反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

小沢、支持派の意見は実現困難な最大限政治綱領で敵味方を区分する誤り

 小沢氏はこの一両日中に代表選出馬への態度を明らかにする模様。
当方としても、判断の時期を早めて欲しいと願っていたところだ。このままずるずると態度表明を引き延ばしていると、マスコミや野党の格好の餌食になると思っていた。その論拠には、政策的限界が明らかなのに、最近の急速な円高による日本経済の混乱、投機市場の低迷まで加わってきている有様で、これまた小沢氏に、ひいては民主党政権に不利な条件となっている。
 
 私は民主党代表選挙に小沢さんが立候補することには反対しないと、書いた。
ただし、もうかなり以前から小沢、断乎支持派は相手にしない事に決めていた。
小沢さんとネット上の小沢支持者とは分けて考えている。ああいう連中は小沢支持を叫ぶ事で逆に小沢嫌いを自分たちの手で作り出している。それほどその主張は矛盾だらけで空回りしている。
 
 ネット「右翼」という自分のイデオロギー的呪縛から一歩も抜け出せない連中がいるが、その対極にはネット「左翼」とでも言うべき連中が生まれてきているのだな、と思っている。
 
 ただ、習慣的にマスコミ報道に接する機会のないモノとしては、今回の出馬に関して自分の意見をまとめる意味でも、久しぶりに彼らの見解に接してみた。
 
   >で、感想は。
相変わらず、の主張のオンパレードではあったが、今回の小沢さんの出馬に関して、彼らもここが正念場としてとらえているのか、自分たちの政治的見解を手短に取りまとめ、反対者との相違点を明確にしているので検討の対象とし易い。
 
 そこで彼らに対する批判の結論は上記のタイトルのようになる。
 彼らの政治路線の核心は下記の通りだ。
 
 <国家官僚が牛耳る対米隷属の日本から国民主権の日本に変えるのは小沢さんしかいない>
 
 >>>このように大きな政治課題を設定した場合、当然、争う相手の官直人らは対米隷属、官僚政治、屈服派と裁断するほかない。事実、彼らはそののように堂々と主張している<<<
故に、その先には、これまた当然にも、小沢さんが民主党を割って別の党を結成してもいいと公言している。
同じ党内にいても両派は本質的に水と油の関係だから、共存できないと。
 
 過激である?
だがしかし、待って欲しい。立ち止まって考えて欲しい。
  
 まず第一に。
対米隷属の打破なんて重い政治課題を今の小沢さんが担う事ができるのか?いや、その以前に、こんな重い政治課題を解決できる具体的方策を持ち合わせているのかと。
 
 鳩山政権、8カ月。いくら権力の政治弾圧、其れに呼応したマスコミの反小沢キャンペーンがあったにしても小沢さんは曲がりなりに政権党の幹事長の職にあった。
 そして、鳩山政権は8カ月で崩壊したが、その責任の一端は小沢さんにもあったはずだ。また職を務めたことで統治者としての能力の一端は見せたはずだ。
 
 しかし、郵政改革法案すら結局成立させる事ができなかったが、この事実と小沢支持派がいう対米隷属打破の間には余りにも段差があり過ぎる。打破をする具体的な重要政策すら、結果的に実行できなかった。
可視化法案もダメだったが、それらの政策的低迷にはみんな、政治弾圧だのマスコミ洗脳だのの言い訳がついているが。
 
 しかし、その事実関係から、我々が判断材料を引き出すのが当然で、小沢、断乎支持派はそれさえもしないで、相変わらず、淡い願望を小沢さんに投影し続けている。
こういうのは典型的な判官びいきというのではないか。
 換言すると、小沢一郎の政治の中には残念ながら、権力、マスコミ、執拗な政敵の策動も言わば、属性のように含まれてしまっている。このような政治環境の政治家が対米隷属の打破なんていいう重い政治課題に解決の道筋を具体的につけられるのかどうか。
 
 またまた、鳩山政権の8カ月の様な騒動が再現される可能性が高い。
断乎支持派の小沢さんに求める政治課題は大きいが、小沢さんにはそれに応える術がない。
鳩山内閣は大きな政治課題、普天間基地移設問題という到底一内閣の力では解決できない問題を背負い込みなすすべなく撃沈してしまった。
 
 この政治課題は日米両国に渡る支配層の問題であり、権力問題さえ問われる本質的に含んでいる。
国民の側も無血革命とやらのいい加減なムード的革命ではなく本物の国民が行動で決起するピープルズ革命で内閣を後押ししなくてはならなかった。
 
 小沢支持派が多数を占めるあるサイトではこんな私の主張には少数派だった。彼らは口先の人たちである。
ゴマカシの人でもある。
 
 今回の民主党の代表選挙に関しても、同じ過ちを繰り返している。自分たちの作り上げた世界で重い政治課題を設定し、敵味方を仕分けしている。本質的には革命的政治課題を掲げて、その実現を中道保守政治家の小沢さんに期待している。
大いなる矛盾である。自分たちは口舌の徒でしかなく、ネット上で好き勝手な幻想のトロしかできず、行動できないのに、小沢さんに過大な期待を押し付けている。
 
 だから、こんな支持者は逆に小沢さんのいいところを殺してしまっているし、小沢一郎の敵を増殖させてしまっている。 政治的大バカモノである。
 
 第二。官直人が選挙前に消費税を言いださなかったら、民主党議席は今より伸びていたし、小沢待望論の論拠も乏しくなっていた。
 もっとも、官直人があそこまでひどいとは思わなかった。その意味で小沢支持派の彼らに対する、早くからの断定は正しさを持つ。
しかし、比較優位の観点から選択するしかないのが政治だと割り切っている。民主党に一票を投じるのも、比較しての上だから、代表選の際に適応するのは間違っているとは思わない。
検討して、少しでもベターを選択する。ベストや絶対を日本政治に求めない。
 
 第三。
日本共産党は一度も支持した事がないが、彼らの戦後史は必要があってよく知っている。
彼らは、1950年以降ずっと反米が党是であった。
その意味で小沢、断乎支持派の様な中途半端な連中よりも一貫して対米隷属、打破を実践してきた。
 だがしかし、そんな大きな政治綱領は国民の間で多数を得てきたのか。浸透してきたのか?
政治結果が示している。
 
 同時に世界市場の地殻変動j期にこういう民族的課題を掲げて行くことは、何ら革命的な事ではなく、日本の独裁体制を強化する事に手を貸すことになろう。言い変えると、国民の生活が第一どころか、資本、大企業の利益のために国民は命を投げだし、生活苦に甘んじろ、という事になりかねない。
戦前はそういう政治過程が進行して日本国は崩壊した。
 
 なお、これからの国内政治は超党派で事にあたった方がいいと考えている。それで何とか日本が運営できて行く環境しか日本には与えられていない。国民や政治家はもっと危機感を持つべきだ。
 
 日本の戦後史は強力な政治家を生み出す環境になかった。日本は独自に政治選択する機会が与えられておらず、経済発展に重点を置いてきて、曲りなりに多きな成果を勝ち取ってきた事実がある。政治家の主な役割は調整能力であった。
 
 その政治経済環境が冷戦体制崩壊から、先頃のアメリカンバブル崩壊を経て大きく変わってきているのも事実であるが、日本政治なかの一個人や小集団に強力なリーダーシップを求めたら、日本はまたまた、奈落の底に沈むと考えている。                                                      
 これからの世界経済の中で自国の権益、利益を守ろうとすれば、独自の政治力が不可欠になる。
とすれば、日本政治は背伸びせず、みんなで相談して事に当たらなければならない、と考える。
責任の所在は明らかにできる日本型の民主主義、日本型の経済システムは求められている。 
 
 あのドイツでさえ、世界に二度も挑んで敗北し、やっと目覚めた。
日本人がドイツ人より特に優秀だとは思わないし、よく似ている民族性があると考えている。だから、日本人が世界の中で二度目の失敗をしでかす可能性が大いにあると考えている。                  
 軽はずみな行動をしないように願っている。
 
 戦前史。脱亜入欧でアジアを搾取の対象と決めつけて、その権益争いから、最後はアメリカと戦争した。
日本民族を韓国、朝鮮、中国民族と東アジアで敵対させたら、これからの時代、日本はせん滅されてしまう。これが冷厳な現実である。 もちろん、反米もあり得ないが、日本を東アジアのイスラエルの様な国にしてはならない。
 現状でも日本の国際政治の中での孤立ぶりは、心ある優秀な海外の学者が指摘するところである。孤立しているということは戦略的機選択肢が狭く、弱いということだ。この弱点は経済損失を招き、国民の損失に繋がっていく。