②二つのグラフ <被曝線量とがん死亡リスク><微量放射能の害評価>によれば、福島原発事故による放射能の人体への被害は大きな分母と小さな分子として表れていても(一般論として)、小さな分子の被害にきちんと向き合わなければならない、という肝心な所を、蔑にしていた。命健康を大切にするとは政治言葉の問題ではなく、日常行動の具体的な問題である。
その意味で、2014年に東京小平市から岡山に移住した開業医に対して批判的な文章を書いたのは間違っていた。また、少数者の存在と意見は共にあるものとして、貴重なもの、我が宝である。自分自身を否定する見地は間違いである。
①について。前回記事のウィキペデアの一部の引用。
炉心インベントリーとは、(炉心に蓄積されていた放射性核種の存在量)のことである。
(エラー発生のため省略、前回記載済み)
<原爆にともなう放射性降下物との比較>
「IAEAの試算によると、チェルノブイリ原発事故によって放出された放射性降下物の量は、広島に投下された原爆によって放出された放射性降下物の量と比較して、およそ400倍と見積られている。国際科学会議によって設立された環境問題科学委員会(SCOPE)によれば、比較的に長寿命な核種の放出量を比較すると、チェルノブイリ原発事故では、広島原爆に比べて、セシウム137が890倍、ストロンチウム90が87倍とそれぞれ報告されており、土壌汚染に関してはチェルノブイリ事故の方が広島原爆より大規模であったと考えられる」
W。二つの解説の数値は妥当なものと思われる。
比重の重い核種の飛散度は低い。
イ)炉心が爆発したチェルノ事故現場からは、福島に比較して大量の核種が放出された。
他方、炉心インベントリー(炉心に蓄積されていた放射性核種の存在量)は福島事故現場が圧倒している。
今もこれから先も、延々と収束作業が続いていくのはこのためであり、トータルとしての作業コストは福島の方が遥かに上回る。また、作業も難航する。メルトスルーした炉心イベントリーの回収の目途はたっていない。
>この両者の違いははっきり押さえておかなければ、福島原発事故の全体像が見えてこない。
岡山に移住した医師の問題にしているのは主として、福島原発事故現場から放出された核種である。
原子爆弾は殺傷破壊を目的にした爆弾構造の兵器である。したがって、破壊力は圧倒的だが、核種の放出量は原発と比べて格段に少なくなる。広島原爆資料館に展示物をみると、爆心地のヒトとモノは、超高熱によって一瞬に揮発し、爆風によって殲滅された。
こうした原爆と原発の単純比較をしていると、(戦争や核兵器に対する拒絶反応の薄い、受けての立場によっては)核兵器の空前の破壊力爆発力と原発事故のそれを知らず知らずのうちに混同してしまいがちになり、核兵器の脅威に対する麻痺がおこる可能性もある。
ニ)前回の記事の主旨は、チェルノブイリ4号機原発事故と福島原発1~4号機事故の違いを炉心と圧力容器に核爆発に近い状態があったかどうかに、焦点を絞って、チェルノブイリ事故現場のドキュメント映画を生で見た経験も踏まえ記述した。なお、このドキュメント映画については、ネット上で言及されていると思って探してみたが一切のっていなかった。
自分の記憶違いではなく、一度も足を踏み入れたことのない急階段状の特殊な作りの演劇などイベント用の小劇場で上映されていたため特に記憶に残っている。
この見聞も踏まえて、イ)とロ)の結論に原発事故後の早い時期に達していた。持論である。
W。この図の核燃料棒と原子爆弾本体の位置を左側に側に配置した方が分かり易い。
原発原理の絵図は誤解を招き易い代物。
四角の柱状、特殊合金で被覆(コレが解けて水素爆発が発生したとされている)された核燃料棒は1本の大きさが70cm×70cmで長さは5m。合計本数は50本程度。ウランの比重は鉛の2,7倍と重い。大量の比重の重い核燃料棒がメルトスルーしている状態なのだから、回収できないのは当たり前である。制御棒の本数も多い。だからコレが事故発生時点で炉心に差し込まれ機能しているかどうかが焦点になる。原子炉の構造は良く絵図で示されているような単純なものではなく複雑であり、基本的にトラブルが発生し易い構造ものだと思って間違いない。
<原爆と原発の違い>
(2)ウラン235はウラン原石の中にごくわずかしか含まれていないので、精製しなければならない。
(3)原発=ウラン235(3%~5%)、ウラン238(その他)。
*プルトニウム239(ウラン235から飛び出した中性子が当たった一部のウラン238はプルトニウム239になる。プルサーマル原子炉の燃料棒は、半分程度の本数はプルトニウムである(福一3号機など。青森で建設中の原発はプルトニウム燃料棒を使用する予定である)。
ということでいつでも原子爆弾を製造できる体制にある。韓国はバク、チョンピ大統領時代再処理施設の建設を目指したが、米当局によって却下された。韓国のハンギョレ新聞によれば、技術的に見て日本が原爆を製造するのは、ドライバーでねじを回すほど簡単だそうである。
このような比較は被爆国日本の特徴であると思われる。
(5)上記の絵図の情報によって、正確にいえば、原発事故のハイレベル事故においても、原子爆弾が爆発した、と同じ破壊状況は発生しないと想定する。ただし、それに近い核爆発状況は、制御棒が有効に機能せず、核分裂反応が暴走したチェルノブイリで発生した。
この絵図では示されていないが、原子爆弾のほぼ100%のウラン235のうち、爆発時に実際に核分裂を引き起こすのはたった数%と云われている。あまりにも強烈な爆発エネルギーが発生するためにその他の核分裂が追いつかないからである。
(6)ということで、結論的にいえば、ウィキペディア 「チェルノブイリとの違い」の一つの解説の数値だけ挙げたのは間違っているが、ネット上の飛散核種の解説の中では、ウィキペディア 「チェルノブイリとの違い」のトータルな解説がこの方面解説の中では、最も妥当であると、事故後、考えるようになった。
(7)日本列島を大陸プレートが取り巻いている世界有数の地震国(付加体で組成された列島では巨大地震は避けられない)、付加体列島日本の上に乗る原発は巨大地震で、制御棒がきちんと差し入れられるかどうか、配管系の破損など様々な不確定要素がある。想定外などとしているが、巨視的に見れば想定できる。
>事故現場の炉心インベントリー=(炉心に蓄積された射性核種の存在量)は、福島原発の方が圧倒している。
しかし上記の福島原発の炉心インベントリー数値には、1号機~4号機の使用済み燃料プールに貯蔵されていた膨大な使用済み核燃は含まれたいない。完全に除外していいものかどうか、専門家でないから判断できないが、少なくとも、これらの多くは減水状態によって大気中に長時間むき出しになっていた。また、原子炉建屋の破壊が大きいところ(プルサーマル3号機)では、「水素爆発によって」使用済み燃料プールがほぼ完全に破壊されていると、事故直後の無人機から撮影した写真に示されている。破壊された建屋の周囲に飛び散っている多くの四角の柱状の飛散物は皆同じ形長さであり、どう見ても使用済み核燃としか思われなかった。
無理筋の都民銀行設立、尖閣の都買い上げに狂奔した石原慎太郎政治とその継承者である。石原政治手法の特徴は情勢の激変過程をさらに促進する、というところにある。基本的に政治家ではなく、「 」付きの文学者の感覚で政治を行っているのだから、たまったものではない。三島由紀夫は政治権力を握るつもりなどさらさらなかったが、石原は自民党離脱後は、自民のコントロールを離れた都政の政治権力を握って好き放題のことをやってきた。
政治バカは大阪住民の一部だけではない。東京都民の一部も同列。
コレは何も倫理的な観点から云っているのではない。
オリンピック開催は東京一極集中をさらに加速させる。
経済効果も怪しいものだ。財政的にも厳しいものがある。2020年ごろの東アジア情勢も今のままの延長線上では激動が予測されるのに(日本の高インフレ低成長ノーマル増税ノーマル化は云うに及ばず、中国の高度経済成長も2020年ごろには収束過程に入ると云われている)、内外情勢に対して適切な手当てを打てないばかりか、やることなすこと真逆の、激動過程を促進させている。バブルとバブルの間で息をつき、政府が庶民にバブルのつけを回す体質の資本主義に変貌していっている。
なお、原発依存率50%と群を抜く関西電力は原発プラントの再稼働ができないことを理由に、平均8%の値上げ率を各受電者に通告している。まるで強迫文のごとしである。価格転嫁できるところは、8%を上乗せするだろう。
通告書は、事情知ったものでなければわからない数字を一杯挙げて、結局は一般家庭の小口需要者に一番しわ寄せをする実態を覆い隠している。
更に燃料費の高騰以外にこのような大幅値上げをしなけらばならなくなった一方の理由の原発依存率50%の異常な事態を招いている経営責任については、一言の説明もない。
コレが日本政治の生々しい現実である。