1)日本社会はすでにアングロサクソン型の社会構造になっている。
この実情は国民レベルで広範に認識されていないのではないか。
A)相対的貧困率(所得が国民平均の半分に満たない層の割合)
社会保障給付費も低位だから、この二つの指標から、結論ずけられるのは、
日本は成熟社会だから、メキシコ、韓国型ではなく、アングロサクソン型である、という事実。
A)企業、終身雇用、企業内余剰労働力温存
B)家族内介護
C)公共事業による雇用、所得再分配。
自民党長期政権を支えてきた社会的基礎はこれ。
しかし、これらが有効に機能してきたのは、冷戦構造を前提とした日本の戦後的経済発展だった。
>ところが、冷戦構造が終焉して、経済発展した日本は経済分野でアメリカとの対抗性を持つようになった。
この辺の事情は日本の戦後史をキチンと追認しなければ実感できない。日本の戦後支配層はアメリカによって形成された側面が強い。頂点では何のためらいもなく、相互浸透してきた歴史がある。
>当然、国内の信用は一気に膨張し、投機で景気が加熱し、政府は強権的に抑えるしかなかった。
その後バブル経済の残した金融証券を中心とするバランスシートの悪化に対処するのに、長い期間を必要とし
経済の停滞から抜け出せなかった。
>だが大きく言えば、この低迷期間を市場原理主義の導入で乗り切っていこうとした指向性は一貫している。
経済のグローバル化において、日本経済が孤立した政策を維持していくことは不可能なのだから、ある程度は仕方のない面があるが、操縦を政府が間違った事は確かだ。
旨くやっていれば、この期間でも今よりはセフティーネットの構築はやり易かったのではないか。
コンクリートから人へはこの時期ぐらに実行されてよかった。
また、細川内閣時の小沢氏が中心に動いた国民福祉税7%構想も当時は余りに唐突に出されらため、猛反発を受けたが、今から思うと、妥当性はある。これが実施されていたら財政はその後当分楽になっていただろう。
先見性なく、国政は目先の政局に放浪された。市場原理主義が必要以上にもてはやされて、やらなくていい、「改革」をやっていまった面が強い。
> 小泉竹中市場原理主義が満開した頃、日本型セフティーネットは止めを刺された。しかし一方で財政赤字は増え続けた。この政権の特色は対米従属色を一段と強めたこと。アメリカの年次要望書に沿って、次々に政策が打たれていく、なんて信じらえない事態が発生した。アメリカの日本買いが進み、これと呼応する輩の跳梁跋扈があった。長銀リップルウッドへの超安値売却、りそな株インサイダー取引疑惑。
そして、わが愛する阪神タイガースの親会社、阪神電鉄株に村上によるつり上げと、公開株買い付け。阪神は大赤字の阪急との統合を余儀なくされた。この背後には三井住友がいる。我が阪神タイガースは終わった。真の阪神ファンは阪神電鉄のタイガースを愛しているモノと確信している。弱くてもダメでも応援しすづける事が阪神ファンの真骨頂、そうしたファンの気質が自慢だったし、好きだった。
>こうして、日本型セフティーネットはズタズタになって、替わるモノは用意されず、日本社会の至る所、あらゆる面で格差が拡大し、競争原理が貫徹する社会や市場に個々がばらばらに剥き出しで放置される結果となった。核家族の親や子供さえバラバラに社会、市場に相対する。個族内介護のひずみも出てきたし。意味不明の凶悪事件もたはする殺伐とした社会状況が目の前に現れた。
4)アングロサクソン型社会構造は歴史、文化、宗教、国土、人種、民族性、言語からいって日本に不向きの点が多すぎる。
人間にとって民族は分母である。教育、家族、地域、で日常的に民族性は刷り込まれるモノ。これを超えられる人はごく一部。特に特に日本の様な人種や民族の混淆度の低い民族にその傾向は強い。この状態を無理やり否定するのではなく、いい方向に持っていく事が大切。これを基礎として分子部分の個性が生きてくる。
>であれば、日本人をアングロサクソン化することはできず、彼らのいう個性、自力救済も新大陸の移民国という環境の中で形成されてきたモノと受け取れる。
確かに英語という世界共通言語への日本人の国際人として生きて行く上での包摂性はある。
国土は狭く、平地面積に至っては狭隘というしかない、この日本でセフティーネットのの不備なアングロサクソン競争社会が展開すれば、日本は滅びる。少子化も日本の若者層の生態学的な日本の現環境への拒絶反応である。
>何としてもセフティーネットは整備しなければならない。
国際競争力を比較すれば、日本はアジアで唯一、トップテンに入っているが、大方の国は高福祉の国々である。
日本の人口は横ばいがいいところであろう。
であれば、競争するためにも、セフティーネットを整備する必要がある。
これが管政権の行く道。政権交代は何だったのか。情けない。