反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

TBS系全国ネット「報道特集」小沢一郎インタビュー。<出口を塞がれ我慢しきれなくなって>、たった一つの出口の橋下一派容認に行き着いたが、風評頼みの橋下一派は小沢さんたち選別排除。

 昨夕、大きな橋の階段登りを途中で切り上げて、TBS系全国ネット「報道特集」小沢さんインタビューを聴くことにした。
 
 インタビュアーの金平茂紀さんはワシントン駐在時、「ザ、ジャーナル」に時々、寄稿していたので、大体の政治傾向は掴んでいる。筑紫哲也さん的芯のあるリベラリストだ。
記事ではアメリカを戦争国家と云い切っていたが、同時にリベラルなヒトや側面もあることは押さえていた。
 
 モスクワ支局時代はちょうど、ソ連崩壊期に立ち会う形で、亡くなった作家の米原万理さんや、当時外務省のソ連駐在官だった佐藤優さんと親密な交流のあったヒトである。
 
 私は彼の寄稿記事に、何度か賛同の意味のコメントを書いたことがあるが、当時の「ザジャーナル」は小沢信者?の巣窟の様相を呈していて、金平さんから送らてくる米国事情などにはほとんどコメントが寄せられていないありさまだった。
 記事の中身(芯のあるリベラリスト振りハッキリ)に比べて、反応がなさすぎる。また、こういうマスコミのリベラリストは大切にしなければ、と考えて、かなり無理をして賛同コメントを寄せた。
 
 金平さんが日頃のテレビ出演でどういう事を言っているのか全くしらないが、本心では小沢裁判に批判的で、小沢さんに理解のある人、と想う。
 
 そういう背景のあるヒトのインタビューする小沢発言のメモ。レポート用紙、約3枚が手元にある。
 
>圧巻は次のくだり。
 
(金平)国民に既成政党への不信感が募っている一方で、大阪橋下徹への期待感が高まっている現状への認識は?
また小沢さん自身の橋下評価は?
 
(小沢)政権交代の眼目は統治機構の改革、地域主権実現、官から民へだ。民主党は橋下にお株を奪われている
(金平)橋下についてどう思うか?
(小沢)才能資質は(自分の傾向と?)似ている。自分の理念ある其れなりの人物。
<金平>ところで、維新八政をどう評価するか?
(小沢)統治機構を変えるのは良い。
<金平>維新八策は読んだか?
(小沢)勿論読んだ。
 
原発政策について
(小沢)封じ込めないとダメで、使用中、使用済み燃料一杯あり、収束はしていない。
    個人消費分のエネルギーは現状の原発停止状態でも足りているが、産業用需要には間に合わない部分    があり、(原発は)直ぐには止められない。
 
インタビューへの意見。
 
 <反小沢派、脱小沢派の様な小沢さんに遠い人たちへの説得は不可能。身近にいて考え方の違うヒトたちへの説得が、このインタビューで小沢さんにできたのか?大いに疑問に思う。>
 
>私はあ~やっぱりな、と残念に思った。
>インタビュー中の金平さんも小沢さんの従来より踏み込んだ橋下、高評価に一瞬、引いた様子が画面から、覗えた、と云えば、想いこみ過ぎか?
 
 強制起訴後の小沢さんの見解が公になる機会は極端に少ない訳で、彼に注目するヒトは大体フォローしており、その発言の中で今をときめく様になった橋下評も熟知している。
敢えて言えば、金平さんもその一人といえよう。
 
 彼はソ連崩壊時のエリツィン政権時代の社会経済混乱を目の当たりにしているし、9、11事態のアメリカ国内の様子から、ブッシュの報復戦争も知っており、それらの体験を踏まえたジャーナリストの目から見た、橋下一派への意見も奥底に秘めているはずだ。
 
彼が憲法9条を変える国民投票を実施する、などの橋下の性急な維新8策に疑問を抱いているのは想像できる
(維新8策はまだ正式に公表されていないと想うが)。
 
小沢さんは、今回のインタビューで金平さんに納得する見解を披露したのだろうか?
大いに疑問である。
 
 まず何より、身近にいて意見の違うヒトを説得できなければ、政治家の言論の効力は乏しくなる。
逆に小沢さんの今回のインタビュー発言は、小沢支持者のある部分の腰を引かせる役割を果たしたと想う。
 
 少なくとも橋下一派を容認する政治姿勢に私は反対する。
 
 現実の政治の力学からしても、タイトルにある様に橋下一派は小沢派?(盟友原口元総務大臣はOKだろうが)を選別排除する。勿論小沢さん本人は蚊帳の外だ。
 
>この期(年齢、特捜検察圧迫、判決まじか)に及んで、そういうモノと自分の政治的立場の境目が付けられないでどうするか!
 
国家権力の思う壺に自らはまっているとしか思えない。
全部の政治的出口を圧迫によって閉じて、一方向だけ開けておく。
その方向が橋下一派の政治方向だ。
しかしそんなところに容認姿勢を示したところで、彼らは小沢派を選別排除して、その頭を飛び越えて、支配層の密通するのである。
 
また、現状の橋下一派の云う改革は政治経済の混乱を巻き起こし、その報道によってマスコミに格好の儲け口を提供するだけに終わる。一番被害を受けるのは国民生活。
 
 小泉純一郎元秘書飯島勲でさえ、府知事時代に借金増やして「言っている事とやっていることが違い過ぎる」とか、
ダブル選挙の仕掛けは政治家として民主主義の手続きを蔑にするとか、
大阪都構想」などやらなくても、その程度の改革はできるとか、
挙句の果てに橋下一派の台頭は「国民にとって<幸せな選択でない>事を現段階では指摘しておきます」とまで言い切っている。
 
>「現段階は」という限定の意味は深い。
橋下一派が出世の階段を大急ぎで上っている途上で支配層流儀を身につければ、取り込んで一緒にやろうという事だ。
そして橋下一派は所詮、小市民政治的投機分子の集まり。
橋下自身に成りあがりモノ特有のにおいがふんふんする。
尤もそれよりも、支配層と橋下徹一派政治のブレンドによって、日本と日本国民を破滅に陥れる要素を持っている。
 自民党、公明、みん党、橋下徹一派のブレンド政治。
創造しただけでオゾマシイ!
が、コレって、日本型現代ファシズムじゃないのか?少なくとも翼賛体制であることは間違いない。
 
 NHKラジオの報道によれば、橋下は維新の会に集合した面々に「次は大勝負の選挙が待っている」とアジっている。大阪府知事就任から、3年余り、今度は市長で、もう総選挙200議席と。
こういうのを民主主義政治では実行力と云うのか?!
 
 1925年ムッソリーニファシスト党のローマ進軍、政権獲得の道はアットいう間の議会進出による政治的強圧の結果である。国民も雪崩打った。
しかし、あくまでも、独裁政治とは強制力を根幹に個別利害(支配層)を一般化することである。多数派国民は単なる聴衆の一人、収奪される一人になるしかない。
 
>>この「報道特集」の最後の部分は金平さんによる、2022年全原発停止をキリスト教民主党メルケル首相が決定したドイツ反原発事情のレポートだった。
 
 ドイツの環境への回帰運動は戦前からの伝統があり、、以前のブログ記事に置いて、学生のワンダフォーゲル活動のナチス運動への合流を取り上げた。
 
 戦前戦後、日本とヨーロッパ、ドイツはここまで辿ってきた歴史過程が違う。
ドイツの様な反原発運動が日本に生まれる余地は少ない。福島原発事故があっても。
 
 ドイツの隣のフランスでは環境派は政治潮流として成立していない。
民主主義とフランス革命ジャコバン主義的中央集権主義の伝統は正面から敵対物でなく共存している。
地方分権を強調するのは反民主主義、反フランス主義と受け取られる伝統もある。
 
>>他国がどうこうよりも、まず何よりも、日本と日本国民は日本の事情に沿って、進めばいい。
小沢さんの主張している様な地域主権は戦前の二大政党最末期の政友会の地方分権の位相に似ている。
偶然の一致か、政友会の巨頭、原敬は岩手のヒトだ。
もうその頃、恐慌を控えた経済不況長期化、軍部台頭、検察政治介入によって、情勢は政党政治の枠組みを超えて進行しており、其れに流された国民意識は二大政党制に踏みとどまることはできなかった。
 
>現在これからの橋下一派の中身、方向の評価は日本に真に適応しているか、沿っているか?の見極めに尽きる。
 
 闇雲にヒットラーだ、ムッソリーニだ、を持ち出している訳ではない。
彼らの維新だとかの和製の耳触りのいい文言を取り外した、実態を問題にしている。
 
 これまで目を通した彼ら一派の意見の中で最も簡潔にまとまったモノは、前杉並区長、山田の著書だった。
中身を貫くのはアメリカ流儀の市場原理主義政策の体系を国民に浸透させるため、ヒト騙しのテクニックとして和製の衣をまぶすという一貫した方法論的立場である。
 
 今後、橋下一派からでてくる政策、政治理念はコレを超えるモノはないであろう。
 
 多数派国民は言葉や見てくれに騙されて、日本をアメリカ支配層の都合の良い国にしてはいけない。
 
 橋下一派を日本国民が台頭させたら、天に唾するどころではなく、天に汚物を投げ上げることになろう。
小泉純一郎から、橋下徹への道のりには大きな段差がある。
 
 元首相秘書官でさえ「国民にとって幸せな選択ではないと現段階では指摘しておきます」と云うほどだから。