レーニンの文脈には決起に至る精神が埋め込まれている。
あくまでも理論的な枠組みの中で緻密な議論をドラマチックに積み重ねていき、個々の実存を埋もれた日常性から揺さぶり引きはがし宙吊りにし、最後の飛躍!書を捨てて街に出よう!沸き立つ「物質の蜂起」を実現せよ!と。
マルクスは難しい言い回しで書く、超絶認識論。その最高傑作が資本論である。
W参考資料。
資本論とは。人間は搾取されている・・・お金が無限に欲しい、ないと怖い・・・資本の自己増殖と搾取について語ったマルクスの真実!ガチの真実シリーズ。安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube
安富さんの資本論批判点は商品交換の拡大連鎖から自然発生した貨幣においてマルクスは貨幣だけを他の商品と違ってその商品生産に必要な社会的時間から区別された特別な商品と結果的になってしまったところ、においている。
つまり商品、労働価値説批判であるが、マルクスは資本論において経済政策論議をしているのではなく、いわば人間哲学に至る資本の人間性破壊的な自己増殖運動を俎上に挙げている。安富さんもそこには気づいていて労働価値説を維持しなければ資本の価値増殖運動に一体化した人間の物象化は理論づけられなかったとしている。この動画の肝であろう。なお、実利主義の面がある小田実によれば、物象化の連鎖には人と人の経済関係を経済合理的自動的に整理整頓する要素がある、という。言われれ見れば確かにそうだ。計画経済が製品の量的拡大から質的拡大に膨大化する段階では、説得、指示、命令が伴う行政処理が経済の自律的発展の邪魔をしたのではないだろうか。
>ただし資本論は純経済理論書ではない。かなりの部分で経済外の強制力(資本の原始的蓄積)が経済に及ぼす多大な影響や現状分析にページを割いている。
レーニン理論は超絶行動の書である。行動に至った時の受け皿も議論の果てに用意されいた。
この動画は今までの白井聡の出演動画の中でも一番よかった。
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W。キーワード。包摂 - Wikipedia
引用
「マルクスが用いた具体例は、マニュファクチュア期の熟練技術が資本主義の生産様式に形式的包摂されると、技術を自己の身体に体化している熟練労働者は資本に対し高い地位を保有し、頑固な熟練労働者の言うことに経営者が従わない限り、生産は出来ない。また、熟練労働者は容易に養成できないため、拡大再生産が困難で、資本蓄積の障害となる。
⇒W。形式的包摂 (formal subsumption)の段階に留まる!
⇒W.形式(仮象)と実態の齟齬。内部矛盾の外部化。
そこで、技術体系そのものを作り直し、熟練を排除した機械制大工業(工場制機械工業)のシステムが構築される。
これが、労働(技術)の実質的包摂 (real subsumption) である。
機械を用いれば未熟練労働者でも生産が出来るようになり、機械に設備投資さえすれば任意に生産規模を拡大できる。これによって資本(経営側)の労働(被雇用者)に対する優越性は確保され、資本蓄積の障害は解消する。
すなわち、テーラーシステムのようなコンベア(ベルトコンベア・ローラーコンベア)を用いた大量生産の過程は、労働(技術)の実質的包摂の帰結である、と言うものである。アメリカの労働経済学者ブレイヴァマンはこれを、「訓練されたゴリラでも出来る」作業であり「労働の低質化」だと指摘した。
⇒W.白井聡はテーラーシステムとフォードシステムによる労務管理を基軸とする大量生産、大量消費、大衆社会の第2次世界大戦後、冷戦体制を前提とした米国発世界化とそのグローバル資本制突入による終焉を動画で語っている。
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W。資本の形式的包摂から実質的包摂への転換において、経済外的強制力が付きまとう。本質は賃金奴隷制。労働力商品の再生産費はその国、その地域の文化的社会的総必要労働時間によって決定される。労働力商品の再生産費は安く成れば(例えば安い食糧品輸入)資本は安価な労働力商品を手に入れ長時間労働や過密労働をさせて儲けの幅を増やすことができる。儲けたカネは資本の回転に再投資するというのが経済原理なのだが、今はタックスヘイブンに隠していて投機に使う。従って戦時経済は過剰なカネの投機市場で買い占め売り惜しみを繰り返し、カネでカネを増やすことができる。
>大方のリアル労働者はその枠内で生を受け生を閉じてきた。まぎれもない個々のリアルな生老病死の世界的総和である。
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W。包摂される当事者が宗教的法人の打ち上げるカルト的アドバルーンに熱狂し、包摂されようとする転倒現象。
この主催者はWの今まで集めた情報では倫理法人会であろう?阪神タイガース前監督矢野はこの熱狂スタイルを1軍チームに持ち込み、2022年キャンプイン初日、今年限りの引退宣言、感極まった選手たちよる優勝予祝胴上げなどという異様な事態を引き起こしている。阪神の一部選手は矢野が退いた後もカルトボケの兆候が見られる。
「いしん」政治の伝播もこの一種である。地域や日本の確たる根拠なきぼんやりした過去清算願望、改革願望に取りつかれるように誘導し(お祓い)、足下で実証不可能な夢のアドバルーンをあげ、
よろしく住民をグローバル資本制の奴隷状況においやる。政治共同幻想による一種のトランス状態であり国民間の分断と鬱屈、奴隷化の道である。
グローバル資本制の深化の政治的上部構造にはポピュリズムが対応する趨勢。
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W。帝国主義論を語るとき、フォーデズム、テイラーシステム、大衆社会論は必須。反俗日記では省略してきた。グローバル資本制の深化にしたがってフォーディズムの発祥の地であり、最も条件の整った米国において中間層が分解中。先の動画でフォードの本拠地デトロイト市内住宅街の荒廃映像の動画をアップした。スクラップ化してもビルドされていないのは、ドーナツ化現象、治安悪化、中間層の縮小、教育環境の分断、貧富の棲み分けなど複層する事情がある。国民統合のためには内部矛盾の外部化が必須アイテムになる。共和党大統領になれば世界的な戦時体制、経済混乱が止むなどというのは他力本願である。国民が立ち上がらない限りハイブリッド戦争なので自動的な儲けのシステム稼働中。損をするのはイデオロギーまみれになった庶民。
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W。生産性向上運動。現場労働者のイノベーションとまではいかないが<セコイ>生産工程の改善。身分保障された正規雇用労働者だけではなく非正規雇用労働者まで江戸時代の年貢ムラ請負のような労働環境に置かれるのだから絶望工場となる。このシステムを例えば中国の農民工相手にやれば、本国日本で得られない超過利潤がもたらされる。
外国企業の現場では圧倒的多数の農民工が働いている。戸籍制度(経済外的強制力)によって農村戸籍の雇用条件は低く抑えられている。労働力市場は中国だけではなく日本も歪なのも事実である。
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>結局、マルクスのいう資本と労働の利害不一致の力関係は大部分の働く者と経営者の労使間の慣行である月給制、ボーナス制をとっている日本では極めて分かりにくくなっている。
>週給制の慣行がある米国ではマルクスのいう資本VS労働の関係はリアルに理解しやすくなる。
アメリカは週毎に賃金をもらう事が一般的ですが、日本は月給制が一般的です。日本も週給にしたら良くないですか?
W。米国では週給制の慣行が崩れているがそれでも月2回払い。
W。動画をアップしている日系米国人家庭など月給制になれば支払過多で耐えきれないだろう。
W。労働力市場の流動性の程度が日本では低いので、労働者の後払いを我慢しなければならない期間が長くなっている。統一要求のできない企業別労働組合の組織形態の本質的な弱さもある。
W.前期に挙げた日系家庭の労働者は内部で技能スキルアップ機能と社会保険をもち現場企業に労働者を派遣する産別労働組合に所属している。当然、政党にリンクしているものと思われる。
経理の手間もかからない。資本と労働の現場の力関係のリアルな反映である。
一端、実質賃金の伸びが停滞すると、月給制は賃上げの足かせになる。その劣勢労使環境に年棒制などの成果主義が導入された。
W。日本では年棒制も早くから導入されていた。Wの知っている限り1980年代半ばからすでに一部企業は長年勤務し急成長史や社風に合わない窓際社員に年棒制を導入(退職金減額など総給与減額目的)労働組合の無いワンマン経営はやりたい放題する。年季奉公みたいな労働環境が既にあった。
W。供与制度はその国の資本と労働の力関係の推移をみる基準としてわかりやすい。
@月給制では1か月働いた結果、給与をもらっているような気がする(総労働時間の後払い感)。ボーナス=賞与などという慣行があれば余計に働いた成果で報償を受け取っているような気になる。
この制度は日本独特であろう。調べたところ、南米などにもある。ボーナスは労働力商品に対する資本の著しい恣意的後払い。
日本経済の長期停滞はこういう前近代的な労働者不利の労使慣行にグローバル資本制の文化(家族形態も含む)政治経済競争環境が一斉に襲ったことにも要因がある。政治が制度を大胆に変えるべき時期(日本資本主義に余裕のあった時期~中曽根長期政権時代~~やったことは逆向き)に変えなかった。
@。
月給**円は働く前から決まっている。
労働力商品の価格は実際に働く前に労働力市場において決定されているが、資本(経営体)には生産過程で労働力商品を使用することでその価格以上のできるだけ多くの製品価格を実際に生産させようとする。
価値増殖運動の渦中にある資本には取り分である労働力商品の価値を除いて、できるだけ多くの価値を取り込もうとする動因が働く(グローバル資本制では競争相手もワールドワイドになりその分、圧力もかかる。内部留保積み上がりなどの要因。帝国主義経済は内に投資できないが、超過利潤を求めて外に進出する。)。コレは労働力商品という価値増殖作用のある特殊商品を使用することによる資本の拡大再生産、価値増殖サイクルである。
経営の匙加減が効くボーナスの月給何か月分などもほぼ約束されている。
動画結語。
「資本というのは容赦がない。
この世界に流布している最大の勘違いは何かというと資本主義で幸せになれると思っていることでしょうと。
それは違うから、と。
資本は資本なんで、資本は人類の人間の幸せなんていうことに
何~~~んの関心も持っていませんよ。
資本はひたすら価値増殖。ただただ増えるというだけのことだから
それこそやっぱりフォーディズムの時代が先進諸国の多くの住民にとっては良き時代だった。
資本主義の発展ということ人間の幸福増進ということがだいたいイコールだと思ってしまった。
特に日本の場合は高度経済成長、戦後の平和の中で上手くい合った国ですが、
それは偶々そういう時代だったというだけのことで、
資本はとにかく増えたいんだ。
それで人間が幸福になろうが不幸になろうがどうでもいいんです。」
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W。EUシェンゲン協定で協定国同士の国境を越えたヒトモノカネの移動の自由は保障されているリアルな実情は知っていた。ある国の住民が地続きの隣国のガソリンが安いから、国境を越えて給油することにしていると語っていた。一回給油では大きな値段の差はないのだが年間ととおすとかなりの額になる。
W。しかしあるジャーナリストの動画を視聴していると例えば協定国の医師免許はドイ域内で通用すると簡単言い切っていたが、調べてみるとそんなことは一言も出てもなかった。住民の移動の自由の保証だけで手いっぱいで、医師のような高度専門職の国境を越えた転職の自由まで認めてしまうと、ユーロ圏でも購買力平価の低い国(独仏除けば、ほとんどがこんな国ばかり)に医者がいなくなってしまう。逆にドイツのような経済力の強い国に医者が集まりすぎる。
W.なぜこんなことを最後に書くかといえば、元を糺せば資本主義に対する甘い考え方があり(米国流リベラリズムが払しょくされていない)、EUなどはその進化形態のように宣伝された当初の情報がロシアウクライナ戦争と対中市場分離、台湾有事煽動の趨勢にもかかわらず、未だに何の点検もされずに刷り込まれている。
W。台湾有事の煽動に対してに日中共同声明における台湾は中国の国内問題とする文言を突き出せば、今の動きの矛盾を突くことができるとしているがそんなものはキャンセルカルチャー、ちゃぶ台返し、歴史修正主義によって無視されてしまうだろう。今の都合の立場から開き直ることもあり得る。
W。日本のジャーナリズムのウクライナ、ロシア戦争において、
>ウクライナ内のロシア系住民の人民主権を守るために、もちろん「約束を破って」膨張するNATOを阻止するためにプーチンロシアは侵攻せざる得なかった、言い切り西洋を徹底的に非難する立場を貫くエマニュエルトッドのような人物はいない。
W.ウクライナ分割、住民投票論が落としどころとなるとは思えない。
反俗日記はレーニンのブレストリトフスク条約を持ち出し<見捨てる>決断の歴史的重要性を示唆した。コレは北朝鮮の南進に適応できる。南進の決断がなければ東アジア情勢は今とはかなり違ったものになっていただろう。南朝鮮労働党と系列のひとびとを助けるために南進した。イデオロギーによる侵攻である。ロシアの場合はナショナリズムと国家主義による侵攻である。今頃そんなものを持ち出すのはポピュリズム以外の何物でもない。
その時不利な決断は時代重ねるごとに回り回って、自国と世界のヒトモノカネの浪費を避け後世の有利の働く。日本国民もある意味で戦争に負けて最大多数の幸福を手に入れたことも事実。高度経済成長で上手くいった付けは後で払っている。歴史はらせん階段状にすすむが、終わりは100%ある。
>結局、マルクスの資本論も白井聡の指摘するように労働力商品をキーワードに個々の気づきと決断と読み替えることができる。
>レーニンは「何をなすべきか」において党の在り方を問うた。コレは集団主義ではなく覚醒した個の決起に基づく、人民の意思党の徹底した個の精神の流れを受け継いでいる。
>マキシムゴーリキの「母」に登場する活動家たちの姿は、黒澤明監督の「7人の侍」のネタ元だろう。母の前に次々に登場する息子の仲間の群像はレーニンが描いた党活動家の原像である。
@ロシアはウクライナを捨てても守るべきものがあった。それは国民一人一人の適切環境の構築である。ソ連邦崩壊時の大失政による国富の簒奪の影響は巨大であり(政治権力の根幹が残存していたら、あり得ない経済混乱状況と不利利得が発生した)、元通りなることよりもそれなりにまとまり富を分配することが優先事項であってしかるべきだった。ナショナリズムが過ぎると周りが見えなくなる。
@それは現中国にもいえることだ。
@しかし彼らはG7等の飽くなき資本の国境越えの価値増殖力に巻き込まれている。
@白井聡が資本論から引き出したマルクスの資本論で描きあげた資本の無限大的価値増殖運動をはるかに超えた軍事力の価値増殖運動を基盤とした経済システムをG7等は推進している。コレは打ち壊されなければ止むことはない。国外に使うカネがあるのに自国民の悲惨生活には絶対的に出し惜しみする。
>インド経由でウクライナ入りした首相は道中のインドに3兆円の財政援助を約束し、戦禍のウクライナに8000億円。もちろんひも付き援助であり、後で日本企業が集金に行く。しかし多くのカネはどこかに消え誰かの懐に入る。
長期経済停滞中の財政事情なのに、そんなカネがどこからか出てくる。どうして日本国内に投資しないのか。日本帝国主義支配層のわが身の安泰と野望を追求し長期政権下の国民は結局、馬鹿にされているのだ。
国債を刷っても日本国内ならすぐヒトモノカネは循環するが、膨大な額の海外投資の監視できず中抜きされる。
>ウクライナはいったいこの戦争中総額どのくらいのカネが投入されたのか。戦争以前の異常な経済停滞から判断すると、当地には中抜きシステムが完成している、とみる。
>人道を言うならば、まず戦争を止めるべきだ。
>世界中の諸物価の値上がりも戦時経済化したことに要因の過半があることは、その筋の解説でも毎度指摘されていることだ。
@台湾有事などばかばかしいことに振り回される必要は全くない。何を怖がっているのか?
@戦時を煽り毎度のことながらどさくさに紛れて濡れ手に粟の輩がいる。
@この戦時体制は止むことがない。本物の戦争に至らずダラダラと持久戦のような政治体制が続く。それでボロ儲けする一握りと下層から徐々に貧乏になる圧倒的多数派がいて、不思議なことに圧倒的多数派は一握りのハイブリッド戦争マシーンにシステマチックにリアル包摂されている。
@そして生活苦に耐え切れずに庶民のレベルから本格的戦時経済の拡張による脱出口を求める怒声が沸き起こる。