反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

明日のAPFCを前に外務省はTPP(Trans-Pacific Partnership)サイト抹消!

  ネット上でも官僚、政府の情報操作が行われている。
また、先頃、尖閣ビデオ流失の件で逮捕された43歳海保官も動画を投稿したPCも受付サイト側からの情報提供で発信元も漫画喫茶を特定されている。この男は乗船している船長に事を打ち明けたというが、黙っていても漫画喫茶のルートから身元は割れていただろう。
 例えば、ヤフーブログに加入する時の同意文章を読めば、捜査機関の要請があれば、サイト側は情報提供すると明記している。
 もちろん公安筋も特別班を組んでサイト監視を行っている。
 
 情報戦は戦局に多大な影響を及ぼす。
これは国と国の関係である。
 
 もう一つの重要な観点が国家と国民の間の情報戦である。
 
 先頃のビデオ流失させた海保官の件に対して国家の情報一元管理=国民への未公開という観点からの論評がブログの中に多く見られた。また植草一秀さんの様な法的形式論もある。これらの視点は間違っていない。
 
 しかし問題は当該情報が国民が知るに値する情報かどうかの中身を国民が前もって直感できるかである。
 
 私の意見では尖閣事件現場ビデオ10時間は見るに値しないモノである。海保官の投稿ビデオはよく知らないが、10時間を編集したモノであろう。
 以上、くどくどと述べている事は様々な投機行為をしている方々は普段から情報の取捨選択の重要性をリアルに体験されておられるから、身を持って理解されると思う。
 
 尖閣事件の本質は現場にはない。これが私の意見の本線である。
 
 この事件は長期的に経済が肥え太っていくアジア経済圏という獲物を巡る強盗の様な大国同士の争闘戦の渦中にやがて埋もれていく歴史のホンの小さなエピソード過ぎない。
 現実に大騒ぎする人、感情面を掻き立てられる人に政治を語る資格はない。ただし、これも一つの契機に国民規模で大きな政治潮流が一つの方向を目指して流れていくことは間違いない。
 
 しかし、尖閣ビデオの様などうでもいい情報よりも、これからの国民生活、日本社会のこれからのあり方、日本の国のかたちを巡る論議=情報が隠ぺいされた。
 
 私は11月11日付のブログ記事タイトル「アメリカの主導するTTPにキャイ~ンの犬=売族外務官僚くを叩き潰せ!」の核心部分はアジア市場を巡るアメリカ、中国、日本の強盗同士による獲物の奪い合い状態をアカラサマに自己暴露した外務省サイトが情報源だった。
 
 ところが今日、記事を作成するため、水曜日に閲覧した外務省記事にアクセスしようとしても記事が完全抹消されている。
 
 その記事は管、前原、仙谷氏等がAPECを前に突然、TTP参加検討を表明した、理論的根拠が赤裸々に反映されているものであった。数値、グラフも多く使ったの外務省の必死の見解表明だと受けとめた。
同時に、この省庁は一体誰のための省庁なのか?アメリカなのか?日本なのか?と疑問に思った。
 
 それほど問題を含んだ見解なので金曜日には抹消されてしまったのである。
 国民はこうした生資料を読んで自分の頭で判断した方がいい。
 オリジナリティ!が国民規模でなければ、これからの日本は厳しい。マスコミを批判するのは簡単。
自分で情報を作るのは容易でない。手間がかかる、間違って恥ずかしい想いもする。
しかし、その中から、何回か一度、自分で納得するモノが生まれる。人の評価は二の次である。迎合したらダメだ。
 
 TPPに関して支配層でも意見が分かれている。日本はアジア戦略で独自的な展開を実行できないという現実がそうさせているのである。
 
 アジア、地域では中国、日本がアジア戦略を関係各国との議論の俎上にすでに挙げて実際の論議もなされてきた。
 
 日本の戦略は自民党時代に提出されたものであり、鳩山内閣東アジア共同体はそれを国家戦略として追認するはずであった。ところが、鳩山内閣の挫折により、日本の淡い主観的願望は潰えていまった。
 
 日本はアジア市場を巡る争闘において、理念レベルで主導性をこの時点で放棄した。
そうなれば、大きな内外に渡る政治の力学が働く。日本はアメリカのアジア戦略に乗っかる以外になくなるのだ。
 
中国、日本の発表したアジア経済圏構想にアメリカは含まれていなかった。
 TPPはアメリカの巻き返しの様相を濃く持ったアジア経済圏構想である。
 
中国船船長逮捕、護送、日本の司法処置を目指す政治方向は従来の日本が独自のアジア戦略を提唱していた時点ではありえない、大きく踏み込んだ処置である。
 
 鳩山内閣時の8カ月のアメリカ、マスコミを含んだ攻防の挫折から生まれた管政権は日本の独自的なアジア戦略を放棄し、アメリカのアジア戦略に移行した政権である。同時に内政的には従来の自民党時代の利権癒着に屈服した政権である。政権交代の転向者の生み出した政権として、弱さと国民のとっての危険性を秘めている。
 
 政治的転向者の権力側への屈服は異常なモノがある。
 
 突然の消費税増税提唱、中国船船長問題の強行処置と反転する釈放=これはアメリカに諭されての処置という事である。
 
 そして、今回。TPPもその類である。
 しかし、これらも問題は自民党長期政権の中で日本が構造的に抱え込んできた問題を転向者独特の未熟政治で対処しているから問題がより混乱して国民の眼に映るのである。
 
 TPPが実行されると、農業がどうしたこうしたを根底に置きながら、ヒト、モノ、カネに渡る完全自由化だから、日本の将来の国のかたちにかかわる大きな問題を含んでいる。
すでにこの措置にが実現された時の経済効果、3兆円とその真逆の電通売上、1、7兆を比較して、農業を筆頭とする日本社会に対する戦略的ダメージの深さを論述した。 
 
 いいかえると、世界市場の再編時期に日本の戦略的弱さが露呈し、アメリカ世界戦略の中でしか生きられないような選択をしてしまう、大切なターニングポイントを迎えているのである。
 
 基本視座は日本が自分の身の丈に合わせた将来像を描くことである。
戦後日本が高度成長を経て世界第二位のGDPだった事も含めて歴史的に総括しなければならない。その総括の中身によって、将来像も確定される。
 
 自民党参院選挙のスローガン「日本が一番」の幻想を国家規模でこれからの世界情勢の変転の中で追い求めていくと必ず日本は敗北し、多くの国民は悲惨を味わう。
 
 これからに日本は民族、国家で世界一を争うのではなく、個人の屹立、その切磋琢磨を基盤とした社会を目指さなければならないのではないか。 日本人であるとかのアイデンティーに寄りかかるのではなく、個々人が其々の居場所によって自分を磨き切磋琢磨する、その総和が結果として日本の力になる、そういう社会構成、構造にしなければこれからの日本は苦しい。
 
 だから、だから個々人の居場所が保証できなければ少子高齢化の日本ではアイデアの生み出されてくる源泉が枯渇する。優等生の世界からオリジナリティは必ずしも生まれない。
失敗があり大成功がある。敗北した軍隊こそよく学ぶ。
 
 日本人にとって民族、国家は分母である。誰もがこの環境で育てば、日本人になっていく。
問題は分子の部分である。個性、能力など様々な属性は自分で磨かなければ、そして社会全体の体制がなければ、大きくならないモノである。
 
 これからの世界情勢の中で日本人であるというIDに寄りかかった観点を肥大させる方向は時代逆行の反動であり、よい結果を生み出さない政治的な共同幻想である。
 
 どんな職業、どんな境遇においても、謙虚に学び自分を磨くことはできる。
そのお手本が至る所にたくさんいたのが日本人でなかったのか!その総和が日本を発展させてきたのではなかったか!原点に立ち返るべきと、考える。
 
 そうした日本人にとって大切な方向性はアメリカ主導のTTPで根っこのところが立ちきられてしまう。訳のわからんやつらが言う日本人、日本民族は抽象的である。事はもっとTTP参加のように具体的である。
 
 抽象的な民族論は言うのに事が具体的なTPPの様な具体論に及ぶと沈黙する奴らって一体何者なんだ。
ただの飼い犬にすぎない。それに同調するモノはそれ以下である。
 
 自民党の方向で進めば、結局、多くの国民の生活と労働を犠牲にし、ホンの一部の企業の資本蓄積過程に国民が未来を掛けなければならないからである。グローバル資本のために日本は疲弊するであろう。
 
 また、自由貿易体制が反転し、保護貿易主義に移行するシナリオも十分想定可能である。
よく考えてみると、TPPは一見、自由貿易体制の強力な推進の様だが、本質はバブル崩壊後のアメリカの世界への再反抗の手段であり、世界市場の再分割過程を一層推進する排他的な世界戦略である。