反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

全国的に発生しているコンクリート劣化、問題。昭和61年「コンクリート中の塩分総量規制」←W。1986年以前(昭和)は塩分濃度規制かなかった。築30年以上(昭和)のコンクリート構造物は急激劣化の可能性。

高度成長期の道路やトンネルが危ない! 「コンクリート劣化」の恐怖
W。大きな事故例を挙げるが、いま全国いたるところで、高度経済成長時代に建設されたコンクリート構造物の劣化、建設当時の施工不良による問題が発生中である。
 
>下記のトンネル事故は記事作成中にコンクリート劣化と直接、関係がないと解ったが、建設土木業界の実態を垣間見る上で関心ある問題だったので抹消しなかった。

 
断面構造図 
イメージ 1解説記事の指摘する天井崩落の直接の原因となったアンカーボルトとは天井上部を示す半円形を真っ二つに区切っている太い線の間仕切り部分(隔壁板~各々がトンネル内の空気の排出、供給機能)に設置されている。
 
素人が理解するためには、コンクリート構造物建設現場で多用されているアンカーボルトの基本構造と機能を知って置く必要がある。
 
適切な画像がなく省略するが、木ねじは木の板などにねじ込み引っ張り張力に耐えることができるが、モルタル、コンクリートはねじ込んだ部分が抜けてしまう、そこでボルトをねじ込んだ場合張力に耐えられるような<メス>の部分を躯体に予め埋め込んでおくか、後から、ドリルでねじ込む。←トンネルコンクリ外壁完成後、穴をあけ、接着剤を流し込み一本のアンカーボルトを真下につりさげた、という今ではあり得ない設計である(天井も重い金属材料が使われている)
 
引用
「笹子トンネルの設計では、ボルトは1本あたり4トンの荷重に耐えられ、仮にボルトを下に引っ張っても抜ける前にボルト自体が折れるようになっているはずだった。
しかし、2013年2月1日に発表された国土交通省の検査結果によれば、事故の起きた笹子トンネル上り線のうち崩落していない区間で183本のボルトに対して強度検査を行ったところ
>実際には113本が4トン未満の荷重で抜け落ち、うち16本は天井板やつり金具を支えるための平均荷重1.2トンに耐えることもできない状態だった。
 
この検査結果では接着剤の経年劣化以外にも、そもそもの接着剤が不足していたことなどが指摘されている」←W。接着剤の外周はコンクリートである。しかもそもそも、接着剤と外周のコンクリートの接着状態はどうだったのか、コンクリートが劣化すると接着状態も悪化する、また接着剤とは具体的にどういう種類のものなのか?(4トン以上の真下の張力に耐えらる接着剤は存在するのか~コンクリートとの接着状況も問題)
W、グレイゾーンのままにしたいのだ。
     ↓
「実際に経年劣化していた部分として指摘されているのは、コンクリートとボルト結合部の接着剤である」W。接着剤犯人説。
 
「「つり金具の部分が壊れた可能性が高く、老朽化していた可能性もありうる」
国土交通省の調査検討委員会初会合によれば、つり金具やボルトなどに目立った腐食はなかったとされた」
 
     ↓接着剤、原因説。
>「2013年2月1日に発表された国土交通省の検査結果でも、笹子トンネル上り線のコンクリート壁やボルト自体の強度に問題はないと結論付けられた。
 
イメージ 21 、「天井板と隔壁板を吊り下げていたアンカーボルトは、トンネルの天頂部(天端)に打設
>天端は構造的に大変脆弱なことで知られる。」
W。天端は上からの土石圧力が最大になるのは当たり前。
 
2、「天井板の上部はまるごと排煙用のダクト(送風管)だったことになる。
そのため、トンネル内の換気を行なうたび、隔壁板に風圧がかかり、天井板を固定しているボルトには引っ張る力が働く。この力のことが、天井板の設計では何も考慮されていなかったというのだ。設計ミス。
Wアンカーボルト接合部を微妙にいつも振動させている。
 
 
3、「ケミカルアンカーボルト(接着剤で留めるボルト)は真上に向かって穿孔する(穴を開ける)ような方法では使用しません。
一使う場合でも、ボルトが抜けないように真上に向かってではなく、せめて2本のボルトを『逆ハの字』に施工するべきでした。真上に向かって打てば、天井板は接着剤の力だけで支えることになるからです」
 
中央自動車道の恵那山トンネルでは、天端を外して吊り金具を取り付けていた。また、関門海峡の下を通る関門トンネルでは、軽量の天井板を使用している上に、吊り金具を3本のボルトで支えていた。
>これに対し、笹子トンネルでは1本のボルトでした。」
 
なぜ、コンクリートの打設時に吊り金具を埋め込む方式を採用せずに、『あと施工』という、固まったコンクリートにあとから穴を開けてボルトと接着剤で留める方式にしたのか。必然性がなく、不思議でならない」
W。手間と経費節減が最大の理由。あと施行だと外壁本工事はスムーズ。アンカーボルトの便利なところは「あと施行」ができて適切に使えば支持は強力。現場で多用されている。
豪華なタイル張り、ガラス張りのビル。躯体の外壁を支えているのはアンカーボルトとは知らないヒトが多い。大地震で外壁が落下しないモノと感心する。真下でうろちょろするのは避けた方が良い。
 
上図の天井両脇の支持の力を過大評価した。
 
4、「1977年の天井板完成時点で、すでに強度を得られていないボルトがあったと指摘している。さらに、ボルトを留めていた接着剤の耐久性については、
現在まで、長期耐久性について十分な知見が得られているとは言えない」(同報告書39ページ)」
 
「科学的知見や工学的知見が得られていないものなら、死亡事故が起きるまで接着剤の耐久性実験をしていたのと同じだ。」
Wの数点の初歩的疑問が立証されている。4トン以上の荷重に耐えて、コンクリートと金属の接着力を長期にわたって保障する接着剤など現時点でも開発されているのだろうか、疑問。
 
「設計ミス」が事故の規模を拡大 W。打音点検に手間カネがかかる。
「せめて点検だけは通常以上の頻度と内容で行なう必要があったことになる。だが笹子トンネルは、天井板の点検がしづらいトンネルでもあった。設計で、点検のことが考慮されていなかったためだ。」
目視による点検だけでなく、ハンマーを使った打音点検(注)も実施しようと思えば、天井板の上にいちいち足場を組む必要があった。天井板から天端までの距離(高さ)が、短いところで約2・4メートル、長いところでは約5・4メートルもあったからだ。
点検が面倒だったことの証拠に、打音点検は2000年を最後に事故発生までの12年間、実施されていなかった。
 
ココまでの文中で、天井盤と両脇の天井板の「力学」的(?)関連はWは気になった。
2点支持、1点吊りであり、設計者はソレなりの強度を見積もった。普通に考えてボルト締めで連結するが140メートル一挙落下を招いた。 
  ↓
 
「天井板は、その両隣の天井板と連結する形で設置されていた。ダクトの中仕切りである隔壁板も同様である。もし、連結させない構造で設計されていれば(←W、あり得合い)、天井板が一度に140メートルもの長さにわたって落下することもなかった。いわば「設計」そのものが、事故の規模を拡大させる方向に作用してしまったわけである。
 
結論、上記の施工方法でも、アンカーボルト埋め込み方式を採用していれば、その時点の大事故はなかった、と結論付ける。
しかし、アンカーボルトの便利なところは本体躯体工事終了後、あと工事できることで手間とカネが節約できるところ。
基礎工事、上部立ち上げ工事の基軸部位は埋め込みアンカーを使用するがそれ以外は基本的にあと穴あけ工事アンカー。業界の慣行である。

W。今回の記事では、本来この問題を取り上げたかったが、トンネル上板の落盤事故を調べると、Wの知らない分野だったので長くなりすぎた。
下記の分野は、ココまでの記事よりも建設業界全般の問題性が露呈している。
 
  追悼 小林一輔さん、「コンクリートが危ない」と警鐘
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20091116/536928/ 日経コンストラクション 2009年
「『コンクリートが危ない』(岩波新書)の著者で、東京大学名誉教授の小林一輔さんが10月7日、亡くなった。半永久的に使用できるはずのコンクリート構造物が早期に劣化している問題を取り上げ、警鐘を鳴らした。
 山陽新幹線高架橋の現地調査を踏まえて、「ぼくがJR西日本の社長なら、いつ事故が起きるかと心配で夜も眠れないだろう」と語った。「責任施工という名の無責任施工が、コンクリート構造物の早期劣化を招いた」と批判。
完成して間もないマンションで異常なひび割れが見つかった問題では、「消費者は賢くなる必要がある」と、居住者の立場で訴えた。」
 
山陽新幹線の高架橋で、一時、アルカリ骨材反応が問題になったわけですけれど、
もう一つ、ほとんど除塩されていない海砂が使われていたことが、いろんな調査で明らかになっています。
    ↑
Wが、目撃したところでは、ナマコン工場の塩分抜きの方法は、今でも砂の露天積み放置という原始的な手法である。塩分濃度を低下させる薬剤を混ぜるときに入れているかもしれないが。
 
それから、炭酸化の速度も大きいことがわかっています
W。ジャブジャブ、コンクリート(水分含有量の多いジャブコンを使う犯罪的手抜き工事もある。地域の2流3流ゼネコンが仕事の忙しいときよくやる手口である。
 
W。古い鉄筋コンクリート工法マンションの天井(鉄骨鉄筋コンクリートではなく鉄筋とコンクリートだけの集合住宅。床下部は鉄板デッキではない。古い公営住宅に多い)を見上げると、ひび割れがたくさん走っていないか?←天井裏はなく、直接スラブ(上階床露出)。鉄骨鉄筋コンクリート工法では波上の鉄板が床下部に使われるので、天井裏を作る必要があり、スラブは露出していない。ワンルームマンションなどでは天井裏を作らなければいけないので、ワンルームマンションなどでは天井は極端に低くなる。鉄筋コンクリートの集合住宅は天井裏がないので、部屋の嵩はある。ゴキブリなど虫の繁殖場所がなく、各戸の密閉性が高いが、スラブ亀裂やパイプシャフトなどの専用スペース設置不可能で、上階の足音が響く。
         ↓
「新幹線の高架橋で鉄筋が腐食して問題が起こるとすれば、おそらくスラブの下端筋の腐食による曲げ破壊であると思われます。」←W。鉄筋コンクリートの集合住宅の問題でもある。なお、20年~30年前から鉄筋コンクリートの構造物は作らなくなった。主として耐震性不備、工期が長くなり、人手がかかるなどの原因。現状のコンクリート構造物の主体は鉄骨であり、その週をを鉄筋で補強する。
解体工事現場を観察すると、鉄筋コンクリート構造物は建設重機だけで取り壊しできるが、鉄骨、鉄板デッキでは、その部分の酸素切断しながらの作業になるから、倍ほどの工事期間が必要である、と解る。
言い換えると、それだけ鉄筋コンクリートの構造物は軟弱だと云う事だ。
大震災で壊滅的打撃を受けているのは、この種の構造物である。
なお、地下の基礎工事の基準(建築前に地質調査をするのは地域差のある基礎工事の基準を決定するためであると想う)も改められている。うわモノがガタガタになるのは基礎工事に原因がある場合も多い。
 
Wの感想ではよくこんな地殻相互のこすりあわせの結果できた削りかすのような付加体の組成で出来上がっている日本列島の大都会に超高層ビル、住宅を立ち上げているものだとその怖いもの知らずに感心する
 
「新幹線の高架橋のモデルを基に、鉄筋の腐食が進行したときの安全率低下の試算結果を報告し、締めくくった。
 「・・・限界値以上に鉄筋の腐食が残っていると、スラブ(W。床)の破壊が生じます」
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1983年の日本もコンクリート問題で揺れていた。きっかけはNHKの報道だ。山陽新幹線除塩されていない海砂(W。現状でも生コンプラントが塩分濃度の濃い砂を山積みして塩分を抜いているだけで、特別なことをやっているわけではない)が使われていたことを突き止め、3月に「警告!コンクリート崩壊・忍び寄る腐食」を放送した。1カ月後には、山形県酒田市の国道7号にかかる道路橋が、塩害で予想以上に早く劣化していることを伝えた。
 
W。塗装にもコンクリートと鉄筋を劣化させる問題点があったが、ココまでの検査はしない。
      ↓
「例えば「ピンホール」と呼ぶ塗装の不良部を検出する際の電圧は、米国基準が500Vなのに対し、日本の指針は1000Vだ。塗装は、鉄筋の角張った部分から破れることが多いという知見に基づき、塗料や塗装工程だけなく、素材としての鉄筋の品質を高めたことも特色だ」
 
>どうもWの関心分野からそれているようなので中止。
 
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「今から13年前の1999年、「コンクリートが危ない」(岩波新書)という題名の本が上梓された。旧運輸省に勤務し、東京大学千葉工業大学教授を務めた小林一輔氏の著書だ。
ここでは1983年、ひび割れや剥落が起きた山陽新幹線高架橋や、84年に雨漏りなど大規模トラブルが起きた埼玉県の団地を調査した様子が描かれているいずれも建設から10年前後しか経過していないにもかかわらず、コンクリートが著しく劣化していたのだ。
 
>小林氏は、ビルやマンション、道路や新幹線の高架橋、ダム、上下水道、さらには原発といったコンクリート構造物が「『ある時期に一斉に壊れ出す』などということが信じられるだろうか」と読者に投げかけ、その時期を「2005~10年頃までにやってくる可能性が高いと考えている」と「予告」していた。」
 
    コンクリートの品質が東京五輪を境に低下
W。生コンクリートの基礎知識
骨材(専門用語)コンクリートは基本的に砂や砂利の「骨材」に、
水とセメントを混ぜてつくられる。W。生コンプラントの使用するセメントは石灰岩採掘現場に近い各メーカーの製造工場から、専用船で都市部にあるストックするプラントに大量輸送される。袋詰めセメントは(40kg基本)はモルタル用のセメントである。
 
>①セメントに対する水の比率が違っても硬化するが、水が多いほど強度は低い。
>また②コンクリートは、二酸化炭素によって劣化が進む
*中の鉄筋が腐食し、最終的にはコンクリート構造物を崩壊へと導く。W。①、②は関連する。
 
小林氏は調査の結果、道路の橋梁やマンションといったコンクリート建造物の品質が、東京五輪の開かれた1964年を境に変わり、それ以降に建設されたものの寿命が短くなっていると指摘する。
W。戦前に作られ空襲で焼け残り、記念物化しているコンクリート建造物の強度は強いが、ソレに比べて~。
 
東名高速道路が開通した1969年までに使われたコンクリートに比べて、
>1972年以降のものは、砂量が4%、水量が6%増加していた。W工事現場で打設し易い。ナマコン製造時点で、イロイロ薬剤を、混ぜだしたことも、こうした誤魔化しを許す結果になった。
 
東京五輪後のコンクリートは、良質な骨材が枯渇したためにアルカリ反応性の砕石や多くの塩分を含む海砂などが使われるようになった。
 
海砂は塩分が問題なだけでなく、物理的性質そのものが劣り吸水性が大きいため、多くの水を加えなければならず、必然的にコンクリートの品質が低下するわけだ。 ←W知らなかった。水分量の多いコンクリートを使ったから、躯体に問題が発生したとだけ、みるヒトが多い。
海砂を使うと、余分な水分を加えなければ、打設し易い粘度のコンクリートができない。
従来よりも水分量を多くすることが、プラントの慣行になって水増しのハードルは低くなった。
柔らかい方が目先の打設工事は遣り易い。欠陥が出るのはずっと後だ。
 
また。工期リミットが迫った人手の足りない大きな構造物、条件が重なると現場責任者は大胆な水増しコンクリートに走る。明らかに手抜き工事である。埼玉の団地に例などはコレだろう。建設現場がプラントに水増しを注文したのだ。
 

参考資料 W。いま身近に全国で発生しているコンクリート構造物の問題は、この資料に示されいる。
難しい内容であるがネット上の一番、包括的な解説である。
 
「     コンクリート構造物の早期劣化の背景
 わが国の昭和40年代以降の高度経済成長は、建設産業にも次のような大きな影響を及ぼしました。
(1)
生産性の向上による工期短縮やコスト低減のために生コンクリートの製造は生コン工場で行い、コンクリートの運搬はコンクリートポンプ圧送業者が行うようになった。
W。今では当たり前の光景だが以前は、ナマコンは建設業者が自前で製造。映像で残されている。
 
(3)建設需要の拡大で良質な骨材が不足した。
 つまり、高度経済成長による急速な需要の拡大でコンクリート工事が専門業者主導でなされるようになり、技術者不足という事情もあって、建設工事管理者のコンクリートの品質確保に関する技術的スキルの向上が追いつかきませんでし(W。極端な水増しナマコンは現場が注文しなければ来ないよ)。さらに、良質な骨材不足を背景にして、塩分除去が不十分な海砂の使用や耐久性に劣る砕石が大量に使用されたために周知のようにコンクリートの早期劣化現象が社会問題になりました。」
 
「コンクリートの劣化現象をもたらした主な原因は、これらのうちの中性化と塩害です。」
1)中性化  アルカリ性であるコンクリート空気中のCO2の侵入により中性化するために鉄筋が発錆し、そのときの膨張圧でコンクリートにひび割れが発生する。W。なぜ鉄筋部分まで二酸化炭素が侵入する?→海砂、アルカリ反応砕石、水増しコンクリート、人材不足
 
W。二酸化炭素排出量の多い地域のコンクリート構造物は、PHが中性よりになり、~。


(2)
塩害   コンクリート中の塩化物イオンが、鉄筋を発錆から守る不動態被膜を破壊するために鉄筋が発錆し、そのときの膨張圧でコンクリートにひび割れが発生する。

高度経済成長期に建設されたコンクリートの非常に速い中性化と塩害の顕在化の主な原因


1.非常に速い中性化速度の主な原因

 健全なコンクリートのpHは概ね12.5以上であり、これが10.5以下になると、日本建築学会がコンクリート構造物の耐久性限界への到達を定義する「鉄筋の発錆」に至るといわれています。←W。コンクリート片のサンプル採取で、ハッキリする訳だ。問題個所のPHの平均値はいくらですかと聞くことができる。
 
>この中性化は空気中のCO2コンクリート中の細孔空隙(W。コンクリートの特性は圧縮性、乾くと密度が濃くなる)中の水に溶け込んで、

コンクリートアルカリ性を付与しているCa(OH)2と反応してCaCO3 を生成して進展します。

2.非常に速い鉄筋の発錆の主な原因

  高度経済成長期の旺盛な建設需要に対して良質骨材の供給能力が追いつかず、細骨材にはそれまでの川砂や山砂に変わって海砂が多く使用されました。
現在では昭和61建設省による「コンクリート中の塩分総量規制」←W。1981以前(昭和)は塩分濃度規制かなかった。ということは築35年以上(昭和)のコンクリート構造物は急激劣化の可能性がある。  
 
 
によりフレッシュコンクリート1m3中の塩素イオン量が0.3kg/m3以下に規制されていますが、当時の生コンプラントで使用している海砂は舐めると塩辛いほどの塩分量でした。
 
 

 このような海砂を使ったコンクリート中の塩化物イオンは、中性化の最前線で最も濃度が高くなるという「濃縮拡散現象」により濃度が上昇しますので、中性化域が鉄筋に到達すると急激に鉄筋の腐食が進行します。つまり、塩化物イオンの到達で鋼材表面の酸素が化学吸着して形成された緻密な酸化物層である不動態皮膜が破壊されるために発錆に至ります。
 

劣化状況の診断方法

 次の四段階の調査レベルを前提にして、必要に応じてどのレベルまで調査するかを決めます。
(1)
建物概要調査
(2)
外観目視調査
(3)
非破壊検査を主とする調査 W。カネがかかるので一般的にやらない
(4)
試料採取や破壊試験を含む調査


W。躯体外壁の打音調査→問題個所の除去→接着剤塗布モルタル接着、塗装で終わり