ボッーとカントリーミュージックの動画を聴くことが多い。
故、タミー、ウィネットのファンで多分日本では珍しいタイプだと想う。タミーはアメリカでは自他共に認める、<ザ、ファーストレディ、オブ、カントリーミュージック>。何しろ、コンサートツアーの大型バスの前面に「ザ、ファーストレディ、オブ、カントリーミュージック」とある。
日本ではあまり人気がない様だ。
グーグルでも人物紹介が載っていない。
アメリカ南部では人気のある流行歌手だった。
ただ、唄っている本人のタミーは生涯、4回結婚している。
超美人じゃないが、なかなかの美形で、なよなよしてなくて、口八丁手八丁タイプなんだが、なぜか男にもてる。
カントリーの女性シンガーはこういったタイプが多い。男は飲酒、薬物などで身を持ち崩すタイプが一つの典型。
一方で聖歌隊の様なガチガチの伝統もある。
タミーの世界的に知られている?代表曲は「スタンドバイ、ユア、マン」。
高速道路を走る主人公のカーステレオから、何気なく流れてくるという設定だった。独特の鼻にかかった、伸びのある声、とリズム感が良い。日本で云うハスキーボイスの様な声が出ないタイプではない。
山田洋二監督の「幸福の黄色いハンカチ」でだだっ広い北海道を車で飛ばす武田鉄也と桃井かおりのカーステレオからフォークが流れてくるという設定なんか完全にパクリだな。
ただ、あの映画は山田監督のベスト作だとおもう。人情話に過度に流れない、現代子、丸出しの桃井と武田の掛け合いがカッラッとしたユーモアになっている。
パクリ映画の代表作はビートたけしの「HNABI」。あれは酷すぎる。
もうこれで記事にするのは何回目になるか、何回かいても、良いと想っている。
あんなものにグランプリを授けるフランスの文化的衰退を感じる。
あそこまでやるとは酷すぎるが、見抜けない審査員は古い邦画の名作を見ていないんだろうな。
映画評論家のおすぎのたけし映画を毛嫌いする気持ちはよくわかる。
と、ここまで書いてきて、タイトルと話題がまるっきりそれてきた。
軌道修正!
タミーのファンはアメリカに沢山いるから、主だった曲は動画にアップされている。
>が、どういう訳か、「Almost persuaded」は初耳だった。
>歌詞は酒場で男がほろ酔い加減の女に声をかけて、酔わせて云々、処がその女の指の結婚指輪をみて、止めるという、込み入った内容。
何気なく聴いていても、よくわからなかったが、曰くありげな歌詞だ、程度は解った。
付随する動画を見ると、これまで聴いていたカントリーと趣が違っていると解り、歌詞の中身を知りたくなった。
ところが、歌詞は出ていない。唄を聴いているだけでは、事情がイマイチわからなかった。
コメント欄は英文ばかりでぶっきら棒なモノが多いが、大体云わんする処は道徳問題に発展している様である。
自動翻訳にかけたいが、今までのやり方が使えなくなっている。今まで様な訳のわからない直訳ではないモノが出てくる様だが、仕様が面倒。
そこで、辞書を引いてコメント欄の英文を解読し、歌詞の中身を特定した次第。
>ただ、そこまで簡単に辿り通たわけではなく、動画に載っている同じ曲を何曲か聴いてみた。
>>パティ、ペイジ版。
このヒトは日本では「テネシーワルツ」で知られている。
聴いてビックリ。
タミーより、ズット上手く唄っている。アレンジもセンス抜群。カントリーのタミーファンとしてはショックだった。
コメント欄にも数多くのこのバージョンの中で一番、スムースに唄っているとあった。
でもこの時点まで、歌詞の細かいディテールはイマイチまだ、はっきりしなかった。
>取って返して、タミー、バージョンと道徳問題に発展しているコメントでようやく全貌が明らかになった。
タミーの唄い方はパティペイジの様な流れる様なメロディではなく、歌詞をカントリー調で間延びさせて唄っていくので、じっくりと聴いているうちに歌詞の中身を理解できるようになった。
>私がカントリーのファン続ける大きなの理由。
英語の歌詞が解り易い。体内リズムにピッタリと来る。素朴な音楽である。
>パティ、ペイジも年とってカントリー畑で曲を出すようになった。
1927年生まれ、オクラホマの電気もない貧しい農家に生まれた。父親は線路工夫のアルバイトをしていたという。
ジョンスタインベックの「怒りの葡萄」は大恐慌時代の天候不順と砂嵐で生活苦に陥ったオクラホマの農民一家が、車に家財道具を満載して夢のカリフォルニアを目指す(オーキー)話であるが、パティペイジ一家はカリフォルニアに逃げ出す事も出来なかった底辺の人たちだったのではないか。
ハリケーン、カトリーヌが襲ってきているのに車がなくて、逃げ切れなかった人たちの様に。
しかし、そこから出た、パティペイジは50年代、一番レコードの売り上げた歌手。今でも健在で、唄っているらしい。「オールモスト」の動画のコメント欄を見ると、唄が上手いとかそういう角度でしか、この曲をとらえていないようだ。
尤もなことである。
取り立てて、云う程の事はない都会の夜の酒場の風俗を歌詞にしているだけだ。
が、タミーのバージョンへのコメント欄は凄い方向に発展している。
ウインストンチャーチル節制をしていて、この歌詞にある男女の様なアホなことに時間と費やさなかった。
終いには、ヒットラーは禁酒していた、と云う事になっている。
動画に付随している写真がドギツイこともなるが、元々この歌が発売された1966年の目論見は、その当時としては露骨な描写を歌詞に入れて、風紀の乱れに警告を与える意味があったのじゃないか。
この歌を唄っている歌手の顔ぶれを見ても、固いことで知られるカントリー界でも選りすぐりの堅物保守派がそろっている。
パティペイジ、盤も出だしに、不協和音をかましてから、流れる様なメロディラインが始まる。
>日本ではこういう種類の唄は聴いた事がない。
実際に夜の街の日常で日本の何処にでも、転がっている話。
敢えて、歌詞にしなかっただけだ。
酒場の酔っ払った男と女のきわどい処を歌詞にしたら、売れないという事もある。
キリスト教的道徳もない。
良く演歌とカントリーは似ていると云われるが、違っているのは、こういう唄が受け入れられるか、どうかの違いがある。
大人向けの唄であることは間違いない。