事の発端は1昨年の今頃だった。スーパー高齢者の冬の暖房をどうしたらいいのかとネットで暖房器具の電気代、性能などいろいろな条件を比較して調べていくうちにオイルヒーターというおぼろげな結論に達した。
その時点でオイルヒーターなるものがこの世にあることを全く知らなかったので半信半疑、最寄りの大型家電量販店に出向き各オイルヒーターを見比べてみた。
使用する側の条件も相当厳しい。
操作機能はアナログタイプでないと拒否反応を起こす。購入する自分もオイルヒーターの存在さえ知らなかったので自信がない。
ということで、価格手ごろな、アイリスオオヤマのアナログ操作タイプに決めたが当日持って帰るつもりがなかったので、次の日の購入することにしていったん帰宅した。
ところが、当人の部屋に新品のちゃちな電気ストーブがあるではないか。
丁度その日は年金支給日だった。いつものように金融機関で多額の現金を一気に引き下ろした帰り(危ない!)に昔なじみの町の電気店に立ち寄って購入したのだ。
近所の長年の顔見知りの電気店の主人。注文すればすぐ自宅まで配達する。
そもそもこういった電気店の電化製品の販売は量販店に食われて全く商売が成立しないので、情報過疎や体の十分動かない年寄のうちに出入りして電気関係の修理、調整の御用聞きのような業態(蛍光灯交換、機器修理、雑事)で商売を成立させている。
うたい文句によれば、介護などとという項目もある。集合住宅共用部の蛍光灯の納入なども商売にしている。
それはそれで条件に合う人たちの取っては欠かせない仕事ではあるが、その都度、身内に動けるものがいれば必要のない手間仕事で一々カネを請求しなければ商売が成り立たたない特殊事情がある。
そういった手間仕事の合間に、情報過疎の高齢者に量販店の市場価格の2倍程度の値段で電化製品を売りつける。
ちゃちな電気ストーブ1台税込み¥5、400。同じ商品、量販店では¥2、700。
それで、思案した挙句のアイリスオオヤマのオイルストーブ購入は断念した。
次の年の冬(昨年2018年の冬)は電気ストーブ使用の狭い室内は空気が乾燥するので濡れバスタオルを3枚壁のフックに掛け続けた。やはり湿度30%台では超高齢者にはきつい。
冬季の高額な電気代も問題になった。
0,8KW×16H=12,8KW/日。12,8×30=384KW
384KW×¥27=¥10、368
実際はスリープ時も使っているようなので、電気ストーブの電気代はもう少し高めになる。
>という事態ゆえに、今年こそはと、オイルストーブを購入しようと決めた。
問題の電気代も使用環境、4,5畳、鉄筋コンクリート、ベランダ一面ガラス窓、2方向ふすまでざっくり計算すれば、電気ストーブと大して変わりはない。部屋の空気の乾燥は電気ストーブほどではない。エアコン使用は論外。
>機種選定には手間取った。
<候補は3機種に絞った。>
①アイリスオオヤマ¥16000台(税別)ネットブロガー第3位のおすすめ機種だった。マイコン温度操作。
②デロンギ¥16000台。メタル温度操作(分かり易く言えば普通のやぐらこたつ。二つの金属の膨張係数の違いによってオン、オフ、サーモスタット切り替え。~電気代が高くつくと説明されている~W。個人的な意見としてマイコン式とは大した違いはない。理由。オイルヒーターはマイコン設定温度が25度の場合、22度が目いっぱいのようで、これなら、マイコン制御してもフル稼働する。結局、電気代を考慮すると、マイコン機能が作動する温度付近の20度設定にするほかない。しかしこれなら、メタルサーモでも機能は果たせる。)
③デロンギ、アルミカド、オイルヒーター¥24000(税込み)。マイコン温度操作。
****
①はタイマーがなぜかOFF機能しかない。
超高齢者は再び起動させなければならないが、操作部がアナログタイプではないのでダメ!
②は今時非常に変わったアナログ式のタイマー。ちょっと説明しづらい。
ただし、使用電力も1200W、700W、500Wと手動切り替えできるが~~~。
>この操作は個人的に使用電力のやりくりが手動でできそうなので興味を惹かれる。
超高齢者の場合、タイマーは一端設定したら電源を切らない限り機能するのでOKなのだが、使用電力の調整機能が使えないのが宝の持ち腐れ感がして残念である。
******************
以上により、デロンギRHJ35M0812が昨日早速届いた。
******************
梱包を解いて、もっていくと本人は戸惑っていた。あれほど事前に説明したのに!
>でも今から思うとそれは自分の頭の中だけのことなんだ。相手がそうじゃないといえばそうじゃない。
ちょうど近所の人二人が居合わせて、ベッドに座り込んで話していると、「わたしも娘がオイルヒーターを買ってくれたので使ってみたが、あったかい感じがしなかったので**さんにあげた」などと言い出した。そのひとは梱包を一目見て「あっデロンギだ!」といった。その人の娘さんがプレゼントした機種はもっと出力の大きめのものだったようだ。
う~ん。話を聞いていると購入は失敗だった、と。
******************
そうはいっても、使ってみるしかない。
温度設定20度で放置して自分の用事を済ませて覗いてみると、デロンギの電源コードが外され、いつも使っている電気ストーブが赤々と灯っていた。
「ちっともあったくならないよ」
う~ん、慣らし運転もできないのか。
もうあきらめかけていたので自分が実験台になることに決めた。
夜間、ベランダの厚手のカーテンを引いた6畳の大きな窓際において、使ってみたが、やはり出力の限界があるのか、外気が低温になりだすと温度設定を25度にしないと物足りなくなる。それでも昨日は暖かい日で夜間の外気温度も10度はあった。
>25度設定で部屋のデジタル温度計は22度以上に推移しない。
>この付近が1200W出力の限界だと思う(100Vでは1200W限界)。
>室温をもっとあげようと思えば、設定温度をもっと上げるしかないが、フルパワーでオイルを熱するので電力使用量を格段にアップするだろうが、そこまでして室温を挙げる必要はない。
*電気メーターの基準数値を記録し、電気代を1KW=¥27で計算する用意をした。
8時電気メーター01223,9
13時電気メーター01227,1
外気温度 15度
ヒーター設定温度 20度
室温 19,8度
******************
*検針メーターより推計電気料金
8時→13時 電力使用量 3,2KW/5H→22時就眠まで9時間連続使用したとすれば、
>冷え込むことも考慮してざっくり、7KW使用。
>一日当たりの電気料金は、10,2KW×¥27=278,4円
>1か月の電力料金は¥8537
*厳冬期に換算すると電力料金は平均して1万円以上~1万2000円以内。
>オイルオイルヒータを使うことによる冬季4か月暖房追加出費は
>2万8000円~3万円、程度と見積もる。
そこまで暖房費を使う必要性に迫られていない。
結論。
超高齢者は体感温を大事にする。その点電気ヒーターはモロその感、器具。
>人類史上、今のような生活スタイルをとったのは、直近といって良い。
それまでは獲物を採って焚火で焼い食ってきた。容器に入れて煮炊きするのはずっと後だ。
>焚火にあたるとほっこりする。暖炉の火は安らぎと思考へと誘う。人類は遠赤外線への選好がある。
エアコン暖房は室内空気乾燥度がひどすぎて喉を傷める可能性が強く使えない。加湿器併用も考えたが環境から費用対効果に問題がある。
石油ストーブは無理。使えない。
オイルヒーターは電気料金は電気ストーブよりもむしろほんの少し安くつくぐらいだが「あったく感じない」というのだから無理強いはできない。
>消去法で電気ストーブでやってもらうしかない。もう濡れタオルは都合で無理。
>オイルヒーターは中古市場に出すしかない。
*15時。夕日のあたる温かい窓際のデロンギは触っても冷えていた。温度調整が機能しているのだ。
*簡単なダイアル操作主で、補助としてプッシュ操作で多機能操作がすべて賄える優れもの。
*問題は電気代だけ!設定温度を上げるとじつ実温度は2~3度下回るが電気代がかさむ。
*しかし、考えてみると大昔、ボイラー蒸気室内暖房やボイラー熱空気暖房を運転した経験があるが、フィンは触っただけオイルヒーターよりでもっと熱くやけど一歩手前。
それを80度以下の低温に納めているのだから、室内暖房にしては熱量不足になるのは自然の摂理である。オイルヒータはもっとも熱交換比率の低い暖房方式である。
この暖房器具はベッドに横たわる時間の長い人や、幼児用、その他特殊な職業に従事している人たちに最も歓迎されるものといえる。
その他、電気代に気にならない人向き。
******************************
W。参考資料 過ぎ去りし年月をつくづくと思う。