屋内大型温水プールについてネットで調べてみたが、利用者の記事は大型温水プールの維持管理、装置の構造問題に触れない外面的な意見が多かった。無理もないと想う。ごく少数の関係者(維持管理経験者)しか知らないリアルな実態は公開されていない。
例えば、次のような記事がネットに載っていた。
(記事は特定しないことにする)
屋内温水プール利用者の立場から、かなり突っ込んだ検証を基にした記事である。
記事は公営温水プールを維持管理する<<区→トップは元区のお偉方、現役職員も重要な事務職をこなしている半官的指定管理団体~一応競争入札の体裁はとっているらしい~→現場の設備管理を担当する下請け管理会社→プール現場維持管理非正規労働者~多分、責任者は下請け管理会社の正規社員、その他は非正規労働者>>の組織的構造を問題にしているが、こんな重層的な管理体制では、公費の無駄使いが生まれているのではないか、利用者サービスがおざなりになっているのではないかという問いかけである。
正論である。
この種の半官的指定管理団体は組織が適正規模であるかどうかが問題である。
不必要な事務書類を一杯作成して現場を管理していることになっている場合が多い。
>さらに、プール現場を維持管理する人たちのほとんどが、非常勤であることから想定される問題。
この点が利用者の直接関るリアルな現場サイド問題である。
サービス向上、プール監視業務がどうとかは、枝葉の問題で、屋内大型温水プールが適切な衛生状態に維持管理できているかという問題に尽きる。
適切な維持管理状態を証明する<公的検査書類>があるから安心なのではない。
例えばプール水の殺菌消毒する残留塩素値、滅菌状態を測定した<公的書類>。
誰が何日何時に測定したと記された証明書類ではあっても、どんな機会に測定したのか記されていない。
多数の子供のキッズ教室、多人数の意味不明のエクササイズ、レッスンでプール内で暴れたあとの残量塩素値は極端に低下する。
利用者が多すぎる時間帯が長く続いた場合もも残留塩素値は低下したままだ。
>プール内の残留塩素値が低下した時間帯に測定した公的書類は存在しないはずだ。
自動塩素投入装置は一定塩素濃度(約0,5程度を維持、水道水もその辺で、管理のキチンとしている大きなテナントビルでは残留塩素も定期的に測定記録する)に設定されているが、大型プール内の大容積の温水を循環ポンプで入れ替えするためには時間がかかり、設定された塩素濃度になかなか復活しない。
*この単純な温水維持循環システムで、プール利用者が気にする必要があるのは、
何よりも<ろ過装置~自動塩素投入装置~>の過程である。
上記に挙げた残留塩素濃度低下する時間帯は、システム的に改善の余地がないので、利用者は頭に入れておいて、適当な回避策をとるしかない。
*ろ過装置を現場管理の人たちが、手働きで入れ替えたりリセットしている場合が問題になる。
*随分昔のことになるが自分が管理していた温水プールは数種類のろ過装置がある中でカートリッジ式ろ過装置で、
プールの水の濁り具合や残留塩素投入装置の測定値をみて、カートリッジを取り出してホースで水か掛け洗浄し、使い回しをしていた。カートリッジはソレなりの値段がするので、使い回ししなければならないが、使い古されたカートリッジから新品に入れ替えたときの水の透明度は目を見張るほど良かった。
訳の解らないエクササイズで大勢がプル内で暴れたとき、カートリッジは一気に汚れる。
温水プールだけを管理していた訳ではないが、私営スポーツクラブ(ソコソコ有名)関係の設備管理の業務でこの仕事が一番嫌いだった(神経がくたくたになる仕事は大きなスタジオの空調管理だったが)。
極端にいえば、「汚物」処理をしているような感覚で、使命感(管理を請け負っていた)からやっているようなところがあったが、それでも他の仕事が忙しすぎてカートリッジの洗浄が遅れるときが、よくあった。
定期的にとりだして洗浄すればいいという代物ではない。カートリッジへの「汚物」の付着は温水プールの使用状態に左右される。
プール内で暴れられたときが、が一番しんどかったが、
経営者サイドに立てば、温水プールの維持コストは非常に高くつくのでプール内でわけのわからないエクササイズで客引きする他ない。
いっとくがプールは泳いだり水中歩行するところで暴れるところではないヨ(冗談だが)。
水温25度の中で大勢の集団的長時間連続のエネルギー消費をした排泄物は下水道に流れるわけがなくプールに循環する。プール基本装置の中でろ過装置だけが「汚物」を付着させる。
>ろ過装置の保守管理業務を、アルバイトやパートの人たちがやらなくてはならないとすれば、給料からして合わない仕事というほかない。
公営の大きな温水プールの場合、専門業者に委託管理していると想うが、実際どうなっているのか直接聞くしかない。最初に聴いた時はやっているみたいなニュアンスで語っていたが、現場管理のヒトは仕事の全体像がよく解っていないヒトが多い、という感触を持った。込み入ったことを話しても無駄と解った。
経験者はプールの水質が適正かどうかは見た目で一発で解る。
ろ過装置がキチンと保守管理されているとプールの透明度は高い。基本的に高級スポーツクラブの温水プールは透明度が高いと云う前提で保守されているが、公営の場合、低い前提値のまま保守されている。~何時も濁っていれば、最悪濁っていても素人目には解らなくなる。
ろ過装置について立体的で分かり易い解説は、この専門業者のホームページ
ろ過装置メンテナンスセンター COM
ろ材代削減対策 ←W。クリックで、ろ過装置の種類、保守の概要が載っている。
一部引用
「水質管理のための薬品のコストは気にしても、ろ過装置やろ材のコストまで気になさる方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか?」
W.ハッキリ言えば、この程度の装置で、先に挙げたような条件の悪い大型温水プールの「汚物」は取り除けるわけがない。
どの装置も単純な物理的汚物付着装置である。循環ポンプの水圧がかかっている分だけ、台所の蛇口のろ過器よりも丈夫で精緻にできてはいるが、基本構造は同じで、メンテナンスは手間がかかり大変である。
専門評者に委託しているのか。
しているとすればメンテナンスのスケジュールは汚れに応じて機動的にやらなくてはならないと想うが、どうなっているのか。(ろ過機の汚れは計器に出るはずである(圧力計方式だと想う)。定期メンテナンスでは温水の汚れ放置期間が生まれるはずで、利用者にとって厳しい。
>現場の働いている人たちが、暇をみてやっているとすれば、当然、問題視しなければならない。
集団でプール内で暴れた場合は、波立ってオーバーブローされ多少なりとも新鮮な水と入れ替えられる。
そのためプールの大きさに比べて水道料金は大変なものなり、ガス代とひっくるめて、コストパフォーマンスは厳しい。
経営のノウハウが必要になり、特定の有名業者の傘下に入るケースが多い(インストラクター派遣、プログラムなど込みである)。
通っている公営プールでは何処に目を凝らしてもオーバーブローの構造が見当たらない。水漏れしない水槽のごとくだ!
集団で暴れたらその水は循環し、濾過機に過重負担をかける。
という事はオーバーブローは手動排水しかないが頻繁にやっているとは思われない。
利用者は温水プールが常に汚れていると、極端に汚れていても気がつかなくなる。
現場管理者にとっても程度はあるが、同じことが言える。
次にジャグジーについて。
ココには安心して長時間浸かるべきでない。
そんなことをいうならば、銭湯はどうなのか、ということだが、ジャグジーは運動した身体に水着をつけて入る。
しかも適温、腰かけもあるので安心して、かなりの時間浸かっているヒトが多い。
温水は循環しているだけで、塩素投入はすぐ蒸発するので基本的にしないことになっている。
ジャグジーバス専用のろ過装置が設置されてない場合もある。
銭湯はろ過装置を設置している。
安心して入らない方が賢明である。
プールの水の入れ替えについて。
年1回、総入れ替えが基本である。
私営温水プールでは、利用者の少ないお盆の時期に水抜きをする。
ガス代の節約にもなる。
公営温水プールは、
>直接聞いたところ、正月期間中を水抜きに当てている。
>小学生でも解るガス代の計算ができないはずはないのだが、
>役所のスケジュールに合わせているだけで、巨額のコスト削減という当たり前の工夫が見られない(温水プールは1か所だけではない)。
夏季休館中(2~3日)の利用者の利用料金など~そもそもほとんどが会員。毎日利用する訳ではない~大型温水プールの維持管理コストに比べるとたかが知れている。係員にこの話をすると、上記のような小学生レベルの返答があった。
プール内清掃
コレは業務終了後、水中ロボットを使ってやっている。掃除機の本体のよなロボットが水底を勝手に動き回ってごみを強い込む。操作は現場係員の仕事のはずだ。
水中ロボットをこまめに動かしていると、水底のぬるぬるやごみは基本的に除去されるが、大型温水プールではかなりに時間がかかるのではないか。
>プール現場の係員の仕事は見た目と違って多い。利用者が知らないだけだ。
シャワー設備の保守
コレも結構、大変な作業である。故障、ストレーナーの目詰まりが頻繁に発生する。清掃係員が担当している場合と、現場係員の作業分野になっているケースがある。
不潔な場所という前提で利用した方が良い。
着替え室、ロッカーの管理
結構管理は大変なのではないか
利用者は結局、サンダルは面倒なので、素足でべたべた歩くことになる。
不潔な場所である。
病原菌に注意
頻繁にうがいをすることにしている。
温水プールは長居するところではない。
やることをやったらサッサと帰る。
真冬に適温30度、最小限度の衣服装着とうことで、ストレッチ、筋力トレーニングに最適の場である。
水泳は全身運動
上りにこんにすっきり心地よい感覚になるのはプールだけだ。