反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

突然の1号機メルトダウン発表。これまで作業進捗状況のリアルな全貌を公開しないで、突然の異常事態発表では人心が動揺する。

 >>>5月12日、深夜の読売新聞配信ニュースによれば当局は1号機において「典型的なメルトダウン症状」が発生ていることを公表した。まさに絵にかいたようなメルトダウンが発生している。
 情報源はヤフーニュースとビッグローブニュースだけという限界を承知で意見を。
 
>>問題点は三つぐらいの分野に分かれていると想う。
 
まず第一。
現場対策本部でさえ事故現場の全貌を掌握しきれていない。
事故は1~4号機の多岐にわたっており、個別の「症状を抱えている」。
 
 各々の事故現場の欠陥個所がコントロールの効きにくい状態で暴走気味である。
次々に新しい問題が発生してきているのではないか。だから、全貌を掴み切れていない。対策は後手後手に回っている。
 
 一昨日にはMOX3号機の取水口の立て坑で超高濃度のセシウム汚染水漏えいが発見されている。
 
 自分の記事の中で今まで貯蔵された汚染水7500トンならば、注水量は計測しているはずだから、差し引いた値が、地下、海、建屋などに流失しているはずで、その量はとんでもない数値になると指摘しておいた。
 
 今日のニュースによれば、私の指摘しな様なこれまでの注水量と現在の圧力容器に溜まっている水を計算して、メルトダウンで容器底に開いている穴の大きさまで割り出している。
 
 だったら、海や地下に流失した汚染水の量ぐらい簡単に計算できる。隠ぺいしてきたのかどうかは解らないが
 ただ、もう、現場が疲労困憊でそこまで配慮できないようになっている可能性もある。
 
 5、12ニュースにも現場の混乱がうかがわれる。
 
ナント、圧力容器内の水位を計測する水位計が未調整で実際の水位は容器の底あたりにあった、と。
建屋を吹っ飛ばすほどの強烈な水素爆発、3号機プールの核爆発による、計測器の故障は素人でも懸念するところである。
 ズット以前、実際に私にも原発建設作業従事のベテラン職人さんから、計器は大丈夫か、との質問を受けたが、機械モノなので拙いんじゃないか、と答えておいたが。
 
 >東電現場とすれば、メルトダウン状況はつかんでいた。
 
ズット以前の1~3号機の燃料棒破損状況の公表から、1号基においてナント70%としている。
70%なら、1センチ円柱を50本もまとめて各々被覆し、集合体とし、4メートルも積み上げている、燃料集合体は溶けて崩れ落ちていると考えるのが常識である。
 
 ただし、東電側は圧力容器の水位は故障した計測器で測っていたため、注水効果でずっと上の方になるとみていた。
 
 ところが、いつ頃か、容器内の温度と圧力、注水量との関係から圧力容器の漏れが以前より酷くなっていると判断し、メルトダウンした燃料棒近辺まで水位が下がっているのでは?と疑うようになって、水位計の故障に気付き、慌てふためいて、12日に隠していたメルトダウンも含めて公表せざる得なくなった。
 
 以上の様な状況掌握さえできていない事態は、1号機だけでないと想う。
 
第二。
 情報公開のやり方に問題点がある。
 
 当局は当初から、一貫して、原発事故現場の全貌を明らかにせず、情報隠ぺいしてきた。
全貌を明らかにすると人心が動揺し、パニックとは言えないまでも、必需品買い占めの様な事態の発生を恐れてきたフシがある。政権の指導力も問題視されるだろう。
 
 だから情報を断片的に小出しにして、徐々に小さな異常事態を積み重ねる事で異常事態の全貌を一気に知らせることを避けてきた。
 
 戦時中の敗走日本軍の大本営発表の様なモノだ。極端にいえば。
 当時、大本営が映画ニュースでパット地図を広げ、軍事情勢を解説すれば、いくら洗脳されているといっても当時の国民も一気に事態を把握できただろう。
 
 管政権も、明らかに肝心なことを含めた情報一気開示を避けてきた。危機管理のつもりなんだろうが。
 私も自己流の解釈である程度理解しているかのごとき記事を書いたこともあった。
 
 >だが、その後、自体は小康状態を保っているかのごとき、報道が続いていることに、これでは、余りにも現場実態とは違う、こんなデタラメでなんとなしに、気休めしていると、とんでもないことが起こる、と変わっていった。
 
 私は、関連する方面で飯を食ってきた人間。責任を持って事にあたった経験もあり、特定分野での自分の意見には自信を持っている。
 福島原発事故はどうしようもない段階だ、という見解に揺るぎはなかった。
 悲観も楽観もなしに、できる限り調べた結果、そういう結論だった。
 
途中から、
>>現場作業状況の実態をキチンと明らかにせよ!と云う見解に変わった。
楽観論が垂れ流されると、重大事態が発生した時、動揺と不信の反動が大きい。
 
そこで。
 
NHKのテレビカメラでも入れて編集なしで、キチンと解説(もちろん、原発村以外の解説者だ)したらどうか、とまで書いた。
 
 これまでの作業の経過、進捗状況を1~4号機、其々に個別に明らかにしなければならない。
またネットなどで認識されている疑問点への回答も欲しい。
 
 >当初、当局の原発事故情報の発表方法は東電、保安院、政権と個別にやってきた。
 
 >>>所が情報が錯綜するということで、統一する事になっていたが、今回の突然のメルトダウンの様な重大発表が東電単独の発表になっている。
 重大発表なのに政府と保安院は東電の後ろに隠れているような状態だ。
 
 もはや、国民の間で東電への信用は失墜しきっている。そんなモノが1号機メルトダウン発表すれば、さらに国民間に今後に対する漠とした不安が広がり、浮足立ってくる。まだ、何か隠しているんじゃないか?
もっと酷いことが起こるんじゃないか?と。  
 
 >こういう重大発表は、信用失墜の東電にやらせるのではなく、まだ東電より信用されている管政権が前に出て発表すべきである。
 
 当然そのことによって、事故対応への政治責任の背負い込むことになるが、この国家的重大事態。
国政に責任を持つ政権の当たり前の行為である。
 
>東電にやらせるということは責任のトンデモナイ回避である。やっていることが余りにも姑息すぎる。
 
 尖閣事件の船長釈放を那覇地検の権限で行ったとする、卑劣な責任回避と同種のモノである。
 
>想えば管政権は、ズットこういう政治手法をとってきた。
小沢一郎を悪人に仕立て上げるマスコミに同調して政権浮揚を図ってきた。
 
 ただし、こんな卑劣政治は管民主党政権だけでない、もっとうまくやったモノがいる。小泉純一郎一派である。管は下手だっただけだ。
大阪ハシモト、名古屋河村、なども同種である。
 
 話題が横道にそれているが、要するに、
 今や、以前の様な文脈なしの情報操作では国民の人心掌握はできないということである。政権が国民の人心掌握をできなければ、東日本大震災復旧、原発事故収束はできないということだ。
 今の新帝国主義時代到来の国際環境からしても、政権が前面に立って、責任負って事態に対応していく必要が生まれている。
 
 責任を負うということは、福島原発事故対応において、今までの様な情報小出し、情報操作を回避して、脈略のある、論理的な情報開示をしていく。これが出発点である。
 
 姑息な政治をやって、場当たり的な対応をしていても、福島原発事故現場の核「暴走」が政権の脆弱な実態を白日下に晒していく。
 
 第三。
勿論、今後の具体的な現場対応策である。
 
事故現場を、どうして収束していくのか、不思議でしょうがない。
 
 圧力容器の底に沈殿した溶融核燃料が100度~130度の水で冷やされたままの状態を保てるのかどうかは
原子力に全く不案内なのでなんとも言いようがない。
 
>でも一般に流附されている筋書きでは、圧録容器底の直径、数センチの穴を拡大させつつ、メルトダウンした核燃料がポタポタと格納容器に落ちて行って、再爆発を引き起こす。
 
 そして、多量の核種、放射線が1~4号周辺に撒き散らかされ、作業員の一切退去の事態に立ち至って、注水冷却もできないまま、各号機で一斉にメルトダウンが進行する。
 
 以上の様な最悪の事態への備えはあってよい段階に来ている様な気がする。
 こう考える人が多数生まれていくれば、人心は激しく動揺する。
 これを回避するためにも政府が責任を持って事態収拾作戦の前面に立つべきだ。
 
国家の様な発表を信用失墜しきった東電にやらせるなんて最悪の広報活動である。
 
ただ、有りのまま知らせたら、いいってモノでもない。
 やり方を選ばなくてはならない。
稚拙な政治である。
 
最後に。
コメントを頂いた方の様な、ホットスポット状態の地域の方たちは異常な核種の蓄積、放射線量に晒され、生活健康被害を受けている。
機械的な被害区域線引きではホットスッポトの方は賠償から漏れてしまう。
 
 完ぺきな政治の問題である。
 原爆症認定をあえて持ち出したのは、国や行政の本質を理解するためである。
裁判になったのは、機会的認定基準に国や行政が固執したためでないのか?
 
 当該者以外のモノが理解を深め、気持ちだけでも後押しできるようにならなければ。
私にも誤った認識があった。