W。
をモチーフにしているのかな?」軍隊内の鉄拳制裁が通じない強靭な体力を誇る主人公2等兵勝は知力で立ち向かう、神聖喜劇の主人公の肉体版というところか。どちらもそのコンセプトそのものに痛快感があり、なんとなく笑える。
神聖喜劇 引用
「戦前の日本軍を題材にした作品で、凄まじい記憶力を誇る主人公の陸軍二等兵・東堂太郎が異常な軍隊世界の中で過酷な新兵訓練を受けるが、その超人的な記憶力を武器として(W.服務規程を全部頭の中に入れて眼前の理不尽が規定に全く反していると粛々と追及する)軍隊内部の不条理に抵抗する。」
「本作で、田村高廣が翌1966年(昭和41年)の第16回ブルーリボン賞で最優秀助演男優賞を受賞した。⇒過酷な軍隊内であくまでも誠実、公平であろうとするインテリ兵士を演じた。」
本作もまたヒットを生み、『座頭市』同様にシリーズ化された。」
なお、勝の大映時代の傑作シリーズに悪名 - Wikipedia
「大映で1961年に映画化され、朝吉を勝新太郎、弟分のモートルの貞を田宮二郎が演じた」⇒W。田宮二郎の演技は定番化されている名演技。ずっと後にれいわ新選組の山本太郎がナニワ金融道で田宮的演技を再現している。名演技だった!
同作のヒットを受け、以降は脚本家依田義賢のオリジナルでシリーズ化され、全16作が製作された。」⇒Wこの作品が座頭市や兵隊シリーズに先駆けて制作された。1960年代初頭、高度経済成長初期の都会と近郊の風俗を実感できる作品であり非常に興味深い。ある種の時代的な郷愁がある。座頭市は全く関心がないが兵隊やくざと悪名はほぼ全作品見ている。
成田三樹夫 - Wikipedia、大映時代の作品。
坂東妻三郎の長男
内田朝雄の著書
W。7分57秒以降に注目する。
俳優 成田三樹夫論 : 下田循環器・腎臓クリニック 花房院長のブログ
引用
「ある日日比谷へ映画を観に行き、その帰りに食事をしていた時です。「温子はどんな本を読んでる?」と突然聞かれ、焦りながら今まで読んだ数少ない本を挙げました。その中で太宰治の名前が出ると、「太宰は僕も好きだよ。あとね、ドイツの作家なんだけどハンス・カロッサ(W。注)~1878年 - 1956年 と言う人の本なんか温子にいいんじゃないかなと思うんだ。透明感があってサラッとしている文章で読み易いよ。何と言う事ない様でいて読後が清々しいんだ」帰ってから早速本屋さんへ行ったのですが、絶版と言う事でしたので古本屋さんへ回ってみました。三軒目のお店で『ハンス・カロッサ全集』を見つけ買い求めました~~」
「「何でも一生懸命読まなきゃ駄目だ。詩でも小説でも作者は命懸けで書いているんだ。だから読む方だって命懸けで読まなきゃ失礼なんだ」そして、「そうでなければ字面ばかり追うだけで本当の宝物は作者は見せてくれないんだよ」
「その手紙の中に非常に成田らしい個所が有りますのでそれを書き出してみます。・・・・・中略・・・・・カロッサも毎日少しづつでも続けて下さい。そして人並みはずれて誠実な人間がどんなことを考え続けどんな具合に生きていったかを少しでも分かって欲しい・・・・・中略・・・・・。僕もこの辺でもう一つ腰をおとして勉強の仕直しをするつもりです。とにかくもっと自分をいじめてみます。男が余裕を持って生きているなんてこの上ない醜態だと思う。ぎりぎりの曲芸師のようなそんな具合に生き続けるのが男の務と思っています。」
「そういう感性を持って生まれた成田の業のようなものではないかと思います。」
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(W。注)
ドイツの開業医・小説家・詩人。謙虚でカトリック的な作風であった。
「ヒトラーの時代、派手なナチス批判はせず、要人と会うこともしたが、末期にパッサウの防衛放棄を訴えて睨まれ、侵攻してきたアメリカ軍に危うく救われる、という一幕もあった。⇒W。菅原文太の葬儀でも弔辞のなかにヒントがある。
W。時代に耐え抜く精神の有り様を成田三樹夫はカロッサに読み込んだのかもしれない。亡命したヒットラー時代にトーマス・マンと対比できる。民衆レベルでは亡命できた人とできない人がいた。民衆は亡命できない!
日本の状況に嫌気がさしても生き抜かなけばならない。その時の精神の有り様を成田三樹夫はカロッサに見たのではないだろうか。時代に嫌悪感を隠さないようになった晩年、菅原文太は、信州で共同農場を営んだ。多分、成田三樹夫とこの辺の話をしていたのかもしれない。
1948年、70歳でケルン大学・ミュンヘン大学から名誉哲学博士号を受けた。パッサウ(Passau)の名誉市民にも推された。
1956年、パッサウ近郊のノイキルヒェン・バイム・ハイリゲン・ブルート(Neukirchen beim Heiligen Blut, 別名リットシュタイク/Rittsteig)に没した。78歳没。」
「パッサウ(Passau)は、ドイツ南東部、バイエルン州の都市である。ミュンヘンから電車で2時間強、オーストリア、チェコとの国境に接する。
「ドナウ川(Donau)、イン川(Inn)、イルツ川(Ilz)の3つの河川がこの地で合流することから、「ドライフリュッセシュタット(Dreiflüssestadt:3河川の街)」の異名を取る。」