反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

管政権は利権癒着勢力の現時点の都合のいい使用人!

 政権交代して、庶民の暮らし向きが良くなるなんて希望が御有りだったかたは、余り事情がつかめてない人なんじゃないか。
 
 急速な円高進行でもよく分かる。今の世界にはとてつもない過剰な流動資金が世界中投機対象を探し求めている。博打をやっているのだから、要するに、投機対象の価格が乱高下してくれなければ、売りと買いの段差が大きくなければ、儲からない。当たり前のことだが。
 こういう賭博行為は愛好家が実体経済と遮断された空間でやってくれれば、まず問題はギャンブル狂いが生活を破滅させた果てに事件を起こす世界で済む。
 
 ところが、今目の前にあるには、こんな甘っちょろい世界ではない。 
投機の仕組みもいい加減、投機対象も生産に不可欠な原材料にまで拡大している。
そして、投機市場で生み出された、利益、損失は本質的に架空の要素を強く持ったカネである。
 
 例えば、アメリカンバブル崩壊時の損失は天文学的数字になっており、日本のバブル崩壊時の金融機関が抱えた不良債権とはまるで比較にならないが、このカネはどこから来たのか?
アメリカやヨーロッパの金融資本が勝手に信用を拡大して、「創造」した資金である。
 
 市井で勝手に通貨を発行したら、大犯罪。でも、国家権力をバックにした金融機関が信用を拡大するのは、犯罪に当たらない。
 また、ねずみ講出資法違反でよく捕まえているが、バブルを引き起こす金融資本のやっている事をよ~く見てみると、ねずみ講と本質的な差異はない。
 
 こういう無原則な信用創造行為の挙句の果て、膨らんだカネとモノの循環が旨く行かなくなる。
一応、資本主義の原則はバランスシートで成り立っているから、信用創造に身を任せて、資金を回転していたところは、運転資金さえ覚束なくなる。
 で、破産。
ところが、破産しても金融資本は国家が資金援助して救済される。
 尤も、個々が肝心だが、帳簿上、不良債権処理不可能な天文学的な負債がたまっているが、どしてなのか?
どうするのか?アメリカは基軸通貨である事をいい事にドルを刷り続けた。解決方法は誤魔化しの会計処理、他国にツケを押し付ける。この方向でアメリカは突き進んでいくしかない。
 
 以上今の経済状況の一部を取り上げたが、こんな経済の大きな流れ、大きな世界構造を政治は基本的に変えられない。もうそういう所まで来ている。
 
 以前だと、G7、G8で相談して対応できる可能性もあった。為替相場がかたよったら、各国が協調して、相場を是正していた。
 今はできない。 どうして出来ないのだろうか?先進国の利害対立といえば、簡単だが、アメリカの覇権力が我々、日本で想っている以上に落ちている。リーダーはいなくなり基準がなくなった。
新興国の発展スピードが速く、彼らの世界経済では立つ役割が大きくなってきているから、旧来の主要国で物事を決定できなくなっている。
 
 こういう時代に戦後長く続いた自民党政権が倒れて、民主党政権ができたが、核心点は人々がこの政権に本質的に何を求めるべきであったのか、という所ある。
 
 私は今の世界経済の大きな動きはもう政治では行先を制御できないと考えている。
だから、民主党政権にはカネにまつわる成果は期待していなかった。
予算配分、マニュフェストの実行、どれもカネで苦労し、あちらを立てるとこちらが立たず、の状況はハッキリしていた。こういう面で期待はほとんどなかった。
 
 だからこそ、民主党政権は戦後日本に溜まってきた膿を出して欲しかった。人々の頭上にいつしか深く垂れこめるようになった暗雲の一隅でもいいから風穴を挙げて欲しかった。
閉塞状況におかれたこの社会の空気に一点突破の可能性を与えて欲しかった。
 
 しかし、一方では、民主党にはできないという冷静な診断もあった。
経済はコントロールできないが、政治は頑張れば、なんとかなる部分があるのだが。
 
 管政権はその何とかなる部分でさえ、もう何もしない事を、今回の代表選で表明し、なおかつ、その反小沢人事で、裏で自民党との取引さえしでかした。
 
 党として、これからの政局に対応していこうという大きな方向性があれば、挙党一致体制を汲む。
 もうその必要がないほど、小沢支持派排除を優先し、野党と事実上の連合を組む戦略をとっている。反小沢を意味なく強調し、マスコミを舞台の政局をねつ造し、自分たちの「正当性」を演出し、」政権にしがみつこうとしている。
 
 政権交代で戦後的な暗雲に風穴をあける民主党にできる任務が、どうでもいい様な反小沢や政治とカネ、政治文化などにすり替えられた。
 
 >こういう政局は、田中角栄ロッキード逮捕からの自民党内の田中擁護勢力と三木内閣のマスコミを舞台とする政局と似ている。しかし、事情はもっと深刻。日本経済の右肩上がりの時代と今は違う。アメリカの力も弱まった。中国などの新興国の台頭は目覚ましい。
 
 当時と様相はかなり違うが、この政局が続いた結果は確認しておく必要がある。
日本資本主義は高度成長経済の内需的発展段階が終了し、対外膨張の傾向にあったが、田中角栄の政治的立ち位置はこの対外膨張の権益を擁護するものであり、この傾向は戦後の対アメリカ従属関係と政治的に祖語をきたすものであった。
 
 アメリカは経済成長を遂げ、対外膨張の次のステップに辿り着いた日本経済を政治的にコントロールするため自民党長期政権、官僚、財界マスコミの中に親米勢力を完全にうちたてるという戦略があった。
 三木政権のクリーン政治の強調は結果的にこのアメリカの意図を成功させるだけであった。
 大局的にみたら、国民の多くはマスコミ報道に踊らされて、結局、アメリカを含む大きな政治経済の流れの中で、ロッキード事件を見る事は出来なかった。三木内閣の党内対立の中でのクリーン政治はアメリカやそれに追づいする勢力の日本コントロールの一役買っただけで、国民に実利はなかった。
 捕りモノ劇の様なマスコミ報道に踊らされただけだった。
 
 今回の小沢氏への特捜検察の一貫した政治攻撃、マスコミの連動も、以上の様な教訓を踏まえて、大局的見地に立って国民一人一人が自分の中で冷静に再構成してみる必要がある。
当時と比べて今は、ネットも含めて多方面から情報が得易い環境がある。
 
 
> 官僚支配をどうするのか!特捜検察の政治介入はそのままにしておくのか!マスコミの利権特権、偏向の現状はこれでいいのか!低賃金低保証労働をこのまま放置していいのか!これからの社会保障はどうするのか!日本がアメリカのいいなりになって、この先旨く行くのか!
 
 管等はこれらと取り組む困難な戦いは完全放棄している。
今の政権は国民の政治的エネルギーを愚弄することで、大きな失望感を生み出し、次に来る反国民的な政権への道を掃き清めているだけである。
 管政権で生み出されるほんの僅かばかりの「改革」なんて政治の大きな潮流の中でいとも簡単に押し流されてしまう。
 
 政権交代に押し上げた国民のエネルギーを改革に向けず、政治反動に有利な方向に向けている。
管等は自分の党の構成員の半分近くを政権運営から除外する様な戦後の政権党にない暴挙に出ている。
それで除外された者たちやその支持者が官等に特別な憎しみを抱くなという方が間違いである。
完璧な内ゲバ論理を、勝者が党内に持ち込んでいるが、彼らは党内外の力の源泉は利権癒着勢力にある。
だから政権交代に押し上げたエネルギーからは完全に背を向けている。彼らの党内外の力は脆弱である。
 
 >>>管等は自民党やその亜流、官僚、大企業、アメリカ、マスコミに現時点での都合のいい使用人である。