反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

外国航路の船の記事、画像一覧の詳しいデータ付きブログの紹介とMOL大型コンテナ船インド洋真っ二つ事故の過去記事及び日本の造船業界の現状。

 海と船が好きで、各種船舶の形状機能、船名、船籍などを観察している。このブログの方は外国航路の船員をしていたとかでデータをキチンと出しているのでうれしい!

自分も一時期、船の仕事をしていたことがある。小学生の頃には流木で大きないかだを作って、トムソーヤをやっていた。夏は水泳と野球漬けだった。伝馬船の船腹に設置した魯を漕ぐこともできた(要領は船尾の櫓をこぐ動作と同じ)。学校を休んで磯釣りにいった。釣り竿を背中にロッククライミングまがいのことをやって釣り場にいった。餌のゴカイは現地調達だった。

 そういうえば3年前に温水プールに通っていた頃、周囲の人が近寄れないほど泳ぎの達者なヒトは元船員だった。研究してかなり泳げるようになったWもこのヒトが上級コースで泳ぎだすと、ついていけないので別コースに逃げることに決めていた。

双眼鏡でようやく確認した船名がキチンとHOTOにデータを添えて載っているのには感動した。

https://ameblo.jp/marine38yosan/

大型船雲MARU

https://ameblo.jp/marine38yosan/entrylist.html

記事一覧

https://ameblo.jp/marine38yosan/imagelist.html

画像一覧

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W。8年前の記事の再録。MOL(三井大阪商船ライン~コンテナ)のインド洋、真っ二つ事故を取り上げた記事。この海難事故は福島原発事故関連で三菱重工神戸造船所の製造した原発蒸気発生器の写真を掲載したところ直ちに削除された数年後、偶々、不思議な形状の船首をしたコンテナ船をみつけたときに、三菱重工長崎造船所建造のコンフォート型のコンテナ船と判明し、両者が一致して記事にしたものである。付随してイロイロ横道にそれて調べた結果をそのまま載せているところが反俗日記らしい。反俗日記の過去記事には世界のコンテナ業界の連合(大型船の建造コストなど特殊事情によって日米欧の業界は連結し寡占状態になっている)について調べた記事もある。

MOL COMFORT長崎造船所、2008年に建造、沈没事故について。

MOL COMFORT型コンテナ船(同型は10数隻建造)の船首の切れ込みの形状に注目。大型のコンテナを時折目にする者にとって、船体の外見に何か感じるものがあって帰宅早々、ネットで調べてみた。

MOL(三井大阪商船ライン)デザインは統一。コンテナライン~ほぼ全部頭の中に入っている。解らなければ調べる。~のデザインを見る楽しみもある。船名も非常に気になる。解らなければ調べる。

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そこで海難事故を知ったわけである。

ken_non_sumの日記: 三菱長崎造船所建造のコンテナ船、就航 5 年で沈没 インド洋にて119

ウィキ引用。
MOL COMFORT(エムオーエル コンフォート)は、三菱重工業長崎造船所で2008年に建造され、ウラル・コンテナ・キャリアーズが所有し商船三井が運用していたバハマ船籍のコンテナ船である。2013年6月17日ドバイ時間の7時頃(協定世界時6月17日3時頃)にインド洋シンガポールからジッダへ向け航行中、北緯12度30分東経60度付近において船体中央部に亀裂が発生し自力航行不能となり、前後2つの部分に破断して漂流を始め[3]
W。大型船の建造スタイルは船体を輪切り状態で分割して工場生産し、ドッグで連結する方式。連結溶接は自動溶接。
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後半部分はドバイ時間6月27日11時48分頃(協定世界時6月27日7時48分頃)に、
W。船尾は真っ二つ事故より10日漂流後に沈没。
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前半部分はドバイ時間7月10日23時頃(協定世界時7月10日19時頃)に、それぞれ沈没した。
W。船首は20日後に沈んだ。船体をワンブロックごとに(各ハッチごと)輪切りにして建造しドッグで連結したとわかる。
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記事にするために関連情報を丁寧に収集した。今年の8月ごろだった、と想う。
コンテナの中身にはシンガポールで荷積みしたシリア内戦の反政府勢力支援物資が含まれていた、という話題もあったが、根拠が乏しい憶測の域を出ないと退けた。
海運会社は事故に遭遇しても、業界の原則として、荷主の秘密は厳守するものと想われ、情報公開はあり得ないのである。(食肉偽装問題に関西西宮の冷蔵庫社長が倉庫に預かった荷の中身を告発して、干されている)
 荷の中身の情報公開がないといって、シリア内戦支援に結びつけることは、日ごろから陰謀論を退けていることもあって、あり得ない。
韓国など新興工業国との競争関係にある日本の造船業界の現状と絡めて記事にすることも考えたが、マニアック過ぎる、又技術問題について知識がなさ過ぎる。
 結局、作成中の記事は抹消した。
抹消した記事ではこの楽曲を挿入した。
動画削除されている。当時、ヒットした。アンディーウィリアムスショーに出演した際にこの曲を演奏した動画のアップ。
 
この唄は元々、アメリカン、トラディショナルソング。
カントリー歌手、ドワイト、ヨーカム。かなり老けた。
 Dwight Yoakam - "Sloop John B" (The Beach Boys cover) captured in The Live Room
この事故の原因は、造船業界で働いていたベテラン溶接工に聞くと、どうやら船体溶接部のすぐ脇の脆弱部が強烈な荒波に船体がもまれた際に一気に亀裂損壊が生じた模様。
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三菱重工長崎造船所が建造した10数隻のコンフォート型のコンテナ船は高速航海を維持するために(コンテナ船はの流通コストを抑えるために長距離短時間航海を旨としている~20ノット以上、1ノット=約1,8km普通)船首部分を高速船のような形状にしており、その脆弱性を補うために、甲板に特殊な強度を持たせる作りになっているということだったが、やはりそのような構造では大波に耐えかねたようだ。
この事故を受けてコンフォート型のコンテナ船の甲板は補強された。
 
日本の造船業界と韓国など新興工業国の造船業界の受注競争の激化と、
日本の業界には不利な条件がでそろっている現状をキッチリと抑えておくべきだろう。
     ー東洋経済 ON RAINー2012年12月6日記事。
<存続なるか日の丸??(W。こういう視点がダメだと主張している。最後は劣勢の趨勢から排外主義に行きつく。>ー迫り来る2014年危機ー船腹過剰で受注激減 仕事払底の危機が迫る。
W.イロイロ危機煽りの様な書いているようだが、肝心なことをスルーしている。
産業の歴史的な発展パターンには一言も触れていない。
繊維、紡績産業ー重厚長大、労働集約型産業ー金融、保険、商業サービス、IT。
高度成長経済の時代の日本造船業は世界一だったが今は1位韓国、2位中国、3位日本。
自動車産業のように製造過程をロボット化して規格品の大量生産をしづらく、大量のヒト手間がいるし、その割りに現場の技術力も必要。完成品の耐用年数が長く、資本回転が悪い。
結果、現場労働者の賃金水準の多寡が完成品の価格と企業の利潤率に反映する。
多くの現場作業員はリストラされてきた。その中には優秀な技術力を伝授すべきものもいたはずだ。
しかし、日本造船業界は技術力で勝負するしかないのに、現場作業段階で問題が生じていく条件は潜在する。
以上のような絶対的ともいえる歴史的条件の違いをスルーして、<日の丸、ナンタラ>と煽るから、余計な危機感が生まれ、ろくな政治結果にならないのである。
W。バルカー

下図はクリック拡大できる。ここでいうガス船の建造コストが高価。

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造船「国内首位&2位連合」でも遠い中韓の背中 | 素材・機械・重電 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

W。今治造船地場産業が業界NO1企業になった。石播(IHI)重工、日立は造船業から撤退気味の趨勢の中からコスト安が売りの今治造船が中小造船所を吸収して相対的な地位を高めた。

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三菱重工長崎造船所(名門造船所)建造コンフォート型コンテナ船のインド洋海難事故の記事作成から(2013年6月)から8年の歳月が過ぎた。あの頃の日本と世界の造船業への認識と今の現状の基調は変わっていないが、三菱重工の造船部門は世界の当該業界のシェアでいえばその他の部類に入るほどになっている。
今治造船という会社地場産業⇒来島ドッグが名称変更したのかな?調べてみる)が日本ではトップに位置するとは、全く知らなかった。結局、造船業界は労働集約産業。労働コストの多寡によって収益率は変わってくる。日本の造船産業が右肩上がりだったのは高度経済成長までだった。その後韓国の造船業がトップに立ち、次に中国企業首位と移り変わってきた。
今治造船 - Wikipedia
 W。広島の東洋工業マツダみたいな会社だな。ただし、オーナー非上場企業。一族は経営から追放されていない。
引用
愛媛県香川県広島県山口県大分県瀬戸内海沿岸を中心にグループで10の造船所を保有している。1959年に檜垣正一が代表に就任以後は檜垣家が代表を務めるオーナー企業である。

1980年には三菱重工業三井造船石川島播磨重工業日立造船後2社の造船部門は現・ジャパンマリンユナイテッドといった大手造船会社の3分の1以下の生産能力しかない造船会社であったが、

>1980年代に造船業界が不況に陥り(W。急激な円高により外需激減、工賃上昇の影響)、大手がドックを削減し新事業にシフトする中で経営不振の造船会社を傘下に収め、規模を拡大した。」 引用終わり

深刻な海運業界の船余り  W。2013年記事を書いた頃より指摘されていたがまだ続いている!

引用
世界の大手造船各社が再編に動くのにはいくつかの背景がある。1つは、一括発注の増加だ。」
近年、造船各社の顧客である海運業界も再編が進み、それにつれて大型商船も一度の発注が多数隻となることが増えている。規模が小さな造船会社ではそうした顧客の要求に応えられないため、造船会社の合従連衡が進んでいた。今治造船JMUが共同で受注し、それぞれの造船所で船を建造すれば、多数隻の発注にも十分応えられる。」
もう1つの背景は、世界の海運業界で続く深刻な「船余り」だ。2008年のリーマンショック直前に受注し、生産を開始した船が大量に出回っているためだ建造に数年かかる大型商船リーマンショック後も建造量が増え続け、2011年の世界の建造量は年間1億総トンを超えたその反動で建造量は大きく減少し、
現在はピーク時の半分程度の5000万総トンにとどまっている。⇒W大型生産設備投資の景気波動に対する硬直性、困難性。

それにつれて、各造船会社の手持ち工事も減少。適正とされる2年分の手持ち工事量を割り込むと「新型船の設計をする余裕がなくなり、既存のものと同型船の受注しかとれない」(檜垣社長)。比較的競争力のある今治造船は2年分を確保しているというが、国土交通省によると、日本の造船業界全体は1.8年分の手持ち工事しかない。

その結果、ここ数年は赤字覚悟の安い船価での受注競争が繰り広げられてきた。

中国や韓国の企業は政府からの手厚い保護もあり、少ないパイを奪いにきた。

韓国の大宇造船海洋は一時経営危機に陥ったが、政府系金融機関が1兆円を超える金融支援をしているとされる。日本政府もこうした動きに対して世界貿易機関WTO)のルールに違反するとして2国間協議を求めているが、韓国側が応じる気配はない。」W。長期経済停滞から抜け出せない状況下で発生した東日本大震災福島原発事故後、オリンピック開催に立候補するモチベーションと同類!

長期スパンの展望があるわけではない。ただ直近の周囲と足元を見つめた対応があるだけ。コスコストカット、非正規労働の維持の悪循環。

焦点となるLNG運搬船 船価が高く、今後の需要も見込めるLNG

今治造船三菱重工業と合弁での営業・設計会社をすでに始めているためだ。

しかし、三菱重工は大型船の主力工場である長崎造船所香焼工場を同じ長崎県大島造船所に売却予定だ。売却すればLNG船から撤退することになる。檜垣社長は「三菱との合弁解消は考えていない」としているが、合弁会社の意義は薄れつつある。

 今後、中韓との差別化のために注力するのは環境規制への対応だ。国際海運のルールを決める国際海事機関(IMO)は、温室効果ガスの排出について2030年に2008年比で40%以上の削減を求めている。
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  W。以下は過去記事をそのまま。張り付けたもの。三菱長崎造船所建造、コンフォート型コンテナ船の海難事故原因を究明している連続投稿。今読んでもなかなか面白いので再録した。
 
by Anonymous Coward on 2013年07月17日 19時23分 (#2423076)
世界初の船体用降伏応力47 kgf/mm2級高張力鋼の開発と実船適用 [mhi.co.jp]
「耐久性に難がある」とは何を指しているのかわかりませんが、降伏応力は現在主流の40 kgf/mm2鋼材よりも2割程度高いとされていますね。
図6に適用部位がありますが、写真で見る破損の基点はこの部位ではない(もっと下の船腹部である)ように見えます。
コンテナ船の大型化に対応した,47 キロハイテン を世界に先駆けて開発し,実船に適用した.その特徴は以下のとおりである.
(1)高強度効果による薄手化と,鋼材の高靭性化を組み合わせ,万一の脆性き裂特性を高め,船体の信頼性を向上した.
(2)高強度効果による重量低減により,貨物積載量を増加し,推進性能・燃費向上にも寄与した.
(3)以上により,お客様のニーズである,安全性向上,環境負荷低減にマッチした製品の提供を実現した.
 47 キロハイテンは,単なる高強度鋼板ではなく,適切な設計と組み合わせることで,軽量化と船体の信頼性向上を同時に達成しており,この考え方は,今後の超大型コンテナ船を開発・建造する上で,世界的な標準となっていくと考えている.
鋼材が試験時のスペック通りの強度を持っていなかったか、新規鋼材には問題なかったけど既存鋼材との溶接とかに未知の問題があったか、軽量化のために変更した構造の設計が間違っていたか、とか原因はいろいろ考えられるでしょうが、沈んでしまうと調べようがなくて困りますね。
# アジアの安い造船メーカーに、技術で対抗したい三菱重工にとっては痛い事故ですなぁ
by Anonymous Coward on 2013年07月17日 20時01分 (#2423107)
一般にハイテンは疲労に弱いです。
また通常の鋼材に較べて低温脆性の限界温度が高い(より高い温度で脆化する)と言う性質があります。
またこの二つが重なり合うと当然疲労も大きくなるわけです。
従来はここが問題になっていましたが、MHI
「高強度効果による薄手化と,鋼材の高靭性化を組み合わせ,万一の脆性き裂特性を高め,船体の信頼性を向上」
と言っている様に、それを特殊な技術でカバーしたものであると思われます。
船体にはハイテンを全部使えばそれだけ強いと言うわけでは当然ながらありません。場所によって軟鋼からハイテンまで使い分けます。その他に摩耗の特性が高い金属、溶接でよい金属、などを組み合わせて船体は作られています。
正直MHIがこの辺りでしくじるとはちょっと考えられないので、何かイレギュラーなことが起きたのではないかと思われます。
また問題が発生した場合、これはMHIだけの問題ではありません。日本だけの問題でもないです。
と言うのは、以前は国ごとで安全基準が異なったのですが、今は改正SOLAS条約と言うものでかなり統一されてきています。
まだ発展途上ですが、2008年就航の船ならば、ほぼ最新の基準が適用されているはずです。これはシミュレーションプログラムまで規定されているような厳格なものなのですが、これをクリアしていて、構造的欠陥があると言う事になるといろいろとやばいですね。
 
by Anonymous Coward on 2013年07月17日 19時37分 (#2423094)
三角波(ピラミッド状の波)を受けて前後が海面に浮けば潜水艦以外の船種は全て「折れる」か「転覆」します。
潜水艦でも緊急浮上(船首を空高く上げる浮上方法)は船体寿命を縮める(最悪折れる)として嫌われています。
船底の一点を持ち上げられ、前後は宙に浮くんですから、原子力空母だろうが波が相応に大きければ折れるか転覆します。
それが商船規格のコンテナ船なんですから前後が浮けば折れます。
折れない船なら、それは強度過剰で積載量が少なすぎ、実用的な輸送船にならないでしょう。
転覆していない。即時に折れていない。
ということから、構造規則は満たしているのではないでしょうか。
荒天時に三角波が発生しやすい海域を航行していたという、航路選択のミスはあるかもしれませんが、
それも、そういう海域を選ばないと燃費と期日が守れないのなら、止む得ない事故でしょう。
 
by Anonymous Coward on 2013年07月17日 20時08分 (#2423116)
船級協会などの検査をパスしているはずだし、荒天といってもデタラメに凄い波には見えない。
使用実績の浅い鋼材使ったために、造船、操船のノウハウが溜まっていないとか、見えにくい設計ミスの可能性もある。
でも、施工不良の可能性もあるんじゃね?
船用としての使用実績が浅いということは、加工、造船した人たちのノウハウの溜まっていない気がする。
造船所といっても船だけ造っている訳じゃないし、ハイテン綱の加工経験は少なくないとは思うけど。
 
by Anonymous Coward on 2013年07月17日 23時48分 (#2423278)
工作機械業界ですが、製造に半年掛かる機械が数台沈みました。
納期要求がきつい業界なので、営業がパニクってます。
 
by hahahash (41409)on 2013年07月17日 17時23分 (#2422998日記
前半分だけで3週間も漂ってたのか、今時の船ってすごいな。
たぶん、そんなの常識だろってレベルの話なんだろうけど、あらためて感心した。
えーと、水密区画とかそういう話でいいんだっけ?
 
by Anonymous Coward on 2013年07月18日 2時05分 (#2423320)
複数の船倉を持つバラ積み貨物船などと同様に、コンテナ積載部分も区画分けされていたようですね(折れた区画以外はすぐに浸水しなかった)
事故原因はまだ不明ではあるものの、6月27日の時点ではやばやと商船三井から同型船の強化工事実施のプレスリリースが出ています
http://www.mol.co.jp/pr/2013/13049.html [mol.co.jp]
 
      <追記>
 もうプロ野球にはたいして興味はないけれど、勝利の方程式を
マー君で2勝。残り5試合で2勝すれば4勝=優勝。
 
ミウリ。
マー君で2敗残り5試合で4勝1敗でなければ、優勝できない
 
が、勝負の世界に絶対は無い
途中で眠くなったり飽きてくるかも知れないが、マー君劇場は勝っても負けても興味はある
現時点の日本最高の役者である。存在感がある。
 
が、ラジオで夜8時から、9時まで大人のジャズタイム。
優先順位はこちらの方。