反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

2021・22年と吹き上がった物価高騰には、2つの顔がある。原油高騰と半導体など供給不足である。原油高騰は、ウクライナ侵攻に伴う対ロシア制裁が原因。半導体など供給不足は経済安全保障という名前で、サプライチェーンから中国を外そうとする米国が主導する対中国の輸出規制にシフトが原因。

 資料①  

  Kori Hale 寄稿者

マイノリティ向けのビジネス、テクノロジーイノベーションの交差点をカバーする CultureBanx の CEO です。 海外では UBS、米国ではゴールドマン サックスで働きながら、投資銀行で育ちました。 私はまた、ニューヨーク証券取引所のデイリー ニュース番組のアンカーを務めた最初の黒人女性でもあります。 以前は、CNBC の最高評価番組 Squawk on the Street と Squawk Alley でナンバーワン ビジネス ニュース ネットワークのテレビ番組を制作していました。

forbesjapan.com

引用

クレディ・スイスの年次報告書「グローバル・ウェルス・レポート」2022年版によると、世界のミリオネア保有資産額が100万ドル以上<1億3500万円>の富豪)の数は21年、520万人増加し、う半数近くが米国居住者だった。これは、今世紀に入ってからの国別増加ペースとしては最大だという。

21年の世界のミリオネアの数は6250万人(W。総人口78億人)で、その大半の保有資産は100万〜500万ドルだった

>米国では16年以降、ミリオネアの数が急増している。

アフリカ系米国人のミリオネアの数は増え続けているものの、他の人種と比較すると依然として少ない。米国に居住するミリオネアの人種比率は、白人が76%、アジア系が8%、黒人が8%、ヒスパニック系が7%だ。

 クレディ・スイスのレポートによると、世界のミリオネアの総資産額は、2000年の41兆4000億ドルから2021年は5倍の221兆7000億ドルへと膨れ上がった。同期間で、世界全体の富に占めるミリオネアの資産額の割合は、35%から48%へと増加

保有資産額5000万ドル以上の超富裕層増加ペースはさらに速く

>2021年の超富裕層の21%が新参者だった。

           全ての国でミリオネアの数が増えたわけではない。

>特に減少幅が大きかったのが日本とイタリアで、それぞれ39万5000人と13万5000人減少した。背景には為替相場の変動があり、日本もイタリアも2021年に自国通貨の対ドル相場が下落していた。

⇒W。それだけの要因ではないと思う。日本発で米国や英国、ドイツと比較する人が多いが歴史的に見ても、社会構造的に見ても日本と比較すべきは<イタリア>である

*** 

新型コロナウイルスの流行は、富の不平等の拡大につながったと広く言われている。

収入が平均以下の層については女性やマイノリティー、若年層などのさまざまなグループがコロナの影響を受けたことを示す証拠が出てきているが、全体的な影響が調査データとして明確に出てくるまでにはまだ数年かかるだろう。」

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資料② 

W。世界覇権国家米国のトランプ的自国中心主義の登場は金融寡頭制の急速な強化、と中間層の分解、没落を基底要因とする「先進」国国内政治と世界経済の不均等発展=世界市場の再分割戦の歴史段階における必然だ。

diamond.jp

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資料③ 

W。トランプの自国利益中心「主義」の背景である米国シェールオイル革命とコロナ渦以降の生産量の停滞の要因がこの資料からははっきり読み取れない。

経済コストに見合う埋蔵量があるのかどうか、がカギ。

国際エネルギー機関 - Wikipedia

の2050年までの削減計画(気候変動対策)。

RIETI - 石油の時代は終焉するのか? 米国シェールオイル生産が停滞、原油価格が不安定化の懸念

www.rieti.go.jp

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資料④ 

W赤は共和党優位、青は民主党優位。

米中間選挙、投票率50%超予測…「過去100年で最高」の見方強まる(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

W。半数の有権者は絶望している

選択肢が共和、民主しかない。日々の生活労働は変わらない。巨額軍事予算は人々の生活を圧迫しているが、どの選択をしても変わらない。しかし、軍事費を大幅に削ると消費大国の根幹(世界基軸通貨ドルの信用低下)が崩れるというジレンマがある!

 米国議会選挙に群がる日本のマスメディアが棄権有権者の現実を報道すれば、米国社会のリアルな一端を日本の有権者の伝えることができる。

>トランプの敷いた米国第一主義は歴史的な基底要因から生まれているので、「議会選挙」の結果は枝葉末節。バイデンの次の大統領は共和党からでる。トランプ路線が再現される。

  引用。

中間選挙は大統領選に比べて投票率が低いとされ、40%に達しないことも多い。」

「コロナウイルス感染対策として郵便投票や期日前投票の要件が緩和されたことが増加につながったとみられている。」

forbesjapan.com

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資料⑤

  W。報告者は日本の物価事情を体感しているので敏感に反応できるが、(インフレ常態化の)ネイティブは日本人ほど反応できない。

経済社会構造が根本的に違うのではないか。

ポーランドインフレやばすぎてもう無理・・・ - YouTube

 

価格高騰!スウェーデンのインフレ事情について/北欧在住ゆるトーク - YouTube

 

もうアメリカに住めないかもしれない…物価が上昇しすぎて完全に詰んだ。スーパーの食材値段公開しちゃいます - YouTube

 

ロサンゼルス激安スーパーで巨大ステーキ他買い出し!⚠️卵割れすぎ注意⚠️ - YouTube

 

【イギリス光熱費高騰で大変な現状】スーパーの値段を比較したら驚く結果に - YouTube

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資料⑥

W。世界的なインフレの要因、背景についてネット上で多くの「理論」的な意見が出回っているが、一番、腑に落ちたのはこの記事だった。解りやすく論点が整理されている。最後の結論は論旨とは違ってFRB当局の1970年代スタグフレーションの際の利上げを今再現の心理分析に陥っている。あの時代に成功したのかどうかが問われる。ドル高政策からジャパンアズ、ナンバーワンに時期に駆け上ったのではなかったか。ただし頂上付近に達した日本は世界資本主義連合によって引きずりおろされた(プラザ合意受諾⇒日本バブル崩壊⇒日本経済成長のエンジン米国流に取り換え)。

www.dlri.co.jp

要旨

米国では、物価上昇が止まらず、利上げをして景気が悪くなることが警戒されている。スタグフレーションが現実味を帯びてきているということだ。

 日本でも、Ba.5による感染の急拡大が重なって、需要悪化を警戒させている。

スタグフレーションの図式は、

①供給ショックによる物価上昇

②金融引き締めで抑えようとしている矛盾によって生じている。」

 

FRBの利上げ

 世界的なスタグフレーションについて考えると、米国発の景気後退懸念が強まっていることが、不安の中核にある。

その原因は、米国の利上げが想定とは違ってきて、かなり急激なものに変わったことが挙げられる。利上げ開始の3月は+0.25%、5月に+0.50%、6月に+0.75%短期金利の引き上げを行った。

 金融引き締めによって、米景気の失速リスクは高まっている。すでに、代表的なISM製造業指数は、最近まで下落基調を鮮明にしている(図表3)。特に、6月はISMの内訳項目の中で、新規受注が遂に50を割り込んだ

米国の製造業が悪化すると、その影響は日本を含めて各国の製造業にも及んでくる。

図表3

スタグフレーションのロジック

 

「最近の日本国内のオピニオンに目を通すと原油など輸入物価上昇によって企業が価格転嫁を強いられて、採算が悪化することを「これはスタグフレーションだ」と叫んでいる声が聞こえる。マクロ的にみると、このロジックは正しくない

  価格上昇は、

>外生変数(外的要因)ではなく、内生変数(内発的要因)として動かされると考えられるからだ

>W。1970年代日本のスタグフレーションオイルショックだけでは説明できない。内発的経済発展だった高度経済成長期末期の国内の過剰生産、過剰資本のはけ口が土地などの投機に回り、物価上昇に結び付いた。田中角栄首相の日本列島改造論は投機に拍車をかけ、そこに中東戦争によるイスラエル領土拡大に結束したOPECの結束した原油価格の大幅値上げが重なり生産コストを引き上げた。

1970年代の日本の物価上昇と経済停滞は内的要因の比重も高かったから、生産過程の日本的な合理化(濡れ雑巾絞り)で切り抜けることができた。

   引用

企業収益の原因(採算悪化)仕入コストの上昇ではなく、

>別のところから来る需要減退の要因だろう。

>需要減退が起こるから、そこで価格転嫁がうまく行かず、採算が急速に悪化する。

>結果として、マクロの企業収益が悪化して、景気後退になる。

***W。前記と矛盾したことを欠いている、と勘違いしていたが、筆者はスタグフレーションの厳密な定義をしているのだ! 1970年代の2度のオイルショックによるスタグフレーションを想起する!    

        ↓

経済学では、需要減退の時は価格は下がると教えられる。だから、通常、スタグフレーションは起り得ない。

>それでも、物価上昇と不況が同時に起こるのは、特殊な状況が生じるからだ

供給ショックが起こり、不況になっても物価が下がらない外生的ショックが物価下落しにくい環境を作って

スタグフレーションを引き起こすのだ。

⇒W。端的に言って1970年代のオイルショック!今まで水のように石油を使っていた経済へ供給源の事情が変わったままになり先進国は対応力を鈍らせた。当面は日本型のイノベーション(濡れた雑巾しぼり、生産現場の効率化)が有効だったが欧米は対応できなかった。ITでどこまでできるのか?GAFAに一翼、フェイスブックも予想通り怪しくなった。

 

現状、まさしく世界では供給ショックが起こっていて、供給不足によって価格上昇圧力が高いときにスタグフレーションは発生する。

外的なインフレ要因とは 

2021・22年と吹き上がった物価高騰には、2つの顔がある。

原油高騰と半導体など供給不足である。

原油高騰は、ウクライナ侵攻に伴う対ロシア制裁が原因だ。一次エネルギーの世界最大の純輸出国のロシアを市場から締め出そうとすると、需給は逼迫する。

半導体など供給不足は、コロナによる各国での工場停止が一因だったが(W。ネットではこのような論調が主流)

>最近は米国が主導する対中国の輸出規制にシフトしている。

経済安全保障という名前で、サプライチェーンから中国を外そうとすると、対ロシア制裁と同じように需給逼迫が生じる。⇒W。当たり前のことなんだけどここまではっきり主張する論調は少数派。

 

対ロシア、中国で「欲しがりません勝つまでは」、という状況を過半の国民は強いられている(コレが世界的物価高の真相)が、

一方で世界中で億万長者が急増している。

 

市場がひっ迫すれば投機で儲けることができる一握りが急速に富んでいく。

一種の亜戦時経済を世界中がやっている。戦時成金だ。

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「現在のインフレ環境は、そうした政治的要因が密接に絡んでいて、その状況は短期間では改善しそうにない。

唯一イエレン財務長官が、対中関税の撤廃を進めているW。関税分だけ価格上昇は避けられない。日本の報道ではこの点に言及しない!が、それが成功すれば、米国の供給制約はいくらか改善することが期待できる。⇒W。中露を分断し個別撃破する戦略も可能かどうかわからないが想定できる。

 

>こうした外的要因が米国の物価上昇の背景にあるとすれば、FRBの利上げでインフレ沈静化をもたらすことも、そう簡単には運ばないことがわかる

 

 金融引き締めは、需要を押し下げることを通じて、物価上昇を抑止する。

>だから、仮に米国で消費者物価が下がっても、それは需要要因での物価上昇圧力を弱めただけで

>供給要因に起因する物価上昇にはほとんど効かないことになる

何より、米利上げが個人消費、住宅投資などを減少させると、それこそスタグフレーションに陥る。

@供給ショックによる物価上昇を、利上げで抑え込もうとすると、米経済がスタグフレーションに向かう。

FRBには、金融緩和の修正が2021年11月まで遅れただけに(W。大統領選挙11月)、利上げを急ごうという気持ちがあるのだろう。

米政府が対ロシア制裁、対中国輸出規制といった供給ショックの原因を主導していることに対して、

FRBは物申すことができず、金融引き締めだけで対処しようとすることに限界があるとも言える。

⇒W。共和党のインフレ対策と民主党の妊娠中絶や反トランプ民主主義が選択しになったのもわかるような気がする。そして高インフレ下の棄権率50%。米国という国に住むことに絶望し諦めている人が多い。それを報じない日本報道陣。

 

 日本経済は、そうした米国の余波を受けて、輸出減を通じて生産鈍化の悪影響を受けている。

さらに言えば、ドル高・円安で輸入物価が上昇し、米国からインフレ圧力を受けているという見方もできる。

なぜ、FRBは利上げするのか?

 供給ショックによる物価上昇に対して、利上げは効きにくいのか。

例えば、半導体不足という供給ショックにより、新車の納車が遅れて(W。中国本土現地生産の海外自動車メーカーは締め出しの間接的影響で半導体不足になる)、消費者物価の中の新車・中古車価格が上昇しているとしよう。

そうした性格の物価上昇に対して、FRBが利上げしても、物価上昇は収まりにくく、景気だけが悪くなっていく。

  こう考えると、FRBが猛烈な利上げに動くことが不思議に思える。

なぜ、FRBが敢えて果敢な利上げに動くのだろうか。

その理由は、米国は1970年代を通じてスタグフレーションに苦しんことにある。

その教訓から、供給ショックであっても利上げを試みるのだ。

W。1970年代のオイルショックに有効に対処できなかったことが欧米と日本の経済成長の格差を生み日本は経済大国にのし上がったが~~1980年代半ばのプラザ合意受諾以降、日本バブル終焉から長期経済停滞に至った。

これを教訓にすれば、欧米日本が1970年代日本経済のようなイノベーションを成し遂げられるかどうかがカギを握る。IT産業でできると踏んでいるのだろう。

いつまでも、戦争危機を煽っても「欲しがりません勝つまでは、」という現実を続けられるわけではない。

>結局、東アジアでも戦争的事態と云う<目の前の現物>を提示する必要に迫られるのは必至とみる。中国は独裁だから悪、日本米国等は善。この論理はウクライナロシアでもそのまま通用する。だが、グローバル資本制の深化した時代に民主政はどうあるべきなのか、国民過半に対して何がリアルにできるのか、という根本問題が問われている。

資本主義経済にはどう考えても基本的な法則がある。しかし、それだけでは今とこれからのグローバル資本主義の世界的な動向、傾向は解明できない。

    ↓

思考実験として、米消費者物価が前年比9.1%もの高インフレになっているのに、FRBが何もせずに放置したとしよう。高インフレが続くことを放置すると、企業が値上げする行動に慣性力が働いて、物価上昇の強いトレンドが出来上がってしまう(W。値上げが手っ取り早く儲ける方法!)。このトレンドのことを「インフレ期待」と呼ぶ

 1970年代のときは、原油高騰の経験もあって、皆がインフレが続くのが当たり前だと思うようになって、インフレ期待が高まった。一度、強いインフレ期待が生じてしまうと、その後も容易に解消しなくなる。いわばインフレが慢性化する現象である。

FRBは、この慢性病を併発しないように、敢えてインフレに応じて利上げを行う

 もっとも、今回は、FRBの初動操作が遅れた。テーパリングが2021年11月というのは、いかにも出遅れ感が強かった。

@2021年中盤までインフレを放置したことが、現在に至る高インフレを引き起こしたと考えているのだろう。

 

⇒W。トランプの覇権国家自国第一主義は(できもしない保護貿易)インフレを呼ぶ、米国(消費大国)と世界の経済構造から当たり前の現象!

引用

「インフレ期待を制御できなくなり、スタグフレーションに陥った苦い思い出が、FRBには蘇っている可能性はある。

>しばしば、現在のFRBの利上げは、ボルカー議長以来と言われるが、1979年にボルカー議長が就任してやったことは、徹底的な利上げによって、インフレ期待を低位に抑え込むことだった。

パウエル議長も、本来はハト派だったとしても、現在はボルカー流の対応を採らざるを得ないのかもしれない。インフレを放置した代償が、後からの急激な引き締めという訳だ

@日本も多少はそうした教訓を頭の片隅に置いて金融政策を行った方がよい。

>W。米当局の高金利政策の長期化を日銀は予測していない、と思う。(黒田総裁発言によれば来年の日本の円安は沈静化する)、しかし需要面での物価上昇は抑制されたとしても対ロシア対中戦略に変更がない限り、供給側の制限が続き、高インフレの潜在化と不況の併存はあり得る(スタグフレーション

>W。なぜ、米国主導の対ロシア対中「戦争」は必要なのか、という世界の政治経済構造問題に筆者の結論は達していない。

包括的に論じる世界論は今まで自分の視野に入ってこなかった。自分で作り出すだけの力もないが新帝国主義論の必要を感じる。この視座からしか今とこれからの状況は捉えられない。

ウクライナ、ロシア戦争を停戦にもっていくこと。

対中世界市場分離を止めると世界の庶民生活は少しはましになる。

世界規模の戦争はいつでもイデオロギーや国家共同幻想の可否が付きまとってきた。

そういう色眼鏡で見ると世界は曇って見える。

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資料⑦ 未読。基礎理論。

     米中経済摩擦の政治経済学

               大国間の対立と国際秩序

 第3章 付加価値貿易から見た米通貿易~もう一つの国際分業の形~

https://books.google.co.jp/books?id=R1lwEAAAQBAJ&pg=PA55&lpg=PA55&dq=221%E5%85%867000%E5%84%84%E3%83%89%E3%83%AB%E3%80%81%E5%86%86%E6%8F%9B%E7%AE%97&source=bl&ots=PdDdVWylNc&sig=ACfU3U0Y3XBte7ImjbD05s8buewzA63Rcw&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjr5LTpqq_7AhWP2TgGHbFQBT8Q6AF6BAgKEAM#v=onepage&q=221%E5%85%867000%E5%84%84%E3%83%89%E3%83%AB%E3%80%81%E5%86%86%E6%8F%9B%E7%AE%97&f=false

1,グローバリゼーションの到達段階と米中経済関係

  1)急速な拡大から横ばいに転じた世界経済

   2)2010年代における米中関係と多国籍企業

   

2,米中における付加価値貿易の基本構造

  1)付加価値貿易の考え方と基本構造

  2)国際分業と米中関係

  3)対中赤字の過大評価と先進国による付加価値移転

 

3,米中を中心とした付加価値貿易構造の変容

  1)アジア太平洋における中心軸の変容

  2)付加価値貿易と多国籍企業の企業内貿易

  3)米中対立の火種としてのサービス貿易と中国企業の対米進出

 

   終わりに

~米中対立と逆回転する世界経済~

W。コピーペーストできないブックス。ペイントした。

「輸出入の貿易制限によって、国民国家の権力というものを再認識させられる事態~」⇒W、覇権国家、帝国と言い換えて良い」!国民国家は超歴史的な有り様ではない

 現在の米国の「国民国家」は国民国家には三つの顔がある。

1,グローバル資本の代弁者。

2,植民地独立時の愛国主義

3,国体としての米国流リバタリアン民主主義。

国内の階層関係の内情を見れば一目瞭然のごとくその体制外のものは放置され暴力による抑圧の対象である。

 

 ベトナム

行き詰まるベトナムの輸出偏重成長モデル|日本総研

W、結論的に言えば、1968年発足のASEAN(タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール)の枠組みに後発として入って、その枠組みの保証の下で欧米日本韓国の経済進出を得ようとする足枷が今日のベトナムを作った。事実上、グローバル資本の属国である(貿易依存度109%)実質輸出/実質GDP

 あの多大な犠牲を払ったベトナム戦争とはただ単に南北の統一だけの目的だったといえるのか。自分の過去を振り返ると北ベトナムや解放戦線が正しく英雄的だとは決して思わなかったことだけが救いだった。ベトナムの統一勢力にとって戦後の植民地主義の残存(仏と米)との戦いが統一のエネルギーになった。民族や国家のために一個人が命を投げ出すのは止めよう!兵士は戦うべきではない。21世紀はそんな野蛮は止めよう。とくに隣同士で戦争するのは人間から逸脱している動物的感性ゆえである。

 引用 

ベトナム戦争とは - コトバンク

「戦争の犠牲者はアメリカ陣営が戦死者22万5000(推定。アメリカ軍の戦死者は5万7939)、負傷者75万2000(推定)、北ベトナム・解放戦線側が戦死者97万6700(推定)、負傷者130万(推定)だった。

 ベトナム戦争は戦争の全般的な規模でこそ第一次、第二次両大戦に劣るとはいえ、動員兵力、死傷者数、航空機の損失、使用弾薬量、戦費では第一次大戦のそれを上回り、使用弾薬量、投下爆弾量では第二次大戦のそれをはるかに超えた。史上最大の破壊戦争であった。」

 

総人口9800万人

ドイモイ=経済改革開放 1987年

1980年代半ば以降、円高により輸出競争力が低下した日本企業や労働コストが上昇したNIEs企業は、労働コストの安い東南アジア各国に生産拠点の移転を進めた。加えて、電気機器や電子部品産業では、部品のモジュール化が実現されたことで、生産工程ごとに技術レベルや採算に見合った国で生産する水平分業化が進められた。こうした動きは東南アジア各国が外資の製造業を誘致し、自国をグローバル・サプライチェーンにうまく組み込む。

輸出主導の高成長 ベトナムの輸出比率(実質輸出/実質GDP2016年には109.5%

消費に積極的といわれる中間層以上が2016年時点で6,000万人存しているだけでなく、中間層予備軍である脱貧困層も2,500万人いる。加えて、ベトナムの総人口は、2060年頃まで増加を続ける見込みである。

W。結論。ベトナム独裁国家であるが、進出する企業は国家の統治形態を問わないし、その企業の本国政府もベトナムの独裁を問題にしない。

 だったら、なぜ中国の独裁だけが問題なのだろうか?

核兵器を持つ軍事力があり欧米のコントロールが効かないから、体制を都合の良い統治形態に替えて、そこから吸い上げる利益をむさぼりたいがためである。これが欧米流の平和と民主主義である。そのミッションに最も忠実で犠牲を払ってでも実行してきたのが米国だった。それを世界の警察官のように例える言説があるが、警察官も給与はもらっれいる。世界の警察官米国の役割も経済的歴史的に大きく規定されてきた。従って経済条件や政治軍事用件が代わればその役割も変わる。

 もっといえば欧米にとって、なぜ中国経済が世界市場のじゃまになっているのか?これはロシアについても言えることである。冷戦時代のように共存はできないのである。

なぜか?相手を倒せる、と思っているからだ。

 ロシアや中国側から見ると欧米はどう映るのだろうか?

コレは簡単に想像できない。たぶん自分たちの都合の良い欺瞞に満ちた言い分で、ことあるごとに仲間に入れないで利用しようとしてきた存在に映るのだろうか。

プーチン演説を読む限り、歴史的な見方で欧米に反感を持ってきたことが伺える。近代化に先行した国に対する後発の想いが募っている。その一方で20世紀中盤までの植民地独立など世界政治の果たした役割への自負がある。

 ただし、そういう視点よりももっと適切な歴史的な見方は

20世紀初頭の第一次世界大戦時の皇帝国家ドイツ、オーストリアの資本主義の急速な発展が英米仏の先発資本主義国の利害に世界市場で衝突したことに例えられるだろう。

この時代は植民地の争奪が同時に問題になっていた。農業人口が多く、国内消費に限界があり、国外貿易資源獲得ルート、国内の農業農民問題によって地理的な領土拡大が焦点になっていた。このような20世紀初頭固有の問題から自由だったのは新大陸国家米国などごく限られた国々だけであった。だから、20世紀の覇権国家は二つの大戦をはさんでイギリスから米国に転換した。

 そして21世紀初頭、ヨーロッパの東の果てウクライナでロシア侵攻を結節点として戦争事態が発火した。

同時に東アジアにおいても経済政治軍事情勢が煮詰まっているように見える。

この事態は世界的視野で関連させてみていくべきで、世界は新帝国主義の歴史段階に入った、とみるべきでその視野からみえるのは世界市場の再分割戦である。

 第一次、第二次世界大戦

一方を支持した他方を敵とするのは、間違いであるというのが長年の一貫した考え方だった。

それと、一つの統治形態を主権国家共通に要求するのは間違いである、と考えてきた。ウクライナとロシアの問題は双方によって解決すべきである。即時停戦が望ましい。世界の人々の生活にとってもその方が良い。

双方の戦う兵士も人間同士である。住民が動員されている戦争において、市民の殺害は駄目だが兵士同士の殺し合いはよいという段階ではない。近隣の国同士の戦争を仕掛ける政治指導者こそともに打倒されるべきだ。住民が蜂起すれば、戦争指導者を一掃し自分たちの国を作る絶好のチャンスである。自国の戦争仕掛け人たち銃を向けよ。プーチンとゼレンスキー等は処罰されるべきだ。21世紀に隣同士の住民が戦争するのは同じ犯罪を犯している共犯者同士と思ってよい。ユーゴスラビア内戦。結局、あれは何だったのか?ドイツ統合とEUが始まってそんなに年月が経っていなかった。もちろんその背後にはNATOがある。

 東アジアでも同じことが言える。

中国と台湾の問題は歴史的経緯のある双方の問題である。

中国共産党の党是は国共内戦終結=台湾本土化と規約にあるのか?そんなものはなかろう。中国人民にとって台湾統一はどうでも良い問題である。歴史的に中国人民にそういう考え方はなかった。中国は歴史的に王朝と人民世界は分離したに現社会を形成してきた。

現政権が本気でそんなことを考えていたら、プーチンのロシア民族主義と同じであり、政権は人民に倒される。

中国社会経済の発展は急速過ぎて内側の問題を処理する時間もなく外に膨張し、世界市場で、先進国の利害に対立するようになった。この事態は共産党指導部の政治路線の誤りである。

 北朝鮮軍が国境を越えてのはイデオロギー的同胞を見捨てられなかったがためであり、偏狭な民族主義と同じ感情である。

北朝鮮と韓国の問題も双方の問題である。

 結局、日本政治は戦前と同じく、東アジアへの対応が課題となった。米国の過去現在未来、地政学的な立ち位置を考えて対応すべきである。