反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

エマニュエルトッド第17章ヨーロッパの変貌 大陸ヨーロッパが自由主義的民主制の誕生の地であるかのような表象は紛れもない知的詐欺。階級社会はもともと資本の所有だったが、今日ではこの階級に「教育」という新たなツールが加わり、思想的、そして社会的な階級の存在を正当化。W独、ウクライナ戦争によってUE経済覇権の限界露呈。独露海底パイプライン爆破に沈黙独首相⇒敗戦国にはいざというときの主導権無、英米追従。日本はもっと追従明らかになる。

   第17章 ヨーロッパの変貌

引用

「「高等教育の革命は、

>確かに階層秩序に新たな厚みを与えるし(W注①)

それで立ち現れてくる歴史もまた新しい。

しかし、われわれはまた、ドイツの台頭によって米国の監視から解放されたヨーロッパが、今日、自らの歴史の正常な流れを再び見出しているのだ(Wトッド得意のやゆということも認めなければならない。

その国の固有の歴史では

オランダ、ベルギー、フランス、デンマークを別にすると、

大陸ヨーロッパ自由主義的かつ民主主義的であったことが、一度もない。

 1935年のヨーロッパを眺望してみよう。

いたるところに、権威主義的体制が樹立されている。

それが第一次世界大戦終結した1918年から英米とフランスの影響下に設置された民主制が崩壊した後の状態だったのだ。

>大陸ヨーロッパは、共産主義ファシズム、ナチズムを発明した。

>大陸ヨーロッパが自由主義的民主制の誕生の地であるかのような表象は紛れもない知的詐欺である。

~~

しかしハンガリーでも、ポーランドでも、フランスでも、オランダでも、あるいはイギリスでも

EUに対する反抗の構成要素のうちに外国人恐怖症がいっているのは否定すべくもない。

>それも含めてすべてが正常なのだと、あらためて述べておく。

@米国においてと同様に、民主主義の失地回復にはヨーロッパにおいても、それが可能なところでは、

原初的民主制の民族的基盤に立ち返って、そこから出発しなければならない。

~~~~~

オランダ、とフランス~~この二つの国民システムのかじ取りをする立場の者たちが、

ドイツからの何らか介入とは無関係に、すでに直系家族型とゾンビ、カトリシズムの影響下に入っているのではないかと思われるからだ。

だとすれば我々がとりわけユーロ圏の中で覚悟しなけらばならないのは、

>民主制の廃止という展望である。

 いずれにせよ、

今日、欧州は大陸はドイツにしっかりと掌握されている。

W注②

2023年にユーロを導入するクロアチア、ユーロ圏はなぜ拡大するのか 国際通貨としては地盤沈下しているユーロだが、小国には魅力的なオプション(4/4) | JBpress (ジェイビープレス)

【図表 ユーロ圏とドイツの経常収支の推移】

ドイツの経常収支が巨額の黒字を計上してきたからこそ、財政統合が停滞してもユーロが国際通貨としての信認を保つことができた(図表)。

そのドイツの経常収支の黒字は、ロシアからの安価なエネルギー供給に立脚していた。」

「ノルドストリーム爆破」問題に新展開…独メディアが報じた真犯人「親ウクライナ勢力」とは誰のことなのか?(川口 マーン 惠美) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

①足跡はウクライナに続く

②独シュルツ首相はノーコメント。

W。独ウクライナ戦争によってUE経済覇権の限界露呈。世界大戦敗戦国にはいざというときの主導権は与えられず英米追従。日本はもっと追従明らかになる

③米族首脳会談の議題は何だったのか

④いったい何が進行しているのか

⑤「ノルドストリームには1と2があり、それぞれパイプラインが2本ずつ敷設されているので、計4本。そして、ちゃんと4本ともに、すべてきれいに穴が開けられた。いかにもプロの仕業だ。これだけの作戦を実行するには、綿密な計画が必要だし、どこかから資金も提供されているだろう。

なお、ロシアは最初から犯人はウクライナであり、その背景に米国がいると主張していた。もちろん、ウクライナは真っ向から否定している。」

ノルドストリームプロジェクトは、パイプラインが欧州におけるロシアの影響力を強めるという懸念や、中・東欧諸国の既存パイプラインの使用料が連鎖的に削減されるという理由から、米国やウクライナ、その他の中・東欧諸国から猛烈な反対を受けている。

米国は同パイプラインがドイツを含む北大西洋条約機構加盟国に対するロシア政府の影響力を強めかねないと懸念しているため[23]、2018年7月11日、ドナルド・トランプ大統領は、北大西洋条約機構事務総長との朝食会の場でノルドストリーム2計画について触れ、「アメリカがドイツを守るために数十億ドルも払っているというのに、ドイツはロシアに(ガス代として)数十億ドルを支払っている」と批判。その場に居なかったドイツのアンゲラ・メルケル首相は、別途、ドイツは独立して決断を下しているとしてトランプ大統領の批判に反論した。

****

 W。元に戻る

単一通貨がより弱小の18のネイションを債務の網の中に閉じ込めていて、そこから脱出するのは技術的に難しい。W②

ドイツ連邦共和国のの貿易黒字が、あの国の起業や外交に、労働力や企業を買うための手段を与える(W注③)

何よりも多くの地域権威主義的で不平等な基盤の上にあることを忘れないようにしたい。それらの地域は支配的なパワーに親和性を感じており、その隷従は、結局のところ自発的なのである(W注③)

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(W注①)

www.subculture.at

「先進諸国では、識字率が上がり、多くの人が民主主義について語れるようになり、あらゆる民主的な制度が存在し、投票制度も、政党も、報道の自由もあります。

 

しかし、実際には社会にはいくつものブロックに分断されてしまい、人々が「自分たちは不平等に生きている」ことを知っている状態にいます。

 

構造としては

上層部に「集団エリート」の層があり、その下に完全に疎外された人々、例えばフランスでは国民連合(旧・国民戦線反移民などを掲げる極右政党に票を入れるような層があります。そしてその間には、何層にもなった中間層が存在しています。

自由を手にしている。にもかかわらず選挙そのものは狂っている。

民主主義というのは本来、マジョリティである下層部の人々が力を合わせて上層部の特権階級から社会の改善を手にしようというものです。

ですから、民主主義は今、機能不全に陥っている。

@そしてこの機能不全のレベル教育格差によって決まるのです。

教育格差と新しい貴族階級

教育の評価基準の特殊な点は、上層の人々の権力を驚くほど正当化してしまう点です。またそれは同時に、高等教育を受けなかった人々の自信を破壊してしまうものでもあります。

 

ここで忘れてはないらないのは、社会全体がそうなってしまったら、その社会の進歩は止まってしまうということです。

非常に優秀と言われる高等教育を受けてエリートたちに指導されている国々で、高等教育の発展が、実は知性にとっては非生産的な結果をもたらしたと言えるかもしれません。

 

 今、我々は全く別のフェーズに移行しようとしていると言えるのです。

私が言いたいのは、この高等教育の機能の1つが、社会を階級化し、選別するものになってしまっているということです。

今の高等教育は学ぶ場ではなく、支配階級が自らの再生産を守るためのものになり、被支配階級の子どもたちよりもどれだけ上の教育を受けられるか、ということが重要

高等教育を「買う」ということすら可能です。

アメリカではそれが顕著で、大金を払ってハーバード大学に入学することも可能な時代です。いかに自分が従順であり、忍耐強く、そして順応主義であるかを見せつけるために高等教育を受けるのです。

しかし、そこで生まれるのは「バカ」しかいないことです。

 

 マルクスの言う階級の現代版といえるでしょう。

マルクス主義的な階級社会はもともと資本の所有でしたが、

>今日ではこの階級に「教育」という新たなツールが加わり思想的、そして社会的な階級の存在を正当化しているのです。

いわゆる高等教育を受けたエリートたちは、決して能力主義のおかげでそこにいるわけではなく、あくまで階級によってそこにいるのです

【要約】エマニュエル・トッド「大分断/教育格差が生み出す民主主義の機能不全」

教育格差が生み出す民主主義の機能不全


 

エマニュエル・トッド (Emmanuel Todd, 1951年5月16日 - ) は、フランスの歴史人口学者・家族人類学者。人口統計による定量化と家族構造に基づく斬新な分析で知られる。経済よりも人口動態を軸に歴史を捉え、ソ連崩壊やイギリスのEU離脱アメリカでのトランプ政権誕生を予言した。

 

「大いなる嘘」の時代と民主主義の機能不全


今、我々は「思想の大いなる嘘の時代」に直面しています。先進諸国では、識字率が上がり、多くの人が民主主義について語れるようになり、あらゆる民主的な制度が存在し、投票制度も、政党も、報道の自由もあります。

 

しかし、実際には社会にはいくつものブロックに分断されてしまい、人々が「自分たちは不平等に生きている」ことを知っている状態にいます。

 

構造としては、上層部に「集団エリート」の層があり、その下に完全に疎外された人々、例えばフランスでは国民連合(旧・国民戦線。反移民などを掲げる極右政党)に票を入れるような層があります。そしてその間には、何層にもなった中間層が存在しています。

 

このような構造の中で、民主主義のシステムは機能不全に陥ってしまったのです。民主主義に基づいて築かれた制度は問題なく機能し、国としては全ての自由を手にしている。にもかかわらず選挙そのものは狂っているとしか思えないものになっている。

 

民主主義というのは本来、マジョリティである下層部の人々が力を合わせて上層部の特権階級から社会の改善を手にしようというものです。ですから、民主主義は今、機能不全に陥っている。そしてこの機能不全のレベルは教育格差によって決まるのです。

 

教育格差と新しい貴族階級


教育の評価基準の特殊な点は、上層の人々の権力を驚くほど正当化してしまう点です。またそれは同時に、高等教育を受けなかった人々の自信を破壊してしまうものでもあります。

 

ここで忘れてはないらないのは、社会全体がそうなってしまったら、その社会の進歩は止まってしまうということです。非常に優秀と言われる高等教育を受けてエリートたちに指導されている国々で、高等教育の発展が、実は知性にとっては非生産的な結果をもたらしたと言えるかもしれません。

 

もはや「貴族階級」の称号であるかのようになった今、我々は全く別のフェーズに移行しようとしていると言えるのです。私が言いたいのは、この高等教育の機能の1つが、社会を階級化し、選別するものになってしまっているということです。

 

今の高等教育は学ぶ場ではなく、支配階級が自らの再生産を守るためのものになり、被支配階級の子どもたちよりもどれだけ上の教育を受けられるか、ということが重要になっている。

 

高等教育を「買う」ということすら可能です。アメリカではそれが顕著で、大金を払ってハーバード大学に入学することも可能な時代です。いかに自分が従順であり、忍耐強く、そして順応主義であるかを見せつけるために高等教育を受けるのです。しかし、そこで生まれるのは「バカ」しかいないことです。

 

マルクスの言う階級の現代版といえるでしょう。マルクス主義的な階級社会はもともと資本の所有でしたが、今日ではこの階級に「教育」という新たなツールが加わり、思想的、そして社会的な階級の存在を正当化しているのです。いわゆる高等教育を受けたエリートたちは、決して能力主義のおかげでそこにいるわけではなく、あくまで階級によってそこにいるのです。

 

エリート対大衆の闘争が始まる


とにかくこの教育の階層化経済的な階層化相違は、永遠に止まらない動的なプロセスとして見ることができます。

 

今の若者たちは現状のシステムに疲れています。もし希望があるならば、この世界、あるいはシステムから出たい、と思う人々がいるのです。イギリスのEU離脱やフランスで起きた黄色ベスト運動はその好例です。

  仏大統領マクロン派の権力側と「黄色いベスト」たちの対立
高等教育を受け、非常に頭が良いとされながら実際には何も理解していない人々と、下層に属する、多くは30代から40代の低収入の人々、高等教育を受けていないながらも知性のある人々の衝突でした。つまり、フランスで学業と知性の分離は先行して始まっていたのです

庶民階級で非常に知性溢れる人々がたくさんいる一方、上流階級には信じられないほど愚かな人々がたくさんいるのも事実です。これが今の階級構造だと思います。そして、黄色いベスト運動でもそうでしたが、彼らは彼らの中で自分たちのエリートを見つけています。これから何が起きることは明らかでしょう。まさしく階級闘争の再来です。

フランス労働組合の歴史専門家であるステファン・シロット(フランス語版)は、黄色いベスト運動には伝統的な労働組合が代表していない労働者(ビジネスオーナーや自営業者)が含まれており、フランスの労働組合は共同歩調を取ることを躊躇し、彼らとは交渉したくない人たちも存在していると述べる。運動の中の極右の要素の存在はCGTの参加を思いとどまらせた。」

黄色いベスト運動 - Wikipedia

「伝統的な左派右派の対立ではなく、反エスタブリッシュメント反グローバリゼーションに基づく点は他の運動との大きな違いである[50]。実際にフランスの世論調査会社とフランス研究者の田中友義によると、この運動の支持者の多くは欧州議会議員選挙極右ポピュリズム政党国民連合に投票した一方、極左ポピュリズム政党も躍進した。」

伝統的な左派右派の対立ではなく、反エスタブリッシュメント反グローバリゼーションに基づく点は他の運動との大きな違いである[50]。実際にフランスの世論調査会社とフランス研究者の田中友義によると、この運動の支持者の多くは欧州議会議員選挙極右ポピュリズム政党国民連合に投票した一方、極左ポピュリズム政党も躍進した。」

*****

 W.何を言っているのか、定かではないがニュースソースではある。

>究極のところ個々人の生き方、価値観の問題に集約される。

>EU離脱は技術的に困難である、とエマニュエルトッドは云う。

@英国の離脱は、ポンド通貨維持のまま(結局は英国シティーの伝統的な金融資本力EUに引き渡すし経済自主決定権を手放す不利益を知っていた)、EUに加盟したので、自国の金融界がドイツと追従するユーロの圧力に晒されても耐えていけた。

EUのヒトモノカネの絡み合いの中に取り込まれると、

news.yahoo.co.jp

(W注③)

エマニュエルトッド「人間はどこからきて今どこにいるのか」

直系家族型社会~ドイツと日本~

経済的な有利さと人口危機

引用

「ドイツと日本は人口問題の脅威を前にして、完全に正反対のやり方で反応した。

移民に門戸を開けたドイツ。

他方、日本は現在のところ自国の人口減少と国力の低下を受け入れている。」

ベルリンの壁崩壊が奇跡的打開策を提供した。

それは東独からきたドイツ人たち、「ドイツ国籍」のソビエト人たちからなる移民集団だった。

既に教育を受けていて熟練でもあり、同化し易いこの労働力が、国民の年齢ピラミッドの空いていた人口の不足の穴埋めをした。

シリアとアフガニスタンからの移民の波が押し寄せる前夜にドイツは既に国内に外国生まれの住民を驚くほど抱えていた。

>その%は2012年には総人口の13,3%であった。

この点ですでにドイツは米国の13%をも追い越し

特にフランスの11,9%を凌駕していたのだ。

ドイツ以上の比率で外国生まれの住民を抱えていたのはスウェーデンだけでその率は

15,5%だった。」

>ドイツが製品の品質の落ちるリスクを冒してまで東ヨーロッパの唐動力を統合した生産回路を確立したときに、日本にとって最優先事項はサプライチェーンの自律性を保全することだった。

また日本は福島原発事故の後でも絶え間ない地震の脅威があるにもかかわらず、自国の民生利用の原子力産業を維持した。

>日本の内向性とドイツの外交性が著しい対照をなしている。

>もしアジアにドイツと完ぺきな等価なものを探すなら、それが見つけられそうなのは韓国だ。あの国では仏教徒は人口の24%であるにたいしてキリスト教徒は31%を占めている。

@もっとも中国東北部朝鮮族が存在していることで移民導入が容易なのが事実だ。

@また、韓国文化が外交的で感情表現に適しているとみなし

@米国流の人類学者ならば、遠慮を優先する日本文化の正反対だと評するだろう。