反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第2回、増税インフレ批判。014年消費増税延期解散総選挙前の記事より、複合デフレ説。<金融寡頭制の強化>を中心に。

   反俗日記 2014年12月7日
一般的に言うデフ(W。2019年7月12日、あとがき。ざっくりデフレというのは間違い。低成長、低インフレの表現が妥当!の要因は、よく言われる需給ギャップだけではない。
>そもそも、需給ギャップという概念そのものは生きた経済の実体をリアルに反映しているのかと疑ってかかる必要がある
>端的に云えば、需要が増大しました→供給が答えますとは実際の現場では機能しない。が、一応、コレも原因のひとつに入れると、
ほかにまだ、3つも4つも根深過ぎるデフレ原因がある。

             Wの複合デフレ説
<デフレの原因は複合的>であり、ごれが一つに決め付けることはできない。
だからこそ、インフレ目標2%にして、日銀が年間80兆円も国際市場から国債を買い付け、資金を流しても、目標値は達成できない。
1、需給不均衡  内容については前説で説明済み。グローバル資本制極まり、内国産で賄えないのだから。
2、新興工業国台頭によって、製品の市場競争圧力強化 (コスト削減圧力) 
3、サプライチェーンの海外化 ~水平部品調達網によって製品コストダウン~
5白川の指摘 財政健全化圧力(歳出削減、増税懸念)
    付記
>2019年7月12日記事で確認したい消費需要が伸びない核心問題
日本国内の労働力商品の価格は本質的に、その再生産費によって決定づけられる。
労働力商品の再生産費はその国の歴史的文化的社会的要因によって決定づけられる。例。世界2位の経済大国中国の働く者の賃金は低いまま。賃上げできないのはなぜなんだろうか?<純粋の経済>なんてリアルにあろうはずがない。歴史政治文化社会的側面を加味して考える必要がある。MMT(モダンマネタリーセオリー)論者はこの点を無視している机上論の匂いがする。グローバル資本制の上部構造としてこうした議論も出現するのは当たり前。
 だから、巷の商品、サービス価格が下がれば、日本国内の」労働力商品の価格(端的に言えば賃金)に対して下方圧力がかかる。例。1846年のイギリスでのhttps://https://ja.wikipedia.org/wiki/穀物穀物廃止- TTPも基本的に同次元のこと。先の入管法改定(外国人労働者大量移入)もしかり。

さらに一般的利潤率(変形)の低下法則
不変資本C可変資本V剰余価値M利潤率r
労働生産力の向上は、生きた労働V + M死んだ労働(対象化された労働)C に対して減少する
イメージ 1

生産性向上は搾取率増加。賃金低下は個別資本の欲求。
例成長、緩やかなインフレ状態が長期化すると、総資本VS総労働において賃金低下圧力は大変なもの。だったら、これは、根源的なデフレ要因。グローバル資本制ではそうなってきた。

 以上の1~5の複合デフレ要因をい次元金融緩和で何とかなると考える方がどうかしている。
きな政治目的があるための、偽りの政策である。アベノミクス集団的自衛権憲法解釈改憲)などの政治目的を急進的圧縮的に実行するための、コレしかない撒き餌である。

 
次に 白川元日銀総裁<デフレ圧力が根強い日本のケース>の見解。 W長くなるが大事なところ
 
**政府債務が累増していても、将来の歳出削減・歳入引き上げの余地が十分にある、すなわち「財政限界」までの距離が十分にあると人々が認識しているならば、
予想インフレ率は上昇せず、したがってインフレ圧力も高まらない。
W。表現が回りくど過ぎる。下の本論の前振りのようなものでどうでも良い。
       ↓        ↓       ↓  
**その際、政の健全化が、経済成長力の強化というよりもっぱら限られたパイの中での歳出削減や増税によって行われるという予想が強い場合には、
人々は現在の支出を抑制する姿勢を強め、むしろデフレ圧力が生じる可能性もある。
 
W、当たり前のことを言っているに過ぎないが、桃色強調部分は日銀政策担当者としては実に覚めた視点である。一般的に言われるデフレの脱却は無理だ、といっているに等しい
W、白川デフレ認識の基本は、バブル崩壊後の経済停滞が始まった時期と少子高齢化の始まりを二重写しにするところに特徴がある。
 <それにもかかわらず、長期国債の利回りは低位で安定し、インフレは生じていない
これを、成長期待(
Wナシ)と財政健全化の予想(限られたパイの中での歳出削減増税予想→消費性向薄い→貯金したくてもできない状況という先に述べた2つの側面から整理してみよう
 
① 日本では、財政限界までの距離感と国債保有構造という2つの点で、「最終的に財政健全化が実行されるはず」という予想が形成されやすい状況にある。
         ↓
 W、しかし、そういう安易な風潮を厳しく否定している。
W、ま、白川論法に従えば、低賃金の奴隷労働力的な意味での移民導入しか打つ手がないな。それが不可能な時の当面の日本残存原住民対策として、日本農業解体縮小再編、海外からの安い食料品満杯で労働力商品の単価を下げて、企業収奪分を増やす
↓       ↓
まず、日本の経済成長率については、急速な高齢化や生産性の伸び悩みなどを背景に、総人口一人当たりの実質GDP の成長率が1980 年代の約4%から近年は約1%まで大きく低下している(図表6)
こうした趨勢的な成長率の低下は、今後さらに高齢化が進むと予想される人口動態のもとで、人々の中長期的な成長期待を低下させている可能性が高い。
潜在成長率の低下自体は供給力の伸び悩みであるが
一方で、将来にわたる成長期待の低下は恒常所得を下押しし家計の消費支出を抑制するため慢性的な需要不足を通じてデフレ圧力を発生させる
実際日本では、一人当たり潜在GDP の成長率の低下に伴って、<中長期の予想インフレ率が低下する傾向が見られる>
2)2番目の財政健全化の予想という点では日本は多くの先進国に比べて国民負担率がなお低いため、将来の財政構造改革の余地があると人々に認識されているかもしれない。
*また日本の財政赤字は一貫して国内貯蓄の範囲内にあって経常収支が黒字を続けているほか
W.国民負担率を増やせといっている=健康保険、厚生年金の負担率だけ見れば、ヨーロッパ並みなのだから、結局、増税して補填することになり、巡って国民負担率増。
。家計が一杯カネを貯金しているように誤解している方たちがいるし、実際そのような幻想というか安心感が振りまかれているが、企業年金、自営業者の事業資金も貯蓄に勘定している。勿論、一部富裕層の巨額貯蓄も。
実際のところは、3、3人家族で平均1500万円
コレが多いか少ないかは、一般に発表されている全貯蓄1200兆円とか平均貯蓄2000万とか3000万とか云う数字とか、コレからの社会保障環境の見通して、備えという言う観点から比較するしかない。(日本生命ホームページより)←そもそも、家計の経済状態を把握する納税者番号制が日本ではない(「誰のための増税か」高橋洋一神野直彦発言)。だから、家計に実際にどれくらいカネがあるか当局が把握できないので、常にグロスで貯蓄総額1200兆円などという数字が一人歩きしやすく、個々の家計はわが身を振り返ってもう一つピンとこない。先進国では例外の日本的徴税システムが生む一種の数字のマジックだ。
 
 この実体の視点を踏まえなければ、白川論文の主旨をリアルに理会できない。
大事なところなので繰り返し。
「財政の健全化が、経済成長力の強化というよりもっぱら限られたパイの中での歳出削減や増税によって行われるという予想が強い場合には、
人々は現在の支出を抑制する姿勢を強め、むしろデフレ圧力が生じる可能性もある。
将来にわたる成長期待の低下は恒常所得を下押しし家計の消費支出を抑制するため、慢性的な需要不足を通じてデフレ圧力を発生させる。」
 
**また、アベノミクスの異次元金融緩和による物価上昇への煽動によって生活関連を中心に物価上昇が発生したときの、家計の乗数効果的な反応による個人消費低迷を理解するポイントである
 
コレを高橋インタビューは面白おかしく、増税を前に駆け込めるのは団塊の世代から上の世代で、若者中年は駆け込みたくても駆け込めないなどといっているが、そういう世代間のおかれた経済環境の違いを持ち出すのは、間違っている
>むしろ、日本の高度経済成長からバブル崩壊冷戦体制崩壊までが資本主義の本性から外れた特殊な長い時代だった。この特殊な長い歴史スパンを、中抜きした時代が普通の資本主義の法則性が貫き通す「正常な時代」である余計な幻想は捨ててその上で戦う。
 

*ストックベースでも国債残高の9割以上は国内投資家が保有
しており、こうしたケースでは、海外投資家による国債保有比率が高い場合に比べ、
国債市場において「協調の失敗」が起きにくいと一般に考えられる
 
 これらの要因が、日本の国債金利の上昇を抑制するよう作用している側面があるとみられる。
しかしそうであるがゆえに、成長力の強化を伴わない限り、政府債務の累増は、民間経済主体が将来の増税や年金削減等に備えて支出を抑制することにつながりやすいとも言える。
(W.この辺の日本人の勤勉さを抑えたくだりは、逆説を使ってリアル実体を捉えていて見事)