福島原発1号機、設計図、流失なんて一部で騒がれているから、ネット上で確認した。
北側から見た正面図と西側から見た正面図の二点。当時、関連したところのどこにでも出回っていた絵らしい。
かなりの本数の配管が圧力容器から出ている。ただし、格納容器外に出ているのはタービン建屋への往き還りの2本だけ。
絵を見ての素朴な感想?
1)格納容器のたった5センチ外側を建屋とは別のコンクリの壁が囲って、保護している。出回っている原子炉解説の絵では省略されている。1号の格納容器の厚みはたった3センチだから、このコンクリ壁があるのとないのでは爆発時、大違いだっただろう。
2)圧力容器内部はステンレス被覆
40年経っても、取り換えはないだろうから、飛び交ってきた中性子でボロボロなんじゃないか。
厚みが16センチと云ったって鋼鉄も経年劣化したら質的に均一ではない。上蓋、配管、炉心部分は溶接個所はたくさんある。
>許可を出さずに止めとけば、少なくとも1号の事故は防げた。犯罪行為に等しい。
3)圧力容器内では制御棒が400本も各集合体に束ねられ、ラックに囲まれ、所狭しと林立している。
ちなみに制御棒の本数だけでも97本。
臨界する距離で林立している燃料棒をを制御するのだから、それぐらいの本数は必要。
400本の燃料棒はい是れ大量の核は廃棄物となる。貯蔵プールに1000本以上溜まっているのは当たり前。
しかも、その管理は原子炉ほど厳重でない。
何が二酸化炭素を出さないクリーン、エネルギーだ。
今まで勉強不足から、圧力容器の中でそんなに、大量の核燃料が使用されているとは、全く想像していなかった。
核と云えばどうしても、広島、長崎の原爆を想像してしまった。
4)1号機のような初期に建設された原発は出力も46万KWと大きくない。
建屋のスペースも後期のものほど広く取られていない。
格納容器と建屋、格納容器と圧力容器のスペースも狭く作業環境が悪い。
放射線高濃度の瓦礫が降り積もっている狭いスペースでの作業を強いられる。
これ以上ない最悪の作業環境だ。
>>東電、保安院は未だに圧力容器の損傷は認めていないはずだ。
圧力容器から出ている配管が漏れている、のは彼らにとって、圧力容器損傷には含まれていない。
だから、容器は丈夫なんだと。厚さ16センチの鋼鉄の損傷はないと。
1号機完成時のビデオを見ても、盛んに16センチの鋼鉄や2メートルのコンクリの強度を宣伝しているが、配管の強度については一言もない。
勿論、緊急時にはバルブがしまって、圧力容器の密閉性は保たれるだろうが、そのバルブに漏れが生じることもある。また配管には弱い部分もある。手作業で組み立てられた構造物には数字に表れない弱いところがある。
>>圧力容器の密閉性が失われていることは事実だ。そこの説明を省くから、辻褄が合わなくなり、疑惑が広がる。典型的な役所の樹で鼻をくくったような対応である。
>>小出さんは一貫して、圧力容器と格納容器は損傷していると、指摘している。
水や窒素を適度に注入し続けても満杯にならない、大量の汚染水があふれてる=漏れている、こんな子供でも解る理屈を役人的形而上の手法で公表する。
>>大阪毎日放送ラジオの「たねまきジャーナル」の小出さん電話出演部分だけ聴きだして、数回になるが、事故現場の状況説明の基本は出尽くしている感じだ。そこから、話が前に進んでいない、というか、掘り下げが足りない。一番肝心な事故現場の知識を小出さんの口から十分聴き出せていない。
話が同同めぐりになるのは仕方がない、面もある。
彼は誠実な学者さん。
自分で確信がある、と想っていること以外はしゃべらない。
聞かれたことだけをしゃべるという姿勢を意識している。
>ということは、どんな質問をするか?で彼から、いい情報を引き出せるかどうか、決まってくる。
>水野晶子アナやキャスターは精いっぱいやっている。
おそらく、原発事故現場の情報をそこまで掘り下げて、放送しているマスコミは貴重。
>久々に昨日の朝刊を読んでびっくりした。
原発事故現場の具体的な科学的情報は皆無に等しかった。
確かに東電と保安院の合同記者会見の政府主導の一本化の問題はある。
が、会見で発表されない事実を探るのもジャーナリズムの使命なんじゃないか。事態を前にして一歩も二歩も踏み出して、探っていく。
それができなくても、漏れてくる情報をつなぎ合わせて、解説することぐらいできるはずだ。
それすらやれていない。
>水野晶子アナらは、そんなマスコミの原発報道の中でよくやっているが、それはあくまでも、番組全体のコンセプトとして与えられた範囲の中でやっているだけで、もう一歩も二歩も突っ込んだ情報を小出さんから得られる機会を逃している。
>もっとも、突っ込んだ質問をしようにも、その材料はネット上にしか公開されていない。
>ネット情報にはガセ情報がたくさんある、しかし、ネットでしか取り扱えない真実の暴露情報や問題に対するかなり突っ込んだ知識も得られる。
これらを材料にマスコミに報道する姿勢があれば、多くの人が本当のことに接する機会が多くなる。
我々が問題にしてきた、マスコミによる肝心な事件に対する一方向からの情報刷り込み、洗脳の問題も、彼らが自分たちの情報独占の立場を利用して、別な次元から発せられる情報をシャットアウトして、自分たちの枠内の情報を加工しているに過ぎないところから発生している。
>>例えば、こういうことだ。
小出さんは必ず、ネット上で公開されている事故現場の鮮明な写真を見ているはずだ。
それに対する意見も当然も持っている、上手く、聴きだそうとすれば聴きだせないことはないと想う。
>>あの写真を見るとマスコミが伝えている事故現場の情報なんか、ほんの一部であり、当局はもっと多くの事を掴んでいると想像できるはずだ。
ボンヤリしている多くの国民も一度あの写真をじっくり見たら、感覚的に事故現場の実態が解るはずだ。
どんなに水素爆発の破壊力がすごかったか感じることができる。そこから翻って、現場作業の停滞、見通しのなさが納得できると想う。
>>しかし、「たねまきジャーナル」もまさかネット上にこんな写真が出てますが、とは聴きづらい。
この辺が限界で、小出さんの毎回の話も同じ所を往ったり来たりする。
>>昨日の放送では直接の当事者である福島の方から質問が二件も寄せられていた。
再び爆発が起こるのを怖がっておられた。
切実なことである。
しかし、事故現場の実態を科学的につかむことで、漠然とした爆発イメージの様なモノはかなり解消されると想う。
当局がキチンと情報を公開しないから、不安が広がっている面もある。