反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

いつもの早朝散歩から帰って、ヒラリークリントンの嫌いなタミーウィネットを聞く

 民主党の大統領予備選挙でバラクオバマと争ったヒラリークリントンは「私はタミーウィネットの歌う様な女ではない」といったが、名指しされたタミーウィネットはすでに故人になっているが、カントリー界のファーストレディーと呼ばれ、代表曲は「スタンド、バイ、ユア、マン」。
 
 ヒラリーは代表曲のstand by yure manの歌詞の内容を念頭において、自分は夫唱婦随のタイプの女でないといいたかったのだろう。
 
日本ではカントリー歌手、タミーウィネットはほとんど知られてないが、アメリカでは少なくとも彼女の代表曲スタンドバイユアマンはある年代の方にはスタンダードナンバーになっているはずだ。
 映画のバックナンバーとして効果的に使われていたのが、ロバートアルトマン監督のファイブイージーピーセス
で「卒業」のサイモン、ガーファンクルのミセスロビンソンの様な使われ方をしていた。
 
 ヒラリーは夫のビルの郷里、アイオワ生活が長く、夫婦ともどもそこでキャリアを積んでいった。
そして、アイオワも南部の例にもれず、カントリーミュージック圏。
 そういえば、オバマに大統領選挙で敗れた共和党の大統領候補の地元の残念会ではカントリーバンドがガンガンやっていた。
 
 東部の女、ヒラリーも南部生活が続くと、南部なまりに染まって、昔の友人をびっくりさせたらしい。
ま、日本でいえば、関西在住生活の中で関西弁が自然と口を付いて出るもので、それだけ地元生活になじんでいたということだ。
 
 当時のヒラリーの周囲にはタミーウィネットの独特の歌声がいつも流れていはず。何しろタミーはヒットメカーであり、カントリー界のファーストレディ。
 
 今、PCに厳選して取り込んでいる4曲の歌詞の内容をみてもヒラリーが揚げるのももっともなことだと思う。
男に寄り添って、じっと耐えて行きなさいがstand by yure man なら「アパートメント ナンバー9」は別れた男が忘れられず、一緒に生活していた部屋をそのままにして待っている女。
 
 ところが、こんな女を歌い上げる彼女自身は生涯、4,5回結婚、離婚を繰り返している。子供も4人ばかり設けている。
 彼女の相手で一番有名なのがジョージ、ジョーンズでカントリー界の「帝王」みたいなシンガーソングライター。
最期をみとったのはカントリー業界の有名人で結局、男には生涯を通して持てたということだ。
 
 貧しく生まれ、努力して持って生まれた才能を開花させていった成功したカントリー歌手の典型、立志伝中の人でもある。超有名なカントリー歌手にはこの手のタイプが多く、其れが映画化されている場合もある。
 
 ミシシッピの綿花栽培農家に生まれ、若くして結婚し、子供を持つが、結婚した男は定職なく、生活苦から離婚。美容師をしての生活の傍ら、歌手への希望を諦めることなく精進して遂に「スタンド バイ ユア マン」の大ヒットに恵まれる。
 
 南部生活の長いヒラリーはそんなタミーのタダモノでない軌跡を熟知していたはず。共感するところもあったのではないかな。
 
 そういえば、大統領指名選挙運動中のヒラりーの聴衆を指さして演説する様子はタミーとそっくりだった。
 
タミーは歌い終えると聴衆に深々と頭を下げる。日本の演歌歌手とそっくり。
おまけに何やら呟きながら礼をするところなんか、余りにも似すぎている。他にその手のしぐさをする歌手は皆無
多分、日本の歌手のしぐさを何処か知って取り入れたのだと思う。
 
 タミーウィネット。多分、カントリー界では女性シンガーとしてナンバーワンの歌い手だった、と思う。
カントリー歌手は息長く歌い続けるが、同世代のドリーパートンが今でも第一線で活躍しているのに比して、若くして上記で亡くなった。
 
 ロレッタ、リン、ドリーパートンの二人と共演したアルバムが出ているが、私はタミーが一番だと思う。
その歌声は歌い上げる時は物凄く素直な声が良く伸びるので錆びの部分でメリハリ効いている。説得力があり、真似ができない彼女独特のタミーウィネット節とでもいうべきものがある。
 
  素直な歌いっぷりで、声量があり、個性的。これを同時に兼ね備えるのは難しい。
映画でどうして二度もスタンドバイユアマンが使われたのか、ここら辺に理由があるように思う。聴いていて邪魔にならないが、印象深い。
 何度聞いても飽きない歌いっぷりである。
 
私の音楽趣味は癇に障らない音楽、変な自己主張のない音楽。何度でも、どんな時でも気軽に聞き流せる音楽。
 
 大袈裟なモノ、凝った作りのモノは苦手。
その点でクラッシクなんかはいくら努力してもなじめない。だいたい、物凄く静かな状態から突然、大音響に替わるところなんか許せない。静かにしろといいたくなる。
独りよがり?この音楽が持て囃されていた貴族階級の生活様式、仰々しい気分が反映している、と。
 庶民は当時も今もクラシックに縁遠い生活をしている。
 
ロール、オーバー、ベートーベン!はビートルズの時代に達成されている。
 クラッシクは一端地に落ちて再生できたら本物の広がりと深みのある音楽になると思う。今の段階では制度、体制に支えられ、業界の存続が維持されている、とみる。
 
大都市や有力団体は楽団を抱えており、大学では多くの学生さんが高い授業料をあ出して学んでいる。愛好家も少ないわけではない。
 
 それでもあえて言う。中身はツマラン過去の音楽。私に取ってだが。
聴くのに努力のいる音楽を学校で入念に教えるくらいなら、ギターの一つでも弾けるようになる音楽授業の方がその人の後々の人生を豊かにするのではないか。音楽の約束事なんかも、今までのスタンダードナンバーの中で覚えて行った方が解り易い。
ようやくその方向に言っているようだがまだまだ足りない。