山田元農水大臣、現弁護士。(以下、Y略)
岩上安見(以下、I)
Y、日本は自動車(関税2,5%10年据え置き)や保険(アフダック、ゆうちょ窓口独占販売権獲得)を前払いさせられ手いるがどうなのかとローリーワダックス(TPP構想国ニュージーランド大学教授)にどうなのかと聞いた。
ローリーワダックスは他にない例だ。日米関係は異常だと言われた。
日本みたいに事前協議や平行協議で妥結まで全部要求を飲めといわれた国はない。
I、中間的パワーを持つ国が日本が入ることで他の国もアメリカの強引な要求をのまずにいられる望みも出てきたのじゃないか。
Y、カナダ、メキシコもナフタ(北米自由貿易協定)の被害国。日本が参加国になることで日本が米国の要望を抑えてくれて、「日本が寝てしまわない限り後2~3年」何とかなると。(W。この辺の認識は反俗日記の関連記事と違っている。むしろナフタで揉まれてきている彼等は日本交渉参加で日本市場に農産品輸出のメリットを見出して、遅れて参加表明した。)
日本が寝てしまったら、日本は土足で入ってきて踏みにじられるのだが、まさか日本が寝てしまうとは思っても見なかった。(W。通信傍受網協定加盟国は米英、カナダ、ニュージーランド。TPP拡大交渉の交渉過程に無関係ではないと見る。スノーデンの情報傍受暴露は後のインタビューでEUと米国との自由貿易協定交渉に絡んで出現した。)
日本の主席交渉官の鶴岡に聞いた。
注1日本の外交官。実父は元国連大使の鶴岡千仭。鎌倉学園高等学校、東京大学法学部卒業後、1976年に外務省入省。総合外交政策局長を経て、2012年(平成24年)から外務審議官(経済)、2013年(平成25年)から内閣官房内閣審議官兼TPP政府対策本部首席交渉官。
1978年(昭和53年)アメリカハーバード大学法科大学院修士修了。 1979年(昭和54年)アジア局南西アジア課 1982年(昭和57年)条約局条約課長補佐 1986年(昭和61年)7月 在ソビエト連邦大使館一等書記官 1989年(平成元年)12月 在米国大使館一等書記官 1991年(平成3年)11月 経済局国際機関第一課企画官(ウルグアイ・ラウンドサービス交渉日本政府首席交渉官) 1994年(平成6年)8月 条約局法規課長 1996年(平成8年)7月 北米局北米第二課長 1998年(平成10年)4月 北米局北米第一課長 2000年(平成12年)4月 在インドネシア大使館公使 2002年(平成14年)6月 文部科学教官(政策研究大学院大学政策研究科教授) 2003年(平成15年)8月 大臣官房参事官(総合外交政策局担当) 2004年(平成16年)2月 大臣官房審議官(総合外交政策局担当) 2006年(平成18年)8月 大臣官房地球規模課題審議官 2008年(平成20年)7月 国際法局長 2012年(平成24年)9月 外務審議官(経済) 2013年(平成25年)4月 内閣官房内閣審議官兼TPP政府対策本部首席交渉官 兼任 2013年(平成25年)7月 外務審議官(経済)退任
I、ISD条項?
Y、ステークホルダー会議で鶴岡と長く話す機会があった。
マッタク何も決まっていないと平気で嘘をつく。
ある程度決まっているのではないか。これからの都合もあることはあるが、あきれた。
>マレーシア政府 代表は24章の内、14勝は既に決まっているという。
I、今24章というが元々ペーパーは決まっているのか。
Y、最初の20章が24章になった。
マレーシア交渉官に聞いたところ14章はまとまって、後は政府関係者がサインをするだけの段階になっている
I、鶴岡はおかしい。
Y、嘘を言っている。新聞リークや報道は全部誤報だといっている。
ISD条項反対は自民党公約。あんたはISD条項賛成でいいのか、それでいいのかと。
鶴岡はそうだ。発展途上国には有効に機能すると。
それだとカナダ、オーストラリア、韓国は発展途上国なのか?
I、高額の賠償金を
Y、韓国もたった1年で訴えられた。
それでも鶴岡は日本は強いから大丈夫という。韓国も大丈夫といっていた。ホントはは解っているのだが。
日本は強いから大丈夫とそれだけ。日本は訴えられることは無いと。
自民党の幹部と話してみたが、政府から何の情報もないようだ。
もうしょうがないと諦めている様だ。本気で反対しようという気が~。
マレーシアの交渉官は既に決まっていることは国民に報告している。決まったことは報告し議論している。
決まってないことは話せないといっている。せめて日本もそれくらいは。アメリカも情報はそれなりに出している。
64の項目で折り合いが付かなかったと聞いている。
Y、折り合いつかず破談。
日本の米は例外が認められるのか。せめて米だけでも、と聞いたがーあり得ないと。
I、あり得ないは重みがある、マレーシア主席交渉官だから。
Y、米国と13回交渉した実績から重みがある。
64品目で譲らなかったのに、全品目になった。
マレーシアも自動車では譲れないと。(W。まさか国産自動車産業を関税保護しているわけではなるまいから、譲れる。TPPの顔ぶれはこんな連中ばかりで日本と立ち位置の同じの国が存在しない」
マレーシアは場合によったら、撤退もありえる??マハティール(与党)は反対。野党も反対。(W。マレーシアは民族、宗教の違いに、利害対立の絡み合った複雑な柱状国家を強権でまとめている。この国の政治家の言葉はあてにならない。)
I、TPPは我々の国益に合わないと野党党首の翻訳文がある。
Y、日本の主張と一緒だ。
I、ここまでハッキリと野党が云うとは強い影響力がある。
自由貿易ではなく、ファア公正な貿易を、というところが重要かと。
Y、大体我々と同じ。国のかたち、主権が損なわれるというところが同じ。
マレーシアは韓国の話に興味を持った。
マレーシアは発展途上で資本流入で先進国へとの想いだったが、大変な条約だと。
Y、米国は日本をアジアを守っているという意識。配下にあり、自分の云うことは聞くというものだ。
Y、分けても日本政府は何もやっていない。
しかし以前、政府が発表した分厚い本で今、話し合われた懸念事項が全て挙げられている。
I、あの時と今の違いは交渉参加で今はわかっているのに、情報開示していない。
Y,入るまでは解らないといっておきながら、入ってから解っているのに、やらない。
I、米国の政府調達市場は防衛産業は除外。各州レベルの部門は門戸を閉ざされている。(公共事業に基本はは各州レベル)
Y、WTOでは設計、工事全体だったが、700万円以上の設計に対しても英文公示しなければならなくなる。
そうなると、米国内の大企業がやってくる。日本のゼネコンもウハウハだろう。日本中から中小は消える。
I,、英語と母国語。教育と社会が英語化、植民地化。メインの母国語が宗主国の言葉に。
コレは韓国の植民地化過程の日本語教化の言語政策と一緒。
Y、実際にそうなっていく。大変なことに。
私は今は2、3ラウンドで後はどうなっていくのかと聞いたら、ローリー、ワダックスさんは日本は今回が最初で最後の交渉参加になるといった。
オバマは今後のAIPECで抽象的表現でまとめるが、次からの交渉はアンダーグランドで専門家や中間会合でつめていく。
I、公開、ブリーフィングも行われない。小規模非公式会議で、今後、いつ、どこでやっているのかアクセスできない懸念も出てきている。
Y,ケルシーさんは反対運動はやりにくくなるといっている。
I,TPP交渉は過熱して地下に潜る。交渉は9月にワシントンで会合。
Y、10月の閣僚会議で14章決のまっている分と大枠の合意の形でやってしまう。
I,粘り強く行くべき交渉で初参加で決まってしまう。日本は粘って有利な展開に持ち込みたいが。出て行けといわれれば出て行く、でもいいのに。
Y,政府の中にもそういう考えもあったが、アベが年内妥結を約束。
ほんとにやってならないこと。日本がやってしまったら、各国から踏みにじられる。
I、言いなりに。
Y,アベは言いなりになるという選択をした。
自民もこの前の選挙からーーコロッと替わってしまって。
ジュネーブ在住のマレーシアの専門家に聞いたら
>>投資の分野、金融サービスはほぼ決まりですね、といっていた。
既に決まっている14章に載っているのかと聞けばそうだといった。
空白の注解部分や反対意見は消えてしまっている。だからきまり。
I、リアルタイムで知っている。
Y、リーク情報をメールで送ってくれといったら、送っていただいた。
もっと大事なことがある。
それまで交渉過程の交換メモは法的拘束力を持つ。それは条文に記載されていない。裁判上も争える。
メモは少しだがリークされている。
I、メモ交換は多数が知っているか?
Y、>日本はメモについて知っていない。鶴岡たちは知らない。
I,何でこんな不都合なもの。それまでの交渉合意がOKではいるのか。その内容をOKではいるのか。
Y、だから、ホントに飛びこみ自殺。
各国が言い出したら、交渉はまとまらない。
>>続く。