反俗日記

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TPPケース1。カナダとメキシコが極めて不利な追加条件を受諾してまでTPPに喜んで参加する本当の理由

  本文はBLGOS掲載、木走正水2013年3月9日記事タイトル<カナダとメキシコが極めて不利な追加条件を受諾してまでTPPに喜んで参加する本当の理由>を引用させていただきました。
 
 ●TPP参加に秘密条件~極めて不利な追加条件を課せられていたカナダとメキシコ(東京新聞スクープ)
   TPP交渉参加をめぐる主な秘密条件
1:遅れて交渉した国は、既に交渉を始めている9ヵ国が合意した事項(条文)を、原則として受け入れ、再協議は認められない。
2:交渉を打ち切る権利は、9ヶ国にあり、遅れて交渉入りした国には認められない
(W。<曖昧な参加基準と全会一致の組合せ>は、現行参加国の裁量の余地が大きい参加決定ルール。ニュージーランドのTPP拡大戦略:積み石アプローチの理論と実証より。)
(W。曖昧な参加ルールは米国の主導権、裁量権を承認した。自動車関税2、5%10年据え置き、がん保険ゆうちょ窓口独占販売、軽自動車税廃止、まだゾロゾロでてくると思う。
コレはニュージーランドの石積み方式による関税撤廃の費用が高い後発参加国(日本)に対する<曖昧な参加基準>を米国が都合よく利用した例。
農業品目に特化した貿易依存度40%のニュージーランドは日本市場参入のメリットから、米国の得手勝手なTPP参加交渉の運用を是認する最も似たような国が多すぎる。)
 
●「聖域なき関税撤廃は前提でない」~虚しい高度な政治的「言葉遊び」に過ぎない日米共同声明(TPP交渉に参加するための日米事前協議の共同声明)
 遅れて交渉した国は既に交渉を始めている9ヵ国が合意した事項(条文)を、原則として受け入れ、再協議は認められない」という、
このような極めて厳しい秘密条件が明かされた今となっては、先の日米共同声明のあの牧歌的文章は一体何だったのであろうかと、の当然疑問を持つわけです。
W。米国は原参加国待遇かつ自己中新ルールの裁定者というダブルスタンダード。中東で言えばイスラエル核兵器容認とイラン核開発疑惑、フセインイラク大量破壊兵器隠匿。外交は戦争の一種、同じ次元の事態だ!)
北米自由貿易協定(NAFTA)により農民の4割にあたる250万人が離農し壊滅したメキシコ農業
 この20年前に締結されたNAFTAは、アメリカという経済大国を相手にカナダとメキシコに大変な国内の産業構造の変革を強いました。
現在の自由貿易の最大の受益者は消費者ではなく多国籍大企業なのであり、競争力のない地場産業は淘汰されるだけであり、地場産業の崩壊を通じて、経済は混乱し失業者が増加し格差は拡大していくのです
(W。カナダ、メキシコは資源国家でまだ国民経済に足腰がある。その点、日本はどうか?大規模な韓国化の道だろう。また20年前に締結されたNAFTAよりTPPは反国家企業社会的に進化している
ここがカナダ、メキシコを躊躇させた理由だろう。)
貿易と投資の自由化だけでなく、貿易紛争処理など広範な内容(W、ISE条項による世界銀行参加の紛争解決裁判でカナダ、メキシコは約40戦全敗)を持ち、
2003年までにほとんどの品目で関税を撤廃、最後まで残った一部農産物の関税も08年1月にすべて撤廃されました。
自由貿易はメキシコにとって結果として不利なものであり、雇用、賃金、労働移動、環境負荷のいずれについても、総合的に見るとマイナスであるという、かなり衝撃的な内容になっています。
 
米国からの輸入増はメキシコの農民の生産を圧迫。農民の4割にあたる250万人が離農し、その多くが職を求めて米国へ渡っていきました
またメキシコ政府は、輸入の増加は、消費者価格を下げると宣伝しました
 
 しかし、かつてはトン当たり100ドル以下で安定していたトウモロコシの国際価格は、石油価格の高騰、穀物投機、気候変動による農業への影響などによって、大きく変動しながら上昇傾向にあります。
 NAFTAによってメキシコは食料を他国に大きく依存した従属国、食料主権を失った国に変貌させてしまったのです。
 
 メキシコの一人当たりGDPは94年の3000ドルから2001年に6100ドルに達しています、NAFTAに加盟してわずか7年で倍増しています。
 しかしカーネギー国際平和財団のレポートにあるとおり、メキシコ人の実質賃金は、NAFTAが発行する以前よりも2003年のほうが下落しているのです。

NAFTAが少なくともメキシコにおいては、「自由貿易の最大の受益者は消費者である」ことに失敗していることを意味しています。
 少なくともメキシコでは、多国籍大企業に受益が集中する結果、消費者に利益は還元されなかったのです
 
カナダとメキシコが極めて不利な追加条件を受諾してまでTPPに喜んで参加する本当の理由
 >>まずTPPの実態を時系列に正確に検証し、その目的が日本のメディアが主張する「アジアの成長を取り込む」(日経社説)ものではまったくないことを事実として抑えましょう。
>>過去20年に渡りNAFTAによりアメリカと自由貿易協定を結び苦労してきたカナダとメキシコにすれば、TPP参加国の中で魅力的な市場は日本だけです。
 
 カナダとメキシコにしてみればそもそも最大の市場である米国とはNAFTAで細かく協定を結んでいますから、実は「極めて不利な追加条件を先行9ヵ国から押し付けられているにもかかわらず、難なくそれを受諾してTPP参加しようとしている」のはそもそもハードルが低いからです。
 
 例えばメキシコなどはすでに守るべき農業は壊滅しており、アメリカ中心の国際資本による競争力ある大規模農場が中心なのです
そしてこれら3ヶ国はNAFTAによって過去20年多国間貿易協定に揉まれてきたのです
 
 特にカナダ、メキシコは少なからずの犠牲を伴いながら大国アメリカとやりあってきました。
カナダとメキシコが極めて不利な追加条件を受諾してまでTPPに喜んで参加するのは、日本市場を得れるのであれば、それらの追加条件は彼らにとって既に多くが解決されておりハードルが高くないからです。
 
 なぜカナダとメキシコは先行する9ヵ国がTPP参加表明したときに様子見をして遅れてTPP参加の意思表示をしたのか、さらに極めて不利な追加条件を先行9ヵ国から押し付けられているにもかかわらず、カナダとメキシコが難なくそれを受諾してTPP参加しようとしているのは何故なのか、とにかくTPP参加すべきとする日本メディアの牧歌的TPP賞賛報道では絶対に理解できません。
(W。前回で示した大学研究文のニュージーランドのカナダへのけん制による分割統治など、カナダにとっては何ら問題でなかったことが証明されている。集られる日本(正確には日本国民)!コレが現実である。)  
       W結論。
 本文の記事は掲載時期が2013年3月ということで、日米事前協議などを通じて判った米国のダブルスタンダードが容認されているなど、その後の情報が処理されていない欠陥があるが、タイトルに沿った本文の主旨は正確に的を射ている。
 
    <TPP拡大交渉>は<日米FTA交渉>ではない。
 事実上、日米FTA交渉であれば、米国は原参加国原案をバックにした都合のいいダブルスタンダードで対日交渉に臨めないはずである。
 
また、日本側としても相対交渉であれば、様々な戦術が使用できるのはコレまでの日米交渉で明らかである。
 
 もう一点、注意しなければならないのは、日本側の交渉に当たってのエシュロンなど情報戦を通じたトップシークレットの漏洩問題である。
手の内が鮮明のなっていれば、先回りして対処できる。
もっとも、交渉当局の問題もある。 
 
>日本(日本国民多数)は土俵に上がる以前に不利な条件を抱えて土俵に上がっている。
競馬で言えば重いハンデを背負わされてレースに臨んでいる元優駿
集られるのは国民多数。  
レースの主催者はてら銭で儲かる仕組みだ。