反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

冷却作業年単位で、圧力容器破損か、との29日原子力安全委員会記者会見が今現在の最も妥当な見解と判断する。

 原子力安全員会の29日の記者会見はこう云っている。
2、3号機の圧力容器について「圧力が上がらないということは何処からか漏れ出ていると見るのが自然だ」
 
 ところが同じ圧力容器内の状態に関して東電の29日記者会見はこうなっている。
「各パラメーター、温度、圧力を総合的に見たところ、燃料棒の状態は落ち着ついた状態と判断しており、今後とも熱に見合った注水作業をしていく」
 
 一方は圧力容器の破損の有無を判断し、他方は燃料棒の溶融状態を判断しているが、東電の見解は温度圧力の安定をあたかも圧力容器自体も正常な状態であるかのように想像させるものとなっている。
 
 どうしてそうなるのか。
 
 原子力安全委員会の停止以降の原子炉圧用容器内の基本状態の説明で素人でも理解できる。
 
「核燃料の熱は止めた瞬間に(運転時の)数%落ち、1~2週間で1%落ち、そこからはなかなか落ちない」
「原子炉の冷却に使った水を海水と熱交換して(海水で冷やす)循環させる系統の復旧が必要」
 
 ところが現状は
「海水をくみ上げるポンプが故障し、発注だけでも数カ月かかるが、循環系統は1、2年で復旧させなければいけない」状態で
 
緊急冷却循環系統が機能していないのに圧力容器内の圧力が安定しているということは
 
>>圧力容器自体が損傷している、とみるのが自然となる。
 
 東電の見解によれば、圧力、温度の安定は燃料棒の現状の落ち着いた状態にすり替えられている。
 
>燃料棒の熱は冷却循環系が回復しない以上簡単に冷めないのだから
 圧力容器内の温度圧力の安定は容器自体の破損の可能性に結びつけるのが、自然。
(破損によって漏れているから、温度圧力が安定している)
 
じゃぶじゃぶ水浸しにしている作業の効果が上がっているから圧力容器内の温度、圧力など各指標が安定していると見るのは核燃料棒の安全員会の説明する本質からみて妥当性に欠ける。
 
>水をじゃぶじゃぶ離れたところから人為的にかけるような作業しかできない現場事情で核燃料棒の熱を次第に冷やしていくことはできない。
 (この作業に使った汚染された水の処理も当然問題になる)
 
 よって温度、圧力の安定は圧力容器自体の破損に結び付けられる。
さらには運転圧力70気圧、設計圧力80気圧の圧力容器の損傷は、それを覆う格納容器の破損へと連動させるのが、これまた自然だろう。頑丈な建屋を吹っ飛ばす水素爆発も起きている。
 
 格納容器の設計圧力はたった4、3気圧。
これは通常のちょっと大きなボイラー程度の設計圧力。
したがって、圧力容器、格納容器破損による、放射線、各物質の強烈な外部への拡散状態に今現場はある。
 
 当然作業は困難を極めており、進捗状態も少しづつとなる。
このまま放水しっぱなし、では解決の糸口に到達できないということだ。
 
今回の原発大人災の終息作業の見通しは今後何年もかかる世界最大級の原発事故だ。
マスコミ出演の原発御用学者解説者の当初の言説は犯罪行為に等しい。
チェルノブイリどころではない。地震津波災害も重複している。
さらに気をつけなければならないのはこの災害が日本歴史の転換点に発生しているということだ。
災害対応を結節点に日本が悪い方向に誘導される危険性を秘めている。こちらの方の監視も緩めてはならない。
 
 >人体環境汚染が拡散する。
当面の作業員の方の健康が心配される。
 
 首までぬるま湯につかったような東電の様な完全独占企業に当事者能力はなかったし、この記者会見を見て今もない。
電力独占企業のトップが経営者のトップ面してきたこと自体がおかしいのだ。
その企業活動が果たして民間企業経営に当たるのかどうか、大いに疑問。
 トップが最大級の責任、間形社員の物的責任追及が妥当と考える。
 
 国側の責任体制は権限を持っている部署が天下りの巣窟となってきた。
官民総ぐるみの間違った体制が暴走し、今回の様な事態を引き起こした。
超最低限プルトニウム原子炉のような世界中で危険性が指摘されている原子炉をどうして日本の様な自然的最低立地条件の所に設置推進しなければならなかったのか?
 
 関係者一同の政治責任の追及を記憶しておかなければならない。
国民の前に引きずり出せ!