフの割合は2倍であり、平均賃金や生産率も大きく上回り、非営利セクターの有能な人材や効率的な運営状況が推測できる。
W。ココから。単純に考えるつもりはない。結果的に政治的に~
↓
政府機関は壊滅的な打撃を受け、一般住民の生活も一層厳しさを増す同社会において、NGO・POセクターの重要性は再び高まっている。
コミュニティレベルでのNGO・POの活動況は、コミュニティの規模により大きくことなる。
特徴として、NGOは、政府機関の未熟な部門を補う専門家集団として機能するか、
対占領の人権集団として存在し、PO組織は社会内部の脆弱なセクターが、エンパワーメントのために連携し形成していたり(負傷者連合や障害者組あるいは開発援助プロジェクトの受け皿として形成された組織も少なくない等の点が挙げられる。
表1 サルフィット町のNGO・POリスト
サルフィット女性福祉協会
サルフィット・オリーブ期の協同組合
サルフィット地域農業販売組合
消費者保護組合
赤新月社
サルフィット・女性スポーツクラブ
サルフィット・スポーツクラブ
捕われたパレスチナ人クラブ
労働者組合
パレスチナ・障害者組合
床屋組合
患者協会とマアン・センター
農業組合
福祉・復興委員会
パレスチナの負傷者連合
商工会
パレスチナ・看護婦委員会
文化と芸術の泉センター
専門者組合
技術者組合
サルフィット・オリーブ期の協同組合
サルフィット地域農業販売組合
消費者保護組合
赤新月社
サルフィット・女性スポーツクラブ
サルフィット・スポーツクラブ
捕われたパレスチナ人クラブ
労働者組合
パレスチナ・障害者組合
床屋組合
患者協会とマアン・センター
農業組合
福祉・復興委員会
パレスチナの負傷者連合
商工会
パレスチナ・看護婦委員会
文化と芸術の泉センター
専門者組合
技術者組合
>NGO・POは、政府サービスの不足を補って大変多様な分野で活動を展開していると共に、
>自治政府の問題性を糾弾し、国家(W?)の責任性・透明性を高めていく上で活発な組織も多い。
一方で同組織の活動や役割を地域的視点で眺めた場合、
地方政府省 他11省庁
Governorate W。県
(西岸11郡、ガザ5郡)
(西岸11郡、ガザ5郡)
Municipality (120) Village Council (251) Rural VillageUnit (127)
NGO、氏族社会の相互扶助に依存。
欧米民主主義の価値観のNGOは何かと、現地システムの欠陥が目につき、批判的になる傾向があるだろう。
そうすると、伝統的氏族社会→評議会の政治関係が強まり、結局、評議会は、伝統社会の政治代表が集まっただけの機構に形骸化し(立法をして政策実行する財政的裏付けなく、政治議論の場、政党の数合わせの場)、自治政府は住民から浮きあがった存在になる。
立法評議会の選挙制度では、人気投票になる。もっと工夫をするか、代表選挙は段階的に実施することがベターだった。
イスラエルの流動的な対パレスチナ政策、占領政策の下での自由選挙には無理が多すぎた。主権が踏みにじられている状態での自由代表選挙には限界があり、その結果は住民生活にプラスに作用する保障はなかった。住民の選択が、正しい選択とは限らない。
結果をあまり考えない政治は~。立法議会選挙を凍結するぐらいの英断が必要だった。民主主義のまねごとは住民生活のためにならなかった。
>外部から開発援助プロジェクトを誘致することが主な仕事となっているような状態で、
>社会開発等のソフト面でのサービスのほとんどは、
4.地方自治体
イスラエル占領政府の統治下(1967年~1994年)で、
ヨルダン川西岸とガザ地区における地方政府は、MunicipalityとVillageCouncilの形で存在し、その他の比較的小規模な町や村には、「ムフタール」(Muhtar)と呼ばれるその地域の名士であり長老的存在である人物により統治されてきた。←W。国会(西岸+ガザ地区)=パレスチナ立法評議会~~西岸地方政府、ガザ地方政府の関係と理解する。
W.以下、地方政府の在り方を問題にしているのであって、立法評議会について述べているわけでない、
しかし、立法評議会議員を選出する住民の政治実態を明らかにしている、と云う意味では貴重な分析である。
占領政府統治下で、MunicipalityやVillage Councilを対象にした地方選挙は、ヨルダン川西岸においては、1972年と1976年に行われたのみで、その後は空いたポストが出た度に評議員を補充する形で運営されてきた。
上述したように、パレスチナ社会における氏族集団は、同社会を構成する基底的組織となっており、コミュニティ内の政治のあり方にも大きな影響を与えてきた。
特に、一定の選挙プロセスがあっても同社会における評議会の実態は
各氏族からの代表者を集めた「氏族代表者委員会」という形で存在し、欠員の補充も同じ氏族から新しい代表者を加えるという手順で行われてきた。
自治政府が設置されてから地方政府機構の再編が進み、
オスマン帝国時代から続く「ムフタール」職は廃止され、各コミュニティごとに評議会が置かれ、地方政府機構は上述したMunicipalityとVillage Councilに加え、Rural Village Unitの3つのレベルに区分された(表2参照)。
これに伴い、新しい評議員の選出が各地で行われた。
一定の形式に基づく選挙が行われたコミュニティもあったが、
基本的には全てローカルなレベルで執り行われたもので、体外的な条件は自治政府により承認されることのみである。
結果として、評議会の基本的な特質として
各氏族代表を集めた委員会であるということは現在も変わっていない。
各氏族代表を集めた委員会であるということは現在も変わっていない。
占領政府の時代には地方自治体に対する政府からの締め付けや権限の矮小化がある一方で、
地方自治体の代表者たちが地方名士や氏族の代表者であることで、ローカルなコミュニティに対しての積極的な取り組みが期待されているという構図もあり、
自治政府発足後には新たに行政機構が整備され、多くの地方自治体が新設されると同時に、各自治体に基礎インフラに関わるものを中心にいくつかの行政権限が移されたため、評議会は政策立案・行政執行組織として一定の自治を持ち活動している。
したがって、かつての自治体組織は氏族内の有力者により統治されてきたが、近年ではより実務的な能力を持った人間が選ばれる傾向がみられる。
現在の多くの地方自治体が抱える課題は、第一に財政難である。
Municipalityレベルでは各評議員が自治体内の要職に就き、事務・技術職員を抱えている一方で、VillageCouncilとRural Village Unitのレベルでは、行財政が大変厳しく、評議員の給料の予算もなく、評議員自体がボランティアとして働いているケースが約7~8割にのぼる。
Vilalge CouncilやRural Village Unitの評議員たちは、他に生計を立てる「本職」を持ちながら、例えば週に一度仕事が終わった夕方に集会を開き、評議員としての仕事を行うなど、村の開発課題を一手に担ってフルに活動していけるような状態にはない。評議員が集会を行う事務所さえも、家賃を払って借り入れしている場合も少なくない。
調査対象地では、村や町の伝統的な構造がコミュニティとしての凝集性を増しており、各村や町のニーズは比較的よく議論されていた。
しかしそれを解消するために自治体ができることは、外部社会から援助を呼び込むことのみである。
一方で住民の日々のニーズは益々増加していっており、同時に特に小規模コミュニティでは援助プロジェクトの呼び込みも簡単には成功せず、このような現状に自助的に答えているのが氏族社会内における各種の援助・相互扶助活動なのである。
~~
他に、伝統的社会構造に基づいたコミュニティにおける市民社会の特徴として以下のことが指摘できる。
まず、地方自治体の評議会が氏族代表者委員会の特質を持っていることに端的に見られるように、市民社会の領域と政治領域の区分が明確でない。
これによって両者の緊張関係から生まれる政府の民主主義的な変革を促す力が弱くなっている。←W?!
これによって両者の緊張関係から生まれる政府の民主主義的な変革を促す力が弱くなっている。←W?!
一方で、政治領域や市民社会領域を貫いて存在する氏族共同体としての観念は、氏族指導層へ包括的な責任性を要求し、組織内での諸活動が成員全体のニーズを満たすような公共目的を帯びさせるシスを内蔵している一面もある。
しかしパレスチナ社会は、紛争の過程で大きな社会変動を複数回経験しており、さらに近代化と共に社会や価値規範は多様化し、コミュニティも「氏族とその集合体」というもの以上の存在になっている。
これら組織は主に医療や教育、農業分野において、技術サービスの提供をする面でコミュニティと関係しており、小規模なコミュニティほどその存在感は薄れるが、コミュニティ内の市民社会組織を多様化させる一翼となっている。以上の点が、コミュニティレベルにおけるパレスチナ市民社会の特質として指摘されよう。