反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

ハーメルンの笛吹き男、名古屋市長河村たかし、の公明創価の協力で可決される5%市民税減税法案は「根拠なき熱狂」演出の典型。庶民、中小零細企業の大半は恩恵なし。金融寡頭支配のパイの取り分増加の制度化。

 大阪橋下。名古屋河村。こういうモノどもの安易、非科学的な政見が日本の大都市地方政治で通用する深い根拠を世の社会学者のセンセイはキチンと研究して欲しいと願っている。
 オット忘れた。東京の石原慎太郎の多選もセットで願いたい。
 
 これらの輩と住民の共鳴は、本当の処、理解の範疇を超えている。自分にとってその種の政治的熱狂、ザワメキはワカラン。勝手にしてください、と。
 
 この作文をする前に、欧州議会の事情を調べていたら、元フランス大統領のシラクに行き着いた。
このヒトが大変な日本通とは全く知らなかった。
学生の頃、日本美術を集中している事で有名な美術館に通って、日本に魅せられたそうだ。
公私を含めて45回も訪日しているという。
 
 大統領として訪れた首相官邸に飾られた土偶を埴輪と通訳した間違いをその場で指摘したそうだ。
 
 日本の歴史をキチンと頭に叩き込んでいなければ、こういう発言は出てこない。
 
 土偶縄文文化で埴輪は古墳文化でなかったっけ?
日本人さえとっさに<言葉として>判別できないが、シラクさんにとって、目の前の土偶のあの縄文的異様な美術的素晴らしさを古墳の副葬品として、よく出土する埴輪と通訳されたら、いたたまれなかったのだろう。
 
 >単なる親日家の域を超えて、知識の深みを持った人物が最高権力者になる政治環境がある。
そのシラクでさえ、周囲からは情緒的で考えの浅いブルトーザーの如き人物とみられていた、という。
 
 こうしてみると、エマニュエル、トッドさんがサルコジ反知性主義を「デモクラシー以後」で口を極めて避難している心情も理解できる。あの本はフランス事情に拘り過ぎて、自分も読み切れなかったが、今頃になって何となく心情的背景が理解できる様な気がする。
 
 明治維新後の脱亜入欧、欧米崇拝熱の中で、日本美術の最高レベルのモノや隠された名品がヨーロッパの目の効く、美術愛好家に買われていった。
 
 >東洲斎写楽の浮世絵版画の魅力を美術論として語ったのは、ドイツ人のクルトだった。
 
 江戸時代、写楽の25枚の歌舞伎役者の上半身の浮世絵版画は版元、蔦屋重三郎によって大量に刷られ、江戸中に出回ったが、あくる年には人気は下火になり、終いには江戸みあげの包み紙にも利用されたそうだ。
 
 浮世絵版画の魅力が欧米で認知される以前の明治時代、それらの真価を知らなかった日本人収集家は二束三文で売り払った。巷で庶民が趣味的に集めていた。
 
 >250年以上の江戸封建時代の鎖国の下で、日本独特の文化芸術が庶民を巻き込んで深化発展した。
中華文化の末端に位置する狩野派絵画の様な上流文化以外に、浮世絵、歌舞伎などの下流文化の独自的発展があった。
 
 ここにこそ日本人としての日本人がいると勝手に想っている。
そういう想いから、以前の記事で春日八郎の「お富さん」を歌詞を取り上げた。
あの歌詞は江戸時代の木更津の実話を脚色したお富と与三郎の歌舞伎を題材にしている。
日本の古い流行歌を取り上げるのも、そういう流れからだ。
 
 それをさらに遡れば、中世の一遍上人絵詞などに行き着く。そこに描かれているは日本中世人のリアルな姿だ。
源氏絵巻などよりよっぽどこちらの方に魅力を感じる。想像力が湧いてくる。
 
 クルトなどのヨーロッパ人は中華文明から鎖国によって分離し、独自に発展した江戸庶民文化の浮世絵の魅力を発見し、ヨーロッパに大量購入された作品はゴッホなどの印象派絵画にも影響を与えた。
 
 浮世絵美術展で出会った写楽の歌舞伎役者の大首浮世絵は歌川広重等々の浮世絵と比べ物にならない、独創的魅力に溢れていた。
 
 が、日本の美術館はヨーロッパの美術館の浮世絵コレクションを借り出している。
 
 明治維新政府は廃仏毀釈によって、現人神、天皇を頂点とする国家神道を頂点にに民間宗教を統一し、
藩閥封建秩序の中での近代的国家意識の欠如を
人口的愛国、国家意識を暴力的に上から庶民に、強制、教育し、
後の朝鮮清国との戦争勝利において庶民の間にに蔓延した偏狭な国家主義、国体イデオロギーの基礎を築く一方で、日本固有の庶民文化のリアルな歴史的あり方を踏みにじった。
 
 明治維新政府は本当の意味での日本人の日本人としての歴史の歩みの総括はなく、人口的な上からの即自的便宜的な国家意識の注入で済ませた。
 封建中下級軍人の成りあがりモノの知性的限界であり、ボタンの掛け始めから、片手落ち、偏向、バランスを欠いていたのである。
 
 >先週もNHK司馬遼太郎坂の上の雲」を再放送していたが、飽きることがない視聴者がいるから、そうしているのか?
日本人として、ともすれば自信喪失の混迷期に敢えて上から、イデオロギー注入をしているか?
 
が、今更、「乃木大将の203高地」ではあるまい。
 昨日、EU経済危機を取り上げたが、イギリス、フランスの国営放送がこの種の番組を日曜夜のゴールデンに繰り返し再放送している事はあるまい。
 
 マスコミもよそ様の事を他人事のように報じている場合ではない。
 
12月12日。名古屋市長、河村たかしは従来の主張10%定率市民税減税方針を取り下げ、5%の市民税減税を公明創価と減税名古屋の多数派形成によって、行うという。
 
と云うことは他の会派は反対しているということで、こうした構図は大阪橋下に通じる。
 
 河村批判はずっと前からブログでやっており、繰り返しのになるし、もうばかばかしさが先に立って、まともに相手にする気になれない。
イロイロ、反論の細かい材料も収集したが、省略したい。
 
 一つだけ書いておくとすれば、日本の現状の貯蓄率の低さで、韓国を含む収容国で最低レベルの数値を記録している事実。
 
>低い順番から列記すれば以下の通り。
 <2011年>
オーストラリアー3、0%
日本      -3,2
アメリカ    -3,6
韓国      ー3,8
英国      -5,4
イタリア    ー7,5
スウェーデン ー9,3
ドイツ      -11,4
フランス     -15、2
 
なお、2010年ー最低記録2,4%。
 
こういう現状での名古屋単独の市民税5%減税は何の経済効果もない。消費性向の高い貧乏人を除外し、むしろデフレ、アナウンス効果になるのじゃないか。
儲かっていないはずの中小零細企業も恩恵なし。
 
 こういう減税を全国規模で連発してきたから、アメリカの国際収支は赤字になって、1%が残りの99%を支配するようになった。それでも民主主義なのだから、怖いことである。全くの法治国家の合法行為として1%で99%を支配できるシステム。
 が、こういう異常は国内に収まっているはずはないから、他が大迷惑する。
 
 米国では政府の手っ取り早い人気取りとして、アメリカの政治風土では減税が効き目がある。
しかし、それは基軸通貨ドルの背景があってできるモノ。
ヨーロッパ諸国がこんなことをやっているとは、聞いたことがない。
 
 減税と行政改革は次元の異なる問題で、行政改革で78億円始末することができれば、特定層にばらまくのではなく、もっと有効な使い道はある。
おそらく、78億を公共事業に投資した方が経済乗数効果が望めるだろう。
 
 日本はアメリカの真似をするのではなく、同じ敗戦国で上手く立ち回って、EUという衣をまとって、主権回復まで至ったドイツを参考にした方がいい。
 ただ、ドイツ人に、名古屋の様な根拠なき熱狂は絶対にない。
 
>>全く無関係なことを連ねてきたが、名古屋愛知の事は当事者が一番よく知っているし、自分には踏み込んで描く意味が最後まで見いだせなかった。
 
>>減税日本は名古屋と愛知県に封印されて、外には出てくる想定が立たない。事実選挙で負けている。
民主党政治路線の内紛の様な気がする。名古屋愛知の経済力も背景にあるようだ。
 
>>その点大阪橋下は、全国政治と連動していく。住民への迷惑度も河村さんと比べ物にならない。
河村さんが全国政治に連動するとすれば、主張を変える必要がある。