反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

弱体、凶暴化したアメリカは東アジアの偽冷戦体制、構築でアジア各国を恫喝。

 NHKラジオのニュース番組の報じる第七艦隊空母まで動員した黄海での米韓合同演習はまるで戦前の大本営発表の様な勇ましい軍事用語の羅列である。
 オカシインジャナイデスカ?という意見があってしかるべきだ。
当事者の韓国国会議決には少数だが反対意見もあった。ところが日本の国会議決とやらは全会一致という。
 
 ここに日本の問題がある。日本には分裂国家で徴兵制のある戦争的事態の当事者、韓国より民主主義がない、庶民の中に本当の民主主義が育まれていない。そう断定しても良い。
 
 民主主義の三大要件である制度に不備がある。
 
 小沢一郎に対する検察の攻撃を許すのは民主主義の制度的不備が根底にある。
韓国では取り調べ可視化は制度化されている。
 彼らの今は軍事独裁政権との青年学生のを先頭とした決死の戦いがあって勝ち取られたものだ。その戦いの過程で多くの人士が獄中にとらわれ拷問され、余りにも多くの人々が倒れた。だから、勝ちとられた民主主義に制度として取り調べの可視化がある。
 
 日本では可視化法案は何処かに消えてしまった。そればかりか特捜はそのままで、検察審査会に強制起訴権さえ与えられている始末である。冷静に考えると、特捜は検察審査会強制起訴という新たな武器を与えられたままだ。ここにマスコミの報道が大本営発表の様に張り付いて特捜の捜査内容の国民への刷り込みが行われている。
 裁判所?裁判官は支配者の暴力装置の一員だ。勘違いしてはいけない。
その他、刑法関係に戦前をそっくり引き継いだモノがある。国民と敗戦直後の支配層の実体的力関係でそうなった。
 
 次。国民間に充満する空気。
 
 国会議員の選挙による選抜は国民の空気を代弁したモノといえよう。
日本では2009年まで国民の多数意思で政権交代が行われなかった。
私は議会外の人間なのであの政権交代についシニカルに反応し手放しで喜べなかった。
正直、馬鹿じゃないか、とさえ思った。あれだけ自公政権の格差拡大などの失態続きを目の前で連続見せられても、実に38%もの人が性懲りもなく、自公政権に投票している。おそらく、外国だと奴らはコテンパンにやられていただろう。尤もそれ以前に何とかしているが。
 
 そもそも、政権交代のない国は諸外国から見ると不可思議に映る。北欧の社民党政権の継続とは国の大きさや制度、政策、国民間の空気、民主主義を支える実体が違う。
 
 日本は北朝鮮、中国、ベトナムカンボジアと欧米の間に位置する程度の民主主義度合いの国である。
それに比べてマスコミ資本の発展があり、その資本蓄積過程でのイロイロな手の込んだ手段が用いられているから、国民は民主主義がある様に錯覚しているだけだ。
 
 ぜい弱な国民間の民主主義意識に比べて異常には発達したマスコミ資本の蠢動が世論と称してバーチャルな国民共同幻想を醸し出し、それが独り歩きし、個々人の意識を縛っている。
こんな社会構造に剥き出しでさらされた、孤立気味の個々人に一方向の情報の刷り込みが行われる。
 
  次。これが尤も大切なこと。
民主主義を支える実体。政党、労働組合、各種団体、住民間の横の連携、具体的に挙げればきりがないが、これらの実体の活発な活動が存在し保証されて、これらの活動に支えられて民主主義は成立する。
逆にいえば、民主主義破壊分子はこれらを変質破壊しようと絶えず画策してくる。
 日本の戦後史もこの角度から再構成すると、見えないモノが見えてくる。明らかに戦後民主主義を支えてきた実体が消滅してきている。そのスピードは急速だった。内外に深い原因はあるが、今回は言及しない。
 
 ここまで書いて来たのは自分の足元、日本の確認のためだ。
 
アジア諸国は押し並べてだいたいこういう状況にある。そこが今の先進国経済の長期停滞に比べて不均衡に発展してきている。その基本は国境と国旗なきグローバル巨大資本の貪欲で強盗的な致冨意識に対応するこの地域の低賃金である。
 自国民をいくらでも搾取してください、文句を言う奴は豚箱にぶち込みますから、という政情の国がこれら国境と国旗なき巨大資本の最適環境である。
しかし、同時にこれら巨大資本は互いに争っているので、その意味で国旗をあてにするしかない。
 
 中国を日本の官僚が嫌っているのは、この国がまだ潜在的な独自の巨大市場を持ち、軍事力を背景に政治的に自立しており、日本の進出企業の好き勝手ができず、自国資本の保護策を用意し系統的に育成し、やがてそれが日本資本の市場での競争相手になると見通しているからだ。現にいくつかの分野ではそうなりつつある。
 
 有名な法則に量の質への転嫁というのがある。
膨大な人口や耕地面積を抱える国が一端経済発展の軌道に乗れば、その過程で質への転嫁で、日本の競争相手になっていく。この仕方のない法則的事態に逆行すれば、反動になる。
 
 賢いやり方は自分の立ち位置を決め、分をわきまえ、将来を見通して事に当たる、これに尽きる。
日本の事実上の政策遂行者である官僚層は完全に血迷っている、としか言いようがない。
アメリカの手のひらに乗ったのである。
 
 どうしてそうなったか?やはり政権交代の挫折が大きなステップボードになった。
仮に新政権が彼らをビッシと押えらていたら局面は変わっていたと思う。が、新政権にその要件はなかった。
支持基盤の脆弱さがあった。今でも小沢氏を熱烈支持して他人事のように現民主党政権を批判している浅薄な人たちがいるが、よく考えるとそもそも民主党政権は国民の支持だけが頼りだった。
 
 戦後形成されてきた利権癒着層も政権交代によって其れなりに動揺したはずだが、小沢一郎という政治的要を謀略的に身動きのできないようにし、マスコミを切っ先に必死で巻き返していった。
官僚層はサボタージュを含め傍観していたが、形勢が逆転したと見るや、自らの不見識、戦後形成した対米追従性の本性もあって、今まで以上にアメリカ、サイドに舵を切った。それまでは曲りなりも独自の対アジア戦略を機会あるごとにアジア諸国に提言してきたが、ほぼその一切を投げ捨てた。ここに必ず、毀損、リスクが発生するのを承知して一種の賭けに出ざるえなかった。
 
 アメリカの対アジア戦略はハッキリしている。
 
 韓国、台湾、日本というアジア地域での経済力を持つ国の最大の弱点が政治的軍事的な対外的戦略のぜい弱性である事を利用し、そこを徹底的につき、アジア地域で自らに圧倒的なヘゲモニーを呼び込むこと、そのプレゼンスによって自国の経済的利益を得ること、これに尽きる。
 
 そのために何をなすべきか?
アメリカ主導での東アジアで軍事的緊張状態を絶えず演出する事。
そうすれば、これらの戦略的弱さを抱えた国々はアメリカの手のひらになびくしかない。
 
 この戦略戦術はオバマ民主党政権になってもブッシュ時代の単独行動主義の一国利害追及と本質的に何ら変わっていない。むしろ巧妙、悪賢くなっている。
 
>>>で、どうしてアメリカがそのような振る舞いをしているのか押えておく必要がある。尤も大切なポイントである。
 
 アメリカは強いからそうしているのではない。力が相対的に経済的力が弱まっているから、自分の最大の武器である軍事力の突出でアジア地域の戦略的にぜい弱な「経済大国」を揺さぶり、国内世論を締め上げ、アメリカサイドに持っていき、結局、自国の経済的利害を貫徹しようとしているのだ。
 
 緊迫する軍事情勢から守ってやるから見返りを寄こせ!これが本音だ。
アメリカにとって小泉、竹中の様な政権が理想である。何しろ、アメリカ発の改革要望書を忠実に履行してもらえる。
 今度の東アジアの偽冷戦体制も財閥主導経済で格差拡大で窮地にある韓国のイミュンバク政権救済、
日本に再びしっかりとしたアメリカの利益に叶う政権を樹立し、
台湾と中国との現在の経済的に緊密なな関係に揺さぶりを掛ける、
アジア地域でのアメリカ権益の擁護などが偽冷戦体制構築の真の目的だ。
 
 ところが別の観点が必要だ。
自由貿易を続けていくと近隣諸国の相互依存的経済関係は緊密、発展していく。何も遥か太平洋を越えたアメリカをことさら相手にする必要もなければ、そうする経済的必然性も薄れてくる。
 
 ヨーロッパはこのような関係を発展させ通貨統合までこぎつけた。
二度世界に挑戦し敗北したドイツ資本主義はEUという大きな枠を獲得することで周囲の反発を抑え、輸出拡大体質を温存している。
 
南米諸国の相互依存関係も深まっている。
 
アジアでもアセアンは政治体制の違いを超えてまとまりが出てきている。
 
東アジアでも韓国経済の発展は日本からの機械、部品などの輸入と相互関係にあり、その他台湾、中国との相互関係、日本、中国との経済関係の深まり、など、もはやヒト、モノ、カネの相互関係は抜きがたくある。
日本はこれらの国と関係を深めることでしか発展していけない。
 
そこに当然アメリカの軍事基地を中核とするアメリカの利害が絡まってくる。アメリカはヨーロッパで意のままになるのは旧ソ連圏の東欧諸国。
 中南米のいくつかの親米国。
 
 そして、アジアでの親米国だが、ここでは日本の様に経済発展によってアメリカから経済的に離れていく国々がある。だから、軍事的緊張を無理やり作って政治的に繋ぎとめておく必要が出てくる。
 
 韓国はアメリカとの自由貿易協定を結んだ。コメは除外したが、この国は世界貿易に賭けるしかない危ない橋を渡りきった。自由貿易体制は歴史的なモノで、保護貿易への反転、ブロック経済化も想定できる。そういう事態への戦略的対応力を喪失した国は過去に滅んできたのではないか。
 
 日本はこの時期、慎重に事に当たる必要がある。アメリカ一国利害貫徹を本質とする東アジアでの偽冷戦体制に乗せられてはならない。
 弱っていく相手の利害と共存していたら、破滅する。
 
 戦前日本は上り竜で20世紀の支配者になろうとしていたアメリカに反抗し敗北した。
 
 ところがそのアメリカは21世紀の支配者ではない。
 
 その力の右肩下がりを押しとどめようと必死で他国を巻き込んでもがいている。そんな奴らに余り接近しすぎると、痛い目に会うこと必至である。
噛ませ犬をやっていて気がついたら梯子を外されていた。これが最も想定されるシナリオ。
 
 気の毒な例えだが、拉致被害者の会、救援会の様に日本が成る可能性がある。
 
あれほど罵っていたブッシュは急に何の相談もなく北朝鮮テロ国家指定を外した。
同会等は当初怒ったが、やっぱりアメリカの力に期待するしかない。アメリカはそのような関係を最初から残念ながら見透かしていた。
 
 狭い視野、歴史のダイナミズムによらないその場限りの国家戦略は破綻する運命だ。
今の日本は間違いなくその方向を驀進中である。
 
最後はいつものお決まりのフレーズを。
 
 ドイツは世界に二度挑戦し、失敗に懲りて学んだ!
まだ一度しか負けてない日本人が、ドイツ人より、格別、優秀だとは思わない!
 
ドイツでは亡国のナチスまがいの運動は法律で禁止されている。
またそれに類する運動も盛んだが、国家が当該地域の反対する民間ボランティアを有給にして、住民の啓もう活動を行っている。
 
 そこまでしないと、この種も問題は沈静化できないと学んでいるからだ。
社会のゴロツキども、失業者、不満分子がそういう旗の下により集まり、社会全体をとんでもない方向に向かわせる。結果、打撃を受けるのは経済、生活である。国益毀損はいうまでもない。
 
 真っ当な民族運動!愛国運動、絶対に必要だ!これと政治的投機分子、ゴロツキ、民族差別者、利権屋の見境のない集合は断乎区別すべきだ。