反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

今現在の世界の政治経済(軍事)はどうなっているのか?これからはどうなるのか?

 W。今現在の世界の政治経済(軍事)はどうなっているのか?これからはどうなるのか?ネット上記事、PDFでは判らない解らないことが多すぎるので、関連<本>を読むことにした。

「塩原俊彦著「ウクライナ2,0」2015年刊行 社会評論社

 ロシア経済の専門家。

スタンスは2015年の段階

ウクライナ危機の真実。

ウクライナ危機を理解するためには米国が先手を打ってロシアに攻撃を仕掛けているとする認識から始めなければならい」としている。未読。

結局、共同政治幻想に忠実に軍を発動することの可否に行きつく。

レーニンブレスト=リトフスクのリアリズムは参考になる。

状況の進展に任せる。切り捨てる。北朝鮮軍の南進の動機も多分、ロシアの決断と同じ次元。

毛沢東

遊撃戦論 - Wikipedia

>制圧戦は不可能。ウクライナ側にこの鉄則は当てはまる。

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「~欧米の謀略を打ち砕き~よみがえるロシア帝国佐藤優副島隆彦。対談集。

立ち読みでパラっとめくって気楽に読めるから買ってきた。一気に読んだ。それだけ練れた専門芸をもっている。知識量が凄い。対岸の火事どころか、大火事の情報だけで云々できる気楽さがある。

のっけから副島氏はあべ射殺謀略論。

あの程度の銃は子供でも考え付く原始的な構造。

素人には製造も実行もできない、という発想から、謀略論を導いている、冒頭から信用を大失墜する発言。

それでも危ない高級漫談風で読み進められる。

プーチンの才を高く評価しているが自分とは真逆だ。プーチン評価の本を読んだことが、どこがどう凄いのかまるっきり解らなかった。あれは一種の褒め殺しだった。

習近平も怪しい。一帯一水路線は間違いである。国外にカネをばらまき自ら得をしないアブナイ所にあえて突き進んでいる。バブル時代の日本の外国資産買いまくりよりは国家組織的だが、効果のほどはたいしてないと思う。ヨーロッパと繋ぐ鉄道線路?20世紀初頭のドイツのBB回路の発想?

中国は数字や規模に中身が伴っていない。王朝の公共の拡大が自らの崩壊を招いてきた。コレが中国の専制国家史だった。

 

 しかし、これからは国家の力が必要になる。国家の力なくしてグローバル資本主義統治機構に完全に組み込まれている世界中の民衆の生活は保障されない。その意味でロシアや中国の新しい専制体制は民衆の国家を一挙に作れる政治的な土台になる

 古い資本制国の統治機構は新型コロナウィルスのように時代状況によってファシズム、ナチズム、軍国主義ニューディールと巧妙に変異する。

民主主義のモデルケースは、第1次第2次世界大戦後のある時期までに限られている。その一方で民衆の戦い方は制限され非常時には挙国一致体制に動員されてきた。

 

アベ事件は偶然がいくつも重なった事件だった。

事件現場に行くとそれが解る。背後の広い空間(商業ビル、歩道、駅ターミナル自動車道)、は普通警備しない。しかも人が歩道側から自動車道をわたって接近してきても何ら不自然ではない。喫茶店の入口のドアを背中に椅子に座っているようなもの。

 

「米中分断の虚実」宮本雄二他 2021年刊行 日本経済新聞社

未読。

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 ネット上の記事で影響を受けたのは

今、スタグフレーションが現実味を帯びている理由 ~供給ショックがインフレの犯人~ | 熊野 英生 | 第一生命経済研究所

 グローバル資本主義の基礎的な物流体制がウクライナロシア戦争、対中経済交流規制政治的軍事的に制限を加えられると<準戦時経済>のような状態に世界経済循環が陥って、物価高になり、景気も低迷し、世界中の庶民の暮らしは苦しくなる。その一方でこの状況をグローバル資本支配層はカネの儲けのチャンスとできる。

 

ピケティー21世紀の資本「r>g」という不等式

  引用

「r」は資本収益率を示し、「g」は経済成長率を示す。

8世紀まで遡ってデータを分析した結果、

>「r」の資本収益率が年に5%程度であるにもかかわらず、

「g」は1~2%程度しかなかったと指摘する。

そのため、「r>g」という不等式が成り立つ。

>この不等式が意味することは、資産 (資本) によって得られる富、つまり資産運用により得られる富は、

>労働によって得られる富よりも成長が早いということだ。

言い換えれば「裕福な人 (資産を持っている人) はより裕福になり、

労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」というわけだ。
富裕層の資産は子どもに相続され、その子がさらに資産運用で富を得続けることができる。

もちろん各国で所得再分配政策は行われているもののピケティ氏は、多くの富が世襲されていると示唆する。

⇒W、グローバル資本制、新自由主義世界市場化によって資本移動の自由(多国籍企業の象徴)と労働力商品の世界的な低位平準化が発生しており、従来型の国民国家の政府の所得再分配政策の機能は薄れている。

 その一方で、

写真・図版(1枚目)| ポピュリスト政党が勢いを得た背景は? 欧米情勢を読み解く〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット)

エレファント・カーブ(2017 09 16) - YouTube

W 音声で簡単に説明。

「先日開かれたBRIC[S(ブラジル。ロシア。インド。中国。南アフリカ)首脳会議では『あらゆる国々の人々がグローバル化の利益を分かち合える開放的な経済体制の重要性を強調する、という共同宣言が採択されたという。

外交部「中国はデカップリングや産業・サプライチェーンの分断に賛成せず」--人民網日本語版--人民日報

コレが保護貿易主義に傾きつつある米国トランプ政権へのけん制であることは明らかである。

これまで自由貿易の推進役だった先進国で<反自由貿易>の機運が高まり、どちらかといえば反自由貿易に傾きがちだった<新興国>から自由貿易を守れ>という声が上がり始めている。

 少し前まで世界中の国々に市場開放を押し付けていたのは米国だった。

ところが今では新興国自由貿易を強調し、当の米国では反自由貿易の大統領が選ばれる。

>時代の変化をこれほど雄弁に物語るのはない。

自由貿易への幻滅が広がっているのは米国だけではない。

エコノミスト誌の調査では

グローバル化で世界はよい方向に向かっていると答えた人の割合は

米英仏など先進国では軒並み5割を切って

ベトナム、インド、フィリピンで、8割以上がグローバル化に好意的なのとは対照的だ。

>先進国の人々がグローバル化に幻滅しているのは端的に言って所得がほとんど増えていないからである

1988年から2008年までの20年間で

実質所得を大幅に増やしたのはグローバル上位1%と中国インドなどの都市労働者

>先進国の大多数の労働者はその恩恵にあずかっていない。

>先進国の中間層は没落し、グローバルな富裕層とグローバルな中間層が隆盛したのである。

 

@なぜこのようなぐらふになるかといえば、

@グロ―バリズム。モノカネヒトの自由な移動によって

@投資家、企業家は人件費の高い国内の労働者を雇う必要がなくなったからです。

@外国から安い商品を輸入してもいい

労働者を外国から呼び込んでも構わない。

@工場を人件費の安い海外に移転しても構わない。

>先進国の労働者の大多数

『都市部の低賃金サービス労働に従事することになり当然のことながら、所得の格差が広がることになる。」

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加えて

「資本主義の富の不均衡は放置しておいても解決できずに格差は広がる。格差の解消のために、なんらかの干渉を必要とする」

 

W。保護貿易傾向に走れば、供給側が制限を受け、国内物価上がる。当然の経済現象である。

こういう経済史的な流れにロシア、ウクライナ戦争、対露経済制裁、対中経済交流制限が加わっているので世界市場の分断と階層格差の急拡大が発生する。

 

2021・22年と吹き上がった物価高騰には、2つの顔がある。原油高騰と半導体など供給不足である。原油高騰は、ウクライナ侵攻に伴う対ロシア制裁が原因。半導体など供給不足は経済安全保障という名前で、サプライチェーンから中国を外そうとする米国が主導する対中国の輸出規制にシフトが原因。

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  ウクライナ2,0塩原俊彦著

 

     序章「ウクライナゲート」(注釈)から「ウクライナ2,0」へ

  1,ウクライナ危機の真実

  2,米国の煽動と欧州の追従

  3、クリミア併合世マスメディアの煽動

  4,経済制裁

  5、和平協議

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     第1章 ウクライナ情勢

  1,議会選と新内閣

  2,「内戦」の実情

  3、群雄割拠のウクライナ

  4,経済混乱

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      第2章 ロシア情勢

   1,一つの試練」

   2,反危機計画

   3,岐路に立つガスプロ

   4,軍事への影響

   5,対中依存

   6,ロシアの欧州及びベラルーシカザフスタンとの関係

 

      第3章 世界秩序の混迷 「むき出しのカネ」と「むき出しのヒト」

   1、米国の地政学的アプローチ

   2,カネさえあればどうにでもなる

   3,新自由主義に真実

   4,2008年以降の国際金融:世界中に広がるむき出しのカネ

   5,民主主義の崩壊

   6、ロビイスト

   7、ロビイスト規制

   8,ロビイスト規制の波及

   9,ロビイスト規制の問題点

     

       終章 新しい世界観

   1,レントの重要性

   2、「公民」の重要性

   3、ぎりぎりの境位

   4,主権国家システムの変わるモノ

 

     付論 タックスヘイブンを巡る嘘

   1,定義と存在する地域

   2,「有害な租税戦争」に対する対応と限界

   3,情報交換の進展と課題

   4,まかり通る「悪」

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ウクライナ侵攻、世界はどこで道を間違えたのか - 塩原俊彦|論座 - 朝日新聞社の言論サイト