反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

アングロサクソン移民格差社会が日本の実態。バブル崩壊から管政権のTTP参加までの経過から一層の格差拡大。

 日本社会の実態はアングロサクソン移民国家、アメリカ、カナダ、オーストラリア並みの格差社会との証明は過去の記事で具体的数値を挙げて繰り返してきた。
 メキシコ、トルコの様な中進国の数値とも接近している。
 重要な数値は相対的貧困率社会保障費給付率。この二つで十分であろう。
数値を知りたい方はグーグルで検索したらいい。
 
 バブル崩壊以前、ジャパン、アズ、ナンバーワンとたいした根拠のない、もてはやされ方をした時代、これまたムード的に1億総中流とか言われてきた。確かに高度成長経済の終焉、オイルショック、不況と物価高が同時進行するスタグフレーションを乗り越えて、バブル崩壊まで日本経済は紆余曲折があっても浮揚してきた。
 
 1980年代中期の世界同時株安、いわゆるブラックマンデーを切っ掛けに世界から要求されて、日本当局は徹底した金融緩和策の内需拡大に舵を切った。
 で、承知のバブルとその崩壊。
 
 昨年、晩年の大森実さんが日本の戦前戦後史をジャーナリストして現場の実体験を基に解りやすく、概説した著書をじっくりと読んだ。
 
 彼の意見ではバブル経済近辺の日本政府の政策が日本の*戦後の敗北*を決定づけた、とされている。
彼はこの時期の日本政府の金融緩和策自体は批判していない。無手勝流に海外の資産を買いまくる経営者や政府投資をキチンとしたインフラ社会資本に回さなかった、点を問題視している。
 
 ある意味、卓見だと思う。
 
 こういう骨太の意見は冷めた外国からの目を持っている人しか提出できない。
バブル崩壊後の日本経済には一貫して総需要が総供給を大きく下回るデフレギャップが生じている。
興味のある方はGDPデフレータで検索すればわかる。
 
 この数値で注目するところは、小泉竹中路線=徹底した市場原理主義規制緩和が導入されたころ、ライブドアホリエモン村上ファンドによる企業買収などとともに株高が生じた時期があったが、GDPデフレーターの数値は一貫して総需要の減少を示している点である。
 一部に投機的資金膨張がある一方で製造業への非正規雇用の拡大などセフティーネットの乏しい急進的な規制緩和によって、総賃金の低下による消費の全体としての低迷から総需要は伸びていない。
 
 そして、この時期の部分的バブルも崩壊して、格差拡大の社会経済システムだけがむき出しで残って、これへの国民的怒りが戦後初の国民の選挙による政権交代への結実した。
 
 で、以上の経過を振り出しのバブル経済まで戻し、私のシロウト考えの意見。
 
>>バブルの世界に突出した金融緩和経済は世界から言われてしょうがなかったのか?他に選択肢はなかったのか?
 
 日本に仮に政治的自立性が確保されていたら、あそこまで踏み込んで金融緩和はやらなかった、と思う。
当局者は金融経済のプロ。結果は教科書程度の原理原則の範囲で見通せる。
日本の政治が世界の中で自立性が弱いから、世界からの要求に直対応してしまうのだ。ショウガナイと。
ただし、勘違いを無理にして重大政策を納得させるのもの得意ではある。マスコミが大きな役割を果たしている。
 
 しかし、変なと例えだが、仮に中国当局だったらやらない。人民元の切り上げ問題に対する抵抗ぶりから見てもわかる。
切り上げれば、どうなるか、経済学の初歩で明らか。だから自国が有利になるまで時間稼ぎをしている。
これが当たり前の国家当局の対応だ。
 
 日本は今でもGDPにおける輸出依存度は10数%で先進国の中で決して高くはない。
>この現実を踏まえると、政治軍事主権の自立行使がないという現状に行きつく。
外的圧力に対する抵抗力が弱過ぎて、言いなりになって、大切な国と国民の命運を左右するような踏み込みすすぎる決定をしてしまう。多くの国民の生活を犠牲にする政策を実行する。
(ただし、先回りして書けば、今度のTTP参加はこれまでとは次元が違う決定的問題だと言い切れる)
 
 事実その後の長引きバブル後遺症から、小泉竹中市場原理主義による一層の格差拡大の構造化の歴史が証明している。戦後の支配層さえグラついて、小沢さんに対する政治弾圧の様な強権発動までせざる得なくなった。換言すれば、国民の生活を第一にしてほしいという多くの国民の要求は踏みにじられ、TTPの様な新手の格差拡大政策を平成の開国とか言いくるめている。
 新政権誕生が今までより強烈な市場原理主義政策実行のステップボードになっている。残念ながら。
 
>次に
大森さんの言う、インフラ社会資本強化。
 要するに、あの時点では十分な政府投資の資金が確保されていたのだから、基本的公共財への投資は必要だったと。
 当然のことだが、制度として社会保障も少なくともバブル時点までにある程度は充実しておくべきだった。
それをひっくるめての社会資本の充実だ。
 
 格差が拡大し切って、政権交代に至って、セフティーネット充実に舵を切ろうとしても、日本から資本の海外流失傾向は是正できず、デフレ傾向が改まらない段階ではセフティーネットの需要に対して、税収の裏付けに圧倒的に欠けてくるのは当たり前だ。
 
 >以上の文脈から小泉竹中市場原理主義政策の性格ははっきりする。
ただでさえ消費に占める割合の大きい総賃金が減少し、総供給に対して総需要が減少が長年継続し、巷にカネが回らなくなっているときに、政策によって、大資本有利な経済環境を意図的な生み出したから、多数の国民生活は疲弊する。
 
 >政権交代によってもこの時、一層形成された格差拡大の社会経済システムは是正される方向にないどころかTPPのようなもっと大規模な格差拡大策に至っている。
経済のシステム変更に舵を切るためには社会保障などカネがかかる。しかし、様々な分野の政治システムは変えることができるし、そのことで社会環境が整備されるのだが、戦後形成されてきた既得権側からの抵抗で投げ捨てられているどころか特捜検察マスコミの攻撃に依拠して政権にしがみついている始末である。
 
 >小沢さんへの攻撃、普天間問題、尖閣問題。増税管政権の登場。朝鮮半島問題をへて昨年のAPEC前から突如、管政権、マスコミによってTPP参加が叫ばれている。もちろん消費税増税、小沢さんへの政治弾圧とセットである。
 
 >一連の流れをたどっていくと、この大きな政治方向は国民多数にとって、ただでさえ拡大している格差を一層拡大し、根なし草国民に仕立て上げていくことは明確だ。気をつけないと日本国民全体が格差に喘いでいても小沢起訴の検察審査会11人のような権力の言うがままの子ヒツジになる。
 
 >TTPはヒト、モノ、カネすべての方面で国民にとって不利益をもたらす。
 
 >たとえばアメリカを筆頭とする参加国から無関税で流れ込んでくる農産物は日本農業と農家を壊滅させる。
同時に、勤労者の所得を下げる。この辺の法則的事態は以前のブログ記事でかなり細かく書いた。
 
 労働力商品の再生産費(自分と家族の生活の再生産費)は基本的にその国の生活水準に見合った生活必需品の価格で決定される。ゆえに食料品が安くなれば、底辺でのフレシュな労働力の再生産が可能となり、全体として総賃金は低下する。中国、韓国。給料が安くても食料品は安いから、使い物になる労働力は調達できている。
 
 TPPによって日本の勤労者が中国、韓国の水準に結果的に近付く。
 
 この辺の細かい説明はアメリカ流の経済学ではほぼ不可能。中野剛志さんという経産省官僚で京都大学に出向している方がTPP反対の論陣を張っておられる。興味のある方はザ、ジャーナル等々を参照されたい。
ただし彼の証明の理論的根拠ーTPPデフレ促進論ーは彼がイギリスに学んだことと無関係でない。アメリカに学んでいたらそういう問題の立て方ができない。
 彼はそこで私が少し示したような経済原則に踏み込んで説明していないので議論が見えにくくなっている。
賃金論の基本から説明しても解りずらい側面がある。賃金奴隷制の様な方向に踏み込まなくては徹底したした議論にならない。
 いわゆる社会民主主義の観点は資本と労働の関係を分配の問題に解消しているが誤りだ。科学とは常識を超えたと所に真実があることが多い。
 
 食料品が安くなったら生活が楽になる!全くの俗論である。全体として、また、期間を置いたら絶対にそうならない。TPPが実施されてしばらくすると、国民は現実に気づくだろう。そのときではもう遅い。
 
>さらに参加国でとびぬけたのGDPを誇るアメリカは失業率9%のデフレ、近隣窮乏化政策的ドル安を一貫して思考してるので日本の過剰生産を吸収できる体制にない。アメリカのドル安誘導はTPPによってもっとやりやすくなり、日本の資本の現地法人化は加速される。TPPであれば雇用は増えない、デフレは進行する。
 
 >また参加国の中で日本は交渉でアメリカの基準を飲まされるだろう。
自国にアメリカ軍隊を駐留させ、東アジアでの政治軍事的な主導権を握られ、時と場合によって緊張状態を生み出す国と対等な交渉はできるはずはない。
 経済規模が倍以上もある国で軍事的政治的力がまるっきり違う国アメリカと日本の交渉関係はEU発足に向けたフランス、ドイツとの互恵関係を望むべくもない。
 >仮定だがTPPに韓国中国の様な近隣の強国が参加して初めて、日本は交渉でアメリカを相対化できる。
>だからこそ、多方面から考えて、前のブログ記事で「平成の開国」を言う管政権にTPP参加決定をさせてはならないと主張した。
 
 それは日本の象徴としての資格さえ怪しい外務省の報告文章に記されている政治のない経済主義丸出しの路線をオウム返しに唱えているにすぎない。デカデカと報告書の最後に赤字で*国を開く*なんて強調していたっけ。外務省の様な政治のない経済幻想、経済合理主義、上辺だけの姿勢の直対応ではまともな交渉はできない。
 
 世界の新帝国主義の段階は明らか。
戦略的力のなく、経済力のある日本のような国は国民生活を強国に差し出して大資本と富裕層が生き延びていくしかない。日本もアメリカの様な国民の分裂が不可避となる構造が定着する。
今度という今度は国民生活とって決定的な及ぼす。
国が滅びるんじゃない、利権癒着層は生き残る。滅びるのは国民とその生活である。
この分裂を恐れない。立場の違うものは違う。譲れないモノは譲れない。至る所から反撃していく。
 方法は様々。
 
 以前のブログで名古屋市の河村前市長を批判したが、原則問題はあるが、敵の敵は味方である。
自民、公明、民主相乗りの石田元犬山市長、現衆議院議員(管支持者)を相手に展開されている市長選。
管政権と自公勢力との連合の予行演習になる可能性も出てきている。河村勝利は管政権のその出鼻を緒戦でくじくことになる。そう思っていたら、阿修羅に同じような投稿が載っていた。
 
 戦いは徹底して政治的にやらなくてはならない。
河村さんには悪いが市長選に例え勝っても、統一地方選の結果において彼の思い通りにはならない。そこまで見通すと。
 
>河村氏を支持する!という結論になる。