反俗日記

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「大阪都構想・住民投票」を世田谷から見つめると」 保坂展人、世田谷区長。ジャーナリスト。2015年05月05日。

 
大阪都構想住民投票」を世田谷から見つめると 2015年05月05日 17時34分 JST
大阪都構想には変遷があり(W出現の経緯。橋下「いしん」の発明ではない)、現在の焦点となっている住民投票は、冒頭に書いたように大阪府(880万人)の中で、大阪市(270万人)のみを対象として、「政令指定都市である大阪市から5つの特別区」に移行することを問うものです
    
>東京の特別区(907万人)は、東京都(1335万人)の約7割をしめているのに対して、大阪市の人口規模は、大阪府全体の約3割という点にも留意したいと思います。
 
     
 
     W。朝鮮戦争中は都の内部団体、区長公選も廃止。東京都ー特別区の出生の秘密は戦時立法
1952年(昭和27年)には区は都の内部団体とされ、区長公選も廃止されています。区長公選を再実施するまでには、1975年(昭和50年)まで待たなければなりませんでした。特別区自治は、長い運動の歴史によってつくりあげられ、まだ途上にあります。
     
 
 W.首長の権限は一般の市町村長以下。その理由、重要財源は都に召し上げ。「財政調整制度」55%再配分
配分を受ける区は「さじ加減」によって区は大きな影響。
>W。東京都の再配分率は55%だが、総税収が大阪と桁違い。しかも大阪府は大赤字の起債再建団体だから、大阪市にとって、税源没収の引き算のそのまた引き算。お互い貧すれば鈍する可能性もある。
世田谷区は人口88万人と、7つの県(佐賀・島根・鳥取・徳島・高知・福井・山梨)を上まわる人口規模を持っていますが、首長の権限は一般の市町村長以下と聞くと、まさかと思う人も多いかもしれません。
*まず、税収が限られています。法人住民税、固定資産税(個人・法人)等は、都が徴収します。その55%が区に配分される「財政調整制度」で運営されています。(今回、大阪で5つの特別区をつくった場合には、配分率を77%(府条例で決めるので決定事項ではない)にするとしています) 財源を握っている都の立場は強くなり、配分を受ける区は「さじ加減」に財政上の大きな影響を受けます。W。55%再配分以外の要素があるということか?
W。まちづくりに重要な都市計画決定権限→特別区だけ除外(当たり前、戦時立法なのだから、勝手に用途地域を決めせる訳にはいかない。戦時立法の根幹は手放さない)
一方で地方分権の流れで、都市計画決定権限が市町村に移行しましたが、「特別区」だけはまちづくりに重要な「用途地域」等を決める権限が除外されています。
W。地元に密着した需要に区が機動的に対処できる権限が奪われていので、街づくりの誘導ができない。相手は民間企業、認可が下りる期間が長くなれば、その期間だけ損する。現在の業態は柔軟、手を引く場合もある。
そのそも、一元的に統治する都の限界ある役人組織では地元対応は無理。都の役人増加必至。
>例えば、文化・芸術のインフラとして、ライブハウスや小劇場がつらなるまちづくりを誘導しようとしても、「用途地域」の変更なしには進められないのが現状です。
>ソウルでは、テハンノ(大学路)には小劇場が密集していますが、小劇場を持つビルオーナーに対して、固定資産税の減免を行なっています。世田谷区には、その権限はなく、固定資産税の減免という切り札を区の政策で使うことは出来ません。
 
W。なんだか愚痴を聞いているような気がする。建築基準法用途地域の制限は厳しい。
世田谷区独自の取り組みとして、出産直後の母子をケアする産後ケアセンター(桜新町)があります。全国的な反響を呼び、国の成長戦略のモデル事業とまで紹介されながら、区内で第2、第3の設置をすることが出来ません。これも、建築基準法用途地域が制限されていることが、大きな理由です。区民の需要が高く、内外の評判が良くても、桜新町準工業地域だったことで例外的に立地可能になったことを知る人は多くありません。人口88万都市に、まちづくりの骨格となる用途地域等の決定権限がないことは、大きな制約を生んでいます。
 
W。人口規模15万人から20万人を基準にして5つの総合支所を置いています。←大阪市24区の事務窓口と一口に云ううが、現在の大阪の各区役所に配置されているのは、ほとんど事務職員。維持できない。維持すれば、24区体制を残すことになり、分割した意味が薄れる。世田谷を基準にすると、最終的に分割区付き、2~3主張所に統廃合される。
大阪市には現在24カ所の行政区があります。住民投票では、これを5つの特別区に統合し大阪市を廃止するとしています。人口規模は、34万人から69万人で人口270万人の大阪市よりは身近かな行政になると説明されています。24カ所の行政区で行なっている事務は、住民の利便性のために存続するともしていますが、この点がもっとも気になります。
世田谷区は5つの総合支所を持っています。人口規模15万人から20万人を基準にして5つの総合支所を置いています。
 
今回の区長選挙で強調したのは、区内の分権・自治をより深く進めていくことでした。選挙チラシには「区民に身近な行政へ。全27地区の出張所・まちづくりセンターの機能を強化し、「参加と協働」の地区行政の拠点とします。本庁から総合支所に身近かで必要な予算・権限を移します」としています。
4年前に区長に就任した時に、27の出張所・まちづくりセンターで「車座集会」を開催しました。まずは、住民の関心が高く、区に求めていることを受けとめるためでした。関心が高かったのは、「災害対策」「高齢化時代の福祉」「子育て支援・教育」の三大テーマでした。
 
関西メディアのインタビューで、「何を基準に住民投票を行なうべきか」と質問がありました。私は、「身近なコミュニティに隣接する現状の区役所で、災害時の危機管理体制がどうなるのか。日常の災害対策をきめ細かく進めることが出来るのか福祉や子育て支援の住民サービスが向上するのか、後退するのかを見極めることが必要」と答えました。
 
W。日本国民がここまで政治バカになれる、という展示物が大阪に陳列されている。
政令指定都市である大阪市を解体し、大阪府が5つの特別区の上位に来るような構図の改革には、広域の大プロジェクトを推進する一元化した体制をつくることに力点があるように感じます。←W。
これまで、政令指定都市の住民自らが「市の解体」に賛同したことはありません。大阪都構想でも、従前は政令指定都市堺市を含めた大阪府全域の話でしたが、堺市が離脱したことで大阪市のみの住民投票となりました
神奈川県には横浜市川崎市相模原市と3つの政令指定都市が存在します。たとえは、横浜市を解体して、神奈川県の特別区にするという議論はあまり聞いたことがありません。むしろ、横浜市政令指定都市からさらに自治権を確立した特別自治市を提唱しています。
 
W。こんな当たり前のことさえ、云われるままを鵜呑みにして、簡単に飛び越えられる政治バカの陳列ケース大阪。→議論をするには時間がなくて、もうまにあわないのが現状なら、拙速に決めるべきではないと思います
W。もっとも議論する時間はない、という事態を作り出したのは、鵜呑みにしている側でない。
W。選択肢は事実上三つある。賛成、反対。将来を決める大切なこと、現状よくわかないから、じっくりと考える時間がほしい→自分で考えるだけではなく、一度、橋下「いしん」に熟成期間を与えて、政治化学反応を見極める意味もある。反対投票を投じなければ、賛成していると同じ事。なぜか?これまでの選挙結果から橋下「いしん」には大阪市有権者の20%越えの確定票があり、分からないと云って反対票を投じなければ、それを上回ることができない。マスコミ報道の動向も気になる。反対派の学者の記者会見の動画を視聴した限り、記者の質問はピントはずれ。大方晴子記者会見の質問のようだった。STAP細胞は存在しないと解った今になって、あの騒動はいったい何だったのか、ということになっている。
そもそも、出現以来、激しく動き回る劇場型政治の橋下「いしん」の素性さえまだはっきりしていない。主導者橋下自身が二度も任期途中で辞職している。昨年暮れの衆議院選挙出馬画策=批判受けての断念を入れると3回になる。こんな地方政治家の主導する大きな制度改革=権限と権力の一元化を疑いの目で見るのは、当然のことである。
 
「大都市としての役割を果たすため、現在の指定都市制度を見直し、国が担うべき事務を除くすべての地方事務を大都市が一元的に担う制度」という構想には注目できます。
二重行政を解消するのなら、大阪市が独立性を強め、24カ所の行政区の住民自治を強化するという道もあるはずです。こうした議論をするには時間がなくて、もうまにあわないのが現状なら、拙速に決めるべきではないと思います。今回の住民投票を世田谷区から注目して見ています。
 

(参考)2014年2月5日「大阪都構想の欠陥-東京23区の現実
W。今の日本の生活現場のリアルな実情に対面する末端行政サービスを担うと、都ー特別区行政システムから、位置づけられている、東京都の特別区行政の現状の矛盾を、物語っている。
この報告は大都市のグローバル資本制下の日本国内の経済相対化による、人口高齢化金融帝国主義本国での絶対的貧窮化のじわじわとした進行による低賃金労働力市場への家庭単位の動員とその矛盾に対して、財源、権限を都に取り上げられている特別区が、現場として権限と財源が乏しいために、結果的に、住民に無責任、投げやり、非人間的、結果日本縮小の方向に対処せざる得ない現状を、述べている。責任の集中機能の分散の真逆。
抜粋引用。
「いま、東京都知事選であがっている論点の中で、「子育て支援」「若者支援」「高齢者福祉」「障害者福祉」の最前線はいずれも区が抱えている現場です。押し寄せる大きな行政需要の波に日々さらされているのも区です。だからこそ、財源と権限が必要です。特別区のような制約された自治体の姿でいては、求められるニーズに対応できないと考えています。 警察・消防・上下水道等の広域行政を除けば、住民サービスの多くが区の仕事として行なわれています。東京の分権・自治改革が必要です。
東京では、制約された基礎的自治体である特別区から「世田谷市」「新宿市」のようになることもたびたび話題にのぼってきました。それほど問題を抱えたシステムなのですそれだけに、大阪のように「政令市を廃止して特別区へ」という議論には肯きがたいものがあります。
 
 
W。大阪都構想は東京都の何周も遅れた、他自治体も相手にしない一人東京追走者。笑い物、実験材料。
しかも、「東京の特別区(907万人)は、東京都(1335万人)の約7割をしめているのに対して、大阪市の人口規模は、大阪府全体の約3割」
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大阪市域にとって、引き算、割り算ばかりで掛け算(経済乗数効果という経済原則の本線であるメリットが生じない仕組み。大がかりな制度改革=権限と権力は大阪市域からの移動するが、行政がこんななことやっていれば、府市は荒廃する。
分裂や禍根を残すことばかりやって、大きな制度改革が成功する訳がない。本来非常事態の戦時昭和18年の挙行された都特別区構想を平時の今頃実行している異常性。
しかも、投票は堺市離脱のため、橋下市長の大阪市だけの市廃止、分割協定書への賛否を問う住民投票
このままもめ続けて、トップ同士の住民無視の談合だな。住民投票は談合に始まり、談合中のまま、利権分割へ
真っ当でない経過から突如、浮上した住民投票結果、真っ当な成り行きで終息するはずない。
大阪都構想で、大きな利権が生まれる。コレ必然。