反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

第一回。<はじめに>。TPPに至った事態を大づかみする日米、東アジア経済貿易投資構造。

  <はじめに>
 TPPに至った事態を大づかみする日米、東アジア経済貿易投資構造を分析するアイテムと情報を収集できたので、分割して掲載する。
  
 >各資料の評価。
 「通商白書」の「我が国の貿易・投資の構造と変容」は現段階の到達点の中身を丁寧に解き明かしてくれている。
 前回3回に分けて記載して改めて再読してわからない部分が多すぎて、調べていくうちに「みずほレポート」の経済史的視点を見つけた。これは懐かしい経済学の視点が保守政治の経済観に反転した典型である。
両方を併用して読み込むとアベノミクスの出所が実によくわかる。
浜センセイが浦島太郎と命名するのも理解できる。
 
 やはり自分は、方法論が近い性で、みずほレポートのような経済史の視点から説明を受けなければピンと来ない。
 
 「米国の経常赤字は海外収益の増加で持続可能」、国際財政投資研究所は素人には理解しづらい抽象的経済概念を用いず、米国経済の現状を説明してくれている。
ネット検索のヒットだった。ただ一箇所だけ説明不足がある。日米資金フローの関係のところ。
ここを解りやすく説明されている記事にお目にかかったことがナイ。結果論、現象論ばかりだ。確かにそれが現実だが、経済主義による損得勘定論のようで、それだったら、エマニュエルトッドの「帝国以後」の説明のほうが政治軍事の観点から切り込んでいてインパクトがある。
なぜならば、所詮米国との交渉力、力関係に帰結し、損得勘定だけではことは動かせない。
これはTPP事態にも共通する課題である。
 
 カネは強制的に取り上げられているわけでなく、経済合理性に基づいて低利にも拘らず、米国債を大量購入しているのも事実だ。
売り払った場合を想定すると(可能性はナイが)実際上ドル売り円高になるし、この現金はドル建てだ。そのまま日本で使えないのじゃないか。中国にしても日本にしてもいろいろな世界経済的な前提条件があって大量購入している。
その両国がいがみ合っているのはどういうことだ?
歩調を合わせら気配を感じただけでも米国にとって大変な脅威となる。
 だからこの関連のブログ記事で、グローバル資本制によって生じるリアルな不平不満には「愛国、排外の大人の玩具を投げ与えておけば、と高をくくっているとしているのだ。
この辺の人間の心根は有史以来ズット底流にあり、時の支配層を都合が悪くなれば利用してきたし、それに確実に呼応する政治層も存在し続けてきた。
この関係は政治が続く限り消滅しない。政治の動機には原始的なものが多い。
  
 いづれにしても、全体像がほぼつかめた。
 
 なお、TPP交渉参加問題の現状は4月12日に日米事前協議の合意文書が発表されているようである。
そもそも、交渉参加以前に日本側が米国側と約束をして合意文書をとりかわさねければならない、いわれは無い。
 交渉参加するためには米国に手土産を持って行かなくてはならないと言うわけである。
 
 合意文書は米国側の国内向けの英文は事前協議の合意の詳細な内容がそのまま記載されているから、ページ数も多いが、日本側は都合よく省略した内容を平然と発表しているという。
その辺の細かい事情は登録した記事を急に探せないので省略する。
 
 さらにTPP交渉参加はラッチットのようにそれまでの決定事項は丸呑みにすることが参加条件になっているということだ。
 
4、両国はまだ妥結されていない分野では交渉できるが、交渉分野の追加や削除はできない。
 
 正確な解釈はできないが、この4番目の項目があるから、米国側に手土産をもって、事前協議しなければならなかったのだろう。
1~3項は9カ国の交渉内容の丸呑みの参加条件を抜け道のできないように重ねて詰めているだけとしか受け取れない。
 貿易依存国の小規模経済の9カ国と巨大なGDPを抱える日本では国の中身が余りにも違いすぎる。
しかも、みずほレポートに寄れば日本の産業構造は未だにグローバル化の段階にあるだけだ。
海外生産の逆輸入による代替は位置でしか進展していない。海外生産は新興国需要やグローバル経済への対応の段階にとどまっている。この認識は通商白書とも共通している。ただ後者は中間財へのシフトなど経済構造の中身の変化を指摘している。
勿論それは経済競争の自然な現象である。
 
 そこで問題の事前交渉で米国側に与えた手土産である。
 
 自動車の現行の米国側の関税約3%?は10年間撤廃されず、他方、日本は今まで通り無関税。
これでは、日本、本国の生産車は今ままで通り3%の課税されたまま、据え置き。
急激な世界変転から10年後なんて、数値予測の世界でさえ不可知の世界だ。
もっともアメ車が日本で売れる保障はTPPにない。
コレだけでもTPPによる毎年の経済効果2~3兆円などという資産はふっとぶ。
それならば、と終いには中国が攻めてくるような発想があるらしいが、中国史を真面目に勉強してから言えといいたい。
 
 他所の国とどうこうと、のときはその国の歴史や文化を正面から勉強するものだ。
近代欧米の植民地主義者は全部そうしてきたが日本では研究者はいたが、政治の都合に妥協して節を曲げた。いいモノはいい、悪いものは悪い、というで全部が悪であるわけがナイ。
日本人は何時からキリスト教のような絶対主義のなったのか。
 
 >それでもまだ手ぬるいと業界団体の全米自動車政策会議はTPPに反対している。
市場を奪われ実際に血を流したものの感情としては、当たり前だろう。
経済原理で押し通すことができなかったから、イロイロ過剰な妥協があり、終いにはプラザ合意に至った。
TPPもその延長線上にある。
 
  2013年現在の米国法人実効税率(国税+各種地方税)40、75%。日本の法人実効税率35、64% 財務省発表。
 
 この税率差があっても、自動車メーカーによって開きはあるがメーカーの米国法人生産率は高い。
日米貿易摩擦で標的にされた経過もあるが、本文でも指摘しているように、日本の現地生産の進展は海外需要の伸びに対応したものであって、法人税は安いに越したことはナイが、それが海外生産の主要な動機ではない。
 
 という訳で無関税経済協定の筈のTPPに米国の思惑が大手を振ってまかりと通っている。
 
 他の参加国の顔ぶれを見ると其々、日本よりも高い貿易依存度、しかも経済規模が小さいから内需に乏しい国ばかりで経済法則として貿易拡大化による経済成長が見込める。
18世紀のリカードの経済学の世界だ。
 
 >ベトナムなんていう異色の顔があるから調べてみると、ナルホドTPPに参加する動機十分だった。
 
 一般論は中国との軋轢の歴史経過を過大視しているようだが、
それがナイとはいえないが、主要な動機は主要構成国が民主政のASEAN連携強化の反面としての目先の排外主義による独裁政権維持である。
 
 対中貿易の大幅赤字は経済構造として定着しており、逆に対米貿易は黒字である。
韓国並みに高い貿易依存度にくらべて、農村居住人口が多く、賃金レベルはタイの4分の1程度。
 
 そんな事情からこのまま手をこまねいていたら、中国経済圏に従属しかねない。
何しろ、台湾の向かい側の中国広東省のみのGDPでもインドネシアと同等である。
地続きで自然に物流と投資のルートは太くなる一方だ。
 
 独裁統治者に知恵があるのか、浅知恵なのか。
 
 いづれにしてもその他オーストラリア、カナダ、ニュージーランドにとってもTPPはその程度の次元のことでTPPで国の進路が大きく変わることでない。
 
 日本だけがTPPによって変貌していくだろう。
それでも程度の問題である。
日本の経済的足場は東アジアとアジアという現実。
 
 ところが経済の数値をみると、米国は東アジアとアジアに余りコミットしていないし、TPPに関わらず、日本との経済関係を含めて、コミットを深め可能性は高くはナイ。微妙な言い回しだが、調べた結果の結論である。
 
 そういう意味でTPPを余り過大視して、何か安物の愛国主義みたいなもに頼ってワァ~ワァ~云っても、最期は鳶に油揚げをさらわれる。
 
 本文で明らかにするように米国経済は歪な状態で、これ以上に日本から売るモノがあるとは思えない。
 
 又経済構造から云って米国民にこれ以上買えるような需要は付かない。
この辺の事情は調べていて実に興味深いものがあった。
 
 単純な格差問題ではなく米国企業のある種の進化した最先端のあり方と国内経済波及効果の問題である。
米国こそ産業空洞化の典型の国である。
コレはTPPによって、後戻りさせられる性格の問題でナイ。
経済の成熟の結果発生している構造である。
米国側から日本が買うものはなおさらナイのは云うまでもなく、絶対的事実。
 
 ということは米国社会システムの移植による金融利得しか獲物はナイ。
これらの分野は社会システムを変えさせなければ本格的利得は得られない
 
さらに阿吽の呼吸で世界戦略に奉仕する僕化。なんだかんだ云ってもここが焦点になる。
 
 日本からカネをまわしてモノを買わせる余裕も次第になくなっていく。
アベノミクスのようなこと目先だけのをやっていればなおさらだ。
 
 そもそも現状の日本の実体経済にとって、米国との関係は日本から財輸出した新興国の組み立て加工品輸出を通じた間接的なものになってきている。
この流れは水が高きから低きに流れるように、TPPでは止められない。
 
 >さらに太平洋戦争開戦前の日米交渉を彷彿させるような米国の諜報戦略が明るみに出ている。
 
「米国家安全保障局(NSA)が欧州連合(EU)の在米代表部や加盟国の大使館などを盗聴していた疑惑をめぐり、EU関係者や欧州諸国の反発が強まっている。同盟国の政府機関への盗聴行為は、「テロ対策」を理由とする情報収集を正当化できないとの厳しい認識があるためだ。
 盗聴疑惑は独誌シュピーゲルと英紙ガーディアンが米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン容疑者(30)が持っていた機密文書に基づいて伝えた。」ー産経引用ー
 
 米国が現在の世界の政治経済混乱に乗じて一気にコトを有利に推し進めようとここが正念場と捕らえていることは間違いない。
 
その動機は米国の内部事情を解明すればよく解る。

 最も日本の場合は、盗聴はやりたい放題だが、外務省はアメリカの出先機関といわれており、ヨーロッパより、進化した異次元空間だ。
 そんなモノたちがTPP交渉の窓口を勤めている事実はナント表現したらいいのか。
内通者に大事な和平交渉を任せている状態なのか。
 
反米主義者というものが存在するとしたら、彼らは真逆の親米主義者である。
以前外務省のアップした報告書を呼んだときあきれ果てた。
いったいこいつ等、何処の国の役所のものなのか。
 
 加藤前駐米大使(現日本プロ野球コミッショナー。ヨミウリ、ナベツネの口利きがなければ就任できない)は先ごろ、ここが正念場としているのかアーミテイジ、ナイら札付き等と肩を組んで日米ジャパンハンドラー委員会を立ち上げている。えらそうにふんぞり返ったとんでもない勘違い野郎である。
 
 >そもそもがアベ、シンゾウ自身がCIA要員の可能性大だ。
 
 岸信介のCIA要員は米当局公開文書で判明しているのだから、
 無能で若き日は本人も認める政界アウトサイダーだったアベシンゾウがCIA要員で無いとするほうがおかしい。
たいした能もナイのに、その手づるでのし上がっていった。
 
今回の総裁選にしても、一般に意外な結果と受け止められているが、あんな無様な弱体をさらけ出した男が首相に返り咲けた政治力学とはなんだったのか。
 
 訪米時わざわざ一民間シンクタンクすぎない戦略研究所に出向いて、ジャパンハンドラーどもの名前を一々挙げてアイアム、カムバック。ジャパン、イズ、カムバックと呼びかけたのはG8の国の首相としては異例だが、同志への挨拶と考えたら解りやすい。
もっとも要員としてはかなり知恵が回っていない。
 
 担ぐ神輿は馬鹿で阿呆のほうがいい!
 
アベシンゾウ阿呆なCIA要員。
そう考えた方がわかりやすい。
エージェントになれば弱みを握られているはずだから、足抜きはできず、肝心なときに相手の要求を実現しなければならない。
 
そういう定点観測で今後の日本政治を観察していく。