反俗日記

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中国人船長釈放!国境警備の最前線部隊=海上保安庁を再教育せよ!

 国境警備という近隣諸国に直接対応する部隊。重武装する海上自衛隊は近隣諸国との境界線警備を日常業務とせず、この分野は軽武装の小回りのきく海上保安庁が任務分担している。
 現実的にいえば、ミサイル装備をした自衛艦はデリケートな問題が発生し易い近隣諸国との国境警備から下がって、後方待機して、いざという時、最高レベルの政治判断んで軍事行動を展開する。
 従って海上保安庁の役割は近隣諸国の民間レベルの国境侵犯などの比較的デリケートな部分を担当する。
 
 その日常業務は具体的には、麻薬密輸対策、外国漁民から侵犯に対する国内漁業領域の警備などであったが、近年の北朝鮮との関係悪化に伴って、海上経済封鎖の最先頭の役割まで担うようになってきた。
 
 さらには、日本海竹島(独島)や北方4島、今回の事件のあった尖閣諸島(釣魚島)のような国境係争地域の最前線警備が日常業務となっている。
 
 ここに、現状の国際情勢の中での海上保安庁の日常業務の政府による完全掌握、再点検の必要性が生まれてきている。
 
 海上保安庁は上から下まで今まで通りの組織、戦術感覚でよい訳がない。外国漁民の領海侵犯に武力威嚇を持って簡単に対応してきた時代から、そのような行為が重大な外交問題に直結するという時代認識をまず、上から下まで叩きこまなければならないのである。
換言すれば、その日常行動はデリケートな政治行動であり、完全に軍事行動であるとの基本認識がいる。
 
 私が思うところ、現状の海上保安庁にその基本認識と訓練が上から下まで徹底されているかといえば怪しいモノである。重大な外交問題に発展した過去の事件も教訓化されていない。
 
過去、尖閣警備の海上保安庁部隊は台湾漁民との間で重大なトラブルを発生させ、「国交断絶」、台湾側の海軍出動準備事態まで発展した事実がある。
 
また最近では瀬戸内海の所属ヘリ、アクロバット飛行事件を起こし、その事実経過の説明に組織内隠ぺい体質を露呈させ問題になった。
 
海上保安庁は組織そのものが、現状とかみ合わず、どこかおかしいのである。基本認識が徹底されているのか。政治的配慮で動かなくてはならない程、軍事的役割が増していてにもかかわらず、それがはたしてできているのか、徹底されているのか?疑問である。
 
彼らが暴走すれば、国境問題にすぐなり、大きな国際問題になる。世論も不必要にエスカレーションして国益を毀損するところまで暴走する潜在性を秘めている。
 
 日本国民が中国国民と敵対関係になって、利益を得ることは少ない。その裏のアメリカと中国の関係も想定しての世論なら多角的視野だ。また中国共産党支配のもとでの中国民衆の権利擁護の戦いに結びあうのなら、大きな視野である。偏狭な視野からの国民的感情の高ぶりなら、何も日本だけの専売特許でない。
こういう地平で民衆同士が争って、益はない。
 
 仙石官房長官は中国人船長釈放を検察の独自判断としてトップレベルの政治責任を回避している。釈放は当たり前の行為である。
 私は釈放せよと!ブログ一言で書いた。政治の選択肢が少ない時は素早く決断し、手を打たなければならない。
ぐずぐずしていて両国や国民に得るところはない。実利の問題である。
 
 だが事件を教訓としなければならない。仙石氏の発言にその意思がまったく感じられない。日和見主義丸出しである。管内閣の基本性格そのものだが、其れは反国民的政治に転化する場合もある。
 
海上保安庁の上から下までへの再点検、再教育が必要である。これをやらないとまた同じような問題は繰り返される。
 政治の延長、政治の別の手段が軍事である。海上保安庁に軍事行動の認識は乏しい。