対話者 中島岳志 - Wikipedia
アジアに通底する価値 W。勘違いである。丸山真男引用
歴史的文化的にバラバラの地域をひとまとめにすることはできない。
前回の記事のタイトルを使えばこういうことになる。
「同質性がないところで無理やりアジア主義をやろうとすればファシズムになる。
同質性のない人々を束ねるためには、だれかを排除する身振りによって同質性を捏造する」
丸山真男引用
「『国際社会』は即時的に地球の存在したのではなくて、発生の由来(キリスト教的共同体CORPUS CHRISTIANUM)からいっても、また近代社会の構造(主権国家が平等の立場で『外交』を取り結ぶ社会)からいっても、本来ヨーロッパの文化圏を前提とした歴史的範疇である。
>東洋は古来、インド、イスラム、中国といったいくつかの文化圏の併存とその間のいわば偶然的な交渉と接触はあったけれども、ヨーロッパ世界とパラレルな意味での統一的な『アジア文化』なるものも、『国際関係』も19世紀末に至るまでは存在しなかった。
>日本も中国も西欧諸国のように、所与としての国際社会の中で近代的民族主義を徐々に成長させたのではなく、
>ある歴史的時点においていわば一体としてのであった。」 引用終わり
********************************
引用
「『資本制生産に先行する諸形態』のなかでマルクスは、アジア的生産様式は、古代的・封建的生産様式とは異なって、
>アジア的土地所有においては共同体の所有はあっても個人の所有はなく、
>個人は共同体成員としてそれを保有しているにすぎない、としている。
これは、個人が土地(耕地)を分配されるのみの存在であって、
共同体から自立できないことを示しており、これは原始共同体の社会構成とも異なることを示した。また、マルクスは、このような機能を国家的規模で独占管理し、共同体の生産と労働を貢納制度によって収奪しているのが専制君主であると指摘した。」
wacwac アジア的生産様式の観点から徳川幕藩体制と年貢村請負、ムラ社会を見直してみるのは見当違いなのだろうか?朝鮮半島の地方では土地の私的所有が曖昧になっているところもあり、登記する時点で日本側にその点をつかれ、その土地を略取されたと何かの本で読んだことがある。
以上の理論面の引用はさて置き、Wの以下の論議に対する率直な感想は、今の日本のアジアにおける政治的立ち位置でアジア主義を課題にしても肝心のアジア諸国、と民からさっぱり相手にされないし、こっけいですらある。最初のボタンからして大きく掛け間違っている、ということだ。
**************************************
白井
太平洋戦争という言葉によって米国だけに負けたというイメージになってしまいました。
中島
侵略という誤謬を含めて『大東亜戦争』という言葉を使わなければ、複雑なものを引き受けられない。そこから逃げてきたのが戦後です。戦前のアジア主義がいかに帝国主義に転化していったのか。その顛末を鋭く見つめ、日本の帝国主義を徹底的に反省することを通じてアジア主義の価値の原石を掘り起こすことがこれからのアジアの枠組みを作る過程になる。W.竹内存命のころ、そういった議論があった。あの頃は運動としてのベトナム、中国、韓国の戦いへの連帯感の広がりがあり、それなりの臨場感があったが、今は反中国反韓国、朝鮮への空振りアンチテーゼにしかならないのではないか。
**********************
例えば岡倉天心、大川周明、が目指した亜細亜的視座、同時期にインドでがタゴールやガンジーが同様のことを言い、また、戦前の思想家や活動家たちが中国の孫文、韓国の金玉均(キムオッキュン)VS閔妃/閔氏
らと交友を深めるなど、そこに繰り広げられたアジアをめぐる思想的な問いは終わっていないと思います。
********************************
W注目点
引用 W.習近平、一帯一路 - Wikipedia
戦略は「敵は強大であって我は弱小であるという認識」(党是)から逸脱している。
①中国専制国家史の観点から見ても帝国の公共部門の大拡張<膨大な民の世界~~人民の海~~の無言の圧力が背景にある)と政権の失墜の繰り返しであった(中国史のダイナミズム!)。
②中国歴史を振り返ると、歴史的中国国家の本質は中国大陸内で内発発展可能な領域国家(ヨーロッパの追随を許さない人口扶養力が在る)であり、対外膨張をする場合の戦略性~~目的意識性~~はなく、成り行き任せの拡大に終始し、拡張した地方末端からほころびが出てきて中央政権が潰れた。
中国の根本的な社会構造は民の世界と政権の世界の空間的分離、二層性であり、政権が変質し倒れても民の世界の定常性は維持され(日本人にとって異次元、理解できない!)、そこから次なるものが生み出されていく。
③紙、鉄砲、火薬、印刷技術など発明は中国発であるという事実から見ても、中国の技術開発は一端軌道に乗れば飛躍していく。技術細部に対する強い執着がある。~この点も日本人にとって理解しがたい。~
竹内ウィキ引用
「戦後になって読み始めた毛沢東の著作で、抗日戦争に対する見通しが正確だったことに驚き、毛沢東の土着的発想を学ぶことで太平天国の乱を源流とする中国の人民革命の特質がつかめることを期待した。その毛沢東思想の原型を井崗山時代に求め、根拠地理論へ到達した。
中島 米中関係の認識も当時の状況に流されすぎている。今の対立の予見もない
歴史観を共有する米中
省略