関心のある個所を再読すると論文作成者の計算間違いを見つけた。
事細かに目くじら立てているわけではなく、メモッた数字と内容を報告するために再読していて間違いを見つけたので放置できなかった。
作成者は学者を目指す人らしいが、こうした地方自治体というか特定地域の研究者の「研究成果」が地方自治体の都市政策や地域政策に学的根拠や方向性を与えるばかりでなく、学者さんたちが特定地域への地方自治体の政策動向に「積極的に」関わり影響力を発揮している状況がリアルに進行中である。
その意味で研究者はもっと考えてほしい。
ジェントリィフィケーションの提灯持ちになる。
生身の人間個々の力を最大限発揮できるための根拠を提供するのが人文学者の仕事とWは思っている。役人もどきの学者はいらない。
もちろん主体側も過程で問題を孕んできた。魚心があり水心があり続けてきた。卵と鶏のような関係。論理矛盾に気づいていないというか蓋をしている。原初的矛盾に蓋をすれば机上の論理が優先される。誰かが一番得をし、その次に得をする者がいて、その他大勢がいて、拡大潜在その他大勢がいる。
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公営住宅の福祉的利活用に関する研究
-地域福祉拠点の展開に向けて- 平成 25 年度
大 阪 市 立 大 学 大 学 院 生 活 科 学 研 究 科 生 活 科 学 専 攻 山 田 信 博
問題個所を引用する。
「1年間に発生する入居可能な空き家の入居形態等の内訳は図4-5である。
入居可能な空き家は年間で約3,900戸存在し、
建替え事業等による特定入居を除く公募用住宅は約3,300戸存在となる。
11回落選者特別措置等の抽選によらない優先入居により入居者を決定する住宅が約1,000戸で、残りの約2,300戸の住宅が定期募集等の抽選による公募可能空き家となっている。
この定期募集等の応募対象となる住宅のうち、約500戸は応募を行っていない。
さらに当選後の辞退も約400戸存在しており、合わせて年間約900戸の住戸が空き家となっている。←W。約1400戸/年
>この空家数は、定期募集等の抽選による公募空き家数のおよそ4割となる。
↑
W。およそ6割である。実質的な空き部屋が定期募集戸の4割なんていくらんでもあり得ない!
3900戸ー(600戸~建て替え事業特定入居者~+1000戸~11回落選優先入居者~+500戸~応募対象になるはずがなぜか募集しない戸数~+400戸~当選したがキャンセル及び資格失格者)=1400戸
こうした基本間違いを放置する論文審査はどうなっているのか?