2012年、衆院選挙結果が判明した。
そもそも、庶民にとっては12月は悲喜こもごも、何かと忙しくなる。
また業種、業態によっては1年の稼ぎ時でもあり、こんな時期に街角やマスコミ媒体で一銭にもならない政治の話題でワァ~ワァ~やってもらっては迷惑なのである。おそらく、ズームアップすれば、この時期の総選挙挙行は景気にマイナス要因だったと想う。結果も、国民経済(そうしたモノが成り立つと仮定すると)にとってマイナス。
キチンとお互いが話し合いをしてしかるべき時期に解散総選挙を行うべきだった。
中身は兎も角も、何のための三党合意だったのか。
永田町のコップの中の政争の都合に庶民生活を巻き込んでいるだけではないか。
結果的にその誤差は維新の比例区に投じられたのではないか。(維新支持はマスコミの誘導が大きい。)
維新支持層は危機の時代に真っ先に浮足立つ小市民層と政治的な浮遊層の結合と云う伝統的なファシズム型の政党構造であろう。
投票率は59%前後 戦後最低の可能性も 衆院選
詳しい数値を検討しないでイロイロ立ち入って、言及すべきでないが、そうする意味もないと考えている。
今とコレからの日本政治過程の段階は、民意の振り子の揺り戻しの現象の起きるものでないので、そうした選挙屋的観測はあまり意味をなさないと云う訳だ。
マスコミや巷で流通している常識論を大きく超えた遠い地点に自分の意識を置いて、他人事のように日本と日本国民のアカラサマナ動態を把握する。
そのための具体的前提行為はこの政治過程のゲーム化に参加しないことであると決めつけていた。
誰が、どの党が、どうこう言う以前に、互いの現状の在り様が有機的に絡み合って、一政治過程のトータルとして、政治ゲーム化して独自運動を開始しているとみている。
<合成の誤謬>などと総括できればまだ救い様がある。
個々には良き意図が存在するから。
私はそう判断していない。
明確、終始一貫、国民を踏み台、蔑にする政策やイデオロギーを掲げるモノどもがいる。しかもそれら輩の力は強化されてきている。
では、ここに良き意図がある者たちへの姿勢はどうあったらいいのかと考えないでもなかった。
が、妥協は放棄する事にした。感情の問題でないのである。
各々に自分流のサーチライトを照らしていくと、コレからの先の政治過程の展開も加味してここで妥協すべきでないと結論付けた。彼我の違いに目を閉じることはできない。
今回の総選挙に置いて、多くの個人や政治団体が乱立した根本原因にはこの様な次元の想いがある、と考える。
今の状況で、鋭い問題意識を持っている者同士で、ギリギリの思案の果てに、基本見解が妥協できないのは悪いことではない。状況の煮詰まりに対して、個々人が主体的に斬り込んでいるからだ。
自分に孤立の道を課すことに決めた。自分の主人公は自分でなければならぬ。ここで他に譲れない。
何度も繰り返している様に、総選挙の争点と称されるモノを政策、政治路線的に見て、
決して等価ではないが、強い相関関係はある。
米軍世界戦略の下請け的機能しか果たせない日米安保体制を政治軍事の上部構造とすれば、TPPは経済下部構造であり、上下相まって、日本人と日本国民はがんじがらめにされてしまう。
>公平な観点を持つ経済専門家の中には、日本の韓国化を予想する方もいる。
日本の韓国化と云う想定は、経済領域だけでなく、政治軍事の方面を見るとよく解る。
韓国が分断同胞の北朝鮮との緊張関係を絶えず意識せざる得ない様に、日本と中国の間には恒常的な緊張関係が維持され、そうすることで、日本と日本国民を閉塞状態に閉じ込め、搾取強収奪の<市場原理主義の服従の檻>に閉じ込める、以上が奴等の大まかな目指す方向である。
また、誰が何と云おうとTPPは経済ブロックになる。アジアの大国、大市場国に不参加が多い以上、日本の交易条件は悪化する。中国と領土問題でもめている間に、中国の自動車市場では日本車が売れなくなって、その穴をアメ車が埋めていると云うではないか。
確かに現状の日本経常収支に置いて、海外投資のリターンは半分ほどに達している様だが、日本の今の閉塞的な社会体質、金融資本の世界戦略性の欠如などを勘案すれば、
一部構造改革論者が云う様な日本の金融を中心とする経済構造の改革などは、決して意図的先行的にできるモノでない。
万が一できたとしても、アメリカイギリスと云う世界の覇権国家がそうであったように、国民は大変な出血を強いられる。が、日本は英米の様な時代を画す世界覇権国家ではなかったし、現状などはまさに<対米従属覇権にしか活路を見いだせない戦略的窮地に陥った現段階の日本帝国主義>状態なのであり、一時の威勢のいい時期よりも戦略的に大幅に後退している。
日本は地道に、しかも合理的妥当な長期視野に立って、やっていくしかないのである。
オランダの過去、現在の在り方は参考になる。が、あの国は民主主義の神髄の様な都市の発展の中から民主主義が育っていった特殊な歴史を持つ国であり、果たして日本にそれが可能かと云えば、大きな疑問符が付く。が、そうした方向にしか、多数の日本国民の将来の生活労働社会保障はないと考えるが、今は逆方向に政治過程が進んでいる。
小泉時代の天に唾するどこではない。規模と根深さはズット酷い。
そのうち、事態の進行によって、我々の目の前にハッキリとした事実が提示される。
今回の総選挙で自公や維新、みん党などに投票した有権者の何割かは、こうした事態が将来起こりうる、と、漠然と、不安がっているのではないか。
そしてもう、振り子の揺り戻し現象はない。
で、在ると仮定したら、日本と日本国民とは何かを、一方で考える時期でもある。
そういうコレからの時代に向けて、大切なのは個々人の在り様であり、シューシュポス的モガキ=努力を通じた自己解放の実現である。
言い換えると、自分とは異なる現状、将来の状況の把握の下に取りあえず、妥協することは、自分が自分らしくある処のモノ、パワーの源泉を蔑にするものである。
勿論、日本と日本国民と云う主体側からの判断としては、記事で繰り返している様に日本の現状のファンダメンタルズから遊離した政治過程が独自の論理、力学で独り歩きしており、多くの国民は不必要な危機意識や要らぬ不安感を抱き過ぎている、と断定している。
危機意識や不安感を覚える対象は極めて複雑、複合、難しい問題であって、単純な答えはとてもじゃないがありそうにないのに、簡単な答えを引き出したり、最悪は煽動の材料にするモノどもが多数出現している。
今回の総選挙の新生事物の大方はこの類の輩である。
知識と教養のない自分ではあるが、複雑な問題を複雑な問題として提出しくれるヒトの意見に耳を傾ける。
そうした危機意識や不安感を煽る事で金儲けできるマスコミ(ネットで戦前の危機の高揚と右肩上がりの新聞販売数を検索すれば、一目瞭然)やそこを飯のタネにする種族がいる。そして劣化著しい国政政治家のこれまた不必要極まりない内部紛争とから騒ぎである。
また、解っていて目的意識的に、そうしている輩が大勢いる。
以下は 日本の財政問題は軟着陸できるのか?? 2012年12月16日付。
<カンタンな答えー難しい問題には簡単な、しかし間違った答えが常に存在する>さんの最新ブログ記事である。技術的な領域についてよく解らないが、この記事に置いて、今の日本の金融、財政、社会保障、産業のブチあっている問題が網羅されていると想う。
が、TPP事態を一貫して考慮に入れていないのは、どういう事か?
政治判断の比重も高い領域ではあるが、中長期スパンで見ていくならば、経済単独の分析では十分でない。
その前の記事は
国債バブルの正体 - その崩壊は何をもたらすか2012年12月11日付け。
さらには
リフレをやってもハイパーインフレは来ないだろうし、経済が破綻することもないかもしれないが、経済が韓国のようになる可能性は高いのではないか2012年12月6日付け。
>この記事はブログで話題にした。
>>帝国主義云々の論証はしなかった。
又いつもの様な抽象論が不可欠になる。その能力に乏しいのも確かだが。
そいう云う問題の立て方が、状況把握に相応しいと考える。
<追記>
ま、総選挙の結果は
見上げる寒い夜空。星の間叩く満天下、流麗に飛び去った流星群を見上げるが如し。
とても地上のモノとは想われぬ。
予想していたとはいえ、日本の置かれた現実とかけ離れた政治選択だった。
何処が具体的にどうだったのか、真摯に追求することが明日への足元からの出発点。
尤も、今、確認する限りでは、この世のものとは思えない(日本の庶民の置かれた現状からかけ離れ、中途半端に急進化している)、政治論がある。
或る女子高生のツィート。
>日本国民ってこんなに阿保だったの?私も早く有権者になりたい。
その言や良し!