反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

欧米中心史観からの脱却、東アジア史観構築へのチャレンジと止めようのない世界史の趨勢。

 欧米中心の世界史観の払拭を課題としている。コレがTPP的事態を根底的に見据える視座であると理解する。
東アジア史というトータルな歴史の流れの中に、日本史を位置づけ再構成する。
 
 東アジア諸国歴史認識の相違云々を云う前に、東アジア規模の大きな歴史の景色を描くき挙げる必要がある。
 戦前日本の一部の歴史認識も、現在の日本の常識的歴史観をよりもズット欧米史中心とは違うアジアの独自性に着目していた。
 
 残念ながら、一面的な大東亜共栄圏構想になってしまった。そして敗戦による完全否定によって、今度は対東アジア観はアメリカの眼と世界戦略、利害プラス経済至上主義による対アジア関係に固定されてしまった。
 
 どうしてそうなったのか?
 源流は明治維新の思想的(歴史認識)に間違った急進的な欧米化政策とその裏面のムラ基底団体から上に諸団体を重層し、復古天皇制を頂点とするミックスに求めることができる。脱亜入欧と裏側の不当なアジア観。
 
 明治維新とその後の歴史的推移はTPP事態を前にして、超えるべき大きな課題となってきた。
今のTPP事態の日本で<維新>など、反日本民族反東アジアは絶対にあってはならない時代錯誤なのである。
 
 明治維新 ー 日清日露戦争、日本資本制の原始蓄積、アジア植民地政策遂行 ー 日本資本制蓄積過程の高度化=帝国主義 ー 第二次大戦敗北、米国流民主主義とその制度受容、東アジアのスターリン主義体制的あるいは米傀儡的民族独立、分裂国家誕生 ー 戦後日本資本制の経済至上主義高度発展 ー 1985年プラザ合意と戦後日本資本制成長システムの変更、金融資本制強化の内外展開、冷戦体制崩壊を世界背景としたグローバル資本の拡張過程への政治のコントロールの弱体化=新帝国主義段階到来(世界の多極化) ー そしてTPP事態。  
 
1)、 TPP事態はまず、グローバル資本蓄積過程の拡大による全地球一体化市場の形成である。(関税障壁撤廃の目論見)
 
2)同時に、世界的な慢性的過剰資本、過剰生産を内在する全地球一体化市場において多極化する現代帝国主義政治による、市場再分割戦の側面を持っている。
 
>>資本制の資本と労働の非和解的矛盾はグローバル資本運動の強蓄積過程への政治的規制が後退するの必然から、産業資本制段階のように世界中でむき出しで貫徹する。
その上にグローバル金融資本の世界市場再分割の基本動向が重なる。
 
>>日本金融資本制の内外における相対化、後退化は世界経済史における必然の事態である。
 
 過去の記事で何度も指摘しているように各先進国経済の世界経済における占有率の歴史的後退の事実は数値にはっきりと示されている。
日本だけが例外であるはずがない。財政収支の不均衡の形成過程をたどれば、よく理解できる。
経済史に神風は吹かない。
だから支配層は、国民への犠牲的転嫁とTTP社会経済新体制を構築することで日米共同収奪新秩序体制を強引に画策するしかない。国民経済、国民福祉という国民国家の基礎実体を向上させようなどという従来の基本視点は捨て去られて、あくまでもグローバル資本の利害に忠実な日本支配層と各種、使用人である。
 
 日本支配層は同じく相対化し後退するアメリカ支配層の曖昧模糊とした世界戦略に己の運命を賭けたのである。
日米運命共同体という幻想的観念操作を弄ぶことで、重大事態に自己欺瞞するという習性をもって。
 
 ソ連東欧体制は自らに内在する基本的な経済社会矛盾によって自壊したのであって、商品経済の発展形態である資本制の人類史的に復帰しただけである。
 
 が、人類にはその先の物語が待っている。
 
その過程はグローバル資本制の強化によって加速せざる得ない。
直近の日本政治と経済の動向を見ても解る。
 
 日本官僚の報告書はこの未来のパノラマを<海図なき航海>と正直に記している。
他方で、中国インドの巨大新興国の台頭を18世紀以前の世界に冠たる人口扶養力のあった、帝国の再勃興である、としている。
 
 世界史の趨勢は基本的に止めようがない。
その只中で、大矛盾の集積の急激促進材料は日本と世界には山ほどある。
大いに利用したい。