反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

消費税増税、TPPをセットにした究極の格差拡大の戦略的な大攻勢への戦いは持久戦になる。

 来年度予算の可決、その後に控える関連法案の可決を巡って、国会の政局は緊迫度を強めている。
衆院選比例区当選民主議員16人の新会派結成によって、管政権は野党の反対の中、衆院3分の2決議さえ、危ぶまれる国会情勢になっている。
 管執行部はすでに小沢元幹事長の判決確定までの党員資格停止を決定している。
 新会派を結成した国会議員の主張の要点は管政権のマニュフェストから余りにもかけ離れた、消費税増税、TPPなどの裏切り的政策大転換を問題にしている。
 その他、原口元総務大臣に代表される、名古屋河村、大阪ハシモトの地方政局の大きなうねりと連携する動きもある。またそれけん制する西岡参議院議長の発言もある。
 
 当面の政局の焦点は野党が予算案に反対する中で民主党内闘争の攻防に焦点が絞られてきている。
 
ネット上の論客の意見も出揃っているようだ。
 
 その中で一貫して純度の高い論評を展開してきた植草一秀さんの意見に注目する。
 
 私の彼の論評に対する基本的な意見は、財政経済評論は素晴らしいと思うが、政治的緊張場面での意見は妥当性を欠くことが多い、というものだ。当たり前だが、彼は万能ではない。得意分野とあまりあてにならない分野がある。
 
 小沢さんの党員資格停止を巡る内紛を称して、管政権の党内運営は連合赤軍と規定しているようだが、かなり戯画化された評価であり、国民新党の亀井さんの見解の理論家らしからぬ安易な受け売りである。
 
事態をきちんと把握しないと間違った政治方針が飛び出してくる。
 
 私に言わせると、連合赤軍は街場の活動の場を一切ふさがれ、山岳地帯まで追いつめられた軍事冒険主義に凝り固まった一戦闘団に起こった史上類を見ない悲劇である。党の問題ではなく、孤絶した戦闘団の問題だ。
 
 民主党に発生している党内闘争を新左翼党派のモノから類推すると某党派内の凄惨な内ゲバである。
 
暴力は政治の延長でもある。形が暴力的に表現されていようと、民主党の様にかつての最高指導者の判決までの党員資格停止という合法を装おうと本質と現象は一致する。
 
 結論を先に。
民主党はこのままいけば、結果的に極端に縮小した政党になる。内閣支持率17,8%は現段階の中央地方の民主党議員たちへの当選確率ではなく、民主議員の当選する確率はもっと低く悲惨である。議席と政治的影響力は撃滅する。それはこの間の各種選挙の結果が証明しているが、事態はもっと進行している。
 
  この事態はいくら管直人でも解散すれば民主全員が泥船に沈むと把握している。首相の専権事項である解散権は行使できないと見る。そこまでのアナーキー性があったら、就任後、利権癒着勢力と一体化するような秩序派丸出しの政治に舵を切らない。
 
 ズルズルと時間稼ぎをして、予算を人質にとって、マスコミの唱和の力を背景に局面の打開を図ろうとするだろう。反小沢政治の一方の目論見だった野党との連携は願望に過ぎず、その未熟性に付け込まれ、もてあそばれた結果に終わり、あとはマスコミ報道頼みしかない。
 
 内閣改造を亀井氏は進言しているようだが、管内閣が辞職して、新しい内閣が誕生し、その下での予算案の可決の段どりをする可能性も強い。野党は統一地方選もある。今動けば損をするので動かない。
 
 だとしたら、今後一連の政局に一喜一憂するのが愚。持久戦で戦うべきだ。
 
日本と日本国民の将来を含めて、民主党に注目するしかないという現実路線をとる方も、対象が悪すぎることから、距離を持って見つめるべき、と想ううが、それは個々人の自由だ。
 
 私は民主支持を決めた時、ほとんどの国会議員のホームページを閲覧したが、記載されていることは、万人向けにワザと内容を薄めているモノと理解していたが、あれが彼らの本物の中身だった、解った。
 
 あの程度なら、酒を酌み交わしても話は一切弾まない。彼らは私にも興味がないだろうが、私と彼らに何の接点もない。要望もない。
 
 あんなの街場の世渡り上手の出世主義者の変形だろう。そいういう奴が集まって政党を作り、政治をやっている。肝心な時に日和見になるのは当たり前。
 
 で、小沢さんの言い方ではないが、理屈をつけて楽な方に流れる。
流れているうちに、処世術の具が本当に思えてきて、何か大層なことをやっているように錯覚するようにさえなる。
 操る方としたら、少々手間がかかる、と想っているから、素っ裸にして醜い姿を国民の前にできるだけ晒させ、ハイお払い箱。
 
>某党派と民主の現状が同じなのは
まず、労組部分の離反がある。
連合幹部も内心では匙を投げているのではないか。彼らは自分たちの要求が通れば、別に民主党でなくてもいいわけだ。
 問題は幹部の下の連中。ここが離反している。選挙でも活発な動きはしない。
 
原口など地方政治との連携部分は片足を民主において、片足を地方政治の流動化においているが、ベクトルは地方政治の動きを背景に民主党内紛争の混乱に乗じての主導権の確保。
遠心力と同時に内紛混乱要因ともなる厄介な存在。小沢さんの本来の政治スタンスとは距離がある。
 
 党内内ゲバ主力戦闘部隊は原口らの待機勢力と丸裸になった管、小沢のガチンコ激突部隊に分解する。
権力を握っていない小沢さん側は内部固めの組織力がいるし、反対だけではない積極的方針もいる。
 従来、内部抗争時、小沢さん側はこの点が弱かった。
 
>16人の会派が踏みとどまれば、管内閣は退陣し、別の内閣ができる。
言い換えれば、小沢さんがどういう布石を打つかだ。
彼らを説得し、政権党として予算案成立で妥協させるのか、倒閣に踏み込ませるのか。
倒閣方針になれば、別の内閣を想定した布陣が必要。
 
ただ、小沢さんに彼ら全員をコントロールできるか否かの問題もある。
 
>解散だけはないという前提から想定すると、騒ぎが大きいほどには大したことにならない。
 
>全体の政治の流れを見ていく必要がある。
 
 消費税増税、TPP路線は庶民不況深化、あやゆる分野での格差拡大、グローバル資本への多数派国民の隷属しかもたらさない。政治的軍事的主権のない日本の唯一の主権、経済主権が簒奪される。
 
 経済主権とは中小零細資本の国内活動領域の確保であり、国民経済の独自性の確保である。
TTPは急進的な排他的経済圏構想である。日本の参加は日本がアメリカ制度に包摂される道にしか帰結しない。
 
 以上の様な歴史的転換点への日本政府のかじ取り、方針に注目すべきで、この観点から、内紛において各勢力がどういう路線選択をしているか、凝視すべきだ。判断基準はここしかない。
 
政局の虜になって全体の動きが見えなくなり、から騒ぎばかりしていると、結局歯車の一部に利用されるだけになる。
 
 >小沢さんがどう出るか非常に興味がある。
この春の小沢さんの動き次第によって、その本当の姿がはっきりする。
今までイロイロな政治傾向の意見をまとめ上げてきたが小沢さん自身が集約しなければならない時期に来ている。
 
 何度かの小沢記者会見において週刊金曜日の記者が全く同じような質問をしていたが、私の疑問点もそこだ。
小沢さんの中で市場原理主義的傾向の上に社会民主主義の要素が接木されている。この問題は言葉でいえば簡単だが、実行は大変な困難が伴う。
 
 現にこれだけ抵抗を受けてきている。
 
 多分、小沢さんは自分の原理原則を貫くと思う。全体を見渡し、判断する政治センス経験もある。
孤立も想定の上だと思う。ハシモトや河村に流れることはない。本流を歩んできた政治家としてのプライドもあり、邪道の道は歩まない。