反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

沖縄の最北端、国頭郡一帯がヤンバル。2万2千hの30%が米軍演習地。20以上の米軍ヘリポートがあり、さらに高江地区に新たなヘリポートを建設中。住民が反対している。

 沖縄県国頭郡東村高江。ここに米軍が新たなヘリポート建設に画策し、日本の防衛省施設局が人員を動員して、米軍の代わりに建設反対の地元住民を強制排除し建設を強行しようとしている。
 
 那覇から約、70キロ北上した太平洋側に普天間基地移設先と日米両政府が勝手に決めている名護市辺野古がある。
 
 辺野古はまだヤンバル地域ではない。ヤンバルとは確か沖縄言葉で山の地方だったと思う。
辺野古から、直線距離で30キロばかり、北方の太平洋側に、沖縄県国頭郡東村高江は位置する。ここら辺りから、北全部の地域はヤンバルである。国頭郡全体がヤンバルと思っていい。
 
 地元沖縄の方は気がつかないかもしてないが、那覇から北上すると車窓から見える景色が変わっていくことに気づく。沖縄本島は大体、北東方向に細長く横たわっているから、北に行けば、植生が違っている、と解る。
北の方では松なんかが生えていたし、全体に亜熱帯の雰囲気は少なくなっているようだ。最南端、糸満とはずいぶん違う。
 
 沖縄本島の面積は淡路島より狭いが平坦地は比べようのないほど多く、100万弱の人が暮らしている。
山地は北部ヤンバルに集中している。沖縄の水源地でもある。
 
 
 
  後からの修正書き込みになるが、離島にとって水源地は大切なモノ。水なしでは人間は生きられない。
離島では水源地にキャンパーなど部外者が入ることを極端に嫌う。大切な飲み水の元である水源地が汚されるからだ。
 
 那覇市では今はどうか知らないが、降雨量が少なく、水使用量の大きい夏場、断水状態になった。
ヤンバル後は沖縄本島の優一の水源地である。
 そこの30%が米軍の演習地。アフガン戦闘などで血をすする、米兵の訓練基地が唯一の飲み水を確保する場所になっている事実はどう考えればいいのか。
 
 水源地が殺人訓練の場になっている。それを許し、沖縄に米軍基地を集約させ、何もない様な顔をして戦後、暮らしている日本人がいる。
 
 問題は感性の問題にとどまらず、物理的自覚の問題である。
 
 日本の戦後の平和と繁栄はアジア人民の戦いと日本でいえば沖縄の屈辱の上に築かれたモノとの自覚がいる。
 朝鮮特需でよみがえった日本資本主義。ベトナム戦争も間違いなく日本経済に潤いをもたらせた。
沖縄は耐えてきた。高度成長のエネルギー急速転換によって、筑豊の炭田はつぶされた。
農山村漁村は過疎地になった。
 
 こうしたもろもろの礎の上に日本資本主義の今日はあり、TPP開国の叫ばれている、今日さらなる礎を国内的に何処かに求めなければならないとするのが、当たり前のマクロ的経済学だと考える。
 
 今までは、他国、他民族、少数派に己の繁栄の犠牲的転嫁をしてきた日本国民の多数派が、今度は酷い目にあう番である。
 
 かくして日本国民は敗北しなければならないのである。
これが私の相も変らぬ、中長期的展望である。
 破滅論の様になっているが、真理を突いているとの確信がある。
 
 
 
内陸部、海岸部の一等地に米軍基地が展開しており、確か、全面積の20%弱を米軍が占拠しているはずだ。
 
 住民は都市部に集中して暮らしている。那覇などは本土の地方の県庁所在より、はるかに都会であり、初めての訪問者は驚くはずだ。
 
 基地経済、観光、国からの公共投資が住民の暮らしに重要な役割を果たしているのは間違いない。
従って、どうしても物価高になり、生活を困難にしているが、住民同士の関係が本土とは格段にゆったりとしているし、本土とかけ離れた、独自の文化圏を持っている。本土の人間にすれば、沖縄では別次元の時間が流れていっているように感じる。本土から沖縄に移住する人はこの点に救いを求める人が多い。
 
 リタイヤして住むにはいいところなんじゃないかな。
こう言っては悪いが、カネに不自由しない人で、のんびりと日本を相対化しながら生活できるところ、また日本の矛盾点の凝縮するところは沖縄しかない。人も風土もいい。おまけに米軍が密集している。
 沖縄から日本を見た方が日本がよく見渡せるのではないか。
 
 私なんかもカネに余裕があれば、沖縄に移住する。日本は余りにも世知辛く、ギスギスし過ぎている。
どうでもいい方向への努力が多すぎる。
 
 私が沖縄を訪れたのはずっと以前だったが、当時から既に那覇でも南端のヨナクニ島でも本土から流れていってゆったり、ボンヤリと暮らしている人がいた。
 
 辺野古地区で基地移設反対運動を地道にやっている方の中に偶然、昔、名前を知っている人が出てきてびっくりしたけど、あの方も昔から南方指向だった。
 ゴーイング、マイウェイ。自分流の戦いをし、人生を楽しんでおられる。
 
 沖縄には独自の文化圏があり、独自の風土がある。人と人との関係も本土と違ってゆとりがある。
日本が大切にしなければならないところである。
 
 が、戦争に負けて、そこに日本の米軍基地の実に80%が集中している異常事態がある。
 
 今後の東アジア情勢の中で沖縄に駐留する米軍の本当の目的はアメリカの利害を守り、貫徹すること。
これが第一である。
 
 日本アメリカの安保マフィアはこの冷厳たる事実を完全に隠している。
 この関係から日本が成長するアジアから、利得を得ようとすれば、必ず、アメリカに政治的利得を与えるしかない。その%は次第に大きくなっていくであろう。
 
 アメリカは自国のために日本をしゃぶりつくすしかない。アメリカ国民の生活水準を維持しようとすれば、簡単に大量にカネを巻上げられる相手は日本以外に見当たらない。
 日本の支配層もアメリカ頼みなのが、この政権交代で一部の国民の中でははっきりした。
 
北朝鮮や中国に日本を攻めてくる理由がない。将来経済関係が深まろうが、それは現在のアメリカと日本の経済関係と同じようなものだ。
 
 沖縄、ヤンバル、高江ヘリパット建設は同地域の実に30%を演習地として占拠するところに建設されるモノであり、アフガン戦争の最前線で人を殺しまくっているオスプレイも配備される。
演習地はジャングル戦、山岳戦を想定とする実践訓練の場になっている。
 
 新たなヘリパットの建設は辺野古基地建設と一体のモノであろう。
 
防衛省の防衛大綱の要点はソ連に対抗し、北方展開していた主力布陣を南方に展開することである。
中国の経済力の伸長は急速であり、それにつれて、軍事力の強化は当然ある。
この想定の下、アメリカの極東戦略は構築され、その一部としての自衛隊の利用も想定されている。
日本政府はアメリカの軍事力の極東展開の駒としての自衛隊の軍事展開を是認して、一体化している。
もはや日米安保は集団自衛権行使を前提としたものに変質している。
 
 ところが日本とアメリカの経済利害は対立する局面が増加していく。日本は成長するアジアから利得を引き出すしかないが、アメリカにも同じ様な画策があり、その面からも競争相手である。
 
 TPPが平成の開国だと管政権は言う。
ところが、そのTPPに韓国や中国は参加していない。最も近隣の経済力のなる国が参加していないTPPはすべての分野での規制を撤廃するような」急進的な排他的な経済圏構想である。
 
アメリカは軍事面で日本を自分の手ゴマとして組しき、対立する経済面でもTPPによって組み敷こうとしている。
圧倒的な軍事力、政治力を駆使して、日本をアメリカ経済制度の一部に取り込もうとしているのである。
 
 このような大きな政治目的を達成する、という無理を通すためには、どうしても東アジア地域での軍事衝突を含めた緊張関係が必要なのである。
その大枠があって初めて、日本国民にアメリカの経済的な無理強いを納得させるほかないのである。
 
 沖縄ヤンバル高江のヘリパット建設はそういうアメリカの東アジア軍事戦略の布石である。
 
 アメリカは東アジアの軍事的緊張関係の持続の中で日本が東アジアで中国、北朝鮮への噛ませ犬になることが望ましい。その裏でアメリカのみが単独で裏交渉権を持つ。
 
 そういうアメリカ戦略のもとで階層的利得を得ているのが、日本の利権癒着層だ。日本の利権癒着層の買弁性は強まっていく。なぜなら、経済法則的に関係が遠ざかっていくモノを政治力を利用して無理やり、近づけようとしているからだ。それが日本の利益になると強弁しながら。
 
 やはり日本人にとって、困難な道だが「日本の独立」が最高課題となるしかないし、現になっている。
だからこそ、この戦略的問題を巡って、国論が上から下まで割れている。